ハンデ戦ながら、この先のマイラーズCや京王杯スプリングC、さらには安田記念へと繋がる一戦。このレースの優勝馬には、ショウワモダン(2010年)、トウケイヘイロー(2013年)、モーリス(2015年)のように、同年の安田記念や秋のGⅠ戦線で活躍している馬もいます。上がり馬が勝てば、この先のG1レースでのチャンスが広がるでしょう。
また、2010年にショウワモダン(2番手)とマイネルファルケ(1番手)の行った、行ったが決まったように、中山芝1600m重賞としては珍しいほど、スローペースになることがあります。先週Aコース→Bコースに替わることで、前週よりも馬場が高速化することが多いからでしょう。騎手は前週の感覚でレースを運ぶ傾向があるため、仕掛けが遅れて、前を残らせることがあります。
さらに秋の中山開幕週で超高速馬場で行われることが多い、京成杯オータムHほど顕著ではありませんが、インコースを通れる内枠の馬が活躍しています。2014年のカレンブラックヒル(2番枠)、2017年のロジチャリス(3番枠)、2020年のクルーガーなど、過去10年で優勝した4番人気以下の大半が、内枠か前に行って最短距離の競馬をした馬でした。この辺りは最初のコーナーで内に入れられないと、終始外々を回らされてしまうことになる円状コースの中山芝1600mの傾向どおりと言えます。
しかし、今回は最内枠のスマイルカナがある程度は前を主張し、他が行かなければ逃げの手も視野に入れているはず。また、外枠のトーラスジェミニも逃げてこその馬。昨年は最内枠のナインテイルズが積極的に行ったためにハナへ行けずに大敗を喫したことからも、押してでもハナを主張してくる可能性が高いでしょう。さらに内枠のボンセルヴィーソやソーグリッタリング、外枠のマイスタイルやアトミックフォースらが先行してくるとなれば、平均ペースよりも速い流れになると見ています。内目で脚をタメて最後にもうひと脚使える馬が有利でしょう。