阪急杯
阪急杯は、本番・高松宮記念に案外と繋がることが多いレース。2013年のロードカナロアや2014年のコパノリチャードなどがこのレースを勝って、高松宮記念も優勝しています。また、2013年にこのレースを逃げ切り勝ちしたミッキーアイルも、次走の高松記念では2着と好走しています。
しかし、本番に繋がっているのは、このレースをハイペースで逃げ、先行して上位争いをした馬がほとんど。2019年のミスターメロディもこのレースを先バテ7着から、本番・高松宮記念で巻き返しVでした。
一方、このレース差し、追い込みで勝った2013年のダイワマッジョーレ、2017年のトーキングドラム、2019年のスマートオーディン、2020年のベストアクターは、高松宮記念では見事にドボンしています。
このメカニズムは至って簡単! 阪急杯が行われる阪神芝1400mは、2コーナー奥からのスタートで最初の3コーナーまでの距離が約443mもあるために、逃げ、先行馬が多く出走しているほど、顕著にペースが上がりやすいからです。そしてトップスプリンターが集う舞台だけに、例年、それらがそれなりに集っており、差し馬有利の流れになりやすいということ。
実際に過去10年でもっともペースが遅かった2019年でも前半3F34秒2-後半3F34秒6(1分20秒3)で決着しています。ゆえにこのレースを不利な逃げ、先行策で上位争いした馬たちは高松宮記念へと繋がり、有利な差し追い込みで上位争いした馬たちは、相手強化の高松宮記念では通用しないことが多いのです。
今回はマイル路線の逃げ馬レシステンシアが参戦。鞍上の北村友一騎手は、楽にハナへ行けたら押さえてペースを緩めて、行けなければ押してペースを引き上げることが多い騎手。阪神ジュベナイルFは先行馬が集っていたことで、後者の騎乗が嵌りました。
今回はロードアクア、メイショウチタン、シャンダルムと先行勢が手薄になったことで、前者のパターンが想定されますが…。さすがに前半が34秒半ばまで遅くなることはなく、ややハイペースにはなると見ています。ただし、高速馬場の阪神でこのペースだと先行馬でも十分に残れるので、前目を主体に予想を組み立てたいです。
中山記念
2回中山開幕週に行われる中山記念は、1回中山開催で8日間使用されたCコースからAコースに変更される。このためグリーンベルトが発生し、馬場が高速化することが多いもの。実際に昨日の3勝クラスの幕張S(芝1600m)で1分31秒8で決着しており、今年はかなりの高速馬場。このメンバーでレースが流れれば、1分45秒台は余裕で出るでしょう。
こうなると内枠の逃げ、先行馬を狙いたくなるが、案外とそう簡単でもないことも多い。円状コースで内枠有利の中山外周りの芝1600mならまだしも、今回は内回りの芝1800mは取り立てるほど内枠有利のコースではなく、タフなコースだからでしょう。
中山芝1800mは最初の1コーナーまでの距離が約205mと短く、スタートしてすぐに急坂を上がって行くコースのため、前半のペースは遅くなります。しかし、上級条件、それもGⅠ馬や将来のGⅠ馬が集う中山記念ともなると、前が後続にまくられないように向正面の下り坂でスピードに乗せて動いて行くため、ラスト5F目からペースアップすることが大半。この早仕掛けがたたって前が失速し、外差しが決まることも少なくありません。
今回は逃げ馬バビットに、テンの速いトーセンスーリヤ、パンサラッサ、ウインイクシードなど、前に行きたい馬がそれなりに出走しています。また、昨日の芝のレースでは、内と前を楽々と残らせてしまっていることもあって、トーセンスーリヤ、コスモカレンドゥラ、マイネルハニーなどの内枠の馬は内のスペースを拾いにくる可能性が高いでしょう。中山記念は先行争いが激化して、差しが決まる想定で予想を組み立てたいです。
※『SPAIA AI競馬』のコラムをご参考ください♪
PP指数を用いて、能力上位馬と穴馬を紹介しています。