■園田は他場よりも地の利がある
昨年までおもに1月下旬に大井1800mで行われていたJpn3・TCK女王盃が、古馬牝馬の重賞路線の整備により舞台を園田1870mに移し、『兵庫女王盃』と名を改めて行われる。これに伴って園田では年始に兵庫女王盃の前哨戦として、同距離重賞・コウノトリ賞が新設された。
園田はクッション砂が堅い砂と柔らかい砂の二重構造となっており、走り慣れていない馬は柔らかい砂だけを掻き込んで滑ったり、躓いたりする事例も多々。
2022年の兵庫CSのドライスタウトのような大出遅れまではやらかさないまでも、気をつけて走らせる必要性があるので、他場よりも地の利が大きい舞台となっている。さて、今回、地元・兵庫勢の馬券圏内食い込みはあるのか? とても楽しみな一戦となった。
園田11R 兵庫女王盃 ダ1870m
◎ (9)サーマルソアリング
○ (4)スマイルミーシャ
▲ (7)ライオットガール
△ (2)ヴィブラフォン
△ (8)キャリックアリード
結論 馬連9-4,7,2,8 (14:12:12:12) 複勝9 (50)
■有力馬と評価ポイント
◎ (9)サーマルソアリング
初ダートの4走前(1勝クラス)で問答無用の大楽勝を収めた馬。4走前は4番枠からまずまずのスタートだったが、積極的に出して1角のコーナーワークでハナを取り切ると、マイペースの逃げ。3~4角で後続を引き離して、4馬身半差で直線へ。そこからどんどん後続を引き離して、気が付けば大差!! サーマルソアリングに付いて行った先行、好位馬が7着以下に崩れているように、確かな強さでオープン級の指数を記録した。
その後は折り合う競馬で4走前ほどの指数では走れていないが、3走前の2勝クラスは5馬身差、前々走のトルマリンSでは1馬身1/4差で完勝している。休養明けの前走・総武Sでも2着。15番枠から好スタートを切って、好位の直後の外を追走し、3角手前で3頭分外から進出する勝ちに行く好内容だった。今回は休養明け2戦目。ひと叩きされて本領発揮を期待する。
○ (4)スマイルミーシャ
昨年の園田二冠馬で12戦10勝、2着2回の実績馬。前々走の園田金盃では、4歳馬ながら園田トップクラスの牡馬ラッキードリームを撃破し、成長力を見せつけた。
前々走は1番枠から五分のスタートだったが、かなり押して好位の直後まで上がって追走。1周目の3~4角でベラジオソノダラブが掛かって4角で先頭に立ってペースが上がり、ここで中団まで位置が下がる。しかし、2周目の目の向正面で最内からじわっと好位まで押し上げ、4角で外に誘導して2列目で直線へ。そこからしぶとく伸び続け、早めに抜け出したラッキードリームをかわし、外から迫るツムタイザンを退けてクビ差で勝利した。
前走は3着ラッキードリームに3馬身半差をつけており、完勝と言える内容だった。そして前走ではこのレースの前哨戦、コウノトリ賞で8番枠から五分のスタートを切って前2頭から離れた3番手を追走していたが、2周目の向正面で一気に差を詰めて3角先頭から押し切って3馬身差で完勝した。今回は3ヵ月の休養明けになるが、休養中は坂路のある施設で乗り込まれており、体勢万全。JRA勢は手強いが一発に期待したい。
▲ (7)ライオットガール
昨年11月のクイーン賞の覇者。同レースでは1番枠から好スタートを切って積極的に出し、外のパライバトルマリン、ビジンを行かせて3番手を追走。向正面でテリオスベルが2番手に上がって先頭のパライバトルマリンと競り合ってペースが上がり、前2頭に離されたが、3角手前で内からビジンをかわして3番手に上がる。3~4角で前との差を徐々に詰め、直線で前2頭の外に誘導すると、ラスト1Fでバテたパライバトルマリン、テリオスベルを差し切り、2馬身半差で完勝した。
前記のクイーン賞は前後半48秒0-50秒8のハイペースを勝ちに行く競馬で勝利と強い内容だった。しかし、前走となる今年2月のクイーン賞では前をかわせないばかりではなく、(8)キャリックアリードにも差されての4着敗退だった。
前走は前々走と比べるとタフな馬場だったことやハンデ2kg増の影響も多少あったが、前々走で好走した疲れが出たのだろう。前走は(2)アーテルアストレアに7馬身も離された4着だったが、今度は同馬の休養明け好走後の疲れが懸念される。ここは逆転に期待したい。
△ (2)ヴィブラフォン
前々走の奥羽S(3勝クラス)と前走の神奈川記念を2連勝と勢いある馬。前走の神奈川記念は4番枠からまずまずのスタートだったが、最内から好スタートを切ったポリゴンウェイヴが押して出鞭も入れてハナを主張するので、2番手に控える競馬を選択。しかし、1~2角で早々とペースが落ち着いて、2角では団子状態。3角手前で先頭に立って、徐々に後続との差を広げて直線へ。直線ではしぶとく粘っていたが、ゴール目前で(8)キャリックアリードに迫られ、3/4馬身差の勝利となった。
前走はダートグレードとしてはレベルがそこほど高くなく、中央の3勝クラスレベルだった。同型馬不在の今回も展開に恵まれる可能性は十分にある。
△ (8)キャリックアリード
前々走の神奈川記念の2着馬。前々走は3番枠からやや出遅れ、そこからあまり進んで行かずに、中団中目を追走。3~4角で前との差を詰めて4角出口で外に出されると、そこからしぶとく伸び続け、早め先頭に立った(2)ヴィブラフォンに3/4差まで迫った。前走は(2)ヴィブラフォンが3角で早々と先頭と強気の競馬をしたことで終いが甘くなり、同馬は展開に恵まれた面がある。
前走のクイーン賞は▲(7)ライオットガールをマークで乗り、向正面から同馬と(2)アーテルアストレアを追い駆けて早めに進出していったために末脚の甘さを見せたが、前々走のように末脚生かす競馬なら巻き返しも可能だ。