■富士Sの傾向
富士Sは昨年よりGⅡに格上げされた、マイルCSの前哨戦。短距離指向の強い馬は翌週のスワンS(今年は阪神芝1400m)へ回る一方、このレースはマイル路線の既成勢力に加えて、中距離路線馬が参戦してくることが多いのが特徴。
高速馬場で快速馬マルターズアポジーがレースを引っ張って、1分31秒7の好時計で決着した2018年のような速いタイムの決着になると、マイル路線組が活躍。しかし、一転して不良馬場で行われて、1分34秒8で決着した2018年は、前走で芝2000mの札幌記念を使われていたエアスピネルが優勝しているように、タイムが掛かると中距離馬が優位になります。
これはタイムが速いと中距離路線馬は二の脚で置かれ気味となりますが、タイムが掛かると中距離路線馬も置かれずに追走できるのが理由です。今年は逃げ馬候補が多く、前走中山芝1600mの大外枠で前に行けずに崩れたノルカソルカと前走ポートアイランドSを逃げ切り勝ちしたアルサトワが競り合うようにして逃げる可能性大。ピースオブエイトも逃げがベストの馬ですが、今回15番枠と外枠ですし、折り合う競馬も悪くないので、逃げ争いには加わっていかない可能性が高いと見ています。
超高速馬場の東京で前が競り合うとなれば、1分32秒台前後の決着タイムになる可能性が高いので、今年はマイル路線馬が優位と見ました。
本日1番 東京11R 富士S 芝1600m
◎ (5)ピースワンパラディ
〇 (12)ラウダシオン
▲ (15)ピースオブエイト
△ (13)ソウルラッシュ
△ (14)ダノンスコーピオン
△ (8)アオイクレアトール
△ (11)リレーションシップ
△ (16)スマートリアン
■有力馬の紹介
◎ (5)ピースワンパラディ
東京マイルのキャピタルS勝ちを始め、前走の関屋記念まではマイル戦で7戦7連対と連対率100%だった馬。前走は屈腱炎による1年7ヵ月の休養明けだったために5着に敗れたが、好位の外を追走して勝ち馬と0.4秒差と見せ場を作れていました。叩かれての上昇に期待します。
〇 (12)ラウダシオン
超絶高速馬場で行われた昨年の京王杯SCの覇者。昨年は10番枠でひとつ内枠で同馬主のビオグラフィーが思い切て逃げたことで、上手く2番手の内目を取って、最後に同馬を捕らえて優勝。それ以降は物足りないレースが続いていますが、前々走のアルクォーツスプリント何度も窮屈になる不利があっての9着ですし、前走の京王杯SCもビオグラフィーの外2番手でレースの流れに乗って勝ち馬と0.4秒差(5着)と悪い内容ではありません。
休養明けの前走のサマーチャンピオンは、序盤先頭から行き切って大敗しましたが、ダートの厳しい流れを経験したことで体も絞れて調整しやすくなったはず。変われるとすればここでしょう。
▲ (15)ピースオブエイト
昨年7月の新馬戦では6番枠から出遅れたものの、二の脚で挽回して好位に付け、ラスト2F11秒6-11秒2とゴールに向けて強烈に加速しながら勝利した素質馬。このレースの上位3頭はみな強く、その時点の関西圏の新馬戦ではNO.1と評価しました。
本馬は昨夏の新馬戦を勝利したあと休養に入り、復帰したのは今年3月のアルメリア賞。新馬戦で見せた素質の高さをどの程度見せてくれるか期待していましたが、いきなり重賞通用レベルの好指数を記録し勝利しました。
さらに驚かされたのは毎日杯。休養明けでいきなり重賞通用レベルの指数で走れば、並の馬なら疲れが残り2走ボケという結果になりやすいもの。ところが本馬はあっさり毎日杯も優勝しました。ただでさえ毎日杯当日はタフな馬場状態で、前に行っては厳しい馬場でした。
前走の日本ダービーは、デシエルトが掛かって行ってしまって淡々と逃げたことで、前に厳しい流れ。本馬は2000mすら未経験の身で、5番枠から好発を切ってハナ争いに加わる形から、控えての先行策。控えたことで折り合いも欠いてしまい、18着に大敗してしまいました。
そこから立て直された前走の小倉記念は、距離が長いという意識もあったのか、好位の中目で折り合い重視。ややハミを噛み気味でしたが、我慢は効いていました。最後はジリジリ伸びての5着だったことから、今回で距離が短くなるのはいいし、前走ではまずまずの折り合いで進化を見せられていたことから、ここは変わる可能性があります。
結論 馬連5-12,15,13,14,8,11,16 (11:11:11:11:2:2:2) 複勝5 (50)