2020年 根岸S・シルクロードS – 競馬予想 – 山崎エリカ –

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2020.01.31
2020年 根岸S・シルクロードS

●根岸ステークス

ダ1400mのグレードレースは、地方競馬を含めて年間8レースあります。中央のダ1400mのオープン特別も、直近ではギャラクシーS、すばるSなど数多く行われています。しかし、中央で行われるダ1400mのグレードレースは、今回の根岸Sと夏のプロキオンSのみ。また、中央のダ1400m戦は、東京、京都、阪神、中京の4場で行われますが、スタート地点がダートなのは、東京コースのみ。さらにスプリントのダートグレードは、1~2月に行われるのはこのレースのみということもあり、根岸Sは地方馬や地方交流戦組の参戦が目立ちます。

本来、ダートスタートコースよりも、芝スタートコースのほうがダッシュがつくため、前半ペースが上がりやすい傾向があります。しかし、東京ダ1400mは、芝スタートコースながら、前半ペースが上がりやすいのが特徴。これは最初の3コーナーまでの距離が約442mと阪神ダ1400mに次いで長い上に、前半で坂を下って、後半で坂を上るコースだからです。まして地方経由馬は揉まれ弱い馬が多く、できれば前半からリードを奪いたい馬が多いので、なおさらその傾向に拍車が掛かるのでしょう。

実際に根岸Sの過去10年を見ても、逃げ馬の3着以内はゼロ。2008年にはタイセイアトムが逃げて2着に粘っていますが、この年は降雪により、月曜日に代替開催。不良馬場の上に、2列目を追走していたトウショウギアが故障して、有力馬がことごとく後退する不利がありました。一方、追い込み馬は1着4回、2着1回、3着4回という強烈な成績。この活躍ぶりは、重賞屈指どころか、ぶっちぎりのNO.1でしょう。ただし、本来、最初のストレートが長いコースというのは、隊列形成がスムーズならば、そこまでペースが上がらないことも忘れずにいたほうがいいでしょう。

しかし、そうは言っても特に近3年は、モンドクラッセ、サイタスリーレッド、マテラスカイなど、行くしかない逃げ馬がオーバーペースで逃げていることもあり、カフジテイクやノンコノユメノ追い込みが決まっています。昨年も追い込み馬のペースでしたが、コパノキッキングやユラノトが先行~中団から押し切れたのは、この2頭が強かったからです。(前記2頭は、次走のフェブラリーSでも5着、3着を善戦)

今回逃げる可能性が高いのは、逃げなければ持ち味が生きないドリームキラリが濃厚。ワイルドファラオは初ダートで逃げたユニコーンSはしぶとい内容でしたが、折り合う競馬もできるので逃げない可能性が高いでしょう。例年のこのレースと比べると断然、逃げ、先行馬が手薄な上に、案外と前が楽になる可能性もあります。

まして今年は、土曜日の銀蹄S(ダ1400m)で1分23秒5で決着しているように、例年よりも高速ダートです。土曜日が稍重で日曜日は馬場が回復することを視野に入れても、平均ペース前後で1分22秒台で決着するのではないでしょうか。結局のところ実績も自在性があるコパノキッキングがどこまでドリームキラリを可愛がるかでペースが決まる面はありますが、前からでも押し切れることを視野に入れて予想を組み立てたいです。

●シルクロードステークス

シルクロードSが行われる京都芝1200mは、スタートしてから内回りの3コーナーの坂を上がって行くコース。最初の3コーナーまでの距離が約320mと短い上に、前半で急坂を上るコースのため、京都が超高速馬場で、いかなる快速馬が逃げたとしても、前半3F32秒台に突入することはありません。

前半3F32秒2(小倉1200mの北九州記念)を記録したことがある超快速馬のエイシンダックマンでも、このコースだと馬なりで前半3F33秒5(淀短距離S)でしか行けなかったほど。つまり、エーシンダックマンがこのコースを得意としていたように、前半ペースが上がりづらいため、逃げ、先行馬がやたらと活躍します。過去10年で逃げ馬の2着が5度もあるのだから、異常に逃げ馬が活躍するレースと言えます。

※同距離コースのG3・京阪杯でも過去10年で、逃げ馬が3勝、2着1回。

しかし、昨年のこのレースは、逃げ馬や逃げたい馬が揃っていた上に、大外枠からセイウンコウセイが押して押して内の逃げ馬のハナを叩いて、玉砕覚悟の逃げ。けっして高速馬場でもないのに、1998年のキョウエイマーチ(前半3F33秒1)に次ぐ、シルクロードS史上2番目の前半3F33秒3で逃げて、久々に前がしっかりと崩れました。

同馬は直近のレースが不振で、斤量58kgを背負っていたこともあり、叩き台に徹してきた感が見え見えでした。あれを見てしまうと、ここも楽にハナへ行けるであろうモズスーパーフレアに過度な期待をしてしまうのは危険ですが、ラブカンプーもかつてほど前に行けなくなっており、今年は昨年ほど逃げ馬が揃っていません。

確かに例年のこの時期の京都芝コースよりも1秒前後時計を要しており、その上今週よりAコース→Bコースを使用。土曜日の段階では外のほうが伸びていました。そこを考えるとモズスーパーフレアが力任せに行き切ると危険な状況ではありますが、騎手も土曜日を踏まえて乗ってくるでしょう。

ただし、モズスーパーフレアが逃げるとするならば、同馬を見ながらレースを運べる2列目、できれば外でしょう。その位置を取れる(好きな位置を取れる)こと自体が強さですが、強い馬の直後は進路取りに苦労しないし、ましてそれが実績のある逃げ馬だとハイペースなら控えて、スローペースならそのままついて行けば良いのですから楽です。それを踏まえて予想を組み立てたいです。

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