2024年 安田記念の予想 – 競馬予想 – 山崎エリカ –

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予想

2024.06.02
2024年 安田記念の予想

■近年の傾向は「外差し有利」

 過去10年の安田記念を振り返ってみると、不良馬場で行われた2014年こそ極端なハイペースになったが、良~稍重だった9回のうち平均ペースが6回、ややスローペースが3回。良~稍重であれば極端なペースになりにくいのが特徴だ。

 位置取りでは逃げ1勝、先行2勝、中団3勝、差し3勝、追込1勝。力のある強い馬はどの位置からでも勝利しているが、東京は連続開催14日目ということもありやや外差し有利の傾向で、特に3着馬を見ると差しが4頭、追込も2頭と外から突っ込んでくるパターンも目立っている。

 良で超高速馬場の昨日は内から2頭分外が伸びていたが、予報どおりに雨が降り、馬場が悪化すればより外が伸びるだろう。

東京11R 安田記念 芝1600m
 ◎ (16)エルトンバローズ
 ○ (17)セリフォス
 ▲ (5)ナミュール
 注 (7)ロマンチックウォリアー
 △ (10)ソウルラッシュ
 △ (18)ダノンスコーピオン
 △ (9)パラレルヴィジョン
 △ (11)ウインカーネリアン
 △ (13)ステラヴェローチェ
結論 馬連16-17,5,7,10,18,9,11,13 (13:13:10:4:4:2:2:2) 複勝16 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (16)エルトンバローズ

 昨秋の毎日王冠を3歳馬ながら休養明けで優勝。同レースでは6番枠から五分のスタートを切ると上手く内に入り、好位最内を追走。道中は前のエエヤンが外に行ったのを見て、スペースを作って3列目をとる。

 3~4角では最内から徐々に2列目へ進出、直線序盤では先頭の(11)ウインカーネリアンの直後まで上がっていったが、そこで進路がなくなってしまう。それでも、その外から窮屈な間を割って伸び、ラスト2Fでは先頭列。ラスト1Fもしぶとく粘り、3頭による大接戦をハナ差制した。

 開幕週の馬場を最短距離を立ち回っての辛勝ではあったが、倒した相手は近2年の安田記念で上位に入ったソングラインやシュネルマイスターといった強豪たち。その価値は高い。

 続くマイルCSは毎日王冠で激走した疲れが懸念された中、差し追込有利な流れを能力値上位の(5)ナミュールや(10)ソウルラッシュよりも前でレースを進め、0秒2差の4着と善戦している。ここで大崩れしなかったところからも、地力強化が窺える。

 前々走の中山記念はスタミナが不足しがちな休養明けで、ややタフな馬場の中で出遅れ。さらにかなりのハイペースを好位まで挽回していくというスタミナのロスが大きな競馬となり、7着敗退。能力を出し切ることができなかった。

 前走のチャンピオンズマイルも稍重馬場で前が残る展開を出遅れ。今回の安田記念に参戦するヴォイッジバブルに敗れているが、相手が2列目の最内でレースを進めたのに対し、出遅れて後方から中団中目まで上がり、3~4角の外々から追い上げる形では厳しかった。

 それでも順調にレースを使われてきたことから、そろそろ体調面がピークになる頃。予報どおりに雨が降れば、8枠16番は好ましい枠になるはず。昨秋以来となる東京コースでの巻き返しを期待する。

○ (17)セリフォス

 一昨年、3歳春の段階で挑んだ安田記念で4着。秋には富士SとマイルCSを連勝した素質馬だ。

 2022年のマイルCSではシュネルマイスターやジャスティンカフェなど、最後の直線で馬場の良い、中目を狙いたい中団馬と後方馬が3~4角から直線序盤で包まれ、能力を出し切れなかった面もあった。

 それでも、セリフォスも10番枠から出遅れて道中も中団の中目で位置を下げるなど決してスムーズなレースではなかった中、4角出口で外を選択したのが結果的に大正解。ラスト1Fで前を捉え、最後は1馬身1/4差で完勝した。

 昨年の安田記念は2着。4番枠から五分のスタートを切り、促して3列目の内でレースを進めた。道中はソダシやジャックドールを見ながら進めていたがやや掛かり気味。3~4角でコントロールしながら2列目まで上がっていくと、直線序盤ではジャックドールの後ろから伸びる。

ラ スト1Fではジャックドールを捉えたが、外からソングラインに差されて1馬身1/4差の2着。しかし、外差し有利の馬場を内から勝ちに行っての2着は好内容だった。

 昨秋は夏負けの影響もあって富士Sを回避。始動戦がいきなりGⅠのマイルCSになってしまったように、調整がうまくいかなかった。今年初戦となった前走マイラーズCでは中団の最内を上手く立ち回るも、口向きの悪さや直線序盤で詰まる面も。その中で2着に善戦しており、復調気配を見せている。

 今回体調面が順当に上向き、外差し有利の馬場を利して本来の末脚を生かす競馬ができればチャンスは広がる。対抗評価だ。

▲ (5)ナミュール

 昨秋に富士SとマイルCSを連勝した実力馬。その後は香港マイルで3着、前々走のドバイターフでも2着と海外でも好走した。

 その前々走は14番枠からやや出遅れ、コントロールして後方に下げて追走。道中でも後方2列目の外でじっと我慢して進めた。

 3~4角では後方中目から外に誘導し、位置を押し上げて4角出口で外へ。直線序盤で追われるとしぶとく伸びて2列目まで上がり、ラスト1Fで抜け出した勝ち馬ファクトゥールシュヴァルに食らいついて短アタマ差まで迫った。

 最後の直線で中団外から早めに動いた2頭のワンツーだったように、3~4角のペースダウンによってダノンベルーガやドウデュースといったうちの馬は包まれる形に。直線序盤では前が壁になり、仕掛けが遅れる不利もあった。

 しかし、ラスト3Fがおおよそ11秒8-11秒2-11秒3と加速する流れを後方外からしぶとく伸び続け、勝ち馬に短アタマ差まで迫った内容は評価できる。

 前走のヴィクトリアマイルではドバイ激走後の疲れを不安視して当コラムでは評価を下げたが、結果は8着。それでも後方から最後の直線では何度も進路が狭くなる場面がありながら、勝ち馬と0秒5差に迫ったところを見ると及第点の内容と言える。叩かれて上昇が見込める今回は3番手評価としたい。

注 (7)ロマンチックウォリアー

 香港の中距離路線を席巻。昨春のQエリザベスⅡ世Cで降した日本馬を香港Cで日本馬を返り討ちにした実績馬だ。

 その香港Cでは7番枠からまずまずのスタートを切り、そこからコントロールして好位の外を追走。道中で前にスペースを作って4番手で3角に進出し、3~4角でそのスペースを潰して2列目の外から直線へ。序盤ですっと伸びて先頭に立ち、半馬身ほど前に出る。ラスト1Fで外から捌いて上がったヒシイグアス、さらに外から外からルクセンブルクに迫られたが、何とかハナ差で振り切った。

 前記の香港Cは前後半5F63秒13-58秒87(日本の計測方法だと、前半は約1秒速い)超絶スローペースで前有利の展開。ヒシイグアスを相手にギリギリの勝利だった。

 一方、前走のQエリザベスⅡ世Cは、前後半5F60秒10-60秒92(日本の計測方法だと、前半は約1秒速い)のかなりのハイペースで、ラスト1Fは12秒86と大きく減速する展開。

 ここでは10番枠から五分のスタートを切り、好位の外で進めていたが、道中でやや位置を下げて中団の中目。3角手前でプログノーシスが上がって、ロマンチックウォリアーの前に入ると、それを目標に動いて、4角では中団の外。直線序盤で2列目まで上がり、残り100mで先頭。食らいつくプログノーシスを捻じ伏せてクビ差で勝利した。

 ここではプログノーシスが前に入って、それを目標に動いたことで展開が噛み合っている。というか、鞍上の判断が良く、上手かった。昨年1月の香港スチュワーズCで、香港Cを大目標にした後の一戦ながら、ゴールデンシックスティと1馬身差に好走しているように、マイル適性も問題ないと見ているが、消耗戦の前走を好走した疲れが心配で評価を下げた。

△ (10)ソウルラッシュ

 前走は稍重で行われたマイラーズCを休養明けで快勝。14番枠からまずまずのスタートを切ったが、そこから押してもあまり進まず、中団中目を追走。道中も促されながら追走し、3~4角の外からじわっと好位列まで押し上げた。

 4角では大外をぶん回しながら勢いに乗せ、直線序盤で先頭に立つと後続に3/4馬身ほどのリード。ラスト1Fでそのまま抜け出すと、○(17)セリフォスを突き放して1馬身3/4差で完勝した。

 前走はやや時計の掛かる馬場で、前後半4F45秒6-46秒9のややハイペース。4角で大外を回してはいるが、4角ではペースダウンしており、仕掛けのタイミングとしてはドンピシャだった。それでも、セリフォスを離して自己最高指数を記録した辺りに地力強化を感じさせる。

 大味なレースぶりから時計の掛かる馬場は好ましいが、今回は休養明けで自己最高指数を記録した後の一戦となるだけに、余力面には不安がある。能力の高さでどこまで押し切れるかになるだろう。

△ (18)ダノンスコーピオン

 2022年ののNHKマイルCの覇者であり、そこからの始動戦となった昨秋の富士Sでは○(17)セリフォスにクビ+クビ差の3着と好走した馬。同レースは14番枠から好スタートを切ったが、内の馬が速く好位を取れず、好位直後の外を追走。3~4角では前のラウダシオンを壁にして仕掛けを待ち、4角出口で外に出されると、そこからしぶとく伸びてラスト2Fで先頭。ラスト1Fで外から△(10)ソウルラッシュに並ばれ、しぶとく食らいついたが、最後にクビ差前に出られてクビ+クビで敗れた。

 富士S当日は外差し馬場で、レースも緩みのない流れ。最後の直線で早め先頭に立ったところを外からセリフォスとソウルラッシュに差されたが、この一戦に関しては前記2頭に見劣らない内容だった。その後は本来の走りを見せられず、しばらくスランプが続いたが、前走の京王杯SCでは差して4着と復調の兆し。ここは警戒しておきたい。

△ (9)パラレルヴィジョン

 デビュー当初は芝2000mを使われていたが、前々走で中山芝1600mのニューイヤーSを勝利すると、続くダービー卿CTで初重賞制覇を達成した。

 その前走は2番枠から好スタート。促されて一旦先頭に立ったが、外のセッションを行かせて2列目の最内で我慢。外から折り合いを欠いたエエヤンがハナを奪って単騎で逃げる中、離れた3番手の外を追走した。

 4角では離れたエエヤンをひとつ外から追いかけ、2番手まで上がって直線へ。序盤で4馬身ほどあった差をじわじわ詰めていき、ラスト1Fでバテたエエヤンを捉えて3/4差で勝利した。

 芝1800mでもラストで甘さを見せていた本馬だが、マイル戦を使われるようになるとそれが解消された。前々走も前走もやや遅めのペースを先行策で勝利している。

 ただし、この2戦はそこまで高速馬場というわけではなく、ペースが上がって馬場が高速化した場合の対応には不安がある。今回も悪くないが、強調材料もないという評価になる。

△ (11)ウインカーネリアン

 昨年の東京新聞杯で重賞2勝目を挙げた実績馬。その東京新聞杯は2番枠からやや出遅れたが、促されると二の脚ですっとハナを主張した。外からファルコニアが競りかけてきたため淡々としたペースを刻み、3~4角でもペースを落とすことなく半馬身のリードで直線へ。ここでもファルコニアが食らいついてきたが、ラスト2Fで振り切って2馬身差までリードを広げた。ラスト1Fではさすがに甘くなったが、それでも(5)ナミュールらの追撃を振り切った。

 ウインカーネリアンは前々走となる今年の東京新聞杯でも2着。5番枠からまずまずのスタートを切って、ここでも淡々と逃げてクビ差2着だった。東京新聞杯当日は昨年も今年も超高速馬場である程度ペースを引き上げても逃げ切れる馬場。一転して安田記念は外差し有利の傾向となるためにそこが課題だが、前走で芝1200m戦を使われており、ここもハナを主張できる組み合わせ。実績馬が差し、追い込み馬という組み合わせだけに、ワンチャンスあると見る。

△ (13)ステラヴェローチェ

 2歳時から活躍し、2021年のクラシックロードでは皐月賞3着、日本ダービー3着、神戸新聞杯1着など世代トップ級の能力を示してきた馬。

 菊花賞では勝ち馬タイトルホルダーから5馬身以上離された4着と敗れたが、これは休養明けの神戸新聞杯で不良馬場の中、当時の自己最高指数を記録した反動もあった。同年暮れの有馬記念では古馬相手に4着と健闘している。

 その有馬記念は9番枠から出遅れたが、促して中団やや後方まで挽回。エフフォーリアを徹底マークする形で進め、向正面では同馬の後ろにスペースを作って3角へ。3~4角でエフフォーリアが進出すると、その直後を狙って4角の外から積極的に仕掛けた。

 直線序盤では4列目付近からじわじわ伸び、3列目まで上がる。ラスト1Fでは内のクロノジェネシスとの叩き合いになったが捉え切ることができず、3着の同馬から半馬身差の4着だった。

 この有馬記念はパンサラッサがかなりのハイペースで逃げたことで、中団やや後方で脚を溜めたステラヴェローチェは展開に恵まれた面もある。それでも、4角大外から動いてクロノジェネシスに食らいついて行った内容は強く、ステラヴェローチェがこの時に記録した指数は、今回の日本馬の中ではNo.1である。

 芝2400~2500mが向く本馬にとって、マイルは本質的に距離が短い。とはいえ、4走前の富士Sでは飛ばして逃げたダノンタッチダウンを追いかけ、2列目の外でも引っかかってしまったように、屈腱炎による長期休養の後は折り合いの悪さを見せており、気性のことを考えると今はマイルの方が向く。

 現状では距離適性と気性が噛み合っておらず、ここも善戦止まりの可能性が高いと見る。ただし、不良馬場のサウジアラビアRCや神戸新聞杯を優勝しているように、時計の掛かる馬場ならチャンスは広がるだろう。

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