■差しが利きにくい馬場で人気薄の先行馬に期待
昨日は全12レース中、9レースで勝ち馬のポジションが2角3番手以内。ほとんど差しが利かず、前へ行った馬が有利だった。本日もその傾向が続いている。
ここは(10)ライトウォーリア、(9)ダイシンピスケス、(2)メイショウフンジン、(7)アウトレンジ、と揉まれなくない逃げ、先行馬が多数。ペースはそれなりに上がりそうだが、それでもある程度は前の位置につけていないと厳しいと見て予想した。
浦和11R 浦和記念 ダ2000m
◎ (9)ダイシンビスケス
○ (8)ディクテオン
▲ (10)ライトウォーリア
注 (4)ナニハサテオキ
△ (2)メイショウフンジン
△ (7)アウトレンジ
△ (5)サヨノグローリー
△ (6)アイブランコ
結論 馬複9-8,10,4,2,7,5,6 (18:8:8:6:6:2:2) 複勝9 (50)
■有力馬と評価ポイント
◎ (9)ダイシンビスケス
2勝クラスから3連勝でオープンの仁川Sを勝利した馬。仁川Sでは14番枠から好スタートを決め、内からハナを主張したウェルカムニュースの外、2番手を追走。1角手前で外枠発走になったバハルダールが強引に先頭に立つと、それを追い駆けて向上面で2番手に上がった。
3角で同馬に並びかけ、4角ではもう先頭。直線序盤で外から上がったアイコンテーラーとの競り合いになったが、これを制して半馬身前に出る。ラスト1Fでもそのまましぶとく粘っていたが、外からウェルカムニュースに迫られクビ差で勝利した。
当時は内と前有利の展開に恵まれてはいるが、次走の川崎記念で3着となるアイコンテーラーを下したことは褒められる。また本馬は使い詰めにされているところがあり、これまでの休養は4回。昨年の10月の復帰戦で浦和のA2クラスながら最下位に敗れるなど、揉まれ弱い面も災いし、休養明けは走らないことが多い。
しかし、2走前の白山大賞典では、勝ち馬(8)ディクテオンに5馬身離されたとはいえ、外から(2)メイショウフンジンに競られても譲らずにハナを主張し、向上面でディクテオンに早めに来られても3角過ぎまで食らいついて2着に善戦している。
前走のマイルCS南部杯は距離が短く、出遅れて揉まれ弱さを見せてしまったが、今回はベスト距離の2000mで9番枠と外枠。(8)ディクシオンは序盤でポジションが取れる馬ではないので、ここでの逆転に期待したい。
○ (8)ディクテオン
前走の白山大賞典で昨年の浦和記念、名古屋GPに続く重賞3勝目を達成した。昨年の浦和記念は10番枠から出遅れて、最後方からの追走。2周目の2角からじわっと動いて向上面に入ると外から一気に位置を上げ、3角では好位の外。4角で先頭列に並びかけて直線序盤で捉えると、そこからどんどん差を広げて、2馬身半差で完勝した。
前走の白山大賞典では7番枠から五分のスタートを切って中団5番手を追走。道中も5番手で我慢していたが、向上面でペースが落ちると内から一気に進出していく。◎(9)ダイシンビスケスに抵抗されたが、3角過ぎで競り落として2馬身半ほどの差で直線へ。直線ではどんどん差を広げて5馬身で圧勝した。
本馬は中央では常に後方からに追走で前崩れの展開にならないと勝てなかったが、時計の掛かる地方の馬場で捲る形で結果を出してきた。前走も強かったが、今回はその疲れが懸念されるところである。
またダートが軽く逃げ馬天国だった、3走前の名古屋GPでは後方中目からの追走となり、スタンド前から位置を上げていかなければ物理的に勝ち負けは不可能だったが、押し上げずに4着に敗れている。
当時は川崎記念を大目標にした後の一戦で、楽をさせて馬体重14Kg増。太目で反応が悪かったことが初騎乗の岡部誠騎手を消極的にさせた面はある(鞍上自身が複数ハラスメントが表沙汰になるのを知って、消極的になった疑惑も(笑))。何れにしても本馬のようなタイプは、ダートが軽くて時計が速い時ほど仕掛けのタイミングが難しいので、対抗評価とした。
▲ (10)ライトウォーリア
上半期の大一番、川崎記念を優勝した馬。同レースでは大外11番枠から内のアイコンテーラー、ノットゥルノを制してハナを主張。1周目の3角でハナを取り切ると、ペースを落とし、2周目の向正面でペースアップ。3~4角で外からアイコンテーラーに並びかけられたが、半馬身差で直線へ。最後までしぶとく食らいつく同馬を振り切り、外から迫るクランブリッジも何とか凌いでアタマ差で勝利した。
川崎記念当日は前と内が圧倒的に有利な馬場で、本馬は展開に恵まれた面がある。また川崎記念は1着賞金1億と上半期に行われる最高超金額のレースだが、ドバイワールドCと時期が重なり、トップクラスが不在だった。このためJpn1としては低レベルで、指数も帝王賞と比べて明確に低い。
その後の帝王賞6着、コリアC4着と振るわないが、帝王賞は逆に外差し有利の馬場で、コリアCは出遅れを挽回してポジションを取りに行くロスもあった。今回はそこから立て直されての一戦。逃げなくてもある程度やれる馬だが、逃げがベストの馬。先行馬のもっとも外枠のここなら逃げられる可能性が高く、3番手評価とした。
注 (4)ナニハサテオキ
中央の芝では1勝クラスでも勝てなかったが、南関東に移籍し、ダートを使われると13戦8勝、2着4回、着外1回。唯一の着外は2走前の日本テレビ盃だから、ここでも通用する能力がある。
2走前は五分のスタートだったが、少し押して位置を取りにいき、道中は好位馬群の後方最内を追走。3角からのペースアップで置かれだし、直線序盤では前に離された4番手。直線序盤で外からウシュバテソーロにもかわされたが、ラスト1Fでバテたデルマソトガケをかわして4着でゴールした。
今年の日本テレビ盃はタフな馬場で、前後半4F49秒6-50秒4。ウィリアムバローズが逃げ切り勝ちを決めているように、例年の日本テレビ盃と比較をすると遅いペースではあるが、ラスト2F13秒0-13秒6と失速していることから、後方からレースを進めていれば、3着メイショウハリオ辺りはかわせていたかもしれないと思わせる内容だった。
前が有利な馬場でも序盤で無理をさせずに、中央の先行争いを見ながら進めていければ、ここで連対圏内に突入しても不思議ない。個人的にはここで森泰斗騎手のダートグレード初制覇を見てみたい気持ちもある。
△ (2)メイショウフンジン
3走前の平安Sの3着馬。3走前は12番枠から五分のスタート。そこから押して進めていたが、内のミトノオーが速く、外枠なので2番手で折り合うことを選択。向正面でミトノオーがペースを落とすと、そこで息を入れて3角へ。
3~4角でもミトノオーの外2番手で仕掛けを待ち、4角で同馬が仕掛けると食らいついて2番手で直線へ。序盤で1馬身3/4差までリードを広げられたが、ラスト1Fでミトノオーがやや甘くなり、そこをじわじわ差を詰める。最後にハピにも差されたが、上位2頭と半馬身差の3着を死守した。
3走前は2番手に控えたことで、ミトノオーと共存する前がやや有利な展開。同型馬が不在だった4走前のブリリアントS同様に展開に恵まれる形となった。
本馬は揉まれ弱く、逃げか、好位の外を追走する形で能力を発揮するタイプ。前々走のマーキュリーCでは1番枠から出鞭を入れてひとつ外から好スタートを切ったヒロシクンの外に出していったが、その外のクラウンプライドに蓋をされて揉まれる形。前走の白山大賞典は、9番枠からハナを狙いに行ったものの、◎(9)ダイシンビスケスに抵抗されて4着に敗退した。
今回は2番枠。外枠の先行馬との兼ね合い次第にはなるが、近2走で能力を出し切れなかったことでエネルギーは溜まっているはず。上手く外に出して自分の型に持ち込まれた場合が怖いので買い目に加えた。
△ (7)アウトレンジ
今秋のみやこSの2着馬。同レースでは13番枠からまずまずのスタートを切り、押して逃げたミトノオーの外2番手を取り切る。道中でもわりと緩みなく流れている中で、逃げ馬についていく形で3角へ。3~4角でペースが上がっていく中で先頭に立ち、4角で外から上がったダンテバローズと併走で直線へ。序盤で同馬を振り切り、1馬身前に出たが、ラスト1Fで甘くなり、外からサンライズジパング差されて半馬身差で敗れた
ここではミトノオーに行かせて、道中で同馬にプレッシャーをかけずに内に切れ込み、最短距離を通す形。ここではレース最速がラスト4F目(3角)と仕掛けが速く、昨年の浦和記念の覇者であり、今年の平安Sの2着馬でもあるミトノオーがブービー14着に敗れる逃げ、先行馬にはかなり苦しい展開。
それでも2番手から押し切れたのは強ければこそではあるが、前走が消耗度の高いレースになっているだけに、その疲れが懸念される。成長期の4歳馬で勢いもあるが、人気ほど高い評価ができない。
△ (5)サヨノグローリー
2走前のさきたま杯で5着。3番枠から好スタートを切ったが、無理に前に行かずに後方4番手を追走。3角で中団列の後ろに取りついて、3~4角で中団の外まで上がって直線へ。そこからじわじわ伸びてバテた馬をかわして5着に上がった。
ここはレモンポップが逃げるアランバローズを突いていったことでペースが速くなり、前後半3F34秒8-39秒6のかなりのハイペース。アランバローズは大差の最下位に失速したように、最後の直線では前がバテており、本馬は展開に恵まれた面があった。
本馬は昨年のマイルGPでは5着に敗れているが、当時は夏負けによる休養で休養明けで一杯にすら追い切れない状態で馬体重13kg増での出走だったもの。マイルがこなせないとは思えないが、2000mはさすがに長いだろう。しかし、今回は同じ休養明けでもしっかり乗り込まれて一杯に追われている。人気薄のここは一考したい。
△ (6)アイブランコ
JRAの3勝クラスで2着3回、3着1回の実績がある馬。4走前の招福S(中山ダ1800m)では13番枠から五分のスタートを切り、控えて後方馬群の前方中目を追走していたが、向上面で位置を押し上げて3角では好位の外。4角では2列目の外まで上がって直線へ。序盤で先頭列に並びかけたが、ラスト1Fでロードアヴニールが馬群を捌いて一気に先頭。それを目標に追って半馬身まで迫った。
その後に浦和に移籍。移籍初戦の3走前のスパーキングサマーチャレンジでは7着に敗れているが、ここは距離が短いマイルの外枠で、終始外々回るロスを作ったもの。
また3走前の東京記念TRは行った、行ったのワン、ツー、スリー決着を後方で構えたまま5着に敗退している。森泰斗騎手に乗り替わった2走前の東京記念は出遅れながらも、中団内目を追走ともっと流れに乗せて行ったが、結果的に東京記念TR以上のスーパースローペースとなったために、2列目付近から抜け出した前2頭を差し切れなかった。
前走の埼玉栄冠賞では注(4)ナニハサテオキに完敗の5着だったが、厳しいペースを先行したもの。向上面で捲ったナニハサテオキを追い駆けて行く早仕掛けで4着ヒーローコールとアタマ差なら悪くない。勝ち負けはさすがに厳しいとしても、前走で厳しい競馬をしたことによる粘り強化は期待できる。