2023年 札幌記念+北九州記念+札幌8R+メインRの予想 – 競馬予想 – 山崎エリカ –

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2023.08.20
2023年 札幌記念+北九州記念+札幌8R+メインRの予想

本日は下記の4レースで終了いたしますm(__)m。

■極端なスローペースになりにくく、内有利の傾向

 札幌は洋芝100%。洋芝は野芝よりも耐久性が低く、開催が進むにつれて時計が掛かる。しかし、過去10年の札幌で行われた札幌記念の平均5F通過は59秒中盤。最も遅かった年でも60秒7で、大半は59秒台半ば~後半と、極端なスローペースになりにくい。

 この傾向は馬場がよほど悪化しないとほぼ変わらない。馬場が悪化するほどペースが速くなり、稍重で行われた2018年には、久々にマカヒキが大外一気の追い込みで2着に届いている。

 今週末は台風の影響で雨模様だが、雨量はそこまで多くない。ただジャックドール、ユニコーンライオン、アフリカンゴールドと前に行きたい馬が揃っているので、極端ではないにせよ、ハイペースにはなるだろう。土曜の段階でも例年よりも2段階は速いので昨年の走破タイム2分01秒2よりも1秒くらいは速くなると見ている。

 また、札幌はJRA10場の中でもコーナーが大きく、内有利のコース。その上でCコースに替わりで、昨日も内有利に拍車が掛かっていたことから、それも踏まえて予想を組み立てたい。

本日2番 札幌11R 札幌記念 芝2000m
 ◎ (12)ヒシイグアス
 ○ (11)ラーグルフ
 ▲ (1)ソーヴァリアント
 注 (4)シャフリヤール
 △ (2)ウインマリリン
 △ (5)ジャックドール
 △ (13)プログノーシス
 △ (10)トップナイフ
結論 馬連12-11,1,4,2,5,13,10 (10:10:10:6:6:6:2) 複勝12 (50)

■有力馬とそのコメント

◎ (12)ヒシイグアス

 昨年の宝塚記念で2着の実績馬。同レースはタイトルホルダーがペースを引き上げていく中で、10番枠からまずまずのスタートを切って楽な手応えで2番手まで上がり、そこから控えて好位の中目を追走する形。道中でやや折り合いに苦労していたが、3~4角で4列目の最内から最短距離を通し、4角で中目を捌いて3列目で直線へ。そこからしぶとく伸びてタイトルホルダーに2馬身差まで詰め寄る、驚きの好内容だった。

 そこから長期休養明けとなった前々走の中山記念は、11番枠からやや出遅れ、そこからじわっと中団内目に入れ、3~4角でも中団の内のスペースを拾って4角で3列目の中目に誘導された。直線序盤でやや狭くなったが、そこから外に出されると、しぶとく伸びて前のドーブネを捉え、追いすがるラーグルフを3/4馬身差で振り切って完勝。2021年に続く中山記念二連覇を達成した。

 前走の大阪杯では7着と敗れたが、これは馬体重18Kg減が示すように、長期休養明けで好走した疲れもあったはず。今回はそこから立て直されての一戦となる。今年の札幌記念は好メンバーが集まっているが、指数上位馬が適性面に不安があったり、ここが目標ではなく状態面での不安がある馬が多いなか、本馬は比較的、順調にきている。少なくとも同厩のダノンベルーガよりも勝負度合は上だろう。

 また、タフな馬場で前半型の競馬は苦手。その証拠に、極悪馬場で行われた2019年のラジオNIKKEI賞では、好位の直後の中目でレースを進めながら、3角手前で手応えが怪しくなってジリジリ後退し、最後の直線でバテた馬を何頭か交わしての9着とこれまででもっとも悪い着順だった。

 超高速馬場で行われた2021年の中山記念を優勝したことや、例年よりも高速馬場だった同年の香港Cで、後方2番手から最後の直線でラヴズオンリーユーと叩き合って2着に入ったことを踏まえると、高速馬場で末脚を生かす競馬を得意としている。これらのことから、例年の札幌芝よりも2段階は軽い今年は、好都合のはず。レース当日に多少雨が降ったとしても、そこまで馬場は悪化しないと見て本命馬とした。

〇 (11)ラーグルフ

 昨秋の3勝クラス・甲斐路Sでオープン級の指数を記録して本格化を示すと、中山金杯を優勝。さらには強豪そろいの中山記念でも2着と好走した。同レースでは13番枠から五分のスタートを切って、中団やや後ろの外を追走。3~4角で前のリューベックが仕掛けていってくれたので、その後ろを通して、4角出口で大外に出されると、直線序盤でやや置かれたが、そこから最後までしぶとく粘ってヒシイグアスに3/4馬身差まで迫った。3~4角で大外から強気に仕掛けたことを考えると、なかなかの好内容だった。

 前走の大阪杯は前有利の流れを後方3番手、4角では最後方からの競馬で能力を出し切れなかったが、立て直されての巻き返しに期待が高まる。今回は相手が強いが、4歳馬にとってこの時期は成長期だけに、ここで展開に恵まれれば馬券圏内に加われそうだ。

▲ (1)ソーヴァリアント

 一昨年と昨年のチャレンジCを連覇した馬。一昨年の同レースは、逃げ馬不在。11番枠からまずまずのスタートを切り、二の脚でハナに立つ勢いだったが、内からハナを主張するマイネルフラップを行かせてなんとか2番手でコントロール。道中もかなりのスローペースながら3番手以下を離してマイネルフラップを煽りながら追走。3角からややペースが上がっても持ったままで、楽な手応えで4角を回って直線序盤で先頭に立つと、そこから突き抜けて3馬身半差で快勝した。

 このレースでは前に行く競馬で最速タイの上がり3Fタイムを記録しているように、とても強い内容。記録した指数もGⅠ級通用レベルのものである。休養明けの前走・鳴尾記念は掛かり気味の競馬で崩れたが、ひと叩きで折り合いが付けば、一気の前進に期待できる。

注 (4)シャフリヤール

 2021年のダービー馬で、昨年はドバイシーマクラシック勝ち、ジャパンCでも2着と好走した実績馬。前々走のジャパンCでは15番枠からやや出遅れて、そこから中団馬群の中目に突っ込んで追走。3~4角の外から動いたダノンベルーガをマークし、それを追いかけて直線へ。ラスト2Fで外に出して先頭列まで上がったが、最後に3~4角の内目から直線で中目を捌いて上がったヴェラアズールに差され、3/4馬身差で敗れた。このレースは3~4角で内を立ち回った馬が上位入線しているように、ペースが上がった3~4角でかなり外を回った本馬はとても不利。上手く内を立ち回れていれば、優勝していたと見ている。

 ただし、昨秋はジャパンCが大目標。なぜならドバイシーマクラシックの優勝馬である本馬には1着賞金4億円の他、褒賞金200万ドル(約3億円)が用意されていたからだ。ジャパンCは惜しくも2着だったが、このように藤原英昭厩舎は早期から目標を定め、そこへ向かって馬を作っていくスタイル。2015~2016年にGⅠで3勝を挙げた同厩のストレイトガールが、全て休養明け2戦目に勝っており、始動戦では馬券圏内にも来れていなかったように、休養明けは仕上げ切らない傾向がある。

 シャフリヤールは昨年のドバイシーマクラシックを休養明けで優勝しているように、鉄砲駆けも可能なタイプだが、この中間の調整の軽さから目標は秋と推測される。休養明けで明確に叩き台だったはずの一昨年の神戸新聞杯(極悪馬場に近い状態)で、好位の外から勝ちに行く競馬で4着と善戦しているように、タフな馬場も悪くないが、ベストは日本ダービー時のような超高速馬場。ここが目標であれば勝っても不思議はないが、ここが目標ではない以上、本命視するのは怖く、評価を下げた。

△ (2)ウインマリリン

 昨年の香港ヴァーズで悲願のGⅠ制覇を達成した女傑。同レースでは3番枠からまずまずのスタートだったが、そこからの二の脚が速く、いったんハナへ。逃げていいタイプではないので、コントロールして外の馬に行かせ、中目に収めようとしたが、そこで収めきれずに最終的には後方付近を追走した。向正面では後方馬群の中で我慢し、3角では外に出したが最後方の列へ。4角で大外を回って進出してもまだ最後方だったが、直線序盤ですっと伸びて一気に2番手まで上がり、残り300mで2番手から先頭に立ったボタニクを残り150mで楽に交わして、1馬身半差で完勝した。

 香港ヴァーズでは、全盛期ほどの勢いはないにせよ、一昨年の覇者グローリーヴェイズ(3着)に2馬身差近くつけているように、ウインマリリンは長距離馬。また、昨秋のエリザベス女王杯は、Aコース使用13日目と朝からの降雨の影響で外差し馬場になっていて、11番枠から外の馬が掲示板を独占する形となったが唯一好位からの競馬で2着同着と善戦している。このことからも、芝2000mなら時計の掛かる馬場で末脚を生かす競馬がベスト。しかし、今週末は台風の影響があってもそこまで馬場が悪化しない可能性が高い。

 今回は2番枠。馬場を考慮した場合には好ましいのだが、テンの速い本馬は2列目くらいからの競馬となる可能性が高く、香港ヴァーズ時のような末脚を生かす競馬ができない。ただ、2021年のオールカマーでは、1番枠から二の脚の速さで一旦ハナから外のロザムールに行かせ、その直後の2列目3番手の最内でレースを進めた。直線序盤で窮屈になる場面がありながらも、ラスト1Fで一気に突き抜けて1馬身半差で完勝している。高速馬場の2列目からの競馬でも悪くはない。しかし、当時よりも相手が強化されていることを考えると全幅の信頼は置けない。

△ (5)ジャックドール

 昨年の札幌記念の覇者。昨年もユニコーンライオン、パンサラッサと逃げ馬揃いのなか、4番枠から好スタートを切ったが、外のユニコーンライオン、内のパンサラッサを行かせて、2列目の外で意図的に折り合う競馬。3~4角で位置を押し上げ4角2番手から、しぶとく逃げ粘るパンサラッサをクビ差捉えて優勝した。

 前々走の大阪杯のように逃げてもいいが、2列目でも問題はないタイプ。競り合いを嫌う武豊騎手が鞍上の今回は、昨年のように外のユニコーンライオンを行かせて2番手、アフリカンゴールドが好スタートを切った場合には行かせて3番手というように、昨年のようなレースをする可能性が高い。また、内枠にテンの速い馬はウインマリリンのみ。ウインマリリンの出方次第では2列目の最内でレースを進められるだろう。

 ただし、昨年よりも相手が強いことと、5レースまで稍重だった昨年ほど馬場が悪化しない可能性が高い点がネック。昨年の金鯱賞ではレコード勝ちをしているが、当時は超高速と言えるほどの馬場ではなく、3番枠から好スタートを切って、緩みないペースで逃げ切った。本質的にはスピードの持久力を生かしてこそのタイプで、馬場悪化が理想。メンバー「?」ではあったが、今春の大阪杯を優勝しているように、高速馬場でも通用しないことはないが、やや評価が下がる。

△ (13)プログノーシス

 デビューからこれまでで9戦5勝2着1回3着1回。3走前の中日新聞杯は4着と初めて馬券圏外に敗れたが、このレースはかなりのスローペースで、3角手前の下り坂から一気にペースアップ。3~4角で内を回った馬が1着、2着、3着、5着と上位入線する流れだったが、6番枠から好スタートを切りながらもブレーキを掛かて後方2番手を追走し、4角で大外をぶん分回すロスが生じたもの。直線序盤でも進路が作れなかったが、外に出されると1頭だけ違う末脚で伸びて、勝ち馬とキラーアビリティとクビ+クビ+ハナ差。ペースが上がらない中で、絶望的な位置から距離ロスの大きい競馬になりながらも崩れていない。

 前々走の金鯱賞ではその鬱憤を晴らすかのように、重賞初制覇を達成。12番枠から出遅れて最後方からの追走になったが、外目からじわっと取り付いて、ペースが上がらない中で後方2列目外までは持ってくる。3~4角の外からじわっと仕掛けて中団やや後方で直線へ。坂の上りで追われてしぶとく伸びて2番手に上がると、ラスト1Fで内で粘るフェーングロッテンをしっかりと捉えて3/4差で勝利した。前々走は逃げたフェーングロッテンの勝ちパターンだったが、それを差し切ったことは評価できる。

 前走のクイーンエリザベス2世Cも、3番枠から出遅れて最後方からの追走。向正面も最後方で脚をためて、3~4角では最短距離を通し、4角で前のスペースを詰めてスピードに乗せたが直線序盤は進路がない状態。序盤で外を狙うが難しく、中目に誘導し、ラスト1Fで3列目から内目を捌いてすっと伸びて2着に上がった。ロマンティックウォーリアには2馬身離されたが、同馬は昨年の香港Cで4馬身半差で圧勝したほどの馬なので仕方ない。

 本馬は極端なスローペースで決め手を活かしてこそのタイプ。デビュー2戦目で平均ペースが上がった毎日杯では、ここでも出遅れて後方から追走しながら、ラスト1Fで甘くなって(4)シャフリヤールやグレートシャルマンに1馬身3/4差をつけられていることから、高いレベルではペースが上がると好ましくない。加えて、今回は相手強化となるために評価を下げた。

△ (10)トップナイフ

 昨年のホープフルS2着の実績馬。同レースは8番枠からまずまずのスタートを切ってじわっと内に切れ込みハナを主張。早い段階でコントロールして後続を引き付けながらの逃げ。向正面でもペースを引き上げなかったが、2列目の外に1番人気のミッキーカプチーノが控えていたので、後続はそれをマークして動かないまま3角へ。

 3~4角から徐々にペースを引き上げ、4角出口で外から並びかけてきたドゥラエレーデとともに2列目をやや離して先頭列で直線へ。序盤で追われてすっと後続を離したが、ラスト1Fで食らいつくドゥラエレーデとクビの上げ下げでハナ差2着に惜敗した。行った、行ったの流れに持ち込んでのほぼ完璧な騎乗だった。

 しかし、本番の皐月賞もダービーも出遅れて後方からの競馬となり、自分の型のレースが出来なかった。調子落ちして行きっぷりが悪くなっていたのである。ホープフルSを使うと、その後、クラシック路線にピークを持ってくるのが難しく、ホープフルSは陣営が二流と判断した馬が使われることが多いもの。

 個人的に昨年のホープフルSは珍しくスローペースだったことから消耗度が少ないと見ていたが、そう甘くはないことを実感させられた。今回はそこから立て直されての一戦。強豪相手の札幌記念に出走させてくることからも、陣営も本馬の素質の高さに期待しているはず。好スタートを切って先行策からの一発を警戒したい。

推定3番人気 (6)ダノンベルーガ

 今年のドバイターフ2着馬。前走のドバイターフは4番枠から五分のスタートを切って促していたが、窮屈になって下がり、後方2列目の中目からの追走。3~4角では包まれて最後方まで下がったが、4角で必死に追いながら中目を通して直線へ。直線序盤でも進路が作れずにバタバタしたが、中団中目を捌いて残り300mで外に出すと、そこから強襲。ロードノースに3/4馬身差まで迫った。

 中団内々で脚をタメた3走前の天皇賞(秋)、大半の馬が上がり3F33秒半ばという状況下で、イクイノックスに次ぐ上がり3F32秒8を記録しているように、末脚を生かしてこその馬。前々走で芝2400mのジャパンCを使われ、中団からレースを進めた影響もあって、前走のドバイターフはテンに置かれ気味で、ややスムーズさを欠いた。

 しかし、位置取りも本仕掛けのタイミングも悪くなかったと見ている。直線で早め先頭に立ったならば、ラスト2Fで先頭に立った前々走のジャパンC時のように、甘さを見せていた可能性が高いからだ。実際に自身のラスト2Fも10秒88-11秒10とやや減速しており、1着ロードノースと3着ネーションズプライドが抜け出しかかったタイミングで動いたことが、2着好走に繋がったと言える。

今回、管理する堀宣行調教師が「目標は秋のレースですし、1度使っておくと仕上げやすいので、今回は馬の状態に合わせて調整していきます」とコメントしているように、叩き台だろう。また、台風の影響で馬場が悪化するなら、トップスピードを存分に生かせそうにないことも含め、狙いにくい。
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本日3番 小倉11R 北九州記念 芝1200m
 ◎ (4)サンキューユウガ
 〇 (7)クリノマジン
 ▲ (8)レジェーロ
 △ (9)ママコチャ
 △ (13)デュガ
 △ (1)ストーンリッジ
 △ (5)エナジーグラン
 △ (14)ロンドンプラン
 △ (18)モズメイメイ
 △ (2)ボンボヤージ
 △ (3)スティクス
結論 馬連4-7,8,9,13,1,5,14,18,2,3 (10:10:10:10:2:2:2:2:1:1) 複勝4 (50)

■Aコース2週目で内有利だが、激流必至

 北九州記念は2012年から2018年までは2回小倉8日目で行われていたが、近3年は夏の小倉開催4日目で行われ、これに伴って馬場が悪化しない限り、内と前が活躍している。

 小倉芝1200mはコース最高部の2角のポケットからスタートして3角までの距離が約479m。スタートしてすぐに下りとなるため、テンが速くなり、ハイペースが発生しやすいコース。しかし、開幕2週目の超高速馬場の状況下では前からでも押し切れている。

 実際に昨日の小倉芝1200m戦、佐世保S(3勝クラス)でも前半3F32秒8-後半3F34秒3のハイペースで流れて、メイショウゲンセンが逃げ切りを決めている。

 しかし、今回はテンの速いモズメイメイやスティクス、その他にも逃げたいジャスパークローネやテイエムスパーダが出走。ここまで前へ行きたい馬が集えば、激流必死だろう。今回はそれを踏まえて予想を組み立てたい。

■有力馬とそのコメント

◎ (4)サンキューユウガ

 2勝クラス時に5戦連続で連対をしたように、先行、差し自在で安定感が高い実力馬。3勝クラスに昇級後、芝1400m戦を使われたがやや安定感を欠いたために、一時ダートに転向した。しかし、ダートでの厳しい競馬を経験したことが良かったようで、前々走の水無月Sで再び芝に戻ると、前走のCBC賞で重賞初連対を果たした。

 前走は4番枠からまずまずのスタートだったが、そこから押して先行策し、2列目の最内と絶好位を確保。3~4角で最短距離を立ち回り、直線序盤で逃げた(15)ジャスパークローネとの差を1馬身差まで詰め、ジャスパークローネを射程圏に入れたところで、同馬がフラついて接触し、立て直すロス。しかし、そこから半馬身差まで詰め寄った。

 前走は芝で本格化を感じさせる内容。今回は前記したように逃げたい馬が4頭も出走しており、激流必至のメンバー構成。本馬は前走ほど前に行ないが、だからこそ好位直後の内々で上手く脚を溜めでの能力発揮が期待できる。
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本日1番 札幌8R クローバー賞 芝1500m
 ◎ (8)コスモディナー
 〇 (4)ノヴァエクスプレス
 ▲ (3)テラメリタ
 注 (6)ドナベティ
 △ (2)タヤスロンドン
 △ (1)モズミギカタアガリ
 △ (5)オオイチョウ
結論 馬連8-4,3,6,2,1,5 (20:15:8:3:2:2) 複勝8 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にドナベティ、コスモディナー(ともに-6.0pt)、テラメリタ(-4.0pt)、ノヴァエクスプレス(-3.0pt)、タヤスロンドン(1.3pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

■有力馬とそのコメント

◎ (8)コスモディナー

 札幌芝1800mの新馬戦では、3番枠から好スタートを切り、すっと3番手を追走。ライバルたちがバタバタとした動きを見せるなか、インでしっかり脚を溜め、競馬センスの良さを見せた。4角では他馬が馬場の悪い内を避けて外に出して行くなかで、本馬はそのままインを通って直線へ。外から伸びてきたテウメッサの脚色が素晴らしく、外と比較すれば馬場の悪いところを通っている本馬はかなり苦しい状況だったが、なんとかもうひと伸びして勝利した。

 ラスト2Fは12秒0-11秒6。時計の掛かる福島芝中距離の新馬戦でこの数字は秀逸。外から伸びてきたテウメッサが止まったのではなく、コスモディナーが最後にもうひと伸びした。上がり3Fタイムの34秒9も素晴らしい。同日の同距離、福島2Rや福島7Rと比較しても飛び抜けている。

 3、4着馬には7馬身弱の大きな差をつけており、指数は新馬戦としてはかなり優秀。2着テウメッサも並の新馬戦なら勝利濃厚レベルだったが、本馬が強強すぎた。

 そんな経緯から先週のコスモス賞で本命に押したが、エコロヴァルツに6馬身も突き離されての2着。勝ち馬が強すぎたことも敗因ではあるのだが、本馬は前走時、中間の調整があまりにも軽過ぎた点が不安にもかかわらず、過信してしまったことを反省した。おそらく最初から連闘を視野に入れていたのだろう。前走は本来の能力を出し切れなかったが、ここでの変わり身を期待する。

 16番枠からやや出遅れたが、前に障害になる物はなく、徐々に進出して3角3番手の外までポジションを上げた。そこからは終始外を回りながら好位をキープ。これは見た目よりも苦しく、負担が大きい内容で最後に伸びないのが普通だ。しかし、最後の直線に向いても脚色は衰えることなく、持ったまま先頭に並びかけ、残り300m過ぎでかわした。そこから追い出されて苦しくなったのか、内に切れこんだが、そのまま後続を抑え込て2着に1馬身半差をつけて勝利した。

○ (4)ノヴァエクスプレス

 東京芝1400mの新馬戦では出遅れたが、前に障害になる物はなく、徐々に進出して3角3番手の外までポジションを上げた。そこからは終始外を回りながら好位をキープ。これは見た目よりも苦しく、負担が大きい内容で最後に伸びないのが普通だ。しかし、最後の直線に向いても脚色は衰えることなく、持ったまま先頭に並びかけ、残り300m過ぎでかわした。そこから追い出されて苦しくなったのか、内に切れこんだが、そのまま後続を抑え込て2着に1馬身半差をつけて勝利した。

 ラスト2Fは11秒3-11秒5。最後に急減速してもおかしくないレースぶりだったが、大きく減速していないことは高く評価できる。今回は全能力を出し切れたとは言えないレースぶりで、もっと潜在能力は高いはず。そこで今回は対抗評価とした。

▲ (3)テラメリタ

 阪神芝1600mの新馬戦では、ゲートを怖がり目隠しをしてゲート入り。レースは出遅れたが1番枠だったこともあり、枠なりに先頭に立つ競馬となった。4角出口でゴーサインが出されると飛び跳ねそうになるなど、集中して走れていなかったが、最後の直線では後続が上がってくると二枚腰を発揮。最後までバテることなく、2着に3馬身半差を付けて逃げ切った。

 ラスト2Fは11秒3-11秒6とやや減速したが、まだ本気で走っていないレースぶりからスタミナはかなりありそうだ。レース内容は同日の東京新馬戦の勝ち馬シュトラウスに似ている。今後の懸念点も同じようなものとなりそうだ。同馬と比較した場合、本馬の方が指数が劣る分で評価は下げたが、今後が楽しみであることは確か。

注 (6)ドナベティ

 函館芝1200mの新馬戦では、9番枠からトップスタートを切って、そのままハナへ。逃げるかとも思われたが、内からサトミノキラリがハナを主張すると、すっと控えて2番手につけた。最後の直線では同馬を目標に仕掛け、キッチリ捕らえて1馬身差で勝利した。

 芝1200mの走破タイム1分9秒3はこの日の函館の馬場を考慮するとかなり速い。4着馬には6馬身3/4差もつけている。今年のここまでの函館芝新馬戦では最も優秀な指数での勝利となった。

 ラスト2Fは11秒1-11秒4。それなりに速いタイムで走破しながら、最後の減速度も0.3秒なら悪くない。今回で疲れが残るかは微妙なレベルで判断が難しいが、勝ったり負けたりしながらかなり上を目指せそうだ。

△ (2)タヤスロンドン

 本馬の新馬戦は、5頭立てと少頭数の函館芝1200m戦。少頭数は消耗度が低くなりやすいので、後に意外な活躍馬を輩出することも多いが、このレースは頭数の割に、前を行く3頭が馬場状態を考えれば飛ばす展開になった。結果はその3頭の一番外を走っていた本馬が、4角先頭から押し切って3/4差で勝利した。

 ラスト2Fは12秒1-13秒1と大きく減速。走破タイムも速いとは言えず、指数も微妙なものとなった。ただ本馬は勝ちに行きながら外を回るロスのあるレースぶりで、着差以上に強いことは確か。前走の函館2歳Sは案の定、反動が出たが…ここでの巻き返しを警戒する。
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本日4番 新潟11R NST賞 芝1200m
 ◎ (9)エリモグリッター
 〇 (6)スワーヴシャルル
 ▲ (13)シンシティ
 △ (8)ファーンヒル
 △ (11)ナンヨーアイボリー
 △ (14)カイアワセ
 △ (1)カリボール
 △ (3)ビップウインク
結論 馬連9-6,13,8,11,14,1,3 (12:12:12:5:5:2:2) 複勝9 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にミスズグランドオー(-25.0pt)、エリモグリッター(-24.7pt)、スワーヴシャルル(-24.3pt)、デュアリスト、ファーンヒル(ともに-23.7pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (9)エリモグリッター

 3走前に3勝クラスを勝利し、前々走の越後Sでは5番枠から出遅れ、後方2番手から4角出口で大外に出されると、そこから良い脚でクビ+クビ+ハナ差の4着まで追い込んだように、地力をつけている。

 また前走の安達太良Sは9番枠から五分のスタートを切って、そこから押して好位を取りに行ったが、スピード負けして好位の直後からの追走。前3頭がやや後続を引き離したことで中団外くらいの位置になり、3~4角の外から動いて行く形。いつもより前目から、勝ちを意識して3~4角でロスを作ったことで、最後の直線ではジリジリとしか伸びて来れなかった。

 しかし、休養明けで能力を出し切れなかったことは、今回で疲れを残さないという点ではプラス。今回も(13)シンティの逃げに、前走の安達太良Sで逃げ馬に競り掛けて行った(4)チェイスザドリームの出走で、それなりにペースが上がりそうなメンバー構成だけに、本馬の差し脚に期待した。

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