キングジョージ6世&クイーンエリザベスSは、三角形のおむすび型が特徴的なアスコットの芝2390mで行われます。芝2390mは三角形の左辺付近がスタート地点となり、スタートから三角形の頂点にあたる最初のコーナーの中間まで坂を下ります。下り坂は約20m。これはおおよそビルの5階から1階までです。
そこから400mほど続く緩やかなコーナーを抜け、次の直線に入ると、今度は一転して上り坂。2度目の最終コーナーを抜けて、最後の約500mある直線に入っても急勾配の上り坂となっており、ゴール前の200mのみが平坦。三角形の頂点にあたる最低地点(スウィンリーボトム)と、最高地点のゴールとの高低差は22.25mで、これは中山競馬場(高低差5.3m)の4倍強。このため数ある英国の競馬場の中でも非常にタフなコースとなっています。
前半で坂を下って、後半で坂を上るコースというのは、前半のペースが上がりやすいため、逃げ、先行馬にはとても厳しいコース。さらに路盤は粘土質ですから、水を含むと一気に時計を要します。本日の馬場発表は、現時点でGood to Soft(稍重)。今回断然1番人気に支持されているのはエネイブルですが、同馬はここまでタフな馬場を経験したことはありません。昨年の凱旋門賞はSoft(重馬場)でしたが、シャンティイとアスコットではタフさが違います。この馬が人気を裏切るとすれば……。
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