2024年 マイラーズCの予想 – 競馬予想 – 山崎エリカ –

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予想

2024.04.21
2024年 マイラーズCの予想

■京都芝1600mでも内と前有利が基本

 マイラーズCが行われる京都芝1600mはバックストレッチが712mと長いため、レースが緩みなく流れやすい舞台だが、それでも開幕週の高速馬場で行われるこのレースはスローペースが発生しやすく内と前有利が基本。京都で行われた過去10年では大逃げ馬シルポートが出走していた2012年、2013年こそややハイペースだったが、以降は平均ペースよりも遅く、かなりのスローペースが5回も発生している。

 昨年のシュネルマイスターのような追い込みは、トップスピードを長く維持できる中距離色の強い馬でないと厳しく、11番人気のシャイニーロックが逃げて4着に好走しているのがこのレースの本質である。今年も差し勢が能力値上位にランクインしているが、一発があるのは内を立ち回れる先行馬だろう。

本日1番 京都11R マイラーズC 芝1600m
 ◎ (14)ソウルラッシュ
 ○ (6)ビーアストニッシド
 ▲ (17)エエヤン
 △ (1)トゥードジボン
 △ (7)ノースザワールド
 △ (13)セッション
 △ (12)ソーヴァリアント
 △ (15)フリームファクシ
結論 馬連14-6,17,1,7,13,12,15 (9:9:9:9:9:3:2) 複勝14 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (14)ソウルラッシュ

 阪神で行われた一昨年のマイラーズCの勝ち馬。同レースでは13番枠からやや出遅れ、外から被されてやや窮屈になり、位置が下がってしまった。道中は後方3番手。3~4角で後方中目を通って4角出口で外に誘導され、ラスト1Fで前の3頭をかわして半馬身差で勝利した。このレースは阪神開催22日目の稍重で時計が掛かる中、ベステンダンクがペースを引き上げたことで、やや展開に恵まれた面がある。

 前走のGⅠマイルCSでも2着。ここでは1番枠から五分のスタートを切って、すっと下げて中団中目を追走。道中で脚を温存し、3~4角では包まれて進路がない状態だったが、直線序盤で追い出されると2列目の間を割って一気に先頭に立った。ラスト1Fで外からナミュールに差されたが、ソウルラッシュも直線序盤で4列目から一気に先頭に立って加速しており、進化を感じさせる内容だった。

 ここでは一昨年のマイラーズCと同等の自己最高指数タイを記録している。前走の香港マイルは余力がなく4着に敗れているが、それでも一昨年のマイルCSの覇者(3)セリフォスを完封している。

 超高速馬場で行われた昨年のマイラーズCでもクビ+クビ差の3着に善戦しているように舞台の適性もあって、ここでは能力値1位。開幕週で内と前が有利な状況下で14番枠と不利な枠に入ったが、昨年も13番枠から好位の中目とロスを最小限に立ち回って善戦していることから、外枠でもやれると見る。

 今回はモレイラ騎手が行方不明となり、当初、予定していた松山騎手の落馬負傷で団野騎手に乗り替わる。しかし、団野騎手は昨年のGⅠ・高松宮記念でファストフォースを勝利しているし、昨年の福島牝馬SのステラリアやCBC賞のジャスパークローネのように、乗り替わりのチャンスを生かしてくる騎手なのであまり問題を感じていない。

〇 (6)ビーアストニッシド

 一昨年のスプリングSを逃げ切り勝ちした馬。昨年のマイラーズCで2列目の外を追走して0.3秒差の6着、5月に行われたリステッド競走の安土城Sでも中団の外々を回って2着に好走しているように、この時期に好成績を残していることが多い。

 本馬はその後が不振だったが、今年初戦にダ1400mのコーラルSを使われたことで行きっぷりが復活。前走の六甲Sは重馬場でジャスティンスカイと競り合いオーバーペースとなり、結果には繋がらなかったが、スピードは見せた。今回は京都開幕週で内目の枠。前が有利な展開になれば一発はある。

▲ (17)エエヤン

 前走のダービー卿CTの2着馬。前走時は10番枠からまずまずのスタートを切って好位で進めようとしていたが、鞍上がペースが遅いと判断すると自然な形でハナを奪う。そのままペースを引き上げて徐々にリードを広げ、5馬身ほどの差で直線へ。直線序盤でパラレルヴィジョンにやや差を詰められ、ラスト1Fで2馬身ほどのリード。ラスト1Fで同馬に捉えられたが、3着馬には1馬身半差つけており、強い内容だった。

 本馬はこれまで脚を溜める競馬で折り合い難を見せ、それが成績不振に繋がっていたところがあったが、昨年暮れの芝1400㍍戦、阪神Cを使われたことで行きっぷりが回復。前走は前に行くことで結果を残せた。今回は大外17番枠だが、鞍上はM.デムーロ騎手。序盤は前に行けずとも3角までに好位の内目に入れてきそうなだけに怖い存在だ。

△ (1)トゥードジボン

 京都芝1600mで2連勝してオープン入りを果たし、3走前の京都金杯で3着と好走した馬。3走前は逃げ、先行型が多数の組み合わせで、4番枠から五分のスタート。外のドルチェモア、(13)セッションが早々と内に切れ込んできたので、コントロールして2列目のセッションの外へと誘導。前2頭が引き離していくので、やや離れた3番手からの追走となった。

 3~4角では最内を通って、スペースを詰め切らずに直線へ。序盤で外に誘導しながら追われると、ラスト2Fで2番手に上がった。ラスト1Fでセッションに並びかけたがアタマ差及ばず、最内から(10)コレペティトールに差されて3着となった。このレースはドルチェモアがぶっ飛ばして、時計の掛かる馬場で前後半4F45秒3-48秒5のかなりのハイペース。また最内を通した馬が1~3着を独占したように、極端に内有利の馬場でもあった。

 つまり、トゥードジボンは最短距離から差し切ったコレペティトールほどではないが、イン差し有利の馬場&展開に恵まれて自己最高指数を記録したことになる。本馬は5走前の2勝クラス、4走前の3勝クラスともに逃げ切っているが、これはスローペースの上がり勝負に持ち込んでのもの。本質的に後半型で末脚を生かしてこそのタイプである。

 前々走の東京新聞杯は休養明けの京都金杯で好走した反動もあったが、2番手と前に行ったことも10着まで沈んだ敗因のひとつ。前走の六甲Sも11着と崩れているが、前走も4番手とオーバーペースの流れに乗ってしまったことが敗因と見ている。今回は1番枠で近走同様に先行する可能性が高いが、前走でタフなレースをしたことで今回は粘り強化が見込め、開幕週で内有利のアドバンテージもある。

△ (7)ノースザワールド

 前々走の東風Sの2着馬。このレースは大外14番枠から出遅れたが、そこから挽回して中団の外目を追走した。3~4角でペースダウンすると、外々から好位のディオの後ろまで押し上げ、4角出口で同馬の外6番手に誘導。直線序盤の伸びは地味で途中まで6番手だったが、ラスト1Fで前4頭をかわし、ディオに1馬身半差まで詰め寄った。

 前々走は前日の芝が重馬場からの開催で、当日も7Rまでが稍重。時計が掛かる外差し有利の馬場で、前後半4F45秒9-47秒5のかなりのハイペース。馬場と展開に恵まれての2着ではあったが、終始外々を回るロスの大きい競馬ながら、最後までしぶとい伸びを見せている。3走前でダートを使ってタフな流れを経験したことがスタミナ強化に繋がったのだろう。

 重馬場だった前走の六甲Sでは休養明け好走の反動で6着に敗れているが、一昨年11月のノベンバーS(東京芝1800m)で逃げて、後の小倉大賞典覇者エピファニーと半馬身差の2着に粘ったことや、昨年3月に重馬場で行われたスピカSで3勝クラスを卒業したことから、時計の掛かる馬場や上がりの掛かる展開に持ち込むのがベストの馬なのだろう。

 開幕週の京都で時計の速い決着となると不安はあるが、今年は高速馬場ではあるが、『超』がつくほどの高速馬場ではない。今回は走り頃の休養明け3戦目ということもあり、警戒しておく。

△ (13)セッション

 前々走の京都金杯の2着馬。前々走は11番枠から五分のスタートを切り、すっとハナを主張したが、外のドルチェモアもハナを主張したのでそれを行かせて離れた2番手を追走。3~4角では最内から後続の仕掛けを待つように進出し、3角で4馬身差、4角では5馬身差。直線序盤で追い出されるとすっとドルチェモアを捉えて1馬身ほど前に出る。ラスト1Fで外から△(1)トゥードジボンに並びかけられたが、踏ん張ってクビ差で凌いだが、内から(10)コレペティトールにかわされて半馬身差の2着だった。

 前々走は(1)トゥードジボンのコメントでも記載したが、ドルチェモアがぶっ飛ばして、時計の掛かる馬場で前後半4F45秒3-48秒5のかなりのハイペース。最内を通した馬が1~3着を独占したように、イン差し有利の馬場だった。よって、上位3頭の中ではもっとも前の位置でレースを進めたセッションが一番強いレースをしていたことになる。

 前走のダービー卿CTでは、前有利の展開ながら7着敗退。前々走で自己最高指数を記録と好走した疲れが残り、休ませたことが影響しているのだろう。今回で前に行ける強みを生かせればチャンスがある。

推定2番人気 (3)セリフォス

 一昨年秋のマイルCSの勝ち馬。この時のマイルCSはジャスティンカフェやシュネルマイスターなど、最後の直線で馬場の良い中目を狙いたい中団馬、後方馬が3~4角から直線序盤にかけて包まれ、能力を出し切れなかった。セリフォスも10番枠からやや出遅れ、道中も位置を下げるなど決してスムーズなレースではなかったが、4角出口で外を選択したのが結果的に正解だった。ラスト1Fで前を捉えて、最後は1馬身1/4差で完勝した。

 昨年の安田記念では4番枠から五分のスタートを切ると、やや促して3列目の内でレースを進めた。道中はソダシやジャックドールを見ながら進めていたが、やや掛かり気味。直線ではジャックドールを捉えたが外からソングラインに差されて1馬身1/4差の2着だった。

 セリフォスは一昨年のマイルCS時のように、末脚を生かしてこそだが、4番枠だったこともあって前でレースの流れに乗り過ぎたために末脚が不発。ソングラインのように外枠から出て、直線は外から一気の競馬ならば、また違う結果になっていた可能性は十分ある。

 ただし、前走の香港マイルは3~4角で後方馬群の中目で包まれて仕掛けが遅れたことは確かだが、ラスト1Fでも伸び切れずの7着敗退。物足りなさを感じさせる内容だった。今回は内の3番枠で昨年の安田記念時のように、好位の内でレースの流れに乗る可能性も高く評価を下げた。相手弱化と開幕週で内枠のアドバンテージを考慮しても、◎(14)ソウルラッシュと肩を並べるほどの人気となると買いにくい。

推定3番人気 (8)トランキリテ

 3勝クラスで足踏みしていたが、前々走で京都芝1600m戦・石清水Sを勝利すると、前走のリステッド競走・洛陽Sに出走した。前走は大外18番枠からやや出遅れ。そこから促していたが、進みが悪いので思い切って最後方まで下げた。道中も動かず、4角出口では外に誘導。直線序盤は後方2列目だったが、そこから一気に中団まで上がり、ラスト1Fで前のドゥアイズとの差をしっかり詰めて半馬身差の2着でゴールした。

 前走は後続を引き離して、前へ行った2頭が揃って大敗しているように、前後半4F45秒5-47秒1の緩みない流れ。最序盤で最後方まで下げて、最後の直線に懸けたトランキリテは展開に恵まれた面がある。しかし、本馬がここで記録した上がり3F33秒4はこの日の芝では最も速いタイムだった。

 しかし、3走前の中山芝1600mのファイナルSで終始好位直後の外々を回るロスの大きい競馬で(16)ボルザコフスキーに完敗したように、前半で良い位置を楽に取れない点がネック。突き詰めると芝1600mは距離が短く、芝1600mばかりを使われたことで3勝クラスをなかなか卒業できなかったと見ている。

 京都芝1600mは中距離色が強い舞台で展開に恵まれればチャンスはあるが、今回は開幕週でスローペースが濃厚のメンバー構成。天気予報どおりに大雨が降れば一考の余地もあったが、今回は天候にも恵まれ、追い込みが簡単に届く展開になりそうもないので評価を下げた。

推定4番人気  (10)コレペティトール

 今回と同舞台の京都金杯で重賞を初制覇した馬。同レースは2番枠から五分のスタートを決め、中団最内に上手く収めた。3~4角で最短距離を通り、4角出口で外に誘導するダノンタッチダウンに対して、最内から直線へ向いた。序盤でしぶとく伸びて3列目に上がり、ラスト1Fで前のセッションを内からかわして半馬身差で勝利した。

 この時は京都の開幕週で極端に内有利の馬場状態。京都はコースを改修したばかりで路盤が固まっていないため、多少でも雨の影響などがあると時計が掛かる傾向があった。当日も開幕週としては時計が掛かっていた。その上でドルチェモアがぶっ飛ばし、前後半45秒3-48秒5とかなりのハイペース。つまり、最内をロスなく立ち回って差し切ったコレペティトールは完璧に立ち回っての勝利だったということになる。

 今回は10番枠。鞍上は最内、最短が身上の岩田康誠騎手だけに、この枠でも内目に捻じ込んでくる可能性があるが、前走のような最短距離での競馬は難しい。また、スローペースの上がりの競馬となった3走前の秋色Sでは前との差が詰められずに4着に敗れたように、本馬はそこまでトップスピードが速くない。ペースが上がり切らなかった場合には包まれて仕掛けが遅れてしまう危険性もあり、ここは狙いにくい。

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