勢力図編
過去1年の牝馬限定重賞路線でもっとも決着指数が高かったのは、超絶高速馬場で行われた昨春のヴィクトリアマイルで「指数-28」。このレースはご存じ、アーモンドアイが好位から突き抜けて4馬身差の快勝を収めたレースです。このレースで悪くない走りをしたのがシゲルピンクダイヤ。4番枠から五分のスタートを切り、コントロールして中団中目から。無理に行かずに、脚をなるべく温存させたのも良かったにせよ、2着サウンドアキラとは0.3秒差(6着)に善戦しました。
ただ、シゲルピンクダイヤは道中置かれ気味の忙しい競馬だったことから、マイルよりも中距離でこそを感じさせたのは確か。芝2000mの前々走、中日新聞杯では、スローペースの後半勝負となった中で、好位の外目からインを強襲したボッケリーニ(昨春の3勝クラス、江の島Sでもロザムールを撃破し、小倉大賞典ではハナ差2着の実績馬)との接戦の2着と好走しています。しかし、前走の中日新聞杯では9着に凡退。この敗戦をどう読むかがポイントでしょう。
ヴィクトリアマイルの次に高指数決着だったのは、「指数-25」の昨秋の新潟牝馬ですが、このレースは重馬場で内、中、外とトラックバイアスが生じている状態。他馬が馬場の内を避けて通る中、勝ち馬ウラヌスチャームと5着馬カーロバンビーチだけが中団から向正面でラチ沿いにつけ、中団からスルスルとポジションを押し上げたもの。他騎手が意識するほど、馬場の内が悪くなかったという結果だっただけに、あまり参考になりません。
その次にレベルが高かったのは、ラッキーライラックが制した昨秋のエリザベス女王杯で「指数-24」。エリザベス女王杯の10着馬ミスニューヨークがその後の3勝クラスの虹の松原Sでハナ差2着、スピカS1着でここに挑んでいることからも、レベルが高かったことは明確でしょう。しかし、同馬は前走のスピカSが極悪馬場での好走。AJCCのアリストテレスの二の舞となる危険性があります。
その他では、府中牝馬S、愛知杯がレベルが高くともに「指数-23」。牡馬が相手のリステッド競走、東風Sも前記2レースと同等の「指数-22」で決着しています。この3レースはともに超絶ハイペースで前が厳しい流れになりました。ちなみに府中牝馬Sの経由馬は、シゲルピンクダイヤ。愛知杯の経由馬は、アブレイズ、シゲルピンクダイヤ、ディアンドル、東風Sの経由馬がフィリアプーラとクラバシュドールです。これらのエースの仕分けが、このレースの要になりそうです。
その次にハイレベルなのは、秋華賞は「指数-22」。秋華賞の経由馬はパラスアテナとミスニューヨーク、クラヴァシュドール。ミスニューヨークに関しては前記の危険性がありますが、パラスアテナやクラヴァシュドールはその後も順調なので、さらなる成長力があれば、ここでも通用するでしょう。
牡馬混合戦ではありますが、七夕賞、中山金杯もハイレベルで秋華賞と同等の「指数-22」で決着しました。七夕賞の経由馬はパッシングスルー、中山金杯の経由馬はロザムールです。ただ、ロザムールに関しても、休養明け&極悪馬場の前走、中山牝馬Sで自己ベスト「指数-21」を記録した影響がどう出るか…。また、同馬は逃げ馬でもあるだけに、同型のディアン、ドル、カリオストロ等との兼ね合いが気になります。
先週の新潟芝コースは極悪馬場でしたが、昨日のクッション値の発表10.0とやや硬め。標準~やや高速馬場くらいで行われるでしょうか。馬場はそこまでタフではないようなので、それらを加味して予想を組み立てると、より的中に近づけるかもしれません。