昨年の鎌倉記念は2着馬スペシャルエックスが次走の兵庫ジュニアCで2着、3着馬デステージョが次走の兵庫ジュニアCで3着と好走しているように、ハイレベルだった。今回は同レースで逃げたスペシャルエックスをぴったりとマークする競馬で、後続をバラバラに入線させる強い勝ちっぷりを見せた(8)ヒーローコールが出走する。
しかし、ヒーローコールは前走の全日本2歳優駿を大目標にした後の一戦。前走時は外差し馬場だったが2番枠から出脚ひと息で前に行けず、外にも出せず、最内から好位勢を追いかける競馬となったこともあり、本来の能力を出し切れず4着に敗れた。
本馬は数多くいる小久保智厩舎の2歳馬の中でもっとも期待の高い一頭でもあり、ここで巻き返しの圧勝があっても不思議ない。この中間、昨日の金盃を優勝したカイルとも併せ馬をしており、断然の1番人気が予想されるが、前走を大目標に仕上げた一戦である以上、ここは対抗○評価とし、波乱の可能性に懸けたい。
大井11R 雲取賞 ダ1800m
◎ (3)ナイトオブバンド
〇 (8)ヒーローコール
▲ (2)マンダリンヒーロー
△ (1)タイガーチャージ
△ (5)グロリオサ
△ (6)トワシュトラール
△ (7)ウインドフレイバー
△ (10)エスプリボクチャン
結論 馬連3-8,2,1,5,6,7,10 (20:12:4:4:4:4:2) 複勝3 (50)
◎ (3)ナイトオブバンド
デビューから3連勝した馬。4走前の若武者賞では9番枠から出遅れて、そこから好位の外まで挽回していく競馬になったこともあり、(8)ヒーローコールの影も踏めず、5着に大敗した。しかし、その後の南部駒賞では単独2番手からの正攻法の競馬で2着、前年から賞金5倍に増額され、注目を集めた芝のジュニアグランプリでも2着と結果を出したように力を付けている。
前走は時計の速い中央の芝(ダート馬では通用不可能)で13着と大敗したが、実績馬はここが再始動戦となるだけに、レースを順調に使われている強みを生かして上位を狙う。また本馬はゲートが甘く、しばしば出遅れるので、忙しく挽回して行かなければならない1600mよりも1800mのほうが好ましいだろう。
▲ (2)マンダリンヒーロー
前走のハイセイコー記念では、先月のニューイヤーCの覇者ポリゴンウェイヴを2着に下して優勝した馬。前走は9番枠からやや出遅れて前半は中団の外を追走していたが、向正面で一気に捲って2番手を追走。ポリゴンウェイヴもそれに抵抗してペースを上げ、後続をは引き離されたが、本馬はラスト1Fで加速するポリゴンウェイヴをクビ差捉えて優勝した。このレースでは3着馬に4馬身差を付けており、その3着馬ピノホホッアは次走のニューイヤーCで2着に好走していることからも、上位2頭は強いと判断できる。
しかし、本馬はこのハイセイコー記念が激走だったようで、その後に疲れが出て、全日本2歳優駿を使うことが出来なかった。今回はそこから立て直されての一戦となるが、初戦から能力全開とまではいかないだろう。将来、○(8)ヒーローコールの良きライバルとなる可能性はあるが、ここは3番手評価までとした。
△ (1)タイガーチャージ
昨年7月13日のターフチャレンジⅠでは、後の平和賞の覇者プルタオルネを3着に下して勝利し、3走前のHⅠ・サンライズCでは逃げたオーマイグッネスにプレッシャーを外からプレッシャーをかけて行く競馬で4着だった馬。サンライズCは本馬が逃げ馬にプレッシャーをかけたことでブービー人気の差し馬が3着に台頭する流れになったが、それで後のJBC2歳優駿の2着馬ベルピットと3馬身差なら悪くない。
前々走のJBC2歳優駿ではベルピットに離された5着だったが、道営時の力関係から、前走の白鳥特別は勝って当然だろう。前走も3番枠から好発を切って、ここでも2番手外を追走。しかし、向正面で外から捲って先頭に立ったサベージに対して逃げ馬シンドバッドは抵抗してペースを引き上げたことで最下位に敗れたが、本馬はワンテンポ待ってシンドバッドが競り落とされたところから動いて行く競馬。前記2頭よりも展開が楽ではあったが、4角先頭から盛り返しを見せるサベージの追撃をアタマ差振り切ったことは評価できる。
本日も前走時同様にかなりタフなダートではあるが、もう少し脚をタメて追走できれば、上位に食い込めるチャンスはあるだろう。
△ (5)グロリオサ
デビュー2戦目の2歳未勝利戦で5馬身差、3戦目のアタックチャレンジ2歳未勝利戦では9馬身差で圧勝した素質馬。その次走となった前走のHⅡ・サッポロクラシックCは3着に敗れたが、1着のベルピット、2着のオーマイグッネスは、H1・ブリーダーズゴールドジュニアCの1着馬、2着馬であり、その後のH1・サンライズCでワン、ツーを決めた馬。相手が悪かったとしか言いようがない。
よって、前走の平和賞では勝ち負けになると見ていたが、プルタオルネを負かすことが出来ずの2着。11番枠と大外枠を引いたことで1~2角で外を回って向正面で好位の外まで位置を押し上げるロスの大きい競馬ではあったが、昨年7月13日のターフチャレンジⅠで3着で敗れたプルタオルネを差しそこなってしまった以上、そこまで強い馬とは言えないだろう。しかし、跛行による取消明けで本来の能力を出し切れなかった可能性はある。前走で全能力を出し切れていなかったとするならば、ここでさらなる前進で浮上というパターンがありそうだ。
△ (7)ウインドフレイバー
昨秋の若武者賞、鎌倉記念では、○(8)ヒーローコールに完敗の2着、4着だったが、前々走の浦和ジュニアCを勝利した馬。前々走は7番枠からゆっくりスタートを出して、そこから押して先行争いに加わって行く形。最終的には逃げ馬の外2番手を追走し、向正面で逃げ馬を競り落として3角先頭。ここで外からサムタイムアゴーが上がって最後の直線では一騎打ちとなったが、ハナ差凌いで勝利した。このレースでは3着馬に6馬身差をつけており、レベルを考慮してもなかなかの内容だった。
前走のニューイヤーCでは1番枠から五分のスタートを切って前にスペースを維持しながら好位の最内を追走していたが、向正面でピノホホッアが外から捲って一気にペースアップ。本馬もそこで動いて前のスペースを潰したために3~4角で詰まってしまう形。4角で外の馬が動くのを待ってその外に出して行ったが、結局、内が開き、そのまま最内で脚をタメていれば…という結果になった。ニューイヤーC時に本馬を本命に推していた私としては実に腹立たしい内容だったが、その分、ここで余力を残す形となったのも確か。警戒しておきたい。
△ (10)エスプリボクチャン
3走前は▲(2)マンダリンヒーローと1馬身3/4差の3着だったが、その後に力を付けた馬。前々走では4番枠から五分のスタートを切って、好位の最内を追走。外から動いて行く△(6)トワシュトラールを見ながら、離されないようについて行き、4角出口で同馬の外に出されると、しぶとく伸びて同馬と一騎打ちをハナ差で制した。前走では逆にトワシュトラールの目標となって2馬身半差の2着に敗れたが、同馬と大きな力差はない。また本馬はキャリアが5戦と浅いことからまだ伸びしろがあるので、押さえることにした。