前回行われた2020年のJBC大井開催では、JBC2歳優駿も含めて4競走全的中の快挙を達成しました。今年も全突破を狙っていますが、調子こくと悲惨な目に遭うので謙虚にいきます(笑)。また、最初のJBCレディスクラシックを外すとシラけるので、何とか突破したい気持ちです。当たるような気がしていますけど…。
発走時刻が早い順に掲載しておりますm(__)m。
■JBC大井のポイント
今回のポイントは前哨戦の東京盃やレディスプレリュードと全く違う馬場だということ。東京盃はドンフランキーが1分00秒0のレコードタイムで優勝して話題を集めたが、今開催は青森県の六ケ所村産+東通村産から、粒が大きいオーストラリア産に入れ替えられ、砂厚も8㎝→10㎝に変更。
これによりタフな馬場となり、スピードや決め手が削がれるため、スタミナのある馬が活躍しているということだ。
大井9R JBCレディスクラシック ダ1800m
◎ (4)アイコンテーラー
○ (1)ヴァレーデラルナ
▲ (10)テリオスベル
△ (2)グランブリッジ
△ (12)アーテルアストレア
△ (8)ライオットガール
△ (3)スピーディキック
△ (5)レディバグ
結論 馬複4-1,10,2,12,8,3,5 (10:10:10:10:6:2:2) 複勝4 (50)
■有力馬とそのコメント
◎(4)アイコンテーラー
休養明け&初ダートで前々走のBSN賞を圧勝すると、前々走のシリウスSでも2着と好走した馬。前走は2番枠から五分のスタートを切って、外から内に切れ込んだサンマルレジェンドを行かせて、その外へ誘導。道中は2列目の外を追走し、3角では前2頭の外から仕掛けて4角ではもう先頭。そこから追われて抜け出し、後続を突き放したが、最後に外から伸びてきたハギノアレグリアスに捕らえられて、1馬身1/4差。しかし、3着馬に3馬身半差を付けており、早仕掛けでこの内容は立派なもの。
前走は3角でやや反応が甘くて、押して押して行ったら、勢いが付いて4角で先頭に立ってしまって、後続の目標にされたという内容。ラスト6F辺りから仕掛けて最後までしぶとかった内容はダ1800mよりもダ2000mでこそ。しかし、大井のタフな馬場ならばそれくらい長距離適性がある馬のほうが好ましい。まだダートのキャリアが浅くダート慣れも見込め、ここは順当に勝利が期待できる。
○ (1)ヴァレーデラルナ
昨秋のJBCレディスクラシックの覇者。同レースでは大外12番枠から五分のスタートを切って、内の馬の出方を窺いながら、2番手の外を追走。3角手前で外から(10)テリオスベルが並びかけてくると、それに抵抗して並走。4角出口で仕掛けて直線で早々と先頭に立つと、しぶとく粘り、外から迫る(2)グランブリッジをクビ差退けた。
昨秋のJBCレディスクラシックは超高速馬場。サルサディオーネが逃げたが、ペースを引き上げられなかったことで、前有利の流れとなり、ここでは展開に恵まれた。本馬は今年1月のTCK女王盃では2着。2番枠から好スタートを切って最序盤は先頭だったが、外からハナを主張する(10)テリオスペルに行かせて2番手を追走。ラスト1Fでそのテリオスベルを交わして先頭に立ったとこをろ、(2)グランブリッジに差されて1馬身差だった。
しかし、JBCレディスクラシックを大目標にした後の一戦だったことを考えると上々の内容。その後のエンプレス杯は距離延長とタフな馬場が応えて2着。また前々走のかしわ記念は川崎以上にタフな馬場の船橋で、1番枠から積極的に出して逃げ、カジノフォンテンに競られて苦しくなって大敗したもの。
今回は立て直されて2戦目。タフな馬場ではグランブリッジの方が上だが、今回での勝負度合いは本馬のほうが上で対抗馬とした。実際にこのレースでは、2017年の優勝馬ララベル、2018年の優勝馬アンジュデジールなどが、休養明けのレディスプレリュードで4着以下から巻き返している。
▲ (10)テリオスベル
前々走のブリーダーズゴールドCで、昨秋のクイーンC以来のグレードレース2勝を達成した馬。前々走は6番枠から五分のスタートを切って、かなり押して出鞭を入れてハナを主張。ハナを取り切ると後続との差を徐々に広げ、3角では2番手のパライバトルマリンとは4馬身差。4角ではそれを6馬身差まで広げて直線へ。ラスト1Fでパライバトルマリンに4馬身差まで詰め寄られたが、余裕を持っての完勝だった。
本馬は逃げ、もしくは早め先頭から上がりの掛かる展開に持ち込んでこその馬。前走のレディースプレリュードは、内の(9)ノーブルシルエットがしつこく抵抗したため、先手を取るのに苦労して4着敗退。前日にレコードタイムが出るような超絶高速馬場の1800mは向いていないが、それでも上位2頭とは1馬身3/4差だった。
今回は一転してタフな馬場。今回もノーブルシルエットがいるし、テンの速い◎(4)アイコンテーラーもいるが、両馬ともにハイペースにしていいタイプではないので、2角までには先手を取れると見て、3番手評価とした。
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■JBCスプリントの馬場と展開
今回のポイントはJBCの前哨戦の東京盃やレディスプレリュードと全く違う馬場だということ。東京盃はドンフランキーが1分00秒0のレコードタイムで優勝して話題を集めたが、今開催は青森県の六ケ所村産+東通村産から、粒が大きいオーストラリア産に入れ替えられ、砂厚も8㎝→10㎝に変更。これによりタフな馬場となり、スピードや決め手が削がれるため、スタミナのある馬が活躍しているということだ。
ここは今回初ダートとなるモスメイメイがどこまで行けるかは読みにくいが、テンは速いのでハナを主張してくるはず。大外のダンシングプリンスも逃げてこそなので、同馬に競り掛けて行くだろう。また東京盃でドンフランキーのハナを叩いたギシギシも最内枠を引き当て、前を狙ってくるはず。その他、強豪先行馬が多数出走しており、ここはペースが上がる可能性が高いと見ている。
大井10R JBCスプリント ダ1200m
◎ (11)リメイク
○ (15)ダンシングプリンス
▲ (7)ラプタス
△ (10)ジャスティン
△ (14)バスラットレオン
△ (6)マックス
結論 馬複11-15,7,10,14,6 (16:10:10:10:4) 複勝11 (50)
■有力馬とそのコメント
◎ (11)リメイク
昨年暮れのカペラSを圧勝し、ひと皮剥けた強さを見せると、今夏はプロキオンS2着、前々走のクラスターCでは好指数勝ちした。前々走は8番枠から出遅れて中団から挽回して好位の内目を追走。3~4角で上手く好位の中目のスペースを拾って2列目に押し上げて直線へ。そのまま先頭のドンフランキーを楽捕らえて、2馬身半差で圧勝した。
前々走は超高速馬場の盛岡で、前半3F33秒6-後半3F35秒0のかなりのハイペース。3~4角で上手く立ち回ってスピードに乗せたまま直線を向かえたとはいえ、上がり3Fタイム2位の馬を1.0秒も上回る33秒5の芝並みの末脚。本馬は前々走のような超高速馬場のハイペースが理想的な馬ではあるが、本馬は1400mもこなせるスタミナがある。
今回は韓国遠征後という点がやや不安ではあるが、ここ3戦では今回のメンバーにおいて一枚上の強さを見せていること、ダ1400m以下では崩れない安定感があり、今回は展開に恵まれる可能性も高いことから、ここは大崩れしないと見た。
○ (15)ダンシングプリンス
昨年のJBCスプリントの覇者。同レースは6番枠からまずまずのスタートを切って、二の脚でハナを取り切り、超高速馬場の盛岡で前半3F34秒4-後半3F34秒7の平均ペースでの逃げ。最後の直線でリュウノユキナに3/4差まで迫られたが、2番手のヘリオスには3馬身3/4差引き離しての完勝だった。本馬はこの時点ではNO.1と言える存在だったが、その後、◎(11)リメイクが力を付け、ドンフランキーという存在も現れた。
前走の北海道スプリントCは、4番枠から好スタートを切ってハナを主張したが、斤量59Kgを背負っていたために、そこまでスピードが乗らず、スペシャルエックス内から競られ、最内枠の(10)ジャスティンも内から抵抗。前半3F33秒7-後半3F38秒0の超絶ハイペースとなり、5着に失速した。前走は負けて当然の内容であり、定量戦で斤量57Kgのここは巻き返しが期待されるが、本馬は超高速馬場で平均ペースで逃げてこそのタイプなので、今回は馬場も展開も向かない。
ただし、今回は大外枠なので「2番手でもいいよ」という入り方ができるので、前走よりは楽なレースができるだろう。また、前哨戦の東京盃で展開に恵まれて連対したようなタイプは、2014年の1番人気馬ノーザンリバー→5着、2016年の5番人気馬ドリームバレンチノ→10着、2021年の3番人気馬(5)リュウノユキナ→5着と、この舞台でことごとく敗れていることもあり、本馬を対抗馬とした。
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■ブリーダーズゴールドジュニアCのレベルがポイント
このレースはサッポロクラシックCが2020年に門別1200mから1700mに条件変更されてから、同レースの連対馬の活躍が目立っていた。2020年の優勝馬ラッキードリーム、2着馬のトランセンデンス、2022年の2着馬ベルピットがそれである。つまり、サッポロクラシックCの連対馬でここが目標の馬を本命にするだけで、的中にかなり近づけていたが、今年からそうもいかなくなった。
というのはサッポロクラシックCがまた門別1200mに戻り、開催時期も早まってしまったからだ。ホッカイドウ競馬は短距離路線に力を入れ、中距離路線の牡牝混合重賞は、8月のブリーダーズゴールドジュニアCとサンライズCしかない。しかも、ブリーダーズゴールドジュニアCは今年からHⅠ→HⅡに降格し、1着賞金も600万円→500万円に減額された。
これにより今後は門別勢の中距離路線のレベル低下が予想され、2020年以降の門別勢の快進撃はストップし、JRA勢が2019年以前のように活躍しそうだ。何れにせよ、ブリーダーズゴールドジュニアCのレベルがポイントとなる。
門別11R JBC2歳優駿 ダ1800m
◎ (5)ブラックバトラー
○ (3)フォーエバーヤング
▲ (12)サンライズジパング
△ (4)ティントレット
△ (1)ダバイエスペランサ
△ (9)エストレヤデベレン
△ (10)パッションクライ
結論 馬複5-3,12,4,1,9,10 (20:12:6:4:4:4) 複勝5 (50)
■有力馬とそのポイント
◎ (5)ブラックバトラー
前々走のブリーダーズゴールドジュニアCを勝利した馬。前々走は1番枠から五分のスタートを切って中団の最内を追走。3角手前で最内からじわっと位置を上げ、4角では逃げ馬カプセルの後ろ。直線で同馬の外に出されると、それを交わして1馬身半差で勝利した。
前々走で2着に敗れたカプセルは後の平和賞の勝ち馬、2馬身半差の3着馬サントノーレは鎌倉記念の勝ち馬だ。前走のサンライズCは2着に敗れたが、前々走がハイレベル戦だっただけに、少し疲れも残っていたのだろう。前記したラッキードリーム、トランセンデンス、ベルピットもサンライズCで2着以下に敗れていた馬たちだ。
本馬は対門別組ではキャリアが浅いが、JRA勢は初ダートや1戦1勝馬、ダートのキャリアが浅い馬ばかりなのに対して、ダートの経験が豊富で地の利もある。○(3)フォーエバーヤングも本命候補だったが、ここは配当面も考慮し、本馬を本命に推す。
○ (3)フォーエバーヤング
京都ダ1800mの新馬戦の覇者。同レースでは2番枠からまずまずのスタートを切ったが、二の脚で置かれて位置が下がり、そこから1番枠の馬の外に出して好位の直後を追走。外に出せるタイミングがなく、向正面では内目で包まれた。手応えに余裕がありながらも4角では前に馬がズラリ。そこでも外に出せない状況だったが、直線序盤で馬の間が開くと一瞬で抜け出し、そこから一気に後続を突き放して4馬身差で圧勝した。
ラスト2Fは12秒8-12秒2。最後の直線で抜け出してから、他馬とはフットワークの回転スピードが違っており、やはり映像通りというべきか、ラスト1Fが急加速で速い。
砂を被っても問題なく、最後の脚も文句なしで、見たところまだ余裕たっぷり。当然、ダートで今後の活躍が期待できる馬ではあるが、あの瞬発力ならいずれ芝路線に転向しても面白そうだと感じている。何れにせよ、素質はAAAだがデビュー2戦目で輸送、そして門別のタフな馬場に対応できるかという点が不安がある状況での1番人気なので、対抗馬とした。
▲ (12)サンライズジパング
6月東京芝のダノンエアズロックが勝利した新馬戦では好位から伸びずバテずの4着。前走はデビュー2戦目で、初ダートながら1番人気に支持された。確かに大型馬で前肢の掻き込みが強いフットワークから、芝よりもダートのほうが合う印象はあった。
レースは1番枠から五分のスタートを切って好位を取ったが、1角で外に張りそうになるのを抑えて中団から。枠なりに最内からじわっと上がり、3角では2列目に進出した。3~4角で前との差を詰め、4角で外に誘導しようとしたところで、外に膨れてノイヤーヘルトと接触。同馬の体勢を崩す形になったが、それが壁になったことでそこまで大きく膨らむことなく、先頭列に並びかけた。直線ではジワジワと後続を引き離し、ダート経験馬たちを相手に4馬身差をつけて快勝した。
ラスト2Fは12秒8-13秒1とまずまずだが、芝の新馬戦で見せたようなフットワークの空転感がなく、やはりダートが合うのだろう。レースぶりに気性面の若さを残すが、今回はダートに慣れての前進が見込める。
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■JBCクラシックの馬場と展開
今回のポイントはJBCの前哨戦の東京盃やレディスプレリュードと全く違う馬場だということ。東京盃はドンフランキーが1分00秒0のレコードタイムで優勝して話題を集めたが、今開催は青森県の六ケ所村産+東通村産から、粒が大きいオーストラリア産に入れ替えられ、砂厚も8㎝→10㎝に変更。これによりタフな馬場となり、スピードや決め手が削がれるため、スタミナのある馬が活躍しているということだ。
ここはタフな馬場では前の位置を取ってくる森騎手鞍上のノットゥルノがどこまで前を主張してくるかにもよるが、テンが速くないケイアイパープルが逃げるならばペースは速くならないだろう。ここは展開に幅を持たせて予想を組み立てたい。
大井11R JBCクラシック ダ2000m
◎ (5)ウィルソンテソーロ
○ (4)ケイアイパープル
▲ (7)メイショウハリオ
△ (3)テーオーケインズ
結論 馬連5-4,7,3 (18:18:14) 複勝5 (50)
■有力馬とそのコメント
◎ (5)ウィルソンテソーロ
8走前の初ダートの未勝利戦では、3番手から最後の直線早めに抜け出して、3勝クラス通用域の指数で勝利した素質馬。その後2勝クラス、3勝クラスを連勝。4走前の名古屋城Sは、8番枠からまずまずのスタートを切ったが、内の馬が外によれて、タックルされる不利。そこから狭いところを通って位置を上げ、好位外まで挽回して追走。最後の直線序盤でしぶとく伸びてはいたが、ラスト1Fで甘くなっての9着に敗れた。
4走前はダ1800mで1分50秒2の好タイム決着となったように、超絶高速馬場。スタート直後の不利を挽回するのに脚を使ったことや終始3頭分外を回るロスを考えれば、崩れても仕方のない内容だった。しかし、能力を出し切れずに敗れれば巻き返すのが競走馬の宿命。3走前のかきつばた記念では初重賞制覇を達成した。
3走前は8番枠から五分のスタートを切って、好位外を追走。2周目の向正面では外からルーチェドーロが捲ってきたが、それをやり過ごして4角で外に出して先頭列で直線へ。直線では本馬が上がってくるのを待っていたドライスタウトと追い比べになったが、それをハナ差で制した。
そして休養明けの前々走マーキュリーCでは、初めての距離2000mにも対応して、重賞2勝目を達成。前々走は9番枠から五分のスタートを切って、無理せず5番手を追走。3~4角からじわっと進出して、4角で前を射程圏に捉えると、直線で一気に伸びて4馬身差の圧勝。ここでは今年の帝王賞の勝ち馬(7)メイショウハリオと同等の指数を記録した。
ただし、前々走は緩みない流れとなったことで展開に恵まれ、超絶高速馬場でスピードが問われたことで、距離適性がそこまで求められなかった面もある。そこで自己最高指数を記録となると、前走の白山大賞典は不安もあったが、3番枠からまずまずのスタートを切って好位でコントロール。2週目の3角で好位の外から押し上げて4角では2列目の外。そのまま直線でメイショウフンジンを捕えて半馬身差で勝利した。
前走は陣営もコメントしていたように、ここへ向けての叩き台だったはず。相手がそこまで強くなかったとはいえ、あっさりと勝たれたように、本馬はダートで底を見せ切っていない。また今年の帝王賞の上位2頭が休養明けに対して、本馬は夏場を順調に使われた強みもあり、ここはJpnⅠ獲りのチャンスだ。
○ (4)ケイアイパープル
キックバックが苦手でありながらテンのスピードが速くないという弱点がある馬。しかし、昨年の平安Sでは3番枠からかなり押して出鞭も入れて2列目の外を追走し、3~4角で前2頭に並びかけ、ラスト1Fで先頭。外からテーオーケインズに突き抜けられたものの、2馬身半差の2着を死守。このように本馬は豊富なスタミナの持ち主で、早め先頭から押し切れることが強みだ。
また本馬は、佐賀、名古屋、金沢は最内の砂厚が深く、場合によっては他馬が避けて走る最内に進路が取れる、言わば裏路線を主体に使われている。そういう事情があって裏路線を使われているだけで、昨年の白山大賞典では、今年の帝王賞の勝ち馬(7)メイショウハリオと同等の指数を記録している。
同レースでは4番枠から五分のスタートを切って、前2頭から離れた4番手を追走し、2週目の4角では前2頭の外に出して3番手を追走。2週目の向正面で先頭に立つと、そのまま押し切る強い内容だった。今回は一転して表街道のこの舞台に出走。しかし、ここは相手は強いが、逃げたい馬は本馬のみという組み合わせ。タフな馬場では前の位置を取ってくる、森騎手騎乗の(2)ノットルノの出方にもよるが、マイペースで逃げられる可能性もかなりあり、対抗馬とした。
▲ (7)メイショウハリオ
昨年の帝王賞は5番人気ながら(3)テーオーケインズらを撃破し、優勝した馬。同レースは大外9番枠からやや出遅れたが、前半のペースがかなり遅かったこともあり、わりと楽に好位の外を確保。テーオーケインズをマークしながらの追走になった。しかし、向正面でスワーヴアラミスが外から捲って一気にペースアップ。これに抵抗して速度を上げたテーオーケインズ、クリンチャー、オーヴェルニュは最後の直線で余力がなく、苦しくなり潰れた。
一方、本馬は捲られてもワンテンポ待ち、脚をタメることを選択したことで、最後の直線で余力を残せた面が大きい。帝王賞は本馬が強かったというより、前記した馬たちが自滅したことが大きかったレース。当時、本馬が記録した指数はそこまで高いものではなかったが、ここへ来てかしわ記念、帝王賞を連勝。
今年の帝王賞では4番枠から五分のスタートを切って、中団の外を追走。3~4角で位置を押し上げ、最後の直線でも伸び続けて、内で粘るクラウンプライド、テーオーケインズらを交わして連覇を達成した。前走は前半5F60秒4-後半4F61秒5とややハイペースではあったが、そこまで差しが有利な決着だったわけではない。
また本馬はそもそもペースにあまり影響されることなく、外枠、あるいは外から自分の形で動ければ、常に安定して差し込んでくるタイプ。前走ではテーオーケインズと接戦だったが、外目の枠の今回は同馬よりも印を上に取りたい。
△ (3)テーオーケインズ
一昨年の帝王賞を含めて、GⅠ・JpnⅠで3勝を挙げた実績馬。一昨年のチャンピオンズCは、6番枠からまずまずのスタートを切って好位の中目を追走。向正面でスペースを作って、4角出口でそれを詰めて直線で外に出されると、圧巻の末脚。戦慄の6馬身差で完勝した。
昨年は平安SとJBCクラシックを優勝し、今年は川崎記念で2着。今年は一昨年と比べるとやや勢いは落ちているが、それでも3走前の川崎記念では好位の内から3角手前で外に出し、そこから勝ちに行く競馬で3着馬ニューモニメントに4馬身差を付けての2着に善戦している。
3走前は本馬が3角で外に出したことで内にスペースが生まれ、本馬をマークしていたウシュバテソーロがそこから先に抜け出し、直線で逆に同馬を追い駆ける立場となったもの。半馬身届かなかったが、タフな馬場で前半5F63秒3-後半5F66秒0のかなりのハイペースを3角から3角外から勝ちに行っての内容は悪くなかった。
前々走のドバイワールドCは6番枠から好スタートを切って4頭の先行争いに加わる形。外からパンサラッサが上がって来ると、3列目くらいの最内まで位置を下げて追走していたが、序盤で競り合った代償は大きく、最後の直線伸びあぐねて4着に終わった。しかし、休養明け好走後の一戦で激流に巻き込まれながらも4着と大崩れしなかった辺りはさすがではあった。
ただ前走の帝王賞はもっとやれると見ていたが、接戦の3着に終わった。Ⅰ番枠から出遅れて中団の最内を追走したため、3~4角で包まれて最後の直線で馬群を捌きながらの競馬になったにせよ、一昨年の帝王賞やチャンピオンズC時と比べると明確に物足りない。前走からさらに相手が強化されるこの一戦で、どこまで立て直されているかが鍵となるだろう。
△ (12)ケイアイパープル
キックバックが苦手でありながらテンのスピードが速くないという弱点がある馬。しかし、一昨年の平安Sでは3番枠からかなり押して出鞭も入れて2列目の外を追走し、3~4角で前2頭に並びかけ、ラスト1Fで先頭。外からテーオーケインズに突き抜けられたものの、2馬身半差の2着を死守したように、豊富なスタミナの持ち主で、早め先頭から押し切れる強みがある。
またケイアイパープルは佐賀、名古屋、金沢は内の砂厚が深く、場合によってはそこに進路が取れる、言わば裏路線を中心に使われている。一昨年の白山大賞典でも、4番枠から五分のスタートを切って、前2頭から離れた4番手を追走し、2週目の4角では前2頭の外に出して3番手を追走。2週目の向正面で先頭に立つと、そのまま押し切る強い内容だった。4走前の名古屋大賞典も2列目の砂厚の深いインコースから進出して早め先頭に立っての2着だった。
前走のJBCクラシックでは揉まれ弱さを見せて9着と大敗してしまったが、今回はそこから立て直されての一戦。ケイアイパープルは鉄砲駆けするタイプであり、今回は大外12番枠と自由に動ける枠でもあるので警戒しておきたい。