2023年 スパーキングレディーCの予想 – 競馬予想 – 山崎エリカ –

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2023.07.05
2023年 スパーキングレディーCの予想

 スパーキングレディーCはかしわ記念組が優勢のレース。秋のJBCレディスクラシックを目指す馬たちが、休養明けで始動してくるのに対して、かしわ記念組には同距離を使っている優位性がある。2021年の優勝馬サルサディオーネ、2022年の優勝馬ショウナンナデシコ、2015年の3着サンビスタ、遡って2011年にラヴェリータが前記に該当している。

 ただし、前記の該当馬にはダートグレード勝ちの実績があったが、今回1番人気で出走予定の(9)スピーディキックにはない。同馬が経由した南関東の重賞路線が、今年のTCK女王盃やエンプレス杯などと比べて、どのレベルまであるのかが課題である。

川崎11R スパーキングレディーC ダ1600m
 ◎ (9)スピーディキック
 〇 (1)グランブリッジ
 ▲ (4)タガノクリステル
 注 (5)ノーブルシルエット
 △ (6)エナハツホ
結論 馬連9-1,4,5,6 (30:10:6:4) 複勝9 (50)

■有力馬とそのコメント

◎ (9)スピーディキック

 一昨年末の東京シンデレラマイル以降、敗れたのは中央馬が相手の関東オークス、フェブラリーS、かしわ記念の3戦。南関東の牝馬に対しては絶対的な存在だが、関東オークスでは出遅れを挽回して3番手を追走とロスのある競馬ではあったが、ラスト1Fで2番手から抜け出した(1)グランブリッジに離され、3馬身半差の3着と完敗している。

 またフェブラリーSでは6着だったが、戦前の段階から言われていたように、TCK女王盃やエンプレス杯を1pt(0.1秒)下回る決着指数の凡戦。本馬は13番枠から五分のスタートを切りながらも位置を下げ、3角の内を狙って追走。3~4角をロスなく回って、最後の直線で馬群の内に突っ込み、そこから捌いて行く形。レース後に御神本騎手が、「外に出すほどの手応えがなく、内を狙っていきました」とコメントしているように、スムーズに捌けていればもうひとつくらいは着順を上げていた可能性はあるが、外を回っていたらもっと崩れていた可能性は十分にあった。

 そして前走のかしわ記念では、前々走同様に6着でも勝ち馬メイショウハリオに大きく離されてのもの。フェブラリーSを大目標にした後の疲労残りの一戦ではあったが、それを考慮しても中団から最後の直線で失速した馬を交わすだけの6着と見せ場のない内容だった。中央の一線級が相手となると、現状では壁があると言える。しかし、今回は本馬よりも実力が上のグランブリッジが斤量58.5Kgで叩き台の一戦。この先のブリーダーズGC、そしてJBCレディスクラシックが目標だけに本馬を◎とした。

○ (1)グランブリッジ

 昨秋のJBCレディスクラシック、クイーン賞ではともに2着と勝ち切れなかったが、今年はTCK女王盃とエンプレス杯をともに優勝した馬。前走のTCK女王盃では大外7番枠から五分のスタートを切って、内からハナを主張したヴァレーデラルナの外へ。1角で外からテリオスベルがハナを主張したが、そのままヴァレーデラルナの外3番手を追走し、ラスト1Fで同馬が先頭のテリオスベルを交わして甘くなったところを差し切って1馬身差で優勝した。

 TCK女王盃はヴァレーデラルナをマークで乗り、仕掛けのタイミングがドンピシャ。しかし、前走のエンプレス杯は、2番枠から出遅れて、そこから無理をさせず、中団やや後方を追走。向正面で外に誘導し、3角手前から進出開始。3~4角で3頭分外から位置を押し上げ、先頭のサルサディオーネとは1馬身差で直線へ。直線ですぐに先頭に立つと、じわじわ差を広げて2馬身半差と、勝ちに行く競馬で完勝した。

 本馬はここでは実績、実力ともにNO.1だが、ベストは勝ちに行く競馬で勝つことができる2100m。スタートや二の脚が速いタイプではないので、逃げ馬不在のマイル戦で斤量58Kgだと、楽に前の位置が取り切れず、包まれてしまう危険性もある。また休養明けで最適距離のブリーダーズGCが目標なので対抗評価とした。

▲ (4)タガノクリステル

 デビュー当初は芝を使われていたが、ダートに路線転向してから徐々に地力を強化した馬。ここに来てさらに本格化し、前々走で3勝クラスを勝利すると、前走ではオープンの栗東Sで2着と好走した。

 前走時は本命-対抗で予想を当てることに成功したが、アイオライトに7馬身も離されての2着。しかし、前走時は重馬場ではあったが、それでもタフな京都のダートで前半3F34秒2-後半3F37秒3の速い流れ。4番枠から五分のスタートを切って好位の内を追走し、最後の直線では狭い内を捌いて抜け出した内容は評価できる。

 前走時、最後の直線では苦しくなって内によれていた辺りに距離が伸びての不安はある。また逃げ馬不在の今回は、押し出されるようにして本馬が逃げる可能性が高く、再度、厳しい流れになった場合は怖いが、距離不足な馬が多く、意外と楽に逃げられる可能性もあるので3番手評価とした。

注 (5)ノーブルシルエット

 前走の総武Sの2着馬。前走は大外16番枠から五分のスタートを切って、そこから押してハナを取りに行ったが、内のタイセイサムソンが抵抗したので、無理せずその外2番手を追走。3角で同馬に並びかけて直線。しかし、直線ではタイセイサムソンが食い下がりを見せ、差が詰まらず、最後に外から2頭に差されて4着に敗れた。

 前走は悪い内容ではなかったが、能力面でややもの足りなさを感じたのは確か。ただ今回は実力上位馬が当てにならない面があるので、前でレースの流れに乗っての一発を警戒した。

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