■今年は門別勢が優勢
このレースは過去10年で地方馬が6勝、2着6回、3着7回と、とにかく門別勢が活躍している。これは地方勢、特に門別はデビュー時期が早く、番組が充実しているのが理由だ。また門別勢が活躍するのは、どういう年かというと、中央馬に2勝馬や圧勝馬が出走していない年だ。
今年は2013年の覇者フクノドリームや2016年の覇者リエノテソーロなどの2勝馬は不在。2014年の覇者ウィッシュハピネスや2021年のヒストリックノヴァなどの前走で1.0秒以上、圧勝している馬も不在。ダートは未知数のスカイキャンバスが、「実はダート適性が高かった」のストーリーはあるかもしれないが、今年も門別勢が優勢と見る。
※11月4日(金)はJBC4大競走が行われます。前日から順次予想を更新し、当日の12時30分を目途に終える予定ですm(__)m。
門別11R エーデルワイス賞 ダ1200m
◎ (7)イイデスカイハイ
〇 (4)スカイキャンバス
▲ (3)ジュデシャンス
△ (5)ライトヴェール
△ (9)シシャモフレンド
△ (13)スティールマジック
△ (10)モノノフブラック
△ (2)ホーリーブライト
△ (11)ムーム
△ (14)ハニービート
結論 馬連7-4,3,5,9,13,10,2,11,14 (8:8:8:8:8:4:2:2) 複勝7 (50)
■有力馬とそのコメント
◎ (7)イイデスカイハイ
門別1200mの新馬戦をなかなかの好タイムで勝利した馬。デビュー2戦目のJRA認定ターフチャレンジⅡでは、その後、重賞のイノセントCとネクストスター門別と連勝したトラジロウと2馬身半差に善戦している。驚きは前々走のすずらん賞で、初芝の一戦ながら13番枠から好スタートを切って、逃げる(4)スカイキャンバスに競りかけ、差し馬台頭の流れを作ったこと。スピード能力はかなり高い。
前走のトルマリン特別も逃げ馬に競りかけ、途中からハナを奪ってオーバーペースを演出。差し馬のザイデルバストが勝利することになった。ここも当然ペースが厳しくなるであろうが、近2走の厳しい流れでスピードを問われた競馬の経験が生きれば、チャンスは十分にあると見る。
実際に前走の門別ダ1200m戦・リリーCでオーバーペースで逃げた2017年のストロングハートはこのレースを優勝、2015年のモダンウーマンは2着、2016年のアップトゥーユは3着と好走、善戦している。ちなみにトルマリン特別は、2020年よりこの時期の1000m~1200mで施行されたオープン特別。これまでは同レースからこのレースに参戦する馬は不在だったが、今年からリリーCの開催時期が移行したことで、今後はここを経由した馬が穴を輩出する機会が多くなると推測される。また、レースレベルも低くない。
○ (4)スカイキャンバス
今夏の函館2歳Sの3着馬。同レースでは1番枠から好スタートを切って、そこからは押してハナを主張。外のナスティウェザーが競り掛けてきたので、レースが淡々と流れて超ハイペースとなった。3~4角では2列目をやや離して、1馬身3/4差くらいのリードで直線へ。序盤は踏ん張っていたが、ラスト2Fで外から2頭に交わされ、最後に甘くなっての3着だった。
函館2歳S当日は重馬場発表でタフな馬場。レースが消耗戦になっており、逃げた本馬には厳しい流れだったが、3着に好走したことは高く評価できる。またその次走のすずらん賞も、◎(7)イイデスカイハイに競られながらも上々の3着。前走のカンナSは最内枠のモンシュシュマンのテンが速くて、ハナに行けず、同馬と競り合って10着に大敗したが、前走でテンの速いレースをしているので、本馬にダート適性があれば、楽に先手を主張できるはず。巻き返しを期待したい。
▲ (3)ジュデシャンス
前々走のフル―ルCの2着馬。前々走は6番枠から好スタートを切って一旦2番手にはいたが、外からトップスタートを切ったヨシノヒローインに内の(8)シシャモフレンドが抵抗していく形でテンが速くなったので、控えて3番手、最終的には先頭から離れた4番手を追走。4角で2列目の外に上がって、ラスト1Fで甘くなったシシャモフレンドを交わして同馬と1馬身半差の2着に好走した。
前々走ではヨシノヒローインには5馬身差を付けられてしまったが、勝ちに行っての2着なら上々。そこから1Fの距離延長となった前走・園田プリンセスCは1番枠から積極的に出して逃げ、終始地元のコモリリーガルにプレッシャーをかけられ、4角から早々と失速したが、前々走で好走した疲れもあったし、ペースも厳しく、距離も長かったのだろう。実績のある門別1200mで前を見ながらレースを進められるここは、巻き返しを期待する。
△ (5)ライトヴェール
門別1000mの新馬戦、オープンを連勝した馬。特に前々走のオープンでは、2番枠からトップスタートを切って、出鞭を入れての逃げ。外からジャティルウィにプレッシャーをかけられて緩みないペースで逃げて、最後の直線で苦しくなって内にヨレながらも6馬身差で逃げ切った。
休養明けの前走・トルマリン特別は3番手の外を追走していたが、◎(7)イイデスカイハイが3~4角で逃げ馬を競り潰したところで進出し、4角では同馬に並びかけていく形。ラスト1F付近で先頭に立ったが、その外からザイデルバストに差されて1馬身差の2着となった。結果的に早仕掛けでだった。
今回は前走から1Fの距離延長。スタミナが不足する休養明けだったにせよ、逃げなかった前走でもラスト1Fで甘くなっていることから、距離延長は好材料ではないと見ている。この距離に対応させるにはもっと後方で脚をタメる必要がありそうだ。ただし、今回はダートグレードでペースが速くなりそうなだけに、展開に恵まれる可能性は十分あると見ている。
△ (8)シシャモフレンド
デビュー2戦目で門別のクラシック一冠目のリリーCを勝利した馬。同レースでは6番枠からトップスタートを切って、マイペースの逃げ。最後の直線ではどんどん後続を引き離し、4馬身差の圧勝だった。本馬は1Fの距離延長となった次走のフルールCでは3着に敗れたが、これはリリーCを大目標にした後の一戦で、外からトップスタートを切ったヨシノヒローインのハナを叩いて、ペースが厳しくなったもの。
また前走のネクストスター門別は出遅れて自分の型の競馬ができず8着に大敗したが、五分のスタートなら巻き返しがあっても不思議ない。
△ (13)スティールマジック
門別1100mの新馬戦で逃げて9馬身差の圧勝を飾り、今回の栄冠賞でも2着と好走した馬。前走のオープンでも2着とは1馬身差だったが、3着馬には7馬身差をつけて完勝した。前走は5番枠から好スタートを切って、内の2頭を行かせて3番手の外を追走。3~4角の外を回って内のデカプリオを交わしにかかったが、同馬がしぶとく抵抗。しばらく並走状態が続いたが、ゴール手前で捕らえて1馬身差で勝利した。
前走は7馬身離された逃げ馬のパレスレガシーが次走でオープンを完勝しているように、ハイレベルだった。しかし、2着のデカプリオは次走のオープンで2番人気に支持されながらもドボン。本馬とマッチレースでハイレベル戦へと持ち込んだことで強い疲れが出たようだ。フローラルC大敗からの直行ならここで本命馬にした可能性が高いが、臨戦過程が好ましくないので評価を下げた。
△ (10)モノノフブラック
前々走のイノセントCで3着、前走のネクストスター門別では2着と牡馬相手の重賞で善戦した馬。前々走は1番枠から五分のスタートを切って、前3頭から離された5番手を追走。最後の直線でしぶとく伸び続けて、早めに2番手に上がったストリームにアタマ差まで迫った。
また前走のネクストスター門別は8番枠から好スタートを切って、3列目の外を追走。ここでも前2頭が飛ばしていく中での離れた3列目で実質差しの競馬だったが、3~4角の中目から4角で2列目まで上がって、最後の直線も脚を伸ばした。近2走とも前がペースを引き上げ、直線で早めにトラジロウが抜け出したことで、展開に恵まれての善戦。今回も展開に恵まれる可能性が高く、この馬なりの走りを見せられると見ているが、相手強化が課題となる。
△ (2)ホーリーブライト
中央所属の1勝馬。前々走の未勝利戦では、16番枠から好スタートを切って、一旦先頭に立ったが、内からハナを主張するカラフルメロディーに行かせて、その外からプレッシャーをかけていく形。緩みない流れとなり、ラスト2F12秒1-13秒1と失速したが、本馬とカラフルメロディーがワン、ツーを決めた。
つまり、相手が弱わく、最後に失速した本馬とカラフルメロディーを、差せなかったということ。実際にこの未勝利戦で敗退した馬は、当時が初ダートだったマーゴットファイブしか勝ち上がっていない。本馬の前走・ヤマボウシ賞6着敗退も納得の結果であるが、JRA勢は門別勢と比べてキャリアが浅いので上昇力は見込める。
△ (11)ムーム
休養明け&初ダート、初ブリンカー着用でもあった前走・未勝利戦で一変して勝利した馬。前走は6番枠からまずまずのスタートだったが、二の脚が速く、じわっとハナへ行くことに成功。マイペースの逃げだったが、他馬にからまれることなく、最後の直線では一気に後続を引き離す。しかし、ラスト1Fで甘くなって、2番手のシリウスに3/4差まで迫られる形。3着馬に6馬身差の差を付けていたが、このレースも△(2)ホーリーブライトの未勝利戦以上に凡戦で、まだ一頭も勝ち上がっていない。
しかし、キャリアが2戦と浅く、ダートのキャリアも浅いことから、ここで一気の上昇を見せても不思議ない。ただし、相手も強いので、よほど大きく変わらないと連対圏内に突入するのは難しいと見る。
△ (14)ハニービート
前々走のフローラルCの2着馬。前々走では7番枠から五分のスタートを切って、中団の外を追走。最後方から3角手前で捲って上がったサウスヴィルを追い駆けて進出。4角では2列目まで上がって、直線序盤で先頭に立ったが、そこを内からアメリアハートにすくわれて半馬身差の2着となった。
ただし、前々走は前半4F50秒0-後半4F56秒8の超絶ハイペース。(12) モズミギカタアガリと△(13)スティールマジックが競り合ってペースを引き上げたことで展開に恵まれた面は否めない。
前走のフルールCは最後の直線でアメリアハートが外に斜行し、進路をカットされて下がる不利があっての8着大敗だったが、上がってからもさほど盛り返せてはおらず、決定的なものではなかったと見ている。前走で1700mを使われ、差す競馬をしているので、ここではテンに置かれるとみているが、展開に恵まれて、どこまで着順を上げられるかになってくるだろう。