伝統あったオープン特別「いちょうS」をG3に格上げし、更に名称を変えて生まれたのがこのサウジアラビアRC。今年で第6回目(7年目)を迎えます。このレースはいちょうSの頃から出世レースとして呼び名が高かったものの、G3になってからも優勝馬クラリティスカイ、ダノンプレミアム、グランアレグリア、サリオスがその後のG1を制しています。今年は例年と比べると、これといった素質馬が不在のようにも感じますが、果たして将来のG1馬が誕生するのか? 注目度の高い一戦です。
またこのレースは、2歳重賞レースの充実により、少頭数になることがほとんど。フルゲート18頭立てになったには、過去6年で一度のみ。2歳マイル戦はスプリント路線馬と、1600m、1800m路線馬が激突する形となり、当然、スプリント路線馬や、将来のスプリンターが逃げ、先行する形になりますが、それらは距離延長を意識して、ゆっくりと逃げ、先行することが大半。このためほほぼスローペースで決着しており、ハイペースになったのはダノンプレミアムが1分33秒0のレコードタイムを記録した、2017年くらい。この年はフルゲートでした。
今年は不良馬場。それも金曜日の段階のクッション値が8.5とかなり緩めだったことから、かなりの道悪が想定されます。それでも積極的に逃げたい馬がおらず、外からステラヴェローチェが押し出されるようにして逃げる形が濃厚。2列目候補のインフィナイト、ピンクカメハメハもスローペースの新馬戦でメンバー最速の上がりをマークしているように、脚をタメたいタイプだけに、スローペースになる可能性が高いでしょう。
そうなると前からの押し切りも警戒しておきたいところではありますが、かなり馬場が悪化していることを考えると、スローペースでも前から押し切るのは容易なことではありません。また、前に行く馬はキャリアの浅い馬たち。馬場が悪化するとキャリアの豊富な馬のほうが優勢になるので、そのことを踏まえて予想を組み立てると良いでしょう。なぜ馬場が悪化するとキャリアが豊富な馬が有利かというと、経験を積むことでスタミナが強化され、しぶとさが増すからです。特に前走でペースが厳しい競馬をしていると、より有力です。