2024年 名古屋グランプリの予想 – 競馬予想 – 山崎エリカ –

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地方競馬

2024.05.06
2024年 名古屋グランプリの予想

■何が何でも逃げたい馬は不在

 今回は「逃げてもいい」というタイプは何頭もいるが、何が何でも逃げたい馬が不在。テンの速いのは(2)ヒロイックテイルだが、同馬は昨年6月の中央OP・スレイプニルスSでゆったりとしたペースで逃げて(3)レッドファーロに完敗、(4)ディクテオンに先着という結果になっただけに、他馬がハナを主張すれば緩る可能性が高い。何れにせよ、そこまで速い流れにならないだろう。

 しかし、名古屋は馬場がタフで、距離2100mとなると、よほど先日のかしわ記念時のように水が浮くような馬場にならない限り、捲りも利くので、あまり脚質にこだわらず、距離適性重視で予想した。このラインより上のエリアが無料で表示されます。

名古屋11R 名古屋グランプリ ダ2100m
 ◎ (4)ディクテオン
 ○ (3)レッドファーロ
 ▲ (1)エクセスリターン
 注 (6)アンタンスルフレ
 △ (2)ヒロイックテイル
 △ (9)ブリーザフレスカ
結論 馬複4-3,1,6,2,9 (24:14:8:2:2) 複勝4 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (4)ディクテオン

 昨年の浦和記念と名古屋GPを連勝した馬。4走前の浦和記念は10番枠から出遅れて、最後方からの追走。2周目の2角からじわっと動いて向上面に入ると外から一気に位置を上げ、3角では好位の外。4角で先頭列に並びかけ、直線序盤でミトノオーを捉えると、そこからどんどん差を広げて、2馬身半差で完勝した。

 4走前はミトノオーのマイペースの逃げが決まる可能性が高いと見て、後方からの追走になるディクテオンは評価を下げた。しかし、ラスト5F付近から動いて、最後までしぶとかったことに驚かされた。3走前の名古屋GPは3走前ほど鮮やかな捲りではなかったが、大外12番枠から出遅れて後方から進めて、2角からじわっと進出して2馬身差で完勝。中央のダ2100m戦では前崩れの展開にならないと勝てなかったが、時計が掛かって、捲れる地方の馬場は合うようだ。

 名古屋GPから直行(休養明け)となった前々走のダイオライト記念は、2015年のシビルウォー、2021年のマスターフェンサー同様にスタミナ切れを起こし、4着と敗れた。昨年の名古屋GPは2100mだっただけに、距離延長が応えたというのもある。

 前走の川崎記念は内と前が有利な馬場を出遅れて後方から進める形となり、0.2秒差の4着に敗れた。今回は何が何でも逃げたい馬が不在だが、相手弱化で捲りも利く馬場&距離だけに、ディクテオンを本命馬とした。

○ (3)レッドファーロ

 4走前の中央のOP・スレイプニルスの3着馬。4走前は5番枠から五分のスタートを切り、そこから押して好位馬群の中目を追走。3~4角のペースアップでやや置かれ、直線での加速に踏み遅れたが、じわじわ伸び続けて勝ち馬に3馬身差まで迫った。

 4走前は(2)ヒロイックテイルのレースメイクで、前後半5F62秒4-60秒8のスローペース。3~4角からペースが上がっていく展開だったが、レッドファーロはここで内目を通せたことが好走要因のひとつ。ここでは後方外々からの追走となった◎(4)ディクテオンを撃破している。

 また、レッドファーロはこのレースで自己最高指数を記録しているように、ダ2100mでしぶとさを活かす競馬がベスト。前走のブリリアントSはスタミナが不足しがちな休養明けで出遅れ、ペースがそこまで遅くもない中、後方外目からじわじわ位置を挽回して行く形となり、最後の直線で苦しくなって6着に敗れた。しかし、ひと叩きされて意欲の連闘策となる今回は、変わり身が期待できる。

▲ (1)エクセスリターン

 前走で3勝クラスの観月橋Sを勝利した上がり馬。前走は3番枠から五分のスタートを切ったが、進みが悪く最後方からの追走。最内からじわじわ位置を上げ、3角では中団やや後方。4角では好位まで上がって直線序盤では3番手。ラスト1Fで前2頭を捉えて、1馬身1/4差で完勝した。

 前走は前後半4F48秒3-51秒0のかなりのハイペース。後方から最短距離を通す競馬が功を奏した結果を言える。今回は展開が向くかはともかく、◎(4)ディクテオンをマークして動いて行ければチャンスがありそうだ。

注 (6)アンタンスルフレ

 昨秋の金沢の重賞・北国王冠(ダ2600m)を圧勝し、二連覇を達成した馬。同レースでは7番枠からスタート後に躓いたが、すぐに立て直してじわっとハナを主張。しっかり先頭を取り切ると、ゆっくり進めて2周目の3角から後続を引き離して行った。3角では2列目と1馬身差だったが、4角では4馬身ほど広げて直線へ。そこからは後続を引き離す一方で、8馬身差で完勝した。

 一昨年の北国王冠では2番手から早め先頭に立つ競馬で2着馬とアタマ差だったが、昨年は逃げ有利の馬場だったにせよ、8馬身差の圧勝と、さらに地力をつけたことをアピールした。そして今回と同舞台となる、その次走の東海菊花賞でも逃げ切り勝ち。南関東移籍初戦の金盃TRでも外枠から2番手を取りに行って勝利している。

 前走の東海桜花賞では4着に敗れたが、前々走で芝3000mを使われ、そこで出遅れて後方からレースを進めた後の一戦で8番枠。行きっぷりが悪かったが、序盤から先行争いに加わり、3角手前で外からアナザートゥルースが上がってくると、それに抵抗して行ったために4角ではもう手応えが悪く、最後の直線でバテた馬を一頭かわすのが精一杯だった。しかし、前走で先行したことで今回はレースの流れに乗りやすくなるはず。ここでの前進を警戒したい。

△ (2)ヒロイックテイル

 2021年の東京ダ2100mのOP・ブリリアントSの勝ち馬。同レースでは11番枠から五分のスタートだったが、二の脚は速く、1角では2番手の外。向上面ではじわっと逃げ馬にプレッシャーをかけて行った。3~4角で逃げ馬に競り掛けて、4角出口で先頭に立つと、そこから4馬身、5馬身と2列目に差を広げる。ラスト1Fでバンクオブクラウズにやや差を詰められたが、余裕を持って3馬身差で完勝した。

 このようにヒロイックテイルは前に行ってしぶとさを生かす競馬がベストだが、最近は二の脚にやや衰えを見せ、先行争いに加われなくなっている。それが成績不振に繋がっている面があるが、今回のメンバーで2番枠なら、行く気になれば逃げられるはず。他馬が競り掛けてこなければ、一発あるかもしれない。


△ (9)ブリーザフレスカ

 JRA所属時代は芝ばかりを使われて1勝もできなかったが、名古屋へ移籍してダートを使われると一気に上昇。4走前のゴールド争覇では3番枠から五分のスタートを切って中団で進め、向上面序盤で外に誘導。そこからじわじわ上がって、3~4角の外から一気に押し上げて4角ではもう先頭。そのまま後続を引き離して4馬身差で完勝した。

 その次走の東海菊花賞では逃げる(6)アンタンスルフレをマークで乗り、向上面で負かしに動いて失速したが、前走の東海桜花賞では、アナザートゥルースをマークで乗り、同馬がアンタンスルフレを負かしに行って、アンタンスルフレが失速する展開を差し切ったもの。アナザートゥルースと2馬身半差の2着に善戦した。今回は休養明けで好走した反動が出ることなく、スムーズに上昇すればチャンスある。

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