2024年 菊花賞&ブラジルCの予想 – 競馬予想 – 山崎エリカ –

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2024.10.20
2024年 菊花賞&ブラジルCの予想

■良馬場開催なら2週目の3角位置がポイントに

 菊花賞は全頭が初の3000mとなるため、2週目・3角までは脚を溜める展開がほとんどだ。過去10年は、2017年こそ極悪馬場という滅多にない条件でのレースとなり、かなりの前傾ラップだったが、それ以外の年は平均ペースよりも遅い流れで決着している。

 良馬場開催の菊花賞では2週目・3角の下り坂からペースアップする傾向にあり、3角では中団付近の位置にいないと勝ち負けするのは難しい。2015年キタサンブラックは過去10年で最も後方となる同10番手から優勝したが、これはマクる馬の出現で一時的に位置が下がったものだった。また2019年勝ち馬のワールドプレミアは追込馬ながらも当レースでは同8番手まで位置を上げていた。

京都11R 菊花賞 芝3000m
 ◎ (4)ダノンデサイル
 ○ (1)ピースワンデュック
 ▲ (12)シュバルツクーゲル
 △ (3)アスクカムオンモア
 △ (7)ビザンチンドリーム
 △ (9)コスモキュランダ
 △ (15)エコロヴァルツ
 △ (17)アドマイヤテラ
結論 馬連4-1,12,3,7,9,15,17 (15:10:5:5:5:5:5) 複勝4 (50)



■有力馬と評価ポイント

◎ (4)ダノンデサイル

 皐月賞では大事を取って直前で回避したが、それが功を奏し、次走の日本ダービーで優勝した。同レースでは5番枠からますまずのスタートを切り、ハナに立つ素振りを見せながらの先行策。最終的には外のエコロヴァルツを行かせて2列目の最内を確保した。

 道中はかなりのスローだったが、3角手前でマクる馬が出たことにより一気にペースアップ。3~4角で外を回るロスがあった馬たちが苦戦するなか、最短距離を通し直線序盤ではエコロヴァルツの内を突いてじわっと伸びる。ラスト2Fで3/4馬身ほど前に抜け出すと、ラスト1Fで突き抜けて2馬身差で完勝した。

 日本ダービーでは内と前が有利な展開を上手に乗られていたが、今回もロスなく立ち回れる内枠を引いた。加えて、日本ダービー2~5着馬が今回は不在。本馬が記録した日本ダービーでの指数を上回る馬は出走しておらず、同等の指数を記録したのはセントライト記念時のアーバンシックのみ。それならば夏場の休養で成長を促したダノンデサイルのほうが優勢だ。

 また、芝3000mがベストとは言わないが全馬が未経験の距離という条件において、この馬は芝1600mデビューから距離を延ばして上昇してきた点は好感が持てる。

○ (1)ピースワンデュック

 前走の阿賀野川特別で3連勝を決めた馬。レースは10番枠から出遅れ後、過剰に折り合いを欠いて行きたがったが、好位馬群の中目に入れて騎手がなだめる形。道中では何度かブレーキをかけながら前の馬とのスペースを維持して3角へ入り、4角出口では4列目の外から仕掛けながら直線へ。序盤でしぶとく伸びて3列目に上がると、ラスト1Fでは2馬身ほど前を走る先頭のサトノシュトラーセを捉え、最後はバッデレイトとの大接戦をハナ差で競り落とした。

 これまでは逃げて1、2勝クラスと連勝した馬だが、この阿賀野川特別では出遅れたこともあり、初めて馬群を経験する形になった。行きたがって頭を持ち上げるほど折り合いを欠く場面もあったが、それを立て直しながら最後までしぶとく伸びてきた内容は立派なもの。本馬は今年3月のデビューでキャリアはまだ4戦。レースぶりに幼さはあるが、逃げなくてもやれたことは先々に向けて大きな収穫だった。

 昨日の京都芝は雨の影響があり、外差しが決まっていたが、馬場が乾いてくればももう少し内と前が有利になるはず。ゲートさえ決めてしまえばロスなく立ち回れる1番枠も好ましく、さらなる前進に期待したい。

▲ (12)シュバルツクーゲル

 この馬はデビュー2戦目の東京スポーツ杯2歳Sで2番手を追走して2着に善戦したように、前々走までは先行馬だった。しかし、前走のWASJ第2戦(3勝クラス)では、前半で無理をさせずに控えるという、新味を見せて勝利した。

 その前走は3番枠から五分のスタートを切って促されるも、外の各馬が速く、被せてきたので中団の内に控える形となった。道中も中団後方の内目を追走し、脚を溜めて3角へ入ると、外に誘導して4角で一気に2列目まで上がって直線へ。序盤でしぶとく食らいつき、ラスト1Fで抜け出すと2馬身半差で完勝した。

 このレースは連続開催の札幌開催11日目で、多少時計がかかっていた中で、緩みない流れだった。そのため、レースのラスト3Fは37秒5も要しており、ここでは展開に恵まれていた。

 4走前の弥生賞のように3~4角で一気にペースアップすると最内からでも動けなかったことや、前々走のSTV賞のように上がりが速い決着になると好位から伸び負けしてしまうところから、スタミナ特化型であることを感じさせる。実力比較では見劣りするが、メンバー屈指の長距離馬と想定されるだけに一考したい。

△ (3)アスクカムオンモア

 3ヵ月の休養明けとなった前々走のセントライト記念では6着に敗れたが、前走の2勝クラス・tvk賞で巻き返して勝利。前走は6番枠から五分のスタートを切り、最後方からの追走。3~4角の外から進出して、残り300mでもう先頭。内からジオセントリックが食らいついたが、振り切って半馬身差で勝利した。

 前走は前後半5F61秒5-後半5F58秒8のかなりのスローペース。前が止まらない展開を最後方付近から一気に先頭に立って、差し切ったことは高く評価できる。本馬は3歳春は逃げ、先行することで結果を出していたが、後半型の競馬でより良さが出た。そこから中1週で出走してくる辺りにも調子の良さが窺え、内枠を利してロスのない立ち回りができれば一発がありそうだ。

△ (7)ビザンチンドリーム

 デビュー2戦目のきさらぎ賞を優勝した馬。同レースでは大外12番枠からアオって出遅れ後、フラフラして後方に下がってしまったが、そこから後方馬群の後ろまで挽回。スローの団子状態で3角手前で中目のスペースが生まれると、そこを通しながらも仕掛けを我慢。4角で置かれて外に誘導すると、直線序盤でじわじわ伸びて中団に上がり、ラスト1Fでそのまましぶとく伸び続けて4頭大接戦をハナ差で制した。

 きさらぎ賞ではビザンチンドリームに◎を打ったように、普通に乗れば負けようのない相手だったが、鞍上がピーヒュレク騎手で進路取りがかなり下手糞だった。それだけにこの勝利は着差以上に素晴らしかった。

 本馬はゲートや二の脚の遅さ、さらにはエンジンの掛かりが遅いことが災いし、その後のレースでは流れに乗れず、敗退続きだが、エンジンが掛かってからはトップスピードが長く維持できる強さがある。

 前走の神戸新聞杯でも14番枠からアオってやや出遅れ、後方外からかの追走になったが、3~4角の中間から仕掛けて4角で大外に張られるロスを作り、6着に善戦している。この舞台ならば3角までに中団まで上がれる可能性が高いと見て一考する。

△ (9)コスモキュランダ

 当時1勝馬ながら6番人気で弥生賞をマクって優勝すると、次走の皐月賞でも2着に好走した馬。皐月賞では12番枠からやや出遅れたが、コントロールしながら1角で内に入れ、向正面では中団内目で我慢し、3~4角ではシンエンペラーをマーク。かなり押しながら鞭まで入れて中目に誘導して4角出口で外へ。直線は4列目からじわじわ上がり、ラスト1Fでは内から先に動いたジャスティンミラノと一緒に伸びた。先に抜け出したジャンタルマンタルは捉えたが、ジャスティンミラノにはクビ差届かなかった。それでも、(13)アーバンシックには先着している。

 前走のセントライト記念ではアーバンシックに完敗しての2着。8番枠からやや出遅れ、そこから無理せずに中団馬群の中目を追走。道中は中団外からじわっと押し上げ、3~4角でも楽な手応えで2番手まで上がると、直線序盤で先頭。しかし、ラスト1Fでアーバンシックに一気にかわされて1馬身3/4差で敗れてしまった。

 このレースは3~4角でアーバンシックが内の最短距離を通したのに対し、コスモキュランダは、3~4角の外から位置を押し上げたことでロスが生じており、これがラスト1Fでの甘さに繋がった面がある。ただし、ここで記録した指数は皐月賞と同等と、それなりに好走しているだけに、ここで大きな前進は期待しにくいが、大味な競馬をする本馬にとっては距離延長は歓迎だろう。

△ (17)アドマイヤテラ

 2走前に、芝2600mの2勝クラス・阿寒湖特別で2着。7番枠から出遅れ、道中は後方4、5番手まで挽回していく形。スタンド前で中団付近に取りつくと、向正面でも中団中目から徐々に前との差を詰めて3角へ。4角では好位列の外で包まれ、進路がないまま迎えた直線では3列目に下がってしまった。しかし、ラスト1Fで進路を確保するとしぶとく伸びて、勝ち馬にクビ差まで迫ってゴールした。

 このレースは3~4角からペースが上がり、ラスト2Fは12秒1-12秒1と減速しない展開。そんななか、4角で包まれて仕掛けが遅れ、外から勝ち馬アスターブジエに先に動かれてしまった。この不利がなければ勝っていただろう。また、最後までしぶとく伸びていた点に長距離適性の高さを感じる一戦だった。

 そして前走の2勝クラス・茶臼山高原特別では順当に勝利した。2番枠からまずまずのスタートを切って好位中目を追走。4角出口で各馬が外に広がっていくなか、中目をさばきラスト2Fで先頭に立つと、そのまま抜け出し2馬身差で完勝した。

 本馬は折り合いがスムーズで長距離適性が高い。前走では好位からレースを進めているので、本番でも流れに乗りやすいはず。今回は武豊騎手に乗り替わりとなるが、長距離が得意な騎手だけに割り引く必要はない。

△ (15)エコロヴァルツ

 昨年暮れの朝日杯FSの2着。同レースでは1番枠からやや出遅れ、そこから好位を取りにいったが、内が窮屈で後方に下がってしまった。そこで最後方付近まで下げ切り、徐々に外に誘導。4角で団子状態の中目から外に誘導して最後方で直線へ。直線序盤で大外に出して仕掛けると、ラスト1Fで一気に伸びて先頭のジャンタルマンタルに1馬身1/4差まで迫った。

 朝日杯FSはかなりのハイペースで展開上は恵まれている。しかし、前半で位置を取りにいって掛かりながら下げるというチグハグな内容での2着で、これは能力がそれなりに高くなければできない。

 4走前の共同通信杯は9番人気のパワーホールが3着に粘る超絶スローペースの2番手で進めて、かなり折り合いを欠く競馬になり5着に失速。折り合いを欠くことを嫌った3走前の皐月賞は、3番枠から五分のスタートを切りながらも、そこからコントロールして後方に下げ切っての競馬。後方に下げ切ったことで展開に恵まれ、7着と悪くない成績を収めているが、けっして褒められた騎乗ではない。

 エコロヴァルツはデビュー2戦目のコスモス賞で2番手から逃げ馬にプレッシャーをかけていく形だったが、折り合いに苦労して2角過ぎで先頭。3~4角で外から上がってきたコスモディナーにやられてしまうかと見ていたが、直線ではなんとそこから突き放し、6馬身差で圧勝。このことから、先行して最後にもう一脚使う競馬がベストを見ている。

 実際に前走のセントライト記念では6番枠から好スタートを切り、スピードの違いで一旦先頭に立ったものの、最終的にヤマニンアドホックにハナを譲ったことで3着に健闘し、自己最高指数を記録している。それでも折り合いに専念する競馬であり、スムーズではなかった。

 今回は芝3000mが舞台となり、この距離は長い可能性もあるが、今回は逃げ馬(10)メイショウタバルが出走してくれていることで、自然な形で折り合えるはず。内の(1)ピースワンデュック、(3)ノーブルスカイ、外の(18)アレグロブリランテなどの先行馬もいるので、好位でスムーズな競馬ができる可能性が高い。デビュー2戦目以降は一度もスムーズな競馬ができていないので、ここは一考したい。

推定2番人気 (13)アーバンシック

 前哨戦・セントライト記念の覇者。このレースは1番枠からやや出遅れ、二の脚もひと息で後方からの追走。そこから中団内目のスペースを上手く拾いながら位置を押し上げて3角へ。3~4角では3列目の内目で包まれかけたが、外からコスモキュランダが動いたことである程度ペースが上がり、生まれたスペースから4角出口で外に誘導。直線序盤で2列目に上がると、早めに抜け出したコスモキュランダをラスト1Fで捉えきり、1馬身3/4差で完勝した。

 後手から挽回しながら、最後の直線でもしぶとく伸びての完勝した内容はとても強かった。しかし、本馬はゲートや二の脚の遅さが弱点で、超絶スローペースで内前が有利だった日本ダービーでは、後方外々を回って11着に敗れている。また、休養明けの皐月賞で小差4着と好走した疲れの影響もあったはず。

 末脚を生かすタイプだけに、前走よりも距離が長くなるこの舞台でポジションを取りに行った場合に不安があり、加えて休養明けのセントライト記念で自己最高指数を記録した後の疲れも懸念される一戦。C.ルメール騎手が(16)ヘデントールではなく、こちらを選択していることから、秋華賞のクイーンズウォークほどの大敗はせずとも崩れる危険性はある。

推定4番人気 (16)ヘデントール

 新馬戦で後の皐月賞馬ジャスティンミラノの2着に入線すると、その後2連勝。続く青葉賞では1番人気に支持されたが、やや出遅れ後に接触して最後方からとなり、マクるタイミングもなく8着に敗れた。日本ダービー出走の夢は断たれたが、その後、2勝クラスの町田特別と3勝クラスの日本海Sを連勝し、初めてのG1に挑む。

 前走の日本海Sでは大外9番枠から出遅れ、外にヨレたが、そこから立て直されてじわっと好位の外まで挽回。向正面で前に取りついたが、前2頭が一気にペースを引き上げたため、離れた3番手の外で3角へ。3~4角では仕掛けながらじわっと進出し、直線序盤で外に誘導するとすっと先頭に立つ。ラスト1Fでそのまま抜け出すと、3馬身半差をつけて圧勝した。

 前走は前後半5F61秒9-57秒5のかなりのスローペースだったにせよ、 序盤からポジションを上げるロスがあったことや、3~4角から仕掛けてラスト1Fは加速して後続を引き離した内容は素晴らしかった。しかし、それでもC.ルメール騎手はアーバンシックに乗ることを選んだのはなぜか? おそらくだが、完成度がかなり低く、ゲート、二の脚ともに不安があるからだろう。

 近2走、少頭数のスロー戦で通過順位を見ると先行してように見えるが、序盤は後方付近からのレースになっており、このレースぶりはデビュー当初から変わっていない。馬に英才教育を施すことに定評のあるC.ルメール騎手をもってしてもこの点は変えられないようだ。

 今回も良くて中団、最悪の場合は最後方からの追走になることが想定される。良馬場の菊花賞なら、2週目の3角で中団より前の位置を取っていないと厳しく、(10)メイショウタバルが逃げて平均ペースで逃げた場合には、ポジションを上げ切れずに終わってしまう可能性が高い。加えて、前走で自己最高指数を記録した後の“疲れ残り”が予想される一戦でもあり、ここは評価を下げたい。
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東京11R ブラジルC ダ2100m
 ◎ (3)メイプルリッジ
 ○ (9)ルクスフロンティア
 ▲ (13)ペプチドソレイユ
 注 (10)レッドファーロ
 △ (4)オーロイプラータ
 △ (11)アンデスビエント
 △ (12)グロリアムンディ
結論 馬連3-9,13,4,10,11,12 (20:10:5:5:5:5) 複勝3 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (3)メイプルリッジ

 東京ダ2100mで【3・1・1・0】と複勝率100%の馬。前走の東京ダ2100m戦、スレイプニルSでは8番枠から五分のスタート。1角でやや狭くなってやや位置が下がったが、無理のない追走だったために大きな不利ではなかった。道中は中団中目を追走し、3~4角からじわっと進出して4角では好位列の直後の外。直線ではしぶとく伸びてラスト2Fで2列目まで上がり、ラスト1Fで先頭のウオウルーレットに並びかけると、ゴール手前で同馬をかわして半馬身差で勝利した。

 前走では今回3番人気に支持されている(6)リチュアルに1馬身3/4差つけており、ここでは出走馬の近5走でNO.1タイ(関東オークスの(11)アンデスビエントの指数と同等)の指数を記録。今回は前走で自己最高指数を記録した後の一戦になるが、その後に休養し、疲れを取ってのここ出走なら悪くない。

 スタミナが不足する休養明けでダ2100mをこなすのは簡単なことではないが、その他の前走大敗か休養明けという組み合わせ。それならば近走の充実度と実績面での優位性が持てる。

〇 (9)ルクスフロンティア

 前々走の東京ダ2100m戦、エアグルーヴC(3勝クラス)の勝ち馬。前々走では6番枠から好スタートを決め、内と外の前に行きたい馬を行かせて、好位の中目を追走。道中は4番手を追走し、3~4角で内の馬をかわして3番手に上がった。直線では前との差をじわじわ詰めてラスト2Fで1馬身1/4馬身差ほど前に出る。ラスト1Fでも後続に差を詰めされることなく、そのまま1馬身1/4馬身差で完勝した。

 ここは逃げ、先行馬が手薄の組み合わせ。逃げるのはおそらく(11)アンデスビエントだが、前走のマリーンCでアンモシエラに積極的に仕掛けて行って大失速する恥ずかしいことをやらかした後の慣れていない府中だけに、怯んで飛ばして行けない可能性が高い。

 前残りの展開になれば◎(3)メイプルリッジとの逆転も考えられるが、ペースが上がらなかった3走前でもメイプルリッジが先着していることから、ルクスフロンティアを対抗評価までとした。

 前走のBSN賞では前後半4F47秒9-後半4F50秒9のかなりのハイペースを先行しているが、前半で飛ばしていく前3頭から上手く離れた好位を追走しており、オーバーペースには巻き込まれていないので、ここで一変まであるかがやや疑問に感じる面もある。

▲ (13)ペプチドソレイユ

 デビュー5戦目で前々走の天橋立S(3勝クラス)を勝利した馬。前走は10番枠からアオって出て2馬身ほどの出遅れ。後方2列目の外からの追走になったが、向上面で一気に捲って先頭のカネトシブルームに並びかける。するとカネトシブルームが抵抗し、3~4角からペースアップ。直線序盤も競り合いが続いたが、ラスト1Fで早々と競り落として先頭。そこをオメガタキシードらに迫られたが、振り切って半馬身差で勝利した。

 前々走は捲り勝ちと豪快な内容だったが、3勝クラスとしてはレベルが低く、相手に恵まれた面もある。前走のBSN賞はかなりのハイペースで展開に恵まれながらも追走一杯で終わったが、前々走で派手な勝ち方をした疲れもあっただろう。

 今回はそこから立て直されての一戦。これまで6戦4勝のキャリアの浅い馬だけにまだ伸びしろがあるはず。距離延長の不安は当然あるが、成長力に期待する。

注 (10)レッドファーロ

 5走前の東京芝2100m戦、スレイプニルスの3着馬。5走前は5番枠から五分のスタートを切り、押して好位馬群の中目を追走。3~4角のペースアップでやや置かれ、直線での加速に踏み遅れたが、じわじわ伸び続けて勝ち馬に3馬身差まで迫った。

 5走前は(2)ヒロイックテイルのレースメイクで、前後半5F62秒4-60秒8のスローペース。3~4角からペースが上がっていく展開だったが、レッドファーロはここで内目を通せたことが好走要因のひとつ。ここでは後方外々からの追走となった後のダートグレード3勝馬ディクテオンを撃破している。

 また、レッドファーロはこのレースで自己最高指数を記録しているように、ダ2100mでしぶとさを活かす競馬がベスト。前々走のブリリアントSはスタミナが不足しがちな休養明けで出遅れ、ペースがそこまで遅くもない中、後方外目からじわじわ位置を挽回して行く形となり、最後の直線で苦しくなって6着に敗れた。前走の名古屋GPは連闘を強行したことが裏目となり大敗の7着。今回はそこから立て直されての一戦で、巻き返しに要注意だ。

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