2024年 エプソムC・函館SS+メインR以降の予想 – 競馬予想 – 山崎エリカ –

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2024.06.09
2024年 エプソムC・函館SS+メインR以降の予想

本日も下記の3レースで終了予定ですm(__)m。

■高速馬場で、ある程度の位置が必要

 春の東京開催16日目。この時期は例年、馬場の内側が悪化し、パンパンの良馬場ならば内を空けて走ることが多いが、今年はそこまで内側が悪化しておらず、内も頑張れている。ただ、それでも外が伸びているのも確か。高速馬場の時計勝負では外々を回るとロスが大きくなることから、内から2頭分ほど外を通すのがベストだ。

 また、このレースは外差し有利のイメージが根強いが、過去10年で、差し、追込馬が優勝したのは、断続的な雨の影響でやや時計が掛かった昨年のみ。逃げが1勝、先行4勝、中団4勝と、馬場が高速過ぎるとある程度は前の位置にいないと勝ち切れないので注意したい。2着を見ても6頭が逃げ、先行馬である。

 ただ今年は小倉大賞典3着時のように、逃げてタフな流れに持ち込みたい(18)セルバーグが出走しているので、それなりに流れると見ている。差し馬にもチャンスがあると見て予想を組み立てたい。

本日3番 東京11R エプソムC 芝2000m
 ◎ (5)タイムトゥヘヴン
 ○ (4)ヴェルトライゼンデ
 ▲ (1)トゥデイイズザデイ
 注 (11)サイルーン
 △ (6)レーベンスティール
 △ (17)ニシノスーベニア
 △ (2)ノースザワールド
 △ (9)レッドランメルト
 △ (18)セルバーグ
馬連 5-4,1,11,6,17,2,9,18 (12:12:10:5:5:2:2:2) 複勝5 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (5)タイムトゥヘヴン

 3歳春の京成杯では逃げて2着に善戦したが、その後は瞬発力が強化され、短い距離で末脚を生かす競馬にシフト。古馬になってダービー卿CTを優勝した。その2022年ダービー卿CTは当日の7Rまでが稍重発表でしっかり時計が掛かる馬場で、逃げと2番手の馬がブービーとシンガリに失速する激流となった。

 3番枠から五分のスタートを切ったが、促されても進んで行かずに下がって後方。そこで下げ切って、道中はかなり後方から前にスペースを作って進めた。3角ではじわっと最内から進出して、4角では中目を通して出口で外に誘導。序盤の伸びはジリジリとだったが、ラスト1Fでグングン伸びて最後はフォルコメンをアタマ差で捉え切った。

 このダービー卿CTは長く良い脚を使っての勝利であり、久々の1800mとなった中山記念で6着と善戦したあたりからも、中距離でこその感がある。というより、近走1600mだと出遅れてテンに置かれ、追走に忙しい競馬となっているので、適性が1800mに傾いてきているという評価が正しそうだ。

 前走のダービー卿CT(2024年)は好位で進めていた8番人気のエエヤンが自然な形でハナに立って2着に粘ったように、前と内が有利な展開。タイムトゥヘヴンは4番枠から出遅れて序盤は後方からだったが、最内から中団まで挽回。3~4角でも最短距離を上手く立ち回り、最速の上がり3Fタイムで追い込み、6着に突っ込んできている。ここへ来ての上昇気配もうかがえるだけに、ここでの一発を期待したい。

○ (4)ヴェルトライゼンデ

 2歳時のホープフルSではコントレイルの2着。3歳時にはダービー3着、神戸新聞杯2着と三冠馬コントレイルには歯が立たなかったが、世代を代表する一頭だった。その後は故障に悩まされたが、2022年の鳴尾記念では約1年半の休養明けながら優勝。同年のジャパンCでも3着に好走している。

 3走前となる前記のジャパンCでは、3番枠からまずまずのスタートを切って、コントロールしながら好位の内目を追走。道中は超絶スローで流れる中、内からひとつ外の2列目と絶好位だったが、3~4角で包まれ、直線の進路を作り切れずに仕掛けを待たされた。ラスト2F目で狭い内から抜け出して、外のダノンベルーガに並びかける。ラスト1Fで先頭に立ったが、外からシャフリヤール、さらには中目を捌いて上がってきたヴェラアズールにかわされての3着だった。

 この年のジャパンCは前半、中盤とペースが上がらず、上がりの速い展開。仕掛けを待たされたのは痛かったが、3~4角の内目を立ち回った馬が有利な展開を、ほぼロスなく立ち回れていた。この年のジャパンCは例年と比べるとレベルが高いとは言い難かったが、それでもGⅢのここなら実績断然。能力の最高値はNo.1である。今回も1年以上の休養明けで、追い切りの動きは及第点といったところだが、この馬ならば……と思わせる。対抗評価だ。

▲ (1)トゥデイイズザデイ

 前々走の佐渡Sでは、のちのダービー卿CT勝ち馬であるパラレルヴィジョンを降して勝利した馬。同レースでは14番枠から五分のスタートだったが、じわっと先行して2列目の外まで持っていく形。道中は逃げるルドヴィクスを見ながら2番手を追走、3~4角ではひと息入れて、ルドヴィクスから3馬身差で直線へ。序盤でもまだ仕掛けを待って2馬身差。ラスト2Fで仕掛けてルドヴィクスに並びかけると、ラスト1Fでこれを捻じ伏せて3/4差で勝利した。

 前々走は前後半4F47秒3-45秒5のかなりのスローペースで、行った行ったの展開。トゥデイイズザデイは展開に恵まれての勝利だったが、先行すると崩れないのは同馬の強みである。長期休養明けとなった前走の谷川岳Sでも2着。13番枠からやや出遅れたが、そこからやや離れた好位まで挽回し、最後の直線でもジリジリ伸びて2着に善戦している。

 ただ、ゲートも速い方ではないし、スピードもそこまでないので、近2走のように外枠からじわっと、ゆっくり先行するのがベストの馬。今回は1番枠で出遅れた場合に先行できないリスクはあるが、好位でレースの流れに乗れれば当然チャンスはある。

注 (11)サイルーン

 中山芝1600mの2勝クラス、3勝クラスを連勝し、OP入りを果たした上がり馬。前走の3勝クラス、春興Sでは12番枠からやや出遅れ、そこからじわっと促してコントロールしながら中団の外を追走。前がある程度飛ばして縦長の展開になって行く中で動かず、前に大きくスペースを作って3角へ。3~4角でもスペースを維持し、4角でペースダウンしたところでそのスペースを詰め切って外に誘導し、スピードに乗せて3列目で直線へ。序盤でそのまま2番手に上がって先頭の(13)ラケマーダと半馬身差。ラスト1Fですっと抜け出して1馬身差で勝利した。

 前走はスムーズなレースぶりで上手く乗られていたが、ラスト2Fでラケマーダが11秒4-11秒2と再加速する流れを、差し切って勝利。ラスト1Fで加速して勝利した辺りからまだ余力があり、1Fの距離延長もこなせる可能性が高いと見る。

△ (6)レーベンスティール

 昨秋のセントライト記念の2着馬。同レースでは4番枠からまずまずのスタートを切ったが、そこからコントロールして好位の中目で進めた。道中はスローだったがそのままの位置を維持して3角へ。3角でじわっと外に誘導し、外からソールオリエンスが上がってくると、4角でさらに外に誘導。序盤で追い出されるとすっと伸びて一気に先頭に立つ。ラスト1Fで抜け出すと、外からソールオリエンスにじわじわ詰め寄られたが、1馬身3/4差で完勝した。

 新馬戦では終始外からソールオリエンスに蓋をされる形でクビ差で敗れたが、それを意識してソールオリエンスに外から並ばせない騎乗。そしてその鬱憤を晴らした。前走の香港ヴァーズは二の脚でじわっと先行させるとかなり掛かって馬群の中に入れて何とか折り合わせる形。それでもクビを上げるほどの折り合い難を見せ、最後の直線では2列目の中目から逆噴射して8着に敗れた。

 気性難ではない馬がかなり折り合いを欠く時というのは、体調が万全ではない時が多い。セントライト記念で好走した疲れがあったようだ。しかし、そこから立て直された前走の新潟大賞典でも1番人気を裏切り、11着敗退。前後半61秒6-58秒5の超絶スローペースで好位の外と良い位置にはいたが、見せ場さえも作れなかった。

 その敗因として陣営が「(スタート後に)トモを落とした」とか「口を切っていた」などというコメントが出ているが、それでけではそんなに負けない。明確な敗因がないのにまた1番人気という状況下であまり飛びつきたくはないが、ひと叩きされたことで変われる要素はある。

△ (17)ニシノスーベニア

 前々走の中山芝1600m戦・幕張Sで圧勝した馬。この日は稍重発表だったが、連日の雨の影響でしっかり時計が掛かる馬場状態。2番枠から五分のスタートを切ったが、外から前2頭が飛ばしていくのを見ながら控えて4列目の最内を追走。そこからじわっと上がって3列目の最内で3角へ。3~4角でペースダウンすると、2列目の最内まで押し上げ、4角では一気に差を詰め、出口で逃げ馬の外2番手に誘導。直線序盤で一気に抜け出して2馬身半差つけ、ラスト1Fでそのまま差を広げて5馬身差で圧勝した。
 
 前々走は2回中山開幕週でC→Aコースに替わり、内有利馬場の最内を立ち回る競馬。ペースが上がった前半で控えて、ペースが落ちた3~4角で仕掛けたことで展開にも恵まれた。しかし、準OPで常連の2着馬ニシノライコウに5馬身差をつけたことは、それらを加味した上でも評価できる。また良い脚を長く使ってラスト1F11秒8でまとめた辺りに、豊富なスタミナを感じさせた。

 稍重発表ながら高速馬場だった前走ダービー卿CTは、好位で進めていた8番人気のエエヤンが自然な形でハナに立って2着に粘ったように、前と内が有利な展開。ニシノスーベニアは11番枠からやや出遅れて、中団の内目を追走。3~4角で進路がなく、直線序盤でも馬群を捌くのに苦労する場面が見られた。しかし、進路を見つけてからのラスト1Fではしっかり伸びて4着を確保している。

 超高速馬場だった4走前の東京芝1600m戦では6着敗退。同レースではやや出遅れから逃げ馬を突いていく競馬で、前半から脚を使わせたことも敗因のひとつだが、東京よりも上がりの掛かる中山が好ましく、前々走のように時計が掛かる馬場がベストである。

 高速馬場のマイル戦では追走に忙しい面を見せていることから、前走から1Fの距離延長は好ましい。本日の東京は開催16日目で「超」の付くほどの高速馬場ではない点もニシノスーベニアには都合がいい。(18)セルバーグが逃げてレースがタフな流れになればチャンスはありそうだ。
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■開幕週ながら意外と差しが決まる

 函館で行われた過去10年の脚質傾向は、逃げ2勝、先行4勝、中団1勝、差し2勝、追込1勝。2着は逃げ1回に対して、追込2回。3着も逃げ1回に対して追込が2回と、スプリント戦としては追込馬が活躍している。

 「開幕週で内と前有利」が先行して、しばしばかなりのハイペースが発生するためだ。過去10年で前が有利になったのは、函館らしからぬ超絶高速馬場だった2013年と薬物騒動で6頭除外となり、7頭立てで行われた2019年のみ。前記の2年は逃げ馬が3着以内に粘っている。

 今年はテンの速い(3)アサカラキングを始め、(6)シナモンスティックや(10)ウイングレイテストなど逃げ馬多数。2列目候補も(4)サトノレーヴ、(5)オタルエバー、(12)ジュビリーヘッド、(13)ビッグシーザーと多数で、前半から速い流れが予想される。差し馬に有利な流れになりそうだが…。

本日1番 函館11R 函館スプリントS 芝1200m
 ◎ (3)アサカラキング
 ○ (13)ビッグシーザー
 ▲ (5)オタルエバー
 注 (16)ゾンニッヒ
 △ (7)シュバルツカイザー
 △ (9)キミワクイーン
 △ (14)セッション
結論 馬連3-13,5,16,7,9,14 (15:10:10:5:5:5) 複勝3 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (3)アサカラキング

 2月の阪急杯でも逃げてハナ差の2着に粘るなど、短距離路線で台頭した馬。前走のOP・モルガナイトSでも逃げて2着と好走した。前走は1番枠から五分のスタートを切って、そこからかなり押してハナを主張し、最内枠の利を活かして行き切った。そこからも淡々と緩みなく進めて3角へ。3~4角でも楽な手応えで2列目を離し、2馬身差で直線に。序盤で追われるとしぶとく伸びて2馬身半差まで広げた。ラスト1Fでやや甘くなったが、それでも余裕を持って2馬身差で完勝した。

 前走は阪神開幕週で内と前が有利な高速馬場ではあったが、前半3F33秒0のハイペースで逃げて、上がり3F34秒7でまとめたのは立派なもの。今回も函館開幕週で内と前が有利な馬場で3番枠と内枠。ゲートが速くないので、外から(6)シナモンスティックや(10)ウイングレイテストに競られる可能性はあるが、ゲートさえスムーズならば押し切ってしまう可能性が高い。

○ (13)ビッグシーザー

 3走前の淀短距離Sの覇者。3走前は7番枠から五分のスタートだったが、かなり押して2番手まで挽回して追走。道中で逃げる(8)カルネアサーダとの差を徐々に詰めて3角では同馬と2馬身差。3~4角では前のスペースを維持して最短距離を通り、4角でじわっと差を詰めて4角出口で外に誘導。直線序盤で1馬身あったカルネアサーダとの差をすっと詰めて並びかけ、ラスト1Fで抜け出した。外からメイショウソラフネが迫ってきたが、寄せつけず1馬身半差で完勝した。

 ビッグシーザーが3走前に記録した指数は、ここではNo.1のもの。前走のオーシャンSでも10番枠からやや出遅れ、押して挽回を試みたが好位までは上がれず、中団中目を追走。3~4角でトウシンマカオの後ろを狙って4角出口で外に出されると、直線序盤で3列目からじわじわ伸びて2列目まで上がり、ラスト1Fでも伸び続けて大接戦の2着争いをハナ差で制している。

 前走の高松宮記念は重馬場だったが、前後半3F34秒9-34秒0とペースが上がらず、逃げた香港のビクターザウィナーが3着に粘る前有利な展開。1番枠から出遅れ、そこから全てが後手後手に回ったことで7着に敗れた。

 ビッグシーザーは初勝利が好タイムでの逃げ切りだったせいか、トップクラスが相手となるとスタートも二の脚もそこまで速くはないのに、無理目に前の位置を取って終いが甘くなり、崩れることがしばしばある。それが2桁着順に敗れた昨秋のセントウルSやキーンランドCであり、前走の高松宮記念である。3走前のようにわりと楽に前の位置を取って、3~4角で最短距離を通すのがベストであるが、外枠ならば鞍上が前半から無理に位置を取りに行かないという点では好ましい。ハイペースの好位の一列後ろでレースを運んでの巻き返しを期待する。

▲ (5)オタルエバー

 昨秋に3勝クラスの北陸SとリステッドのラピスラズリSを連勝した馬。前走のラピスラズリSは8番枠から五分のスタートを切って、じわっと好位の中目を追走。道中でコントロールして2番手のジャスパージャックの後ろまで進出し、3~4角でも同馬の後ろで我慢。4角で進路がなく、ブレーキ気味で直線へ。直線序盤で3列目の中目から外に誘導して追われると、そこでは反応が悪くやや置かれたが、最後までしぶとく伸び続けて半馬身差で勝利した。

 ここでは戸崎圭太騎手らしく、4角で前のスペースを詰め切ったために、直線序盤で進路取りに苦労していた。4角の立ち回りがスムーズだったら、もっと楽に勝てていた可能性が高い。また前々走の北陸Sでは1番枠からやや出遅れ、そこから押して最内からじわじわ好位まで挽回していったが、3~4角では内で包まれて進路がない状態。序盤で中目に誘導しても前が壁で、さらに外に誘導しても壁。ラスト1Fで再び中目に誘導し、狭い間を割って伸び、ハナ差で勝利した。

 北陸Sは重馬場で前後半3F33秒3-後半3F36秒1とかなりのハイペース。3~4角で動けずに我慢したことで脚が溜まったとも言えるが、スムーズではなかったのも事実だ。今年の2戦、シルクロードS、オーシャンSは2桁着順に崩れたが、前走のオーシャンSでは外枠から前に行くスピードを見せている。立て直されての今回は巻き返しに期待する。

注 (16)ゾンニッヒ

 昨夏の函館芝1200mのOP・青函Sの勝ち馬。15番枠からまずまずのスタートを切ったが、二の脚が遅く、促されながらも中団の外目ぐらいまで下がってしまった。3~4角の外からじわっと進出して好位の外。4月でそのまま前の(2)カイザーメランジェを目標にしながら仕掛けて4列目付近で直線に。序盤ですっと伸びて一気に2列目まで上がり、ラスト1Fでそのまま突き抜けて2馬身半差で完勝した。

 ゾンニッヒはスプリンターとしては脚が遅く、好位が取れないところがある。開幕週で大外枠というのも好ましい材料ではないが、今回は前に行けないことで展開に恵まれる可能性が高い。近3走のOPやリステッドでも展開に恵まれないながらも0.5秒差以内に健闘しており、順調そのもの。展開の後押しがありそうなここで一発を警戒したい。

△ (7)シュバルツカイザー

 3走前の中山芝1200mのOP・カーバンクルSの勝ち馬。同レースでは大外15番枠から五分のスタートを切って、無理をさせずに中団の外を追走。道中で内に入れられず、3~4角の大外を回って直線へ。このため4角でやや後方に位置が下がってしまったが、しぶとく伸びて再び中団まで盛り返す。ラスト1Fでも伸び続けてゴール前の横一線をアタマ差で制した。

 3走前は前後半33秒1-34秒7の激流。大外を回るロスはあったが、外差し有利の馬場で差し有利の展開になったことで、それが致命的にはならなかった。

 シュバルツカイザーは札幌開幕週の超高速馬場で行われた、昨年のしらかばSを出遅れを好位の中目まで挽回して行く競馬でレコードタイムで勝利しており、高速馬場でより良さが出る馬。今回も展開に恵まれればチャンスがある。

△ (9)キミワクイーン

 昨年のこのレースの覇者。同レースは15番枠からまずまずのスタートを切ったが、促されてもあまり進んで行かず、先行争いが激化したこともあり、じわりと下げて後方からの追走。3角では後方の外目から押し上げ、4角出口で中団の外に出されると、直線序盤でジリジリ伸び始め、ラスト1Fでしぶとく前を捉えて完勝した。

 開幕週で行われる函館スプリントSは例年高速馬場で、好タイム決着になることが多い。しかし、昨年は前日の前半が稍重でそこまで高速馬場ではなく、ジャスパークローネがハナを狙うところを内からテイエムトッキュウが抵抗したため、先行争いが激化。このため前半3F33秒0-後半3F35秒2のかなりのハイペースとなり、キミワクイーンに展開が味方したもの。ここも展開に恵まれればチャンスがある。

△ (14)セッション

 今年の京都金杯の2着馬。同レースでは11番枠から五分のスタートだったが、促されると二の脚ですっとハナへ。外のドルチェモアがハナを主張したので、同馬を行かせて離れた2番手を追走した。3~4角でも4馬身ほど離れた位置で進め、最短距離を通して直線へ。序盤でドルチェモアを捉えて1馬身ほど前に出る。ラスト1Fえもしぶとく粘っていたが、そこをコレペティトールにかわされ、トゥードジボンは何とかアタマ差で凌いだ。

 前記の京都記念は極端な内有利で上位3頭が3~4角で最内を通した馬。しかし、セッションはかなりのハイペースを早め先頭に立つ競馬で押し切りにかかっており、豊富なスタミナを感じさせるレースをしている。今回は芝1200m戦で前に行けないと見ているが、それが吉と出て展開に恵まれる可能性が高く、警戒した。
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本日2番 京都11R 三宮S ダ1800m
 ◎ (11)デシエルト
 ○ (1)オメガギネス
 ▲ (3)ゴールドハイアー
 注 (14)ウェルカムニュース
 △ (9)アルーブルト
 △ (12)オディロン
 △ (16)スパイラルノヴァ
結論 馬連11-1,3,14,9,12,16 (18:12:12:4:2:2) 複勝11 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にデシエルト(-26.7pt)、ゴールドハイアー(-26.0pt)、アルーブルト(-25.3pt)、マリオロード(-23.7pt)、オメガギネス(-22.7pt)。

 能力値は競走馬の力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (11)デシエルト

 超絶高速ダートで行われた4走前のグリーンチャンネルCを勝利した馬。4走前は15番枠から好スタートを切って、2列目の外を追走。3~4角でも外を回って、ラスト2F地点でグンと伸びて抜け出した。ラスト1Fで抜け出したところを、ギルデッドミラー(次走、武蔵野S勝ち)にやや差を詰められたが、タガノビューティー(次走、武蔵野S2着)に2馬身以上と決定的な差をつけて完勝した。

 デシエルトが4走前に記録した指数は、重賞通用レベルでここではNO.1のもの。高速ダートがベストの馬で、とても高いダートの潜在能力を感じさせた。

 その後折り合いを気にしてか、ダ1400m戦を使われたが、やや追走に苦労し、4着、5着と善戦止まり。また休養明けの前走オアシスSは、それまでの2戦が1400m戦だったこともあり、行きたがってひとく折り合いを欠いてしまったが、叩かれたことで変わり身が期待できる。

 デシエルトはデビュー当初にダ1800mで2連勝し、芝の若葉Sで逃げ切り勝ちしているように、短距離よりは中距離向き。ここで一気の復活劇を期待する。

〇 (1)オメガギネス

 デビュー2戦目で2勝クラス通用レベルの指数を記録し、3戦目のレパードSはクビ差の2着、そして4戦目の前々走グリーンチャンネルCでは◎デシエルトが記録した一昨年のグリーンチャンLCに次ぐ、ここではNO.2のもので圧勝した素質馬。

 同レースは9番枠からやや出遅れたが、二の脚ですっと先行。そこからはやや掛かり気味だったが、コントロールして2列目の外。3~4角でややペースが落ちても我慢させ、直線序盤に馬なりで先頭列に並びかける。ラスト1F手前で追われて先頭に立つと、そのまま突き抜けて3馬身半差で完勝した。

 その後に休養し、復帰戦の東海Sでは2着。スタミナが不足しがちな休養明けで、前々走から1Fの距離延長。10番枠からやや出遅れ、そこからじわっと出して行くと、1角から向上面半ばまで掛かり気味でコントロールに苦労。結果、3角で先頭に立ったウィリアムバローズとともに直線を迎えたが、最後に伸び負けして1馬身差で敗れた。

 4走前は高速ダート、3走前は超高速ダート。同馬も軽いダートが向いている馬。またあまり勝ちには行かずに、末脚を活かしてこそのタイプである。そこを考えると、中目の枠が欲しかったところではあるが、軽いダートなら最内枠からある程度、積極的に出して行っても対応できると見て、対抗評価とした。

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