2024年 ラジオNIKKEI賞の予想 – 競馬予想 – 山崎エリカ –

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2024.06.30
2024年 ラジオNIKKEI賞の予想

■開幕週らしく前と内が有利

 福島競馬場の芝はエクイターフが使用されており、良馬場の開幕週でも「超」が付くほどの高速馬場にはなりにくい。(実際に昨日も標準的に時計が掛かっていた) その上、このレースが行われる福島芝1800mは前半が上り坂で、福島芝2000mよりも前半3Fが遅くなることが多い。

 ただし、過去10年のラジオNIKKEI賞を振り返ると、極端なスローペースになったことはない。開幕週らしく内が圧倒的に有利で逃げ馬が1勝、2着2回、3着3回と活躍している。

 一方、追込馬は過去10年で0勝。2013年にケイアイチョウサンが追い込んで勝利したことがあったが、3~4角でぽっかりと開いた内を突いていた。大抵は外を回ることになるため追込馬は苦戦する傾向にあり、前に行ける馬、内を立ち回れる馬が優勢だ。

本日2番 福島11R ラジオNIKKEI賞 芝1800m
 ◎ (3)セットアップ
 ○ (7)アレグロブリランテ
 ▲ (1)シリウスコルト
 △ (2)メイショウヨゾラ
 △ (7)ウインマクシマム
 △ (10)ミナデオロ
 △ (12)ショーマンフリート
 △ (4)ヤマニンアドホック
 △ (8)サトノシュトラーセ
結論 馬連3-7,1,2,7,10,12,4,8 (13:13:6:6:4:4:2:2) 複勝3 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (3)セットアップ

 超高速馬場で行われた新馬戦はスローペースで逃げてレガレイラの2着、デビュー2戦目の未勝利戦では逃げて3着以下に9馬身以上の差をつける完勝。ひとクラス上の指数で勝利した。

 続くタフな馬場の札幌2歳Sでは4番枠から好スタートを決めると、楽々とハナを主張。主導権を握ると2角でペースを落とし、2馬身半差のリードで3角へ。4角では2番手と4馬身半差を付け、直線でもしぶとい粘りを見せた。ラスト1Fでパワーホールにやや差を詰められたが、余裕を持って4馬身差で完勝した。ここで記録した指数は、今年の皐月賞なら3着相当という優秀なものだった。

 朝日杯FSは6番枠から好スタートを決めてハナを主張したが、外から絡まれてペースを落とすことができなかった。しかも、外から折り合いを欠いたシュトラウスにも絡まれて2番手へ。レースはそれでもオーバーペースとなり、セットアップ自身は7着に敗れた。前走のサウジダービーは世界を相手に初ダート。11着大敗も仕方ない。

 新馬戦と札幌2歳Sの内容から時計の掛かる馬場がベストだが、福島の開幕週なら「超」が付くほどの高速馬場ではないので問題ないだろう。内枠を引いたのも好ましく、ここで復活を期待する。

○ (7)アレグロブリランテ

 デビュー3戦目の若竹賞は、先行馬に厳しい流れを2番手で進めて2着と強い内容。次走のスプリングSは7番枠からまずまずのスタートだったが、かなり押してハナを主張した。

 主導権を握るとかなりペースを落としたが、それでも3角では1馬身ほどのリードがあった。4角で外からシックスペンスが上がってくると、ここで仕掛けて抵抗。直線序盤ではしぶとく抵抗していたが、ラスト1F手前で捉えられてしまった。しかし、そこからもしぶとく踏ん張って後続を寄せ付けず、2着に健闘した。

 このようにアレグロブリランテはスタミナを生かす競馬をすると強い。前走の皐月賞は前哨戦で皐月賞出走権を手にするために、目いっぱい仕上げて好走した疲れや、3番手からの追走でメイショウタバルのオーバーペースに巻き込まれて、2番手の(1)シリウスコルト同様に崩れてしまった(シリウスコルト14着、アレグロブリランテ15着)。

 しかし、今回はそこから立て直されての一戦。シリウスコルトと比べても大きな力差はないだけに、対抗評価とした。シリウスコルトよりもアレグロブリランテのを上の評価にしたのは、同馬の方が前哨戦のスプリングSで勝負がかりで、皐月賞では走れない状態にもかかわらず、シリウスコルトと0.1秒差の走りができた点である。

▲ (1)シリウスコルト

 福島芝1200mの新馬戦を勝利したが、距離が延びて上昇。時計が掛かる馬場で行われた中山芝2000mの芙蓉Sでは、コントロールしながら好位の中目を追走し、4角の外々から積極的に動いて勝利した。

 前々走の弥生賞は8番枠から好スタートを決め、内に切り込みながらハナを主張して単騎気味のややスローペースの逃げ。3角で外からコスモキュランダに押し上げられ、ここで抵抗してペースを引き上げた。

 4角ではコスモキュランダにクビ差だったが、直線序盤で同馬にかわされた。ラスト1Fで甘くなり、シンエンペラーにも差され、1馬身1/4差+1馬身1/4差の3着に敗れた。

 しかし、勝ったコスモキュランダは皐月賞で2着、2着シンエンペラーは日本ダービーで3着していることを考えると上々。シリウスコルトは前に行ってスタミナを生かす競馬をすると強いと言える。

 前走の皐月賞は前哨戦で皐月賞出走権を手にするために、目いっぱい仕上げて好走した疲れや、2番手からの追走でメイショウタバルのオーバーペースに巻き込まれて14着に大敗したが、1番枠を引き当てたここは自分の形で巻き返しを期待したい。

△ (2)メイショウヨゾラ

 デビュー2戦目の中山芝1800mで1勝目を挙げた馬。このレースでは10番枠から加速が付いて楽にハナを主張。主導権を握るとマイペースの逃げに持ち込み、3~4で後続馬が上がってくるのを待って4角出口でスパート。直線序盤で一気に差を広げて3馬身のリードを奪ったが、ラスト1Fで甘くなり、バロネッサに一気に迫られたが、振り切って1馬身差で勝利した。

 その後はマイル路線を使われ、3走前のアネモネSでは3着。同レースでは6番枠から好スタートを切り、促してハナを主張。主導権を握ると、ここでもペースを落とし、超スローペースで支配。3~4角で馬場の良い外に誘導しながら後続馬が上がってくるのを待っていたが、ここで最短距離をとしたキャットファイトに先頭に立たれてしまう。

 直線序盤でキャットファイトと2馬身差の2番手。ラスト1Fで同馬との差を詰めたが、外からテウメサにも差されて3/4差となった。ここはそこまで強い内容だったわけではないが、キレる脚が使えないから逃げ馬をやっているメイショウヨゾラには距離が短いように感じた。今回は距離1800mでハンデは最軽量の51Kg。この斤量なら楽に前に行けるはず。相手は強くなるがデビュー2戦目のようなレースができればワンチャンスあるはず。

△ (7)ウインマクシマム

 デビュー3戦目の未勝利戦を逃げ切り、ホープフルSを挟んで2400mのゆりかもめ賞に出走。序盤でやや掛かって1~2角で外に膨れ気味だったが、その後は折り合いがついて逃げる形になった。他馬にも競られなかったため、前後半5F62秒4-58秒7の超スローペースで逃げ切ることができた。

 休養明けの前走青葉賞では、10番枠からまずまずのスタートを切り、内のパワーホールを行かせて2番手で流れに乗った。向正面に入ってペースダウンして、前のパワーホールと3馬身程度だった差がどんどん広がる。3角手前で3番手以下にも取り付かれてしまったが、3~4角で最短距離を通って直線序盤で伸び始めた。

 だんだんとパワーホールとの差を縮め、ラスト2Fでは堂々と先頭に立ったが、外から差されて3着争いからクビ+アタマ差の5着となった。前後半5F59秒5-60秒7とそれなりに流れたこともあって、ラスト1Fはやや甘くなってしまったが、距離が長かったのもあるだろう。

 今回は1~3番枠にテンが速い馬が入った中での6番枠。芝2400m戦を使った後の一戦でこの枠だと、外から前に絡んでいきながらも前に行き切れないリスクはあるが、この距離で要注意だ。

△ (10)ミナデオロ

 前々走の未勝利戦は速い流れを先行策から抜け出し、2着馬に1馬身半差をつけて快勝。キレはそこまでなくともスタミナはかなりあると感じさせる勝利だった。

 前走は白百合Sに格上挑戦。8番枠から五分のスタートを切り、軽く促してしばらく内の馬の出方を窺っていたが、最終的にハナを切った。道中ではペースを落として3角へ。3~4角で徐々にペースを引き上げて1馬身半差のリードで直線に向き、序盤で追われるとしぶとく伸びてリードを維持した。

 ラスト1Fでは外から伸びる(5)オフトレイルをほとんど寄せ付けず、1馬身1/4差を付けてゴール板を駆け抜けた。スタミナを生かし切る形で見事な勝利だった。

 ここにきて力をつけているし、スタミナはかなりあると再認識させられた。ただ今回は前走で能力をある程度出し切った後の一戦。ここに来て力をつけているので警戒は必要だが、過信もできないと見る。

△ (12)ショーマンフリート

 中山芝1600mの新馬戦ではやや出遅れ、末脚を生かす競馬で勝利した。2番人気に支持された次走のシンザン記念では、タフな馬場のハイペースを中団外々から道中で好位まで上がっていく競馬で5着に敗れたが、その後は中距離路線で上昇。前々走の山藤賞では何とか2番手で我慢させ、2着と善戦した。

 前走は9番枠からまずまずのスタートを決めるとコントロールしながら進め、前2頭が離していく展開の3番手を追走。道中も折り合いを意識して我慢させ、3~4角では最短距離を通って4角出口で外目に誘導した。

 直線序盤で追われると反応は甘かったが、ラスト2Fで徐々に伸び始め、先頭と3馬身はあった差を1馬身半まで詰めた。ラスト1Fで抜け出したところを外からラスカンブレスに強襲されたが、半馬身差で振り切った。

 騎手心理としてこういう馬では早めに仕掛けていこうとするものだが、新馬戦でラスト1Fで加速したことや、前走時に仕掛けをワンテンポ遅らせて結果を出したことから、末脚を生かす競馬がベストのように感じる。

 今回は開幕週で内有利馬場。それでいて大外12番枠だが、前がペースを引き上げる展開で差す競馬ならチャンスがありそうだ。

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