2024年 NHKマイルCの予想 – 競馬予想 – 山崎エリカ –

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予想

2024.05.05
2024年 NHKマイルCの予想

■今年は外<中<内

 昨年のNHKマイルCで外差し馬がワン、ツー、スリーを決め、大外から差したシャンパンカラーが優勝したように、例年のNHKマイルCは外差し馬場で行われることが多かった。しかし、今年は外よりも内が伸びるとは言わないが、経済コースを走れるぶん、外よりも内の馬が活躍している。

 その上で、今年は逃げ、先行馬が手薄。その上で(9)キャプテンシーが逃げ宣言。タフな馬場だった前走のNZT時は(17)ユキノロイヤルのほうが明確にテンが速かったが、今回は(9)キャプテンシーが内枠。ジュニアC時のように好スタートを切れれば、ハナに行けないことはない。どちらが逃げてもテンが速くなく、今回は平均ペースの範囲内で収まる可能性が高いと見ている。

 しばしば差し、追い込みが決まるNHKマイルCだが、今年は先行馬と速い末脚で上がれる馬が有利と見て予想した。

東京11R NHKマイルC 芝1600m
 ◎ (5)ボンドガール
 〇 (13)シュトラウス
 ▲ (9)キャプテンシー
 △ (2)ノーブルロジャー
 △ (14)アスコリピチェーノ
 △ (16)ジャンタルマンタル
 △ (3)ディスペランツァ
 △ (6)ロジリオン
結論 馬連6-13,9,2,14,16,3,6 (8:8:8:8:8:5:5) 複勝5 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (5)ボンドガール

 NZTの2着馬。3番枠からスタートはまずまずだったが、二の脚が速く楽に先行。そこからコントロールしながらじわっと下げ、2列目の内で我慢させた。やや掛かり気味だったが、意識的に位置を下げて、前にスペースを作る。3~4角でもそのスペースを維持し、4角でじわっと詰めてスピードに乗せながら直線で最内へ。序盤はスムーズに内を追われたが、先頭の(17)ユキノロイヤルがしぶとく、まだクビ差の2番手。ラスト1Fで同馬を競り落としたが、外からエコロブルームに差されて3/4馬身差の2着に終わった。

 ボンドガールは昨年6月、東京芝1600mの新馬戦ではチェルヴィニアやコラソンビート、キャットファイト、そして今回出走してくるマスクオールウィンといった後の活躍馬たちを相手に勝利した馬。この新馬戦では2列目の最内でレースを進め、最後の直線序盤では進路がなく、ラスト2Fで追い出される形になったが、ラスト2F11秒0-11秒1の流れを差し切って勝利している。

 新馬戦でマークした上がり3Fは33秒0。これは同日に行われた安田記念でシュネルマイスターが記録した32秒8、ホンコンJCT(2勝クラス)でドゥレッツァ(後の菊花賞馬)が記録した32秒7には劣るものの、同日の東京芝ではその2頭に続く堂々の3位。ここで見せた素質を考えると、近2走の2着は物足りないようにも映る。

 しかし、前々走のサウジアラビアRCは前半3Fのペースが速く、3~4角でペースダウンする展開。その流れを3番枠から出遅れ、前半から掛かり気味になりながら中団中目まで押し上げ、3~4角では我慢を強いられるなど、レースの流れと噛み合っていなかった。

 前走もスタミナが不足しがちな長期休養明け、かつ馬場がタフだった影響から末脚不発に終わった面もある。今回は叩かれての上積みが見込め、キャリアも3戦と浅いだけにまだまだ伸びしろもあるはず。本馬の末脚に期待して、本命馬とした。

○ (13)シュトラウス

 東京芝1600mの新馬戦を勝ち、次走のサウジアラビアRCでは3着、そして前走の東京スポーツ杯2歳Sで重賞を初制覇した馬。同レースでは7番枠からまずまずのスタートを切って3番手を追走。道中は逃げ馬が単騎で逃げ、やや離れた2番手のシュバルツクーゲルをマークする形で進めた。3~4角もその位置で我慢をし、4角出口では2馬身半差。ラスト2Fではシュバルツクーゲルとともに逃げ馬をかわして先頭列。ラスト1Fでしぶとく食らいつく同馬を振り切り、1馬身半差で完勝した。

 東京スポーツ杯2歳S当日はやや時計が掛かる馬場でペースも平均まで上がり、東京芝としては瞬発力が求められなかった面もあるが、一戦ごとに上昇し確かな強さを見せた。しかし、前々走の朝日杯FSは10着大敗。大外17番枠から大出遅れし、そこからじわっと挽回しようとしていたが、折り合い難に火が点いてコントロールが利かなくなり、一気に先頭まで押し上げてしまった。しかし、ここは明確にオーバーペースの競馬で苦しくなったもの。度外視できる。

 また、前走のファルコンSは明確に距離不足で、テンに置かれる形で最後方を追走。最後の直線でも進路を全く作ることができずに終わってしまった。しかし、今回は前走で芝1400m戦を使ったことで、マイルの流れには乗りやすくなるだろう。

 シュトラウスは秋の東京開幕日のコンクリート馬場で行われたサウジアラビアRCでは速い末脚が求められた中で、キレ負けしてしまっている(出遅れて位置が悪くなったが、4角で外の2頭が逸走したし、最後の直線で楽に2列目に上がれたのは不幸中の幸い)で、惜敗に終わった。一方、不良馬場で行われた新馬戦では2番手から道中で先頭に立って9馬身差で圧勝しているように、長くいい脚を使えることが強みの馬。本質的にマイルよりも中距離だが、折り合いを考えた場合はマイル戦のほうが好ましく、ここは期待した。レースが流れてくれれば、よりチャンスが広がる。

▲ (9)キャプテンシー

 デビュー3戦目のジュニアCを逃げ切り勝ちした馬。同レースでは1番枠から好スタートを切り、そこから押してハナを主張し、主導権を楽に取り切った。道中もペースを緩めず、しっかりと引き上げて、縦長の展開に持ち込んでいく。3~4角の中間でやや息を入れて、4角で2列目を3馬身ほど離して、手応え十分に直線へ。直線序盤で3馬身半差までリードを広げた。ラスト1Fで(7)チャンネルトンネルがじわっと迫って来たが、余裕を持って2馬身差で振り切った。

 キャプテンシーはデビュー2戦目の未勝利戦も逃げて勝利しているように、前の位置を取ってスピードの持続力を生かしてこその馬。休養明けの前走NZTは11番枠からやや立ち遅れ、内と外の馬に挟まれて後手を踏みながらも、向上面で2番手まで上がって、3角手前で先頭の(17)ユキノロイヤルにじわっとプレッシャーをかけていく形。ここでユキノロイヤルに抵抗されて、逆に苦しい競馬となって16着に失速したが、ひと叩きされたことで息持ちも良くなってくるだろう。スタートを決めて楽に前へ行ければ、怖い一頭だ。

△ (2)ノーブルロジャー

 デビュー2戦目でシンザン記念を勝利した素質馬。同レースでは5番枠からやや出遅れ、そこから促されてはいたが進みが悪く、徐々に下がって中団馬群のやや後方中目から進めた。3角手前でペースが落ちると、ここで馬群の狭い間から徐々に押し上げて3角へ。3~4角でも中団外目で我慢させ、4角で外に誘導すると3列目付近で直線へ。序盤で大外に誘導し、しぶとく伸びて先頭列。ラスト1Fでそのまま抜け出して1馬身1/4差で完勝した。

 当時の1回京都の芝は開幕週から時計が掛かっており、シンザン記念当日もタフな馬場。ペースも前後半4F46秒4-48秒1とかなり速く、全てがタフだったことから、前走の毎日杯ではレース間隔を開けてもさすがにダメージが出ると見ていた。

 結果はメイショウタバルには6馬身離されたものの、直線では一度前に出られたベラジオボンドを差し返してクビ差の2着。前々走の反動が出るには出たが、そこまで大きいものでもなかった。大きく崩れなかったあたりに地力強化を感じさせる。

 シンザン記念、毎日杯とタフな馬場だったが、新馬戦では高速馬場の東京芝1600mの超絶スローペースで結果を出していることから、本日の東京芝にも対応できるはず。ノーブルロジャーもキャリア3戦とあって、さらなる伸びしろを警戒したい。

△ (14)アスコリピチェーノ

 桜花賞2着馬。前走は9番枠からやや出遅れ、そこから軽く押して中団の外目を追走した。道中はステレンボッシュのすぐ外を進め、3~4角でも中団外々。4角出口では大外へ。序盤で追い出されたが、ひとつ内をうまく立ち回っていたステレンボッシュに前に出られ、1列後ろの2列目。ラスト1Fではじわっと伸びたが、同馬との差はあまり詰まらず。むしろ外からライトバックに迫られ、何とかクビ差で振り切った。

 前走では昨年暮れの阪神JFでクビ差先着したステレンボッシュに逆転を許し、3/4馬身差をつけられる形になったが、これは同馬よりも前の位置を取り切れなかったことや、4角で外に膨らんだところに、内からステレンボッシュに張り出されたことが影響している。

 本馬は一線級相手だとキレる脚が使えないので、ここでは末脚型の馬たちよりも前の中団くらいでレースを進めたいところ。それならばチャンスは広がる。また末脚型の馬たちよりも多少後ろからになったとしても、息の長い脚が使えるので、大崩れすることはないと見ている。

△ (16)ジャンタルマンタル

 皐月賞3着馬。前走は8番枠から好スタートを切るとハナ争いに加わり、最終的にやや離れた3番手の外を追走した。道中は前のメイショウタバルが飛ばしていく中で、離れた3番手で3角へ。3~4角ではじわっと仕掛けて、4角出口でメイショウタバルを捉えて先頭に立つ。直線序盤ではしぶとく伸びて2馬身差、ラスト1Fでさらに差を広げにかかったが、最後は外の2頭に差されてクビ+半馬身差の3着だった。

 皐月賞の週は雨に見舞われた前週から一気に高速化しており、前日は芝の4レース中2レースで逃げ切りが決まり、当日も直前に行われたドゥラメンテCで逃げ切りが決まるなど、とにかく1~2番手馬の活躍が目立っていた。

 この傾向から、メイショウタバルは先手を主張しようとするシリウスコルトやアレグロブリランテを制してまで逃げを選択したものと見ているが、5F通過57秒5はさすがに速い。相当な快速モンスターでないと逃げ切れるペースではなかった。

 結果的にやや離れた3番手のジャンタルマンタルの位置でも苦しく、それを思えばかなり強い内容だった。しかし、皐月賞で本馬のようなレース内容だと、NHKマイルCでは案外と期待に応えられないことが多い。

 たとえば、2005年の朝日杯FS勝ち馬フサイチリシャールがその一頭。皐月賞では速い流れを2番手追走から4角先頭で押し切りを図り、結果は5着も0秒6差と好走。次走のNHKマイルCでは1番人気に支持されたが、6着に敗れている。

 フサイチリシャールが凡走した理由としては、皐月賞でがんばり過ぎて余力がなかったことが考えられる。また、このタイプは朝日杯FS勝ちの実績からマイルがベストのように映るが、皐月賞を先行して好走するタイプはトゥザワールド(2014年2着)やキタサンブラック(2015年3着)、タイトルホルダー(2021年2着)のように中長距離で花開く馬が多い。

 つまり、ジャンタルマンタルも昨年の朝日杯FSは相手がそこまで強くなかったことや、馬場がタフだったこともあってこなしているが、超高速馬場でスピードが要求されるマイル戦はベストな条件ではない可能性が高いということ。前走で見せた能力の高さから軽視できないが、過信も禁物だ。

△ (3)ディスペランツァ

 デビュー2戦目の未勝利戦(阪神芝2000m)では、後のプリンシパルS・2着馬メリオーレムを撃破。デビュー3戦目の京都2歳S、続くホープフルSと重賞ではクラスの壁にぶつかったような成績に終わったが、前々走の1勝クラス戦で転機が訪れる。デビューから一貫して芝2000mを使われていた馬が、1600mに距離短縮して勝利したのだ。

 すると、続戦したアーリントンCで初重賞制覇を達成。前走は3番枠から五分のスタートを切り、促してもあまり進まず位置を下げ、中団内目からの追走に。かなりのスローペースだったが、我慢して前にスペースを作った。3~4角で前のシヴァースが中目に誘導すると、同じようにスペースを潰して中目へ。直線序盤ではそのひとつ外、(7)チャンネルトンネルの後ろからさらに外へ誘導した。ラスト1Fでもしぶとく伸び、あと50mのところでチャンネルトンネルらを一気に捉え、半馬身差で勝利した。

 これで芝1600mでは2戦2勝。前走はシヴァースら内目の馬が直線で詰まったのに対し、ディスペランツァは鞍上に上手く外に誘導されてスムーズな競馬ができた。あれ以上の競馬を求められると微妙な面もあるが、結果的にはデビュー当初は適性と異なる条件を使われていたことになる。このタイプは若い時期に無理をしていないので、芝のマイルでまだ伸びしろがありそう。要警戒だ。

△ (6)ロジリオン

 昨秋の京王杯2歳Sで後の阪神JF3着、フィリーズレビュー2着のコンソラビートとクビ差の2着に好走した馬。同レースでは2番枠からまずまずのスタートを切り、そこから促されたが、あまり進まずに後方に下がった。道中も中団やや後方の最内で進めて、3~4角でも後方の内目から中目を通して直線へ。序盤で狭いところを通しながら、進路を求めて外へ。進路確保で後手を踏み、追い出されたのがラスト1F手前だったが、そこからグングン伸びて前のコラソンビートにクビ差まで迫った。

 ロジリオンは前々走のクロッカスSでは中団最内から京王杯2歳Sの3着馬オーキッドロマンスを差し切って勝利している。同レースは前後半3F34秒2-34秒9とペースが落ち着き、マイルよりの流れだったからだ。しかし、京王杯2歳Sでテンに置かれて後方からラスト1Fでズドンと伸びて来たレースぶりから、本来は1400m向きではないはず。

 よって、マイル戦のここで変わり身を警戒したい。前走のファルコンSでも出遅れて後方最内からレースを進め、最後の直線で進路を作れないまま終わってしまったことも、ここへ向けて余力を残せたという意味では好ましい。

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