■前有利な馬場
5回大井1日目は逃げ切り10回、昨日は4回。昨日の優駿スプリントのように、前半3F34秒2-37秒5とかなりペースが上がっても、先行策から押し切れるような前有利の馬場だ。今、大井が目指しているのは、JRAと同じくらいの速さのダートとのこと。開催後半になるにつれて差しが決まりだすのが通例だが、これからも基本的にタイムの速い決着になるはず。
大井11R 帝王賞 ダ2000m
◎ (8)プロミストウォリア
〇 (1)テーオーケインズ
▲ (10)ジュンライトボルト
注 (4)メイショウハリオ
△ (2)クラウンプライド
△ (5)ノットゥルノ
△ (9)ライトウォーリア
△ (12)ハギノアレグリアス
結論 馬複8-1,10,4,2,5,9,12 (10:5:3:2:2:2:1) 複勝8 (50)
■有力馬とそのコメント
◎ (8)プロミストウォリア
骨折による長期休養明けから復帰してから、怒涛の5連勝ともっとも上昇軌道に乗っている馬。前々走の東海Sでは、10番枠から五分のスタートを切って、そこからじわっとハナを主張し、前半4F50秒2-後半4F48秒6のかなりのスローペースで逃げ切り勝ち。当時はラスト1Fで外から伸びて来た結果2着の(12)ハギノアレグリアスが、カラ馬のヴァンヤールが邪魔になり、ブレーキをかける不利で本来の能力を出し切れなかったが、それを差し引いても3着ハヤブサナンデクンに4馬身差は高いパフォーマンスだった。
前走のアンタレスSは一転して、前半4F47秒5-後半4F50秒1の緩みない超ハイペースでの逃げ切り勝ち。ハイペースでも高水準で逃げ切れるとなると、休養明けでも逆らいにくい。また今回は楽にハナへ行ける組み合わせで、2番手が(2)クラウンプライドの川田騎手となると平均前後で収まると見ている。
〇 (1)テーオーケインズ
一昨年の帝王賞を含めて、GⅠ・JpnⅠで3勝を挙げた実績馬。一昨年のチャンピオンズCは、6番枠からまずまずのスタートを切って好位の中目を追走。向正面でスペースを作って、4角出口でそれを詰めて直線で外に出されると、圧巻の末脚。戦慄の6馬身差で完勝した。
昨年は平安SとJBCクラシックを優勝し、今年は川崎記念で2着。一昨年と比べるとやや勢いは落ちているが、それでも前々走の川崎記念では好位の内から3角手前で外に出し、そこから勝ちに行く競馬で3着馬ニューモニメントに4馬身差を付けての2着に善戦している。
本馬が3角で外に出したことで内にスペースが生まれ、本馬をマークしていたウシュバテソーロがそこから先に抜け出し、直線で逆に同馬を追い駆ける立場となり、半馬身届かなかったが、タフな馬場で前半5F63秒3-後半5F66秒0のかなりのハイペースを3角から3角外から勝ちに行った本馬のほうが内容が上だった。
前走のドバイワールドCは6番枠から好スタートを切って4頭の先行争いに加わて行く形。外からパンサラッサが上がって来ると、3列目くらいの最内まで位置を下げて追走していたが、序盤で競り合った代償は大きく、最後の直線伸びあぐねて4着に終わった。しかし、休養明け好走後の一戦で激流に巻き込まれながらも4着と大崩れしなかった辺りはさすがと行ったところ。立て直されての今回は巻き返しの公算が高く、ここは相手本線で狙いたい。
▲ (10)ジュンライトボルト
デビューからしばらく芝を使われていたが、長期休養明けの6走前からダート路線に転向し、上昇一途で昨秋のチャンピオンズCを制した。同レースでは5番枠からまずまずのスタートを切って、序盤は内のハピとのポジション争いの形。外のレッドソルラードらを行かせながら最終的には控える形で中団の内を追走。向正面でも中団馬群の中でレースを進め、3~4角で包まれて、直線序盤で進路がなかったが、○(1)テーオーケインズについて行く形で進路を作り、その外からラスト1Fでグンと伸びて最後に粘る(2)クラウンプライドを捉えてクビ差で優勝した。
チャンピオンズCは一旦出して、道中で位置を下げて、最後の直線で進路がないという競馬。上手く乗ってもらえていなかった中で、しっかり結果を出したことは評価できる。海外の2戦は崩れたが、国内のダートでは無敗。立て直されての今回は巻き返しが期待できる。また芝でデビューしたダート馬というのは、ウシュバテソーロの活躍からもわかるように、その後の上昇力が大きいもの。まだ上に行ける可能性も残されている。
注 (4)メイショウハリオ
昨年の帝王賞は5番人気ながら○(1)テーオーケインズらを撃破し、優勝した馬。同レースは大外9番枠からやや出遅れたが、前半のペースがかなり遅かったこともあり、わりと楽に好位の外を確保。テーオーケインズをマークしながらの追走になった。しかし、向正面でスワーヴアラミスが外から捲って一気にペースアップ。これに抵抗して速度を上げたテーオーケインズ、クリンチャー、オーヴェルニュは最後の直線で余力がなく、苦しくなり潰れた。
一方、本馬は捲られてもワンテンポ待ち、脚をタメることを選択したことで、最後の直線で余力を残せた面が大きい。帝王賞は本馬が強かったというより、前記した馬たちが自滅したことが大きかったレース。本馬が記録した指数もそこまで高いものではなかったが、マイル以上で末脚を生かす競馬では崩れていないのも確か。ここも警戒が必要だ。
△ (2)クラウンプライド
デビュー4戦目でUAEダービーを優勝した素質馬。昨秋の復帰戦、日本TV盃でサルサディオーネ逃げる超ハイペースを3番手からしぶとく粘って2着と好走すると、その後のJBCクラシックとチャンピオンズCでも2着と好走した。チャンピオンズCは10番枠から坂スタートでスタートがそこまで速くはなかったが、ペースが上がらない中、外のレッドソルダードを行かせてその外2番手を追走と前で立ち回れたことが好走要因。それでも○(1)テーオーケインズらを撃破しての2着は評価できる。
海外の2戦はともに5着に善戦。良くも悪くも特筆するような内容ではなかったが、前崩れで展開に恵まれたはずの前走・ドバイワールドCで、中団中目から最後の直線で伸びあぐねた辺りから、2000mよりも1800mベストを感じる。ただし、帝王賞は一昨年の○(1)テーオーケインズのように成長期の4歳馬がよく穴を開ける舞台。今回も2番手、3番手でレースの流れに乗れれば、ペース次第で上位争いに加われる可能性が高い。
△ (5)ノットゥルノ
昨年の東京大賞典の2着馬。同レースでは逃げるショウナンナデシコの後ろでスペースを作って好位の最内を追走していたが、向正面で捲りが発生したことで3角で位置が下がってしまう。さらに前のカジノフォンテンが下がって来たために3~4角で外に出して4角出口で外。本馬が進路を探して仕掛けを待っている間に、4角外からウシュバテソーロに一気に前に出られて、本馬もしぶとく食らいついていたが、1馬身3/4差敗れた。
本馬はその次走の川崎記念では8着大敗。川崎記念はタフなダートで前半5F63秒3-後半5F66秒0のかなりのハイペース。6番枠から五分のスタートを切って、そこからじわっと行かせて2番手外を追走。スタンド前ではテリオスベルが上がって来たのでそれを行かせて、掛かり気味になりながら2列目の外と勝ちに行く競馬をしたために3~4角でもう手応えを失い、8着に敗れた。
前々走の川崎記念は3走前に好走した疲れもあったと見ているが、それにしても極端な結果。スタミナが不足する休養明けの前走・平安Sも、体重増の影響もあったが、リニューアル直後の京都のタフな馬場で9着に敗れている。一方、昨年のジャパンダートダービー勝ちの実績を含めて、大井2000mでは好成績を残せているだけに侮れない。
△ (9)ライトウォーリア
4走前の埼玉栄冠賞は逃げて3馬身差の圧勝、3走前の勝島王冠は大外16番枠から好位の外を追走して2馬身差で完勝した馬。本馬は最近は少しマシになって来ているとは言え、中央所属時代から逃げか、好位の外と揉まれない競馬ならば好走する馬だ。
3走前の東京大賞典は3番枠から好スタートを切って積極的に出して行ったが外から被され、前々走の川崎記念では12番枠からじわっと出してハナを主張したものの、外からテリオスベルに捲られてしまったように、交流重賞ではスピード不足で簡単には逃げられないが、今回は好位の外で立ち回れそうなメンバー&枠の並びなので、通用の可能性はある。
△ (12)ハギノアレグリアス
昨秋の阪神ダ1800mのOP・太秦Sを勝利すると、その後、ダートグレードで4戦連続連対と安定した走りを見せている馬。3走前の東海Sでは4番枠からまずまずのスタートを切って、3列目の最内を追走。3角でひとつ外に出し、4角出口で外に誘導して直線へ。そこからしぶとく伸びて、2番手のハヤブサナンデクンに接近したが、ラスト1Fでは外のカラ馬に邪魔をされて、ブレーキで位置を下げ、勝ち馬◎(8)プロミストウォリアと2馬身差の2着。
前々走は最後の手応えを考えると、ラスト1Fで不利がなければ、プロミストウォリアとの差を詰められていた可能性はある。しかし、その次走の名古屋大賞典で砂厚の深い内を通ったケイアイパープルとマッチレースとなり、アタマ差しか差を付けられなかった辺りにやや物足りなさを感じる。
また前走の平安Sもこれまでにないレベルのタフな馬場で、前半4F49秒6-後半4F51秒6とかなりハイペースと馬場にも展開にも恵まれながら、中団外からジリジリ。2着ではあったが、グロリアムンディには2馬身差を付けられた点にやはり物足りなさを感じ、大外枠でもある今回は評価を下げた。それなりに人気もあるので、ここは押さえ程度でも良さそうだ。