2024年 東京盃の予想 – 競馬予想 – 山崎エリカ –

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2024.10.03
2024年 東京盃の予想

■雨の影響で馬場が軽くなったが…

 昨日からひと雨降って馬場が軽くなったが、さすがに粒が大きいオーストラリア産の砂に入れ替わる砂厚8㎝(現在は10㎝)の昨年の東京盃時ほど、馬場が軽くない。スピード重視の馬場ではないので1400mがベストの馬にもチャンスがあると見ている。

■有力馬と評価ポイント

◎ (10)シャマル

 前々走のかしわ記念で念願のJpnI初制覇を達成した馬。前々走は5番枠からまずまずのスタートだったが、そこから押してハナ主張。すっと内に切れ込んで主導権を握った。道中も淡々としたハイペースを刻んで3角へ。3~4角でも最短距離を通して淡々と進め、2馬身差のリードで直線へ。序盤で後続を引き離して3馬身半差までリードを広げたが、ラスト1Fでタガノビューティーにやや詰められたが、余裕を持って2馬身半差で完勝した。

 前々走時は田んぼ馬場で、同日は逃げ馬7勝、2着1回という逃げ馬天国ではあったが、それを考慮しても強い内容だった。また、強豪を相手にハナへ行けるスピードがあること自体が才能である。

 前走のさきたま杯は、前後半3F34秒8-39秒6のかなりのハイペースを3列目の内を追走して3着。レモンポップが逃げるアランバローズを突いていったことでペースが速くなり、アランバローズは大差の最下位に失速。シャマルの外で進めたバスラットレオンも7着に失速したことを考えれば、3着でも上々だった。

 (10)シャマルは1400m~1600mがベストだが、一昨年の東京スプリントでも全盛期のリュウノユキナを相手に完勝しているようにこの距離でもやれるはず。ここは期待したい。

○ (13)イグナイター

 昨年のJBCスプリントでリメイクを相手に完勝した地方競馬のエース。同レースでは8番枠からまずまずのスタートを切り、そこからかなり押して5頭並走の先行争い。しつこく前を主張して逃げたラプタスの外から3角へ。3~4角でも楽な手応えで積極的にラプタスに絡み、4角では同馬とクビ差。直線序盤で早々と先頭に立つとしぶとく粘り、ラスト1Fで外から伸びるリメイク、リュウノユキナを振り切って1馬身半差で完勝した。

 2着リメイク、3着リュウノユキナは道中でカラ馬に絡まれる不利があったが、タフな馬場で前後半3F34秒4-37秒6の速い流れを勝ちに行って優勝したことは評価できる。

 ただし、これには裏話がある。もともと砂の入れ替え予定があった大井はJBC開催の1ヵ月前の時点で「砂の入れ替え予定はない」とコメントしていたが、直前で青森県の六ケ所村産+東通村産から、粒が大きいオーストラリア産に入れ替えられ、砂厚も8㎝→10㎝に変更された。イグナイターの陣営が「それならば出走しない」とコメントしたため、急きょ、砂を入れ替えたのだ。

 イグナイターは昨年のさきたま杯を優勝し、前走のさきたま杯でも強豪相手に◎(10)シャマルの一列後ろの内目を上手く立ち回って2着に善戦しているように、1400mがベストの馬。高速決着の1200m戦だとドバイゴールデンシャヒーンのように置かれて追走に忙しくなる可能性はあるが、今の大井なら雨の影響があってもそこまで馬場が軽くならないはず。

 それならば当然有力。しかし、前哨戦では体を太めに作ってくる新子厩舎で、今回は体重増が予想される。よって対抗評価が妥当と見る。

▲ (1)エンテレケイア

 今夏のSⅠ・習志野きらっとスプリントを勝利した馬。同レースでは11番枠からトップスタートを切って、押してハナを主張。内からオールスマートが競ってきたが、これを制してハナを主張し、そのままペースを落とさずに3角へ。3~4角でやや息を入れて、直線で追い出されると、どんどん後続との差を広げて4馬身ほど。ラスト1Fでさらに差を広げて6馬身差で圧勝した。

 前走のアフター5スター賞は、外からトップスタートを切ってハナを主張したハセノエクスプレスに内から強引に抵抗していく形。結果的に前後半3F34秒6-37秒6と超ハイペースになったが、ラスト3~2Fで再加速して押し切っている。3番枠で内枠のもあったにせよ、この距離、このメンバーでもやれる強さを感じさせた。今回も内枠でハナを狙えるだけに侮れない。

△ (4)ヘリオス

 2021年の秋に東京ダ1400mのグリーンチャンネルCと、霜月Sを逃げて連勝した馬。本馬は一昨年秋のマイルCS南部杯で2着、JBCスプリントで3着の実績もあるが、前記のグリーンチャンネルCが自己最高指数。2022年の根岸S2着を始め、GⅡ、JpnⅡで2着3回の実績がある1400mがベストだ。

 今回はダ1200m戦。近走の不振もあいまって人気がないが、1500mの3走前のかきつばた記念では2着に善戦している。また、前走の東京スプリントでも大外14番枠から果敢に先行し、3~4角で外を回って4着と見せ場を作っているだけに見限れない。

△ (12)エートラックス

 デビュー当初は芝を使われていたこともあり、1勝目を挙げるのに5戦も要したが、昨年12月に休養明けから復帰すると、馬体重12Kg増の成長した姿を見せ、未勝利戦を逃げ切った。そこから上昇一途で目下3連勝。

 前走の兵庫CSでは3番枠から好スタートを切ってハナを主張。序盤でエコロガイアが競ってきたが、これを楽に制して逃げた。3角手前で外からギガースが上がってくると、3~4角の内から抵抗して2番手の(6)チカッパと2馬身差で直線へ。序盤で同馬との差をさらに広げて3馬身差で完勝した。

 休養明けの前走、北海道スプリントCでは(6)チカッパに逆転されたが、オーバーペースで逃げるオスカーブレインを追い駆けて前半3F35秒1までペースが上がり、苦しくなったもの。展開に恵まれて中団後方から差し切った(6)チカッパよりも、エートラックスを上に取りたい。

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