●函館記念
「函館芝は、タフな馬が活躍する」と、言われています。理由は、函館と札幌では寒冷地対策として欧州と同じ洋芝が使われているからです。洋芝は緑が鮮やかですが、他場で使われている野芝より耐久性が低いのが弱点。つまり、開催が進むほど馬場の傷みが進行し、時計を要するようになります。函館は蝦夷梅雨の時期の開催ですからなおさらでしょう。時計を要する=馬場が「重い」ですから、非力な馬では通用せず、タフさも必要になるのです。
当然、2連続開催後半、今年は最終日に行われる函館記念も、前半と比べれば時計を要します。近年は馬場の維持や向上技術が進み、かつてほどではないにぜよ、さすがに2回函館の最終日ともなれば、高速馬場ではありません。今年も天候には恵まれましたが、1分59秒台の決着にはなるでしょう。まして今年はトーラスジェミニ他、逃げ馬やテンの速い馬が多数出走しており、消耗戦が濃厚のメンバー構成。それだけにタフな馬場での実績や先行馬よりも前半で楽できる差し馬(後半型の馬)を主体で予想を組み立てたいです。
また、函館記念は2005~2007年に前哨戦の巴賞を経由したエリモハリアーが3連覇し、その後もしばらく巴賞が活躍したことから、「函館記念は巴賞組を狙え!」という格言がブームになった時期がありました。しかし、その後はすっかり影を潜め、昨年は久々に巴賞組がこのレースでワン、ツーを決めました。この巴賞組がここに繋がる、繋がらないはメンバー質の高さによるものもありますが、巴賞が高速馬場で行われたか、時計の掛かる馬場で行われたかにもよります。
巴賞が超高速馬場で行われ、函館記念が重馬場で行われた2017年度などは、巴賞組全滅、巴賞の勝ち馬サトノアレスはこのレースで断然の1番人気を背負ってドボンしました。一方、昨年の巴賞は雨の影響で時計を要し、逃げた3番人気のサトノフェイバーが最下位に敗れる流れを先行したマイスタイル、マイナルファンロンの2頭の巻き返し。つまり、巴賞が時計が掛かると、ここに繋がることが多いのです。今年はエプソムCの3着馬トラストジェミニが制しているように、メンバー質は高かったものの標準馬場で行われました。そこを考えると人気ほど高い評価はできないでしょう。
●中京記念
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