2022年 アルゼンチン共和国杯&みやこS – 競馬予想 – 山崎エリカ –

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2022.11.06
2022年 アルゼンチン共和国杯&みやこS

昨日に続き本日も重賞2本立て。昨日のマイナスと取り戻せるといいなぁ~♪

本日1番 11R アルゼンチン共和国杯 芝2500m
 ◎ (8)カントル
 〇 (5)テーオーロイヤル
 ▲ (16)ヒートオンビート
 △ (1)キングオブドラゴン
 △ (14)アフリカンゴールド
 △ (6)キラーアビリティ
 △ (11)ラストドラフト
 △ (13)レインカルナティオ

 ■3角8番手以内がウイニングポジション

 東京芝2500mで施行されるレースは、1年間で目黒記念とアルゼンチン共和国杯の2レースのみ。しかし、2019年、2020年の目黒記念を2着したアイスバブルは、2019年のアルゼンチン共和国杯で11着、2020年は12着に敗れているように、この2レースは展開が逆になることも少なくありません。

 日本ダービーの熱が冷めやらぬ中で行われる目黒記念は、馬場の内側が悪化していることもあり、最後の直線で馬場の良い外を争奪するかのように、レースが緩みなく流れる傾向がありません。一方、アルゼンチン共和国杯は、先週からのBコース替わりで馬場の内側が良いことが多く、ペースが上がらないことが多いです。実際に同年の目黒記念とアルゼンチン共和国杯を連覇した馬や、連続連対した馬は過去10年はゼロ。

 しかし、ここ2年の目黒記念は前に行ける馬が手薄で隊列が縦長になったこともあり、アルゼンチン共和国杯のような流れになりました。今年の目黒記念では、昨年のアルゼンチン共和国杯2着のマイネルウィルトスが目黒記念で同様の捲りを見せ、2着に善戦したのは、それはそういった背景があったからでしょう。アルゼンチン共和国杯は、基本的に3角で中団より前の位置(過去10年の勝ち馬は8番手以内)にいないと厳しく、それを踏まえて予想を組み立てます。

 ■有力馬の紹介

 ◎ (8)カントル

 ダービー馬ワグネリアンの全弟ということで早くから期待が高かった馬。しかし、期待されたほどはすんなり上昇せず、3勝クラスを勝ち上がれない成績でした。しかし、球節炎による1年1ヵ月の長期休養明けとなった前走の3勝クラス・佐渡Sでは難なく勝利を決めました。

 前走はやや出遅れ、そこから前に行こうとして折り合いを欠くシーンがありました。最終的には折り合いがついて中団の外目で我慢。4角では前のダノンレガーロを壁にして仕掛けをワンテンポ待ち、直線でさらに外に出されると、そこからしぶとく伸びて勝利しました。ややスムーズさを欠く競馬ながら、休養明けで結果を出したことは、休養期間中に大きく成長した可能性を感じさせました。

 今回は前走から再びレース間隔を開け、疲れをとりながらの臨戦。3走前の緑風Sは、逃げ馬から2馬身ほど後ろの外2番手から、3角でワンテンポ仕掛けを待ち、4角でじわっと進出して直線へ。ゴール手前で一旦先頭に立ったところを、外からアイアンバローズに差されてのハナ差2着でしたが、ここでは芝2400m適性の高さも見せていました。

 アイアンバローズはその後のステイヤーズSや阪神大賞典で2着と好走した馬。カントルとクビ差の3着だったシルヴァーソニックもその後のステイヤーズS、阪神大賞典ともに3着と好走しています。カントルも大きく成長しているならば、ここでも十分通用してもいいでしょう。

 〇 (5)テーオーロイヤル

 休養明けで大幅距離延長となった今年2月のダイヤモンドSで重賞初制覇を達成した馬。同レースは単騎で逃げるグレンガリーから離れた4番手を追走。3~4角で外から2列目に並びかけ、ラスト1Fで突き抜けての優勝。とても強い内容でした。

 本馬はその次走の天皇賞(春)でも、タイトルホルダーの単騎逃げから離れた3列目の内を進み、3角で中目から外に誘導して2番手まで上がり、4角ではタイトルホルダーに迫って3着。ラスト1Fではディープボンドに1馬身交わされましたが、ここでも上々の内容でした。

 休養明けの前走オールカマーは距離が短かったこともありますが、Cコース替わりの中山芝2200m戦で、馬場が内から乾いていったこともあり、圧倒的に内有利でした。実際に最内を通った1~3番枠の馬と、13番枠から逃げたバビットが4着以内を独占。テーオーロイヤルは10番枠で、終始好位の外からの競馬となったことが敗因でしょう。

 本馬は長距離がベストの馬ではあるが、4走前の阪神2400mの3勝クラス・尼崎Sでオープン級の指数を記録し勝利しているように、芝2500mくらいでも悪くありません。3走前のように序盤から急がせることなく、長距離戦のようにゲートを出たなりで動いていけばチャンスは十分あります。

 ▲ (16)ヒートオンビート

 重賞で2着3回、3着2回、近6走の重賞で5着以内と安定感を見せている馬。重賞2着3回中の1回が昨年の目黒記念です。同レースは前半5F64秒0-後半58秒0のウルトラスローペース。前2頭から離れた3~4列目の最内を追走していましたが、3角で前との差が絶望的となり、そこで動こうとしたものの、ダンスディライトに蓋をされており動けず。

 4角で前がペースを落としたところで、最内から差を詰めて直線へ。序盤で外目に出されたが、進路確保が難しく、結局あまり伸びない中目を走り、ラスト2Fで2番手まで上ががりました。最後まで前のウインキートスとの差は詰められませんでしたが、上々の内容でした。

 本馬は4走前の日経賞でも前半3F63秒6-後半3F59秒0の超絶スローペースを2列目の外で進め、タイトルホルダーとクビ+クビ差の3着と好走。このレースでは自己最高指数タイを記録していることから、今回の距離はベスト条件と言えるでしょう。

 前走の新潟記念は、休養明けの七夕賞で日経賞と同等の指数を記録した反動が出て5着に敗れました。前走は二の脚が速く、2列目の外を追走していましたが、最後の直線で後続馬がさらに馬場の良い外に出したことで、そちらの方が態勢優位になったのも敗因でしょう。2着のユーキャンスマイルとは通ったコースの差と言えるだけに、今回は巻き返せるはず。ただし、今回は16番枠。ある程度前の位置を取りに行こうとした場合、外々を回らされることになるのが不安材料です。

 △ (1)キングオブドラゴン

 3走前の鳴尾記念で4番枠から押してハナを主張し、ショウナンバルディとのハナ争いを制して主導権を握って5着に好走しているように、逃げるとしぶとい馬。1勝クラス、2勝クラス、3勝クラスでも4角先頭の競馬で各クラスを突破しました。

 今回の鞍上は矢作厩舎で逃げの坂井騎手。馬場の内側が良い状況下で、1番枠を引き当て、同型馬の(14)アフリカンゴールドは14番枠となると、ここは逃げる公算が高いでしょう。超高速馬場で前半5F60秒1-後半57秒6だっだ3走前のように、超スローペースで行ければチャンスがあるでしょう。

 △ (14)アフリカンゴールド

 デビュー当初は芝2000mを使われていましたが、芝2400m級のレースで台頭した馬。1000万下の兵庫特別では好指数を記録して勝利し、菊花賞では伏兵視されました。また2019年のアルゼンチン共和国杯では、中団からの競馬で3着の実績もあります。

 その後に長い低迷期がありましたが、昨年終盤から復調。中日新聞杯ではショウナンバルディとの行った、行ったの2着。その次走となった今年の京都記念(阪神芝2200m)では、12番人気ながら潜在的なスタミナを生かして見事に逃げ切りました。

 前走の京都大賞典は休養明けで自分の形に持ち込めず12着と大敗。しかし、今回は同型馬不在で先行勢も手薄なメンバー構成。初ブリンカーがプラスになるかはやってみないと分かりませんが、自分のリズムで潜在的なスタミナを生かせば、再びアッと言わせる可能性はあります。

 △ (6)キラーアビリティ

 デビュー2戦目の小倉未勝利戦は圧巻だった馬。後方から4角で外に出されると、グングン伸びて7馬身差の楽勝。ラスト2Fは11秒8-10秒8と最後に異様な加速を見せてゴール。『2歳馬ジャッジ』では最上級の評価をしました。次走の萩Sでは勝ちにいく競馬をして、結果、4角からキラーアビリティをマークに徹したダノンスコーピオンに差されてしまいましたが、負けて強しの2着。

 ホープフルSは折り合いを欠いて暴走さえしなければ、勝利当確と見て本命馬にしましたが、好位でしっかり折り合って快勝。レース内容も良かったですが、期待していたほど着差を付けて勝つことができなかったのは少々不満でした。同馬がホープフルSで記録した指数は、イクイノックスの東京スポーツ杯2歳Sと並ぶ2歳芝中長距離路線でトップタイのものではありますが、同馬はここが最大目標だったはず。対イクイノックスに完敗をつきつけられました。

 また、暮れのタフな馬場の中山で行われるホープフルSは、2歳戦としては消耗度の高いレースになることが多く、上位馬、特に勝ち馬はその後が不振になりがち。本馬も例に漏れず、ホープフルS以来のぶっつけ本番となった前々走の皐月賞では良い状態に持ってこれませんでした。

 次走の日本ダービーでは皐月賞が終始馬場の悪い内を通して大敗したことや差し、追い込み馬有利の展開となったこともあり、6着に善戦していますが、ここでもやはり物足りない内容でした。今回はそこから立て直されての一戦。もともとの素質を考えれば休養中の成長で突破しても不思議ないので警戒しました。

 △ (11)ラストドラフト

 3歳に京成杯を勝利し、暮れの中日新聞杯で2着した素質馬。古馬になってからも2度のAJCC3着や、アルゼンチン共和国杯2着の実績があります。昨秋以降はスランプ状態で伸びきれないレースが続いていましたが、前走のオクトーバーSでは久々に2着と好走しました。

 ただ前走はショウナンマグマが緩みないペースで逃げたことで、好スタートを切って控え、中団後ろの中目で脚をタメたのが上手くハマったレースぶりでした。若い頃のように外から動いて行く、勝ちを意識した差し競馬ではありませんでした。

 前走は2着と好走しましたが、指数はそこまで高くないもの。その点は大きな疲労を残しにくいという意味では好感を持てますが、、全幅の信頼をおくのは微妙。私的には押さえ程度の評価です。

 △ (13)レインカルナティオ

 今年初戦となった2勝クラス・富里特別を勝利すると、昇級後の3勝クラスでも差のない競馬を続け、前々走の五稜郭Sでは3着馬を引き離しての2着。そして前走は3勝クラスのムーンライトHを勝利し、オープン馬となりました。

 本馬は芝の1600mから1800mを主戦場としていただけに、前走で芝2200mを初距離ながら勝利したことは価値があります。前走は出遅れて後方2番手からレースを進め、向上面の外からじわじわ位置を上げていく競馬。超絶高速馬場ではありましたが、エンスージアズムが大逃げを打ったことで、やや展開に恵まれたのも確か。しかし、レースを順調に使えている強み、距離が伸びて上昇を見せた点は侮れません。

結論 馬複8-5,16,1,14,6,11,13 (5:10:7:7:5:3:3) 複勝8 (50)

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本日2番 京都11R みやこS ダ1800m
 ◎ (16)ヒストリーメイカー
 〇 (12)ハギノアレグリアス
 ▲ (3)オメガパフューム
 △ (5)ウィリアムバローズ
 △ (8)ハピ
 △ (9)タイセイドレフォン
 △ (10)ブリッツファング

 ■逃げたい馬と揉まれたくない馬が揃った一戦。

 チャンピオンズCの前哨戦、みやこSは3度目の阪神ダ1800mで施行されます。阪神ダ1800mは1角までの距離が約303m、京都ダ1800mも最初の1角まで286mとともに短く、最初のコーナーリングでリードを奪えるテンの速い内枠の馬が有利という意味では、京都ダ1800mも阪神ダ1800mも大差がありません。

 ただし、2019年のこのレースのように逃げ馬や揉まれたくない馬が揃った場合、特にそれらが外枠だった場合には、外枠からハナを奪おうとして、前半からペースが上がることも少なくありません。この年は逃げ馬が揃っていた上に、インティが8枠16番。本馬が無理に主導権を取りに行ったために、内枠の同型馬が抵抗し、差し、追い込み馬が上位を独占する結果となりました。

 今年は外枠に逃げ馬こそいないものの、何が何でも逃げたいメイショウフンジンが6番枠。しかし、それより内枠に揉まれたくないアイオライト、ウィリアムバローズが入っており、楽にはハナへ行けないでしょう。

 またメイショウフンジンのひとつ外のメイショウドヒョウも揉まれたくない馬なので、状況によっては先行争いに加わって行く可能性もあります。また同じく揉まれたくないサンライズホープは外枠なので好位の外で折り合うでしょうか。

 さらにブリッツファング、タイセイドレフォン、クリンチャー、ヴァンヤールなどの好位を取りたい馬が出走しているので、ここはさすがにハイペースになるのではないでしょうか。阪神ダートは京都よりもタフだし、現在のダートはパサパサ。かなりのハイペースになる可能性も十分あると見ました。

 ■有力馬の紹介

 ◎ (16)ヒストリーメイカー

 ダ1700m~ダ1800mの重賞で2着3回の実績。そのうち一度が一昨年のみやこSでこの年も、揉まれたくない1番枠のワイルドファラオのハナを叩いてベストタッチダウンが逃げ、8番枠から揉まれたくないエアアルマス早め先頭に立ち、それに(15)クリンチャーが並びかけてペースが上がったことで、極端ではなかったにせよ、ハイペースになりました。

 このレースで7番枠からやや出遅れ、そこから無理なく中団の外目でコントロールされ、道中も中団中目で脚をため、3~4角でクリンチャーの後ろから追い出し開始。クリンチャーとの差は詰められませんでしたが、3着馬には4馬身差をつけて2着と好走しました。

 前走のエルムSでも好位外から3角から追い出されて行ったものの、3頭分外からの競馬となったので前との差は詰められず、4角ではさらに外を走らされ、位置が下がって直線へ。外からジリジリ差を縮めていたものの6着に敗れました。しかし、それで勝ち馬と0.6秒差なら悪くありません。今回は前に行きたい馬が多数の大外16番枠ですから差す競馬をするでしょう。展開の後押しがあれば十分チャンスがありそうです。

 〇 (12)ハギノアレグリアス

 前走で阪神ダ1800mの太秦Sを完勝と、屈腱炎による長期休養明けから復活を遂げた馬。前走は6番枠からまずまずにスタートだったために、好位馬群の後方中目で包まれたまま向正面を迎えることになりましたが、そこからは淡々とした流れ。3~4角で好位の外目に出されると、ディアセオリーの外から押し上げて3列目で直線。そこからしぶとく伸びて勝利しました。

 前走のタイムは平凡ですが、記録した指数は「-30」と重賞確勝レベルのもの。休養明けの前走でそこまで走ってしまうと不安もありますが、本馬は屈腱炎発症前の3勝クラス・白川卿Sで既に重賞確勝レベルの指数「-29」を記録していることから、そこまで大きな反動は出ないと見ました。今回で福永騎手に鞍上強化されているのも、状態が悪くないからでしょう。

 ▲ (3)オメガパフューム

 昨秋のJBCクラシックと東京大賞典を連覇した馬。3走前の東京大賞典では、出遅れて中団外目から3角手前で位置を押し上げ、3角で2列目を追走。いつものように楽な手応えで上がってきたものの、4角でミューチャリーにかなり外に張られるロス。そこから立て直してラスト1Fで内からしぶとく粘るクリンチャーとの一騎打ちを半馬身差で制しました。同馬は引退を予定していたこのレースで、まさかの自己最高指数を記録しました。

 また、休養明けの前々走アンタレスSでも、斤量59kgを背負ってここでも出遅れたものの、難なく勝利。この辺りに引退を撤回したのも当然の勢いを感じます。前走の帝王賞は外を回るロスもありましたが、その反動で勝ち馬と0.3秒差(3着)に敗退。今回は立て直されての一戦になります。

 ただ今回は始動戦の意味合いが強く、ここが目標ではないもの確か。それでも出遅れてもどこからでも位置を上げて行けるのが魅力の能力値1位馬なので、重い印を打つ必要があるでしょう。

 △ (5)ウィリアムバローズ

 ダートでは6戦5勝2着2回、それも勝つ時のほとんどが圧勝で、特に7番から好発を切って、絡まれずにハナに立ち、6馬身差の圧勝を収めた3走前・韓国馬事会杯が圧巻でした。前走ラジオ日本賞では、、逃げるロードエクレールからやや離れた2番手でレースを進め、ラスト1Fで先頭に立ったところを差されて2着でしたが、スタミナが不足する休養明けの内容としては上々。ひと叩きされての今回は持久力の面で良化が見込めます。

 △ (8)ハピ

  デビューから3戦目の鳳雛Sでは、スタート後に躓く不利がありながらも後のレパードSの2着馬タイセイドレフォンを2着に降し、勝利した素質馬。本馬はその後のジャパンダートダービーでは高速ダートで前が残る中、最後方からの競馬となり、4着に敗れましたが、その後のレパードSで3着、シリウスSで2着に好走しました。

 特に前走のシリウスSは8番枠からやや出遅れたものの、そこから出して中団の内目を追走。3~4角で前のジュンライトボルトが外に行ってくれたので、内のスペースが広がったものの、前がペースを落としたことで、ここで少し包まれて3列目で挑戦。前が壁で捌いている間に、外のジュンライトボルトに抜け出されてしまいましたが、進路をしっかり確保してからは、一気に同馬との差を詰めて3/4まで迫ったあたりはさすがで、強い内容でした

 本馬は追い込み馬だけに、今回は展開に恵まれる公算が高いですが、前走が強い内容で、自己最高指数を記録した点がネック。前走のダメージが出ることなく、3歳馬の上昇力を見せることができれば、ここでも通用するでしょう。

結論 馬複16-12,3,5,8,9,10 (15:15:5:5:5:5) 複勝16 (50)

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