2024年 キーンランドCの予想 – 競馬予想 – 山崎エリカ –

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2024.08.25
2024年 キーンランドCの予想

■今夏は高速馬場で内側もそこまで悪くない

 キーンランドCは札幌開催12日目で行われる。札幌は寒冷地対策として欧州と同じ洋芝が使用されており、野芝より耐久性が低い。よって開催が進むほど馬場の傷みが進行し、時計が掛かる。しかし、今年は開催日が晴天に恵まれることが多く、先週の時点でも高速馬場で、馬場の内側も例年ほど悪化していない。

 キーンランドC当日も晴れ模様。例年は馬場悪化の影響もありハイペースになりやすく、後方外々からでも勝負になるレースではあるが、今年は届かない可能性が高い。今回はそれを踏まえて予想したい。

本日2番 札幌11R キーンランドC 芝1200m
 ◎ (12)ビッグシーザー
 ○ (2)ナムラクレア
 ▲ (14)ダノンマッキンリー
 注 (10)サトノレーヴ
 △ (16)セッション
 △ (3)プルパレイ
 △ (5)シナモンスティック
 △ (6)エイシンスポッター
 △ (8)ゾンニッヒ
 △ (9)エトヴプレ
結論 馬連12-2,14,10,16,3,5,6,8,9 (15:10:10:5:2:2:2:2:2) 複勝12 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (12)ビッグシーザー

 2歳秋の未勝利戦から芝1200mで4連勝し、3歳春の葵Sでは断然の1番人気に支持された馬。3歳秋以降が不振だったが、今年1月の淀短距離Sで重賞勝ちレベルの好指数を記録し、完全復活を果たした。

 淀短距離Sでは7番枠から五分のスタートだったが、二の脚で楽に2番手まで挽回して追走。道中で先頭のカルネアサーダとの差を徐々に詰めて3角では同馬と2馬身差。3~4角では動かずに最短距離を通り、4角出口でカルネアサーダの1馬身差まで詰めた。直線序盤で伸びてカルネアサーダに並びかけ、ラスト1Fで抜け出した。外からメイショウソラフネが強襲したが、寄せつけずに1馬身半差の完勝だった。

 次走のオーシャンSでも2着。ここでは10番枠からやや出遅れ、そこから押して中団中目まで挽回した。3~4角でも中団中目を通って、4角で勝ち馬トウシンマカオの後ろを取り、4角出口で窮屈になっても前に出し切って直線へ。そこから伸びて2着に入った。

 2~3歳時はそこまでスタートも二の脚も速くないのに、無理目に前の位置を取りに行くところがあった。それが3歳秋の不振に繋がった面もあったが、坂井瑠星騎手に乗り替わってからは前半でそこまで無理をさせていない。

 前々走の函館スプリントSは、内有利の馬場を2列目の外から3~4角で3頭分外を回るロスを作りながらも(10)サトノレーヴとは1馬身1/4差+クビ差の3着を死守。鮫島克駿騎手に乗り替わった前走の青函Sは、内有利の馬場&前有利の展開のなか斤量59kgを背負って外枠からかなり追っていく形。展開にこだわりすぎて、前半で無理をさせすぎたことも6着に敗退した理由だ。

 今回も12番枠と外目だが、近2走ほど内有利の馬場ではない。再び坂井瑠星騎手への手替わりとなり、前半で無理をさせなければチャンスは十分と見ている。今回の本命馬だ。

○ (2)ナムラクレア

 2歳時から重賞で活躍し、3歳夏に函館スプリントSを勝利。芝1400m以下では【5-5-2-1】の安定感と実績を誇る。唯一、馬券圏外に敗れたのは高速馬場で1分7秒9の決着となった2022年のスプリンターズSのみ。中団外目を追走し、3~4角でロスを作って5着に敗れた。その後に重馬場で行われたGⅠ高松宮記念で2着。高速馬場で行われた2023年のスプリンターズSでは1番枠からやや出遅れ、好位の直後まで押し上げたものの、3~4角で外を狙ってまたもロスを作ってしまうも、ここでは3着に善戦している。

 重馬場となった2024年の高松宮記念は、3番枠からまずまずのスタートを切ったが、促してもあまり進まず、中団中目からの追走。道中はビッグシーザーの後ろでスペースを維持して進め、3~4角では最内を通って3列目で直線へ。序盤で抜け出したマッドクールの後ろから最内を通って2列目まで上がり、ラスト1Fでしぶとく伸びて猛追したが、アタマ差で惜敗した。

 3着のビクターザウィナーに3馬身差をつけており、自己最高指数を記録。ただし、内が圧倒的に有利な馬場で、逃げながらも最後の直線で外に誘導されたビクターザウィナーが自滅する形。一方、最短距離を通ったマッドクールやナムラクレアは馬場に後押しされた面がある。

 昨年までと比べるとスタートと二の脚がやや甘くなっている印象だが、ここでは能力、実績ともに一枚上の存在。京都牝馬Sでもクビ差2着、高松宮記念でアタマ差2着と抜群の安定感を見せている。この馬は時計の掛かる芝1200m、もしくは芝1400mがベストという馬で芝1200mのスピード勝負にはやや不安があったが、2番枠ならその不安が薄まる。

 ここは秋のスプリンターズSに向けての始動戦という位置付けの一戦だが、昨秋のスプリンターズS時のようなロスを作らなければ、あっさり勝ち負けしても不思議はなく対抗評価だ。

▲ (14)ダノンマッキンリー

 デビューから芝1400m戦を主体に使われ、新馬戦、明菊賞を連勝。デビュー5戦目にはファルコンSを優勝した。前記のファルコンSは15番枠から出遅れて後方からの追走。道中も後方から3列目の外で我慢させる。3~4角でややペースが落ちると、ここで中目から出4角出口で外に誘導。直線序盤で後方列からすっと伸びて一気に2列目まで上がり、ラスト1Fで1馬身半ほどあった逃げ馬との差を楽に捉えて半馬身差で勝利した。

 前記のファルコンSは2着が逃げ馬のオーキッドロマンスだったように、前後半3F33秒8-34秒7とそれほどペースが上がっておらず、前がやや有利な展開。上がりの速い展開をダノンマッキンリーはラスト2Fから1頭だけ違う脚色で伸びており、メンバー最速の上がり3Fタイムを記録している。

 その次走のNHKマイルCでは距離が長く、差し、追込馬に不利な展開でもあり、13着に大敗した。しかし、そこから立て直された前走のUHB賞では、勝ち馬(3)プルパレイと0.2秒差と大崩れしていない。

 前走は11番枠から五分のスタートだったが、促されると速い二の脚で好位の中目を確保。カンティーユのレースメイクで道中はペースが速かったが、その流れに積極的に乗って2列目の中目で3角へ。3~4角でも内のプルパレイとともに進出し、4角では内から3頭分外に誘導したが、直線序盤の伸びはじわじわ。ラスト1Fでさらに甘くなり、外から一気に差されての6着だった。

 前走はスタミナが不足しがちな休養明け。前後半3F33秒3-34秒7のかなりのハイペースに積極的に乗っていったのが敗因。ただし、オーバーペースの経験は次走の粘り強化に繋がることが多い。またダノンマッキンリー自身が末脚を活かしてこその馬であり、ひと叩きされての前進と末脚を活かす競馬で巻き返しを期待したい。3歳馬で斤量55Kgと軽い点も、当然、アドバンテージとなる

注 (10)サトノレーヴ

 3歳4月の遅いデビューとなった芝1600mの未勝利戦を見事に勝利し、その後は条件戦で一度も連対を外すことなく芝1200mで順調にキャリアを積み、今年2月の阪急杯では、重賞初挑戦ながら4着とOPでも通用する能力をアピール。前々走のOPの春雷Sを勝利すると、前走の函館スプリントSで重賞初制覇を達成した。

 前走は4番枠から五分のスタートだったが、そこから促して、好位の内目から上手く3列目の最内のスペースに収まった。3~4角では2列目の内のスペースを拾って進路がないまま直線を向いたが、序盤で狭い内を捌いて先頭列へ。ラスト1Fでそのまましぶとく抜け出し、1馬身1/4差で完勝した。

 前走は開幕週の高速馬場で内枠に恵まれ、好位の内を追走できたことは確かだが、3~4角で詰まらないように我慢し、直線序盤で一気に抜け出した脚に素質の高さがうかがえた。

 ここまで大事に使われ、ほぼ底を見せず上昇一途。この勢いなら、ここも突破してしまう可能性は十分ある。

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