■逃げ先行馬と内枠が有利な舞台
過去10年では3角先頭馬が5勝。3角2~5番手以内だった馬が、3勝、2着6回、3着6回。馬番1~4番が3勝、2着9回、3着3回。地方競馬の中でももっともコーナーの角度がきつい小回りコースで、6回もコーナーを回るコースだけのことはあり、逃げ、先行して最短距離を通せる馬が活躍している。
この傾向は少々ペースが上がっても、外のほうが多少伸びる馬場でも大きく変わらない。
今年は前に行く(2)ランリョウオー、(7)ヒーローコールの小久保厩舎の2頭なので共存策を図ると見ている。その場合は外の(11)ライトウォーリアがハナへ行く可能性が高いが、同馬は折り合える馬。ライトウォーリアが逃げたとしても極端にペースは上がらないと見る。
川崎11R 報知オールスターC ダ2100m
◎ (11)ライトウォーリア
○ (3)ヘラルドバローズ
▲ (2)ランリョウオー
△ (6)テンカハル
△ (10)シシュフォス
△ (13)ジョエル
結論 馬連11-3,2,6,10,13 (16:10:10:10:4) 複勝11 (50)このラインより上のエリアが無料で表示されます。
■有力馬と評価ポイント
◎ (11)ライトウォーリア
上半期の大一番、川崎記念を優勝し、年度代表馬に選出された馬。同レースでは大外11番枠からまずまずのスタートを切り、押して内のアイコンテーラー、ノットゥルノを制してハナを主張。1周目の3角でハナを取り切ると、ペースを落とし、2周目の向正面でペースアップ。
3~4角で外からアイコンテーラーに並びかけられたが、半馬身差で直線へ。最後までしぶとく食らいつく同馬を振り切り、外から迫るクランブリッジも何とか凌いでアタマ差で勝利した。
川崎記念当日は前と内が圧倒的に有利な馬場で、本馬は展開に恵まれた面がある。また川崎記念は1着賞金1億と上半期に行われる最高超金額のレースだが、ドバイワールドCと時期が重なり、トップクラスが不在だった。このためJpn1としては低レベルで、指数も昨年の帝王賞や浦和記念と比較しても明確に低い。
しかし、逃げ、先行馬が多数だった前走の浦和記念でも2着に善戦。前走では10番枠から好スタートを決めて、ブリンカー着用&内枠を利してメイショウフンジンが好スタートを切ってハナを主張し、その外のダイシンピスケス、アウトレンジがかなり出していく展開をやや抑えて内に切れ込み、2列目の最内を確保。
道中はメイショウフンジンの1馬身ほど後ろを維持して追走していたが、2周目の3角手前のペースアップで置かれ、それを4角最内から盛り返して、4角出口で前2頭の外に誘導。直線ではアウトレンジは遥か前で、結果6馬身離差だったが、2番手のメイショウフンジンはかわして2馬身差でゴールした。
地方馬が相手のここでは前走くらいの走りでもここは上位争いに加われる可能性が高いが、ここも休養明けの一戦。前走後は賞金がここよりも高盃に出走予定だったが、スキップした辺りに疲れが出ていたことが想定される。
しかし、昨年のこのレースでも逃げ切り勝ちしているように、逃げ、先行馬が有利の川崎ダ2100mはベスト条件。1番人気ではあるが、本命に推す。
〇 (3)ヘラルドバローズ
2023年の中央のOP・スレイプニルS(東京ダ2100m)の2着馬。ここれは15番枠から五分のスタートを切り、押して好位の外を追走。道中はゆったりとした流れの内から2頭分外の3番手を追走した。
3角でもまだ仕掛けを待って、4角で前2頭が仕掛けるとそれを追い駆けて2頭分外から進出。直線ではしぶとく伸びてラスト2Fで先頭に立ったが、ラスト1Fで甘くなったところをダノンラスターに差されて半馬身差だった。
ダノンラスターは東京ダ2100m路線のオープンやリステッドで(6)テンカハルとライバル関係だった馬。つまり、中央ではテンカハルと同じくらいの実力はあったが、スムーズに先行できないと脆さを見せていた。
その後は東京ダ1400mのOP・霜月Sで差し、追い込み有利の展開に恵まれて上位3頭大接戦の3着に善戦したことがきっかけで短距離路線を使われていたが、本質的に1400mでは追走に忙しく、ダ2100mがベストの馬。
大井に移籍してからは1600m~1800mを使われて4戦2勝。危険な人気馬に推した3走前のフリオーソレジェンドCの12着大敗は、休養明けで圧勝後の後の疲れ残りの一戦で仕方ないが、前走のカサブランカ特別の5着敗戦は、鞍上の判断ミスに尽きる。
前走はスローペースで前有利の展開を1番枠からトップスタートを決めながらも控えて被され、向上面では最後方まで下がってしまったことが主な敗因。この距離なら前走のように絶望的な位置にはならないだろう。好位の内目を立ち回っての巻き返しに期待が高まる。
▲ (2)ランリョウオー
南関東の重賞5勝馬。2000m以上では2022年の大井記念、東京記念、昨年の金盃を優勝している。昨年の金盃(大井2600m)は、大外15番枠から五分のスタートを切り、かなり押して2番手を確保。ゆったりとしたペースで逃げるマテリアルガールに付き合っていたが、2周目の3角手前でセイカメテオポリスが外から上がってきたので抵抗してハナへ。
4角ではセイカメテオポリスに並ばれたが、直線で振り切り、じわじわ伸びて2馬身ほどリードを広げる。ラスト1Fで再びセイカメテオポリスに迫られたが、踏ん張ってアタマ差で勝利した。
本馬はゲートもテンの脚も速くはないが、前にいって持久力を活かすとしぶとい馬。マイルだと楽に前に行けないが、中距離ならスムーズに先行できるし、長距離なら過去2年の東京記念時のように逃げることも可能だ。ただし、重賞勝利時がすべて先行策であるように、逃げがベストではない。
昨年の金盃以降は不振だが、距離が短かったり、逃げることが多くなったことも敗因のひとつ。今回は立て直されて2戦目。2列目の最内でレースの流れに乗っての復活を期待する。
△ (6)テンカハル
2023年の東京ダ2100m戦、ブラジルCの勝ち馬。同レースでは10番枠からやや出遅れ、そこから押して後方中目。道中は淡々と流れて縦長の隊列が形成されていったが、中団馬群の単独後方を追走した。
3~4角では中団の内のスペースを拾ってじわじわ進出し、直線序盤でするすると外に誘導しながら伸び、ラスト2Fでは一気に2番手上がった。そのままラスト1Fで先頭のロードヴァレンチを捉え、ダンンラスターの追撃も振り切って1馬身1/4差で完勝した。
本馬はここでダートグレードでも通用する自己最高指数を記録。その後の日本テレビ盃でもウシュバテソーロと2馬身半差の2着に健闘している。
それを考えると船橋移籍後の近2走は振るわないが、ゲートも二の脚も速くない本馬は展開に泣いた。2走前のカサブランカ特別は異様なスローペースだったし、前走の報知グランプリCも逃げ馬不在でスローだった。
今回は逃げ馬が出走しているので前走ほどのスローになることは考えにくく、300mの距離延長なら絶望的な位置にはならないだろう。ここでの変わり身を期待する。
△ (10)シシュフォス
昨年のクラウンCを勝利し、東京湾C、黒潮盃ともに2着とクラシック戦線で活躍した馬。4走前の黒潮盃では、3番枠からまずまずのスタートを切り、2列目の最内を追走。前半は遅いペースだったが、向正面半ばで外から無敗のダテノショウグンが3番手に上がって一気にペースアップ。
ここで位置が下がったが、3~4角の最短距離からダテノショウグンに離されすぎないようについていき、直線序盤で前3頭の外へ。そこから追い出して右ムチに反応しすぎて外に膨れてしまったが、最後までしぶとく伸び続けてダテノショウグンに3馬身半差まで迫った。
本馬は次走の戸塚記念でも4着に善戦。ここでは3列目の最内を追走して、2周目の向正面のペースアップでやや外に誘導してマコトロクサノホコを追い駆けての4着。ここは休養明けの黒潮盃で好走した後の一戦で危険な人気馬にしていたが、想定よりも走っており、2100mでも対応できそうだ。
休養明けをひと叩きして前進が期待された前走、スパーキングオールスターチャレンジでは1番人気を裏切り3着敗退。ここは異様なスローペースの2列目の最内を追走していたが、3~4角で包まれて進路がなく、直線での仕掛けて先頭に立ったが、外から2頭の決め手に屈する形となったもの。力負けではないだけに、ここで通用する可能性はある。
△ (13)ジョエル
一昨年の埼玉新聞栄冠賞の覇者。ここでは10番枠から好スタートを切り、かなり押して好位の外を確保。道中も好位の外で進めて、3~4角の外から押し上げて2番手で直線へ。直線ではしぶとく伸びて、逃げ粘る(2)ランリョウオーをクビ差で捉え、外から一気に迫ったユアヒストリーもクビ+アタマ差で凌いで勝利した。
当日は外が伸びる馬場ではあったが、本馬は揉まれずに行ければしぶとい馬。3走前の中原Sも単独4番手を追走し、3~4角の外から押し上げて先週の金盃の4着馬ヴェルテックスに1馬身差で勝利している。
昨夏以来の長期休養明けの一戦となった前走の報知グランプリCは12着と大敗したが、ひと叩きされて外枠の今回は揉まれずに行けると見て一考する。
推定2番人気 (2)ヒーローコール
川崎ダ2100m戦、昨年の戸塚記念を圧勝した馬。戸塚記念では3番枠からまずまずのスタートを切り、かなり押して2番手を追走。2周目の1角で逃げ馬に並びかけ、向正面で先頭に立って3馬身のリードで3角へ。4角でリードを4馬身に広げ、直線ではさらに差を広げて6馬身差で完勝した。
本馬は1800mで昨年の報知グランプリCやブリリアントCでも2着の実績があるが、スムーズにハナへ行けることがベスト条件の馬。そういう意味で川崎ダ2100m戦は合っている。
本命◎を打った休養明けの3走前の埼玉栄冠賞でスムーズに逃げながらも4着に失速したのは、馬体重14Kg増と太目が影響したと見ている。体が絞れてスムーズに逃げた前走の金盃では3着だったが、ここはやや距離が長かったのも確か。
それでもけっこう走っており、サンタアニタトロフィー10着から連闘策で戸塚記念Vだった時とは違う。これで2番人気ならば思い切って消し、他の脈ある馬を狙いたい。