中央競馬では2歳世代最初の重賞となる函館2歳S。このレースは早期デビューの将来のオープン馬と生涯一勝馬が競うレース。このため能力上位馬で決着することが大半です。
しかし、穴が開くこともあります。どのようなタイプが穴を開けるのかというと、2011年のアイムユアーズ(5番人気)、2013年のプラチナティアラ(9番人気)、2014年のタケデンタイガー(11番人気)、ビアンフェ(4番人気)のような前走・未勝利組。つまり、キャリアが一戦でも豊富な馬です。プラチナティアラは前走の未勝利戦で5馬身差の圧勝の実績がありましたが、新馬戦で6着に敗れていたことで嫌われたようです。
これはデビュー2戦目の馬よりも、デビュー3戦目の馬のほうが成長力を見せることが多いから。かつてこのレースの前哨戦として、オープンのラベンダー賞が用意されていた頃、ラベンダー賞組が大活躍していたのもキャリアが豊富な馬の優位性を示すものです。また、ラベンダー賞が行われていた頃は、門別勢がよく穴を開けていました。ダートばかり使われてきた馬が芝を経験することで、活躍しやすかったのです。
しかし、ラベンダーSが廃止されてからは、門別勢はこのレースが初芝となるために苦戦。一度も馬券に絡んでいません。2015年のタイニーダンサー(12番人気)や昨年のエムティアン(9番人気)が4着入線したあたりから、門別勢がアドバルーンを打ち上げる日はいつ来るでしょうが、このせいか門別組の参戦は今年はたったの1頭です。
今年の函館2歳Sは、PP指数の能力値の高い順に挙げると、モンファボリ(-8.0pt)、フォドラ(-6.0pt)、ラヴケリー(-4.0pt)、ディープエコロジー、フォルセティ(ともに-2.0pt)。これらにキャリアの豊富な馬、初芝の馬がどこまで食い込めるかというレースです。
ただし、昨年のこのレースでは、3着に5馬身差もつけて(能力値-6.0ptを記録)、1番人気に支持されたレッドヴェイパーが5着に敗れたように、新馬戦が消耗度の高い内容だと、今回で上昇力を見せられない場合もあります。前走・新馬戦組を狙うのであれば、マイペースの競馬で勝利した馬を積極的に狙いたいです。