2024年 スパーキングサマーCの予想 – 競馬予想 – 山崎エリカ –

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2024.08.06
2024年 スパーキングサマーCの予想

■逃げ、先行馬が揃ったハイレベルな一戦

 スパーキングサマーCはSⅢからSⅡに昇格。ハンデ戦で行われる前週のサンタアニタTより、好メンバーが集った。ただし、実績馬の多くが成績の乱高下が激しい休養明け1~2戦目。ここを目標にしている実績馬が少ないだけに波乱の可能性は十分にある。

 また(2)ポリゴンウェイヴ、(7)アランバローズ、(11)スマイルウィと逃げ馬が揃った一戦。アランバローズはポリゴンウェイヴよりも外枠なので、今回は多摩川OP時のようにポリゴンウェイヴに行かせて2番手の可能性が高いが、先行馬も(5)ランリョウオー、(10)ブルベアイリーデと手強く、差し有利の展開になる可能性が高いと見ている。

川崎11R スパーキングサマーC ダ1600m
 ◎ (4)ボンディマンシュ
 ○ (7)アランバローズ
 ▲ (11)スマイルウィ
 注 (13)スピーディキック
 △ (1)フォーヴィスム
 △ (9)リンゾウチャネル
 △ (2)ポリゴンウェイヴ
 △ (8)アドマイヤルプス
 △ (10)ブルベアイリーデ
結論 馬複4-7,11,13,1,9,2,8,10 (12:10:10:8:4:2:2:2) 複勝4 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (4)ボンディマンシュ

 元JRAオープン馬。超高速ダートで行われた2022年のバレンタインSでは、出遅れて中団やや後方外から追走し、逃げ粘るメイショウウズマサに0.2秒差(4着)に迫った実績がある。

 大井移籍後はオープンで2勝。5走前のビオラ賞ではその後の川崎マイラーズC2着、フジノウェーヴ記念1着ギャルダルと0.1秒差(2着)に善戦し、3走前の神田川OPでは、今年の川崎マイラーズCの覇者であり、先週のサンタアニタTも勝利したデュードヴァンを撃破している。

 3走前は10番枠から五分のスタートを切って、じわっと好位の外を追走。3~4角で徐々に差を詰めて直線で外へ。直線序盤で2列目に上がり、ラスト1Fで抜け出したデュードヴァンを差し切って勝利。3走前は前後半3F35秒8-39秒6と展開に恵まれてはいたが、ここも(2)ポリゴンウェイヴ、(7)アランバローズ、(11)スマイルウィと逃げ馬が揃っており、3走前以上に差し有利の展開になりそうだ。

 前々走のプラチナCでは大きく出遅れて、そこから挽回するのに脚を使い切って7着に敗れたが、前走のスパーキングサマーカップTR(川崎ダ1600m)では4着に善戦している。前走は2番枠からスタート直後に挟まれて位置が下がって中団やや後方から、3~4角で捲って行く形。直線ではさすがに苦しくなってしまったが、見せ場は十分にあった。スタートを決めて普通に差す形ならば、巻き返せると見る。

○ (7)アランバローズ

 2020年に全日本2歳優駿を逃げて5馬身差で圧勝した馬。この馬は2021年のオーバルスプリントでも3着の実績があるが、無理なく前に行けるマイルがベスト。前記のオーバルスプリント後は、しばらく調子を落としていたが、2022年の千葉ダートマイルを逃げ切って復調を示すと、次走のサンタアニタTでも(11)スマイルウィに行かせてその外2番手を追走する形で2着に健闘した。

 今年は多摩川OPで9番枠から内の2頭に行かせて早め先頭に立つ競馬で6馬身で圧勝。次走の京王杯グランドマイラーズではハイペースを先行して3着に健闘している。前走のさきたま杯は、1番枠から果敢に逃げたものの、レモンポップに競り掛けられる苦しい展開でシンガリ負けを喫したが、今回は南関東馬が相手のマイル戦。今回は内の(2)ポリゴンウェイヴを行かせる可能性が高いと見ているが、この距離ならばある程度厳しいペースで先行しても上位争いに加われると見る。

▲ (11)スマイルウィ

 2022年の京成盃グランドマイラーズで、当時の南関東トップクラスのカジノフォンテン、ギガキング、モジアナフレイバーを降して優勝すると、その後、1400mから1600mの南関重賞やダートグレード競走で10戦連続で連対。昨年はさきたま杯、オーバルスプリントでも2着と健闘した。

 4走前のオーバルスプリントは、3番枠から好スタートを切ったが、内からラプタスがハナを主張したので、競らずにその2番手を追走。外からドライスタウトがプレッシャーをかけてきたので、結果的にスマイルウィはラプタスにプレッシャーをかけて行く形。3角で外からドライスタウトが並びかけてくると、それに抵抗して4角先頭。直線でしぶとく粘っていたが、最後に差されて3/4馬身で敗れた。

 しかし、逃げたラプタス6着に敗れたように、前後半3F35秒2-38秒1の超絶ハイペース。2番手から2着に粘った内容は十分に強かったと言える。

 前走のかきつばた記念では久々に連対を外す形で3着。ここでは中央馬が外有利を意識しすぎてかなり外々を回る競馬で自滅してしまった中、上手く中目を先行して3着。悪くはないが、この馬の元々の能力を考えるとやや物足りない内容だった。今回はそこから立て直されての一戦。昨年も休養明けでスパーキングサマーCを勝利しているが、昨年よりも相手が手強く評価を下げた。

注 (13)スピーディキック

 昨年のスパーキングレディーCで2着に健闘しているように、ダ1600mがベストの馬。同レースでは大外9番枠から五分のスタートを切ると、そのまま控えて後方2番手で1角へ。内のグランブリッジをマークで乗られていたが、向上面で手応えの悪い同馬をかわし、3~4角で馬群の間に突っ込んでいった。直線序盤で外に誘導し、そこから前を追ったが、レディバグと首の上げ下げで2着に敗れた。

 昨年のスパーキングレディーCはマークする馬を間違えて仕掛けが遅れたもの。普通に乗っていれば勝っていた可能性が高い内容だった。

 今年はフェブラリーS、芝の阪神牝馬Sで大敗と振るわないが、立て直された前走のスパーキングレディーCでは4着に善戦。ただし、前走は4番枠で中団の内から向上面で中目に出して行ったが、3角から包まれて、最後の直線でも外から蓋をされて進路を内に切り替えるロスがあっての4着で、全能力を出し切れていない。

 今回は13番枠と昨年のスパーキングレディーC同様に外目の枠で、他馬の出方を窺いながら動ける点が好ましい。昨年のスパーキングレディーCくらい走れれば、展開利が見込まれるここは当然チャンスはある。ただ、昨年ほどの勢いが感じられないだけに評価を下げた。

△ (1)フォーヴィスム

 昨春にJRA3勝クラス、鎌倉Sを勝利した馬。同レースでは9番枠から好スタートを切って、先行争いに加わったが、そこで下がって好位の直後を追走。道中は前2頭が飛ばして行ったため、やや離れた5番手。3~4角で徐々に差を詰めて直線へ。ラスト2F目で仕掛けて2番手に上がり、ラスト1Fで早め先頭に立ったライフレッスンズを差し切って1馬身3/4差で完勝した。

 前記の鎌倉Sはパサパサダートで前後半3F34秒6-37秒5のかなりのハイペース。前に行った2頭のフォルツァエフとレイニーデイがブービーと最下位に敗れる流れを、ある程度前の位置から勝利したことは評価できる。

 このようにこの馬は時計の掛かるハイペースを好位の直後から差す競馬で指数が高かった馬。3走前の京成杯グランドマイラーズでも思い切った逃げで4着に善戦しているように、逃げても悪くないが、ベストリーガードにプレッシャーをかけられて、さらに3角からギガキングに並ばれて苦しくなってしまったように、重賞で逃げ切るのは簡単なことではない。

 ただし、(2)ポリゴンウェーヴが逃げて縦長の展開になった前走のスパーキングサマーカップTRでも、12番枠から出遅れを中団まで挽回し、道中で最内に入れて勝利しているように、幅広い競馬に対応できるのが魅力。南関移籍後は大崩れしていないだけに警戒した。

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