2023年 黒潮盃の予想 – 競馬予想 – 山崎エリカ –

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地方競馬

2023.08.16
2023年 黒潮盃の予想

Hero Showdown!

今年3月の雲取賞、ヒーロー対決ではヒーローコールが優勝。当時も今回のように何が何でも逃げたい馬は不在だった。コールは南関クラシック路線を経由し、マンダリンヒーローは米国クラシック路線を経由。マンダリンはケンタッキーダービーでは歯が立たなかったが、サンタアニタダービーで2着と大健闘した。

さて、マンダリンはコールを越えたか? またコールはなぜ古馬相手のサンタアニタTを使ったのか? 山崎の答えはここに。

大井10R 黒潮盃 ダ1800m
 ◎ (12)ヒーローコール
 ○ (2)マンダリンヒーロー
 ▲ (4)スイフトランナー
 注 (3)ショウガタップリ
 △ (1)タイガーチャージ
 △ (14)メーサンデュラント
結論 馬連12-2,4,3,1,14 (20:10:8:6:6) 複勝12 (50)

■有力馬とそのコメント

◎ (12)ヒーローコール

 今春の羽田盃、東京ダービーともに2着だった馬。羽田盃は8番枠からやや出遅れたが、二の脚で楽に挽回して好位の外を追走。向正面でやや位置を上げて2列目の外で直線へ。直線ではどんどん差を広げられ、結果6馬身離されてのゴールだった。

 この点を踏まえて東京ダービーでは、3番枠から五分のスタートを切って好位直後の中目から向正面で外に誘導して早めに動いて行く競馬。3角手前で外から2番手のミックファイアに並びかけたが、3~4角で同馬に差を広げられ、直線ではさらに突き放され、ここでも6馬身差の2着に敗れた。クラシック2戦ではミックファイアに完敗だったが、同馬は後のジャパンダートダービーの覇者。相手が悪かったとしか言いようがない。

 前走は古馬相手のサンタアニタTに出走。別定戦のここ黒潮盃では斤量58Kgが確定していたため、3歳馬でハンデが軽くなることを期待して同レースに登録したのもあるだろうが、結果ハンデ57Kgながら出走に踏み切ったのは、当初からここが目標でひと叩きしておきたかったからだろう。

 また前走は前有利の馬場を8番枠からスタート時に内にヨレて接触。そこから押して行ったところで、外からシュアゲイトが急な角度で内に切り込んだ影響で進路が狭くなり、そこで立ち上がって後方3番手からの競馬になる不利、そこから再び押して中団馬群の中目まで位置を挽回する不利があった。

 前走はかなり忙しい競馬になっているが、それを考慮しても4角で手応えを失っての10着大敗は負け過ぎ感はある。クラシック2戦で好走した疲れが出ている可能性もあるが、小久保厩舎は今年4月のクラウンCでポリゴンウェイヴが連闘策で優勝したように、連闘や中1週に強い厩舎。勝算がなければこういう使い方はしない厩舎だけに、ここは本命馬とした。

○ (12)マンダリンヒーロー

 デビューから4連勝目でハイセイコー記念を優勝した馬。その次走の雲取賞では2着。同レースでは2番枠からトップスタートを切って、外のトワシュトラール、◎(12)ヒーローコールを行かせて、2列目の最内を追走。4角で早めに動いて前2頭の外に出されると、そこからヒーローコールを追い駆けたが、1馬身及ばずの2着。少なくともこの時点では、逃げ馬に競り掛けて行ってラスト1Fで抜け出して優勝したヒーローコールのほうが上だった。

 本馬はその次走でケンタッキーダービーの前哨戦であるサンタアニタダービーに出走し、そこではハナ差の2着。このレースは逃げ馬が3~4角で失速して5着、それに競り掛けた馬が最下位8着に敗れているように、いかにも米国らしい緩みない流れ。その流れを中団馬群の中目でレースを進めていた本馬は展開に恵まれたのは確か。

 それでもこのレースの4着馬National Treasureが次走のプリークネスSを優勝していることから、それなりのレベルだったと推測される。末脚を生かす競馬が吉と出たようで、ここでは当然、格上の存在となる。おそらく成長力でヒーローコールを上回る存在になった可能性が高いが、今回は帰国緒戦。目標はこの先のダービーグランプリ辺りと推測されるだけに、対抗馬とした。

▲ (4)スイフトランナー

 デビューから3連勝後のニューイヤーCでは7着、その次走の船橋フューチュリティMでも8着に敗れたが、今年6月の水無月特別で休養明けから復帰すると、古馬相手にいきない勝利。前走の納涼特別でも2着と好走した。

 前走は3番枠から好スタートを切って、外の3頭に行かせて好位の内4番手を追走。3角で外の3番手に上がって、4角2列目から直線へ。序盤で2番手まで上がったが、逃げ馬にはじわじわ離されて、結果的に3馬身差の2着だった。しかし、相手関係を考えると上出来の内容。これまでのキャリアが7戦と浅いことからも、まだ伸びしろがあるはず。また何が何でも逃げたい馬が不在のここで、前に行ける強みも魅力だ。

注 (3)ショウガタップリ

 金沢で11戦11勝で、牝馬ながら石川ダービーを制した馬。前々走の石川ダービーでは、9番枠からまずまずのスタートを切って好位の外を追走。行きたがるのを我慢させながら、終始外々を追走していたが、2週目の向正面で先頭に並びかけ、3角ではもう先頭。そこからじわじわ後続を引き離して4馬身差で優勝した。同レースの2着馬はダイヤモンドライン。前走の加賀友禅賞の2着馬もダイヤモンドラインであるように、金沢の3歳馬が相手では「敵ナシ」と言える。

 今回は激戦区の南関東に挑戦。例年のレベルならともかく、今年の3歳世代はハイレベルだけに、そこがどうか? ただ◎(12)ヒーローコールも▲(2)マンダリンヒーローも万全の状態ではないだけに、レースを順調に使われている強みを生かしての浮上のチャンスはあると見る。

△ (1)タイガーチャージ

 5走前の白鳥特別ではサベージを撃破して勝利した馬。同レースでは3番枠からまずまずのスタートを切って序盤は2列目の外を追走。向正面で2番手に上がったが、サベージが外から捲ってきたので、そこで一旦控えて3番手で脚をため、3~4角の外から動いて同馬とのマッチレースへ。ラスト1Fでサベージが抜け出したが、残り100mで甘くなり、そこを本馬がわずかに差し切った。

 サベージは後の京浜盃の覇者であり、羽田盃で3着の実績馬。そこを考えると京浜盃も羽田盃も本馬なりに成長しているが、物足りなくも映る。前走の高知優駿ではユメノホノオに大差を付けられ、短距離馬のポリゴンウェイヴにも1馬身差をつけられての4着。実質大敗だったが、そこから立て直された今回は変わり身に期待したい。

△ (14)メーサンデュラント

 今年に入って条件戦を3連勝した馬。3走前は5番枠から好スタートを切って、逃げ馬から5馬身くらい離れた2番手を追走。3~4角で逃げ馬との差を詰めて、2馬身差で直線へ。残り100m手前で先頭に立つと、一気に後続を突き放して、3馬身半差で完勝した。

 その次走の京浜盃では押せ押せの臨戦過程が祟って8着に大敗したが、デビューから距離を伸ばしてパフォーマンスを上昇させた点が好ましい。前走の夕凪賞はスタミナが不足する休養明けで初めての1800m戦。前有利の馬場&展開を意識して好位の内から早めに動いて行ったために最後の直線で甘さを見せたが、もっと脚をタメていたら上位馬にそこまで差を付けられなかったはず。ここはひと叩きされての変わり身を警戒したい。

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