2020年 きさらぎ賞・東京新聞杯 – 競馬予想 – 山崎エリカ –

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2020.02.09
2020年 きさらぎ賞・東京新聞杯

●きさらぎ賞

きさらぎ賞は、前日にはエルフィンS、翌週にはクイーンCや共同通信杯とこの2週に3歳のオープン、重賞が集中していることもあり、毎年のように少頭数で行われます。このため道悪にでもならない限り、平均~スローペースが通常化しており、過去10年で逃げ馬の1着1回、2着3回、3着1回という素晴らしい成績を収めています。

今年も小頭数8頭立て。逃げ馬はコルテジア、ギベルティの2頭で、両馬ともにスローペースの逃げで結果を出してきた馬です。今回は内枠でこの距離(芝1800m)に自信のあるはコルテジアが逃げる可能性が高いと見ていますが、どちらが逃げるにせよ、無理のないレースメイクで、スローペースよりの流れになると見るのが順当でしょう。京都芝コースは先週と比べると、高速化しているだけになおさらです。

また、このレースのポイントは1番人気馬がよくコケて、案外と荒れているということ。実際に過去10年の1番人気馬の成績は、【3・3・0・4】で、一昨年のダノンマジェスティ(9着)や昨年のヴァンギャルド(4着)が代表されるように、それまで後半型(末脚型)の競馬で結果を出してきた馬が、スローペースを意識して先行し、ドボンするパターンが目立ちます。

今回で断然の1番人気のアルジャンナは、ゲートも二の脚の遅い後半型の馬。前を意識して動けば、最後失速の可能性はあるでしょう。ここでも東京スポーツ杯2歳Sのように、追い込みに徹することができるかがポイントですが、その場合は、同タイプの2010年のレーヴドリアンのように前を捕らえきれずに善戦止まりで終わる可能性もあります。つまり、アルジャンナを過信するのは危険ということ。その前提で予想を組み立てたいです。

●東京新聞杯

東京新聞杯は、近年の強い逃げ馬の不在の影響もあって、スローペースの傾向が強いレースです。2016年、2017年は、それまで逃げたことがなかったスマートレイアーやブラックスピネルが逃げて、押し切れるほど遅いペース。良馬場ながら前半4F48~49秒台と、「東京マイルは淀みなく流れる」という定説を覆すほど、超絶スローペースでした。

しかし、東京マイルは最初の3コーナーまでの距離が約550mもあり、緩やかに坂を下って行くUターンコースのため、外枠の逃げ馬でも行く気になればハナを主張することが可能。逃げ馬の出方ひとつでハイペースにもなります。

実際に逃げ馬が揃っていた昨年は、外のショウナンアンセムと内のロジクライが競り合って、前半4F45秒7-後半4F46秒2(決着タイム:1分31秒9)という緩みないペースで流れて、前が崩れました。

さて、今年はどうかというと、前に行ってこそのモルフェオルフェの逃げが濃厚のメンバー構成。ただし、キャンベルジュニアや、ヴァンドギャルド、クリノガウディー(同馬は、陣営が「ここも脚をタメす競馬で」とコメント)など、先行勢が手強いとなると、ある程度、ペースを引き上げて行くでしょう。

昨年のように逃げ馬が揃っているわけではないので、緩みない流れになる可能性は低いにせよ、ある程度、ペースが上がる、平均ペースで流れる可能性が高いと見て、予想を組み立てたいです。今年の東京は例年のような超高速馬場ではないので、前半4F46秒台半ばの1分32秒台の決着だと、差し馬のほうが優勢と見ていますが、先行馬も残れないことはないと見ています。

また、このレースのポイントは前走のマイルCS出走馬が不振だということ。そもそも前走でG1を目標にした馬というのは、マイルCSに限らずに危険行為で先週の白富士S(オープン)でも、前走のジャパンCで6着のダイワキャグニ―が1番人気でぶっ飛びました。

前走でマイルCS出走馬のこのレースでの成績も過去10年で【1・0・0・13】と不振。唯一の優勝馬は、2010年のスマイルジャックですが、同馬は前年の安田記念の3着馬。前年の秋がやや不振でマイルCSでも6着でしたが、ここで復活したタイプです。つまり、そもそも強く、マイルCSで案外な負け方をしている馬ではないと、狙いづらいということです。

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