船橋は前開催同様に砂の内が深く、外差し馬場だがペース次第では先行馬でも残れている。今回で断然1番人気のギガキングは前に行きたいゴライアス、アナザートゥルースよりも外枠に入り、それらの馬の出方を窺いながらレースを運べるこの枠は好材料。しかし、近走は昨年のこのレースを勝利した頃ほどの勢いはないように感じる。そこで本馬は△評価までとし、人気薄馬を本命◎とした。
船橋11R 報知グランプリC 芝1800m
◎ (1)リンゾウチャネル
〇 (4)アナザートゥルース
▲ (9)ソッサスブレイ
△ (3)ゴライアス
△ (11)ロードゴラッソ
△ (10)ギガキング
馬連 1-4,9,3,11,10 (30:4:4:4:8) 複勝1 (50)
◎ (1)リンゾウチャネル
一昨年の報知グランプリCの2着馬。一昨年のこのレースでは2番手から3~4角で逃げるサルサディオーネに並びかけ、直線序盤で同馬を競り落として、ラスト1Fで甘くなったところを(6)ゴールドホイヤーに差されてしまったが、内容は同馬よりも上だった。
本馬はその後、よく出遅れるようになり、前走の東京大賞典でも7番枠から出遅れ。後方3番手から向正面で外に誘導し、向正面半ばから進出したが、内からサンライズホープに抵抗されて、4頭並走で状態の一番外から3角へ。4角でもう手応えが悪くなり、直線でバッタリ脚が止まって13着に失速した。前走は相手も強かったが、無茶な競馬だった。
しかし、前々走の勝島王冠では8番枠から好発を切って、そこから控えて中団中目から2着に善戦しているように、ここへ来て復調しているのは明らか。また昨年のように前に行けなくなり、後半型の馬となったのも、現在の外差し馬場の船橋を考慮した場合にはプラス。内が砂の厚い船橋の1番枠だが、前に行きたい馬を行かせて外目に出して行ければ、チャンスがあると見て本命視した。
〇 (4)アナザートゥルース
キックバックが苦手で揉まれないように厳しいペースで逃げ、先行しているうちに体力がついて強くなった馬。本馬は一昨年秋のみやこS、チャンピオンCでは、揉まれない競馬でともに3着に好走した実績がある。
その後は同型馬や揉まれたくないタイプの馬が多く出走していたこともあり勝ち切れず、前々走のアンタレスSでは1番枠に入り、同じく揉まれたくないライトウォーリアと競り合ってオーバーペースで逃げたために16着大敗。そこから9ヵ月の休養明けとなった前走のチバテレビ盃では、逃げ馬から離れた2番手と完璧なレース運びだったが、ラスト1Fで内から(10)ギガキングに差されて2着に終わった。
前走は長期休養明けで息が出来ていなかったとも受け取れ、ここで変わる可能性も十分あるが、やや物足りないレース内容だった上に1番人気に支持されているので、対抗評価とした。
▲ (9)ソッサスブレイ
5歳12月に地方から中央に移籍してからは芝と障害レースを使われていたが、再び地方へ移籍するとダート路線を使われるようになった馬。地方所属時代は、東京湾C勝ちや南関東の古馬オープン(距離1600m~1600m)で2度の連対実績があった程度だが、4走前の門別・A1クラスでは、1番枠から五分のスタートを切って、1~2角で外に出して進出。向正面で2番手に上がり、3~4角で先頭との差を詰め、4角で逃げ馬の直後。ラスト1Fで先頭に立つと、そこから5馬身突き抜けての完勝だった。
その後は出遅れ続きで本来の能力を出し切れていないが、外差し馬場の船橋なら巻き返しが期待できる。また、近2走はマイル戦でテンに置かれて追走に苦労していたことから1Fの距離延長も好ましいだろう。前走のA2クラスは後方2番手から、4角で各馬が外に出していく中での一番外とロスの大きい競馬になってしまったが、この距離に替わることで、中団から4角で外過ぎない位置が取れると見て一考した。
△ (3)ゴライアス
中央所属時代の2019年は逃げて1000万下、準オープンを連勝した馬。前々走のA2クラスでも逃げて3着馬に4馬身差を付けて2着に好走しているように、本馬は前に行ってこそのタイプ。前走のサンタアニタTはテンの速い逃げ馬が多く出走しており、前に行けずに中団に控えての5着だったが、何が何でも逃げたい馬が不在のここはマイペースで逃げての巻き返しに期待したい。今回は○アナザートゥルースが逃げて本馬が2番手の可能性もあるが、3角2番の競馬でも中央のオープンで2度の3着の実績があり、問題はない。
△ (11)ロードゴラッソ
前々走のブリリアントSを勝利した馬。前々走は16番枠から五分のスタートを切って3列目の外を追走。3角手前で外から進出して、4角先頭で直線へ。そこから内にモタれていたのでラチ沿いに切って、本馬を目標に仕掛けて上がってきたセイカメテオポリスに差を詰めさせずに勝利した。
前々走は大外枠で自分のペースで動けたことが好走要因だが今回も大外枠。外差し馬場も外枠の本馬にとって好ましく、8ヵ月の休養明けでも期待した。長期休養明けで船橋のタフな馬場を克服するのは容易なことではないが、その他の条件が恵まれているだけに、警戒が必要だ。
△ (10)ギガキング
昨年の報知グランプリCの覇者。昨年の報知グランプリカップでは5番枠から出遅れたものの、逃げたキャッスルトプの2番手外からプレッシャーをかけ、同馬が失速した3角手前で先頭に立つ正攻法の競馬。後続との差を広げて、2着のキタノオクトパスに2馬身差、3着馬(6)ゴールドホイヤーに5馬身差をつける完勝だった。本馬は昨秋の日本テレビ盃でも5着に善戦しているように、船橋1800m戦が得意。
ただしその後が不振で、前々走の勝島王冠でも◎(1)リンゾウチャネルに先着を許したが、前走のチバテレ盃では、○(4)アナザートゥルースを撃破して勝利。前走は好位の内から4角で外に出せず、砂の深い内を突いての勝利だったが、アナザートゥルースも長期休養明けで本来の能力を出し切れていなかったのも確か。本馬の1番人気は過剰人気と見ているが、前に行きたい△(3)ゴライアス、○アナザートゥルースの出方を窺いながら動ける10番枠だけに押さえた。