2022年 マイルCSの予想 – 競馬予想 – 山崎エリカ –

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予想

2022.11.20
2022年 マイルCSの予想

マイルCSの出走馬は能力差が小さく、混戦の様相。馬場状態など、ちょっとしたことで着順が入れ替わりそうです。

本日1番 阪神11R マイルSC 芝1600m
 ◎ (17)ファルコニア
 〇 (4)シュネルマイスター
 ▲ (6)ソダシ
 △ (3)ダノンザキッド
 △ (5)サリオス
 △ (12)ホウオウアマゾン
 △ (13)エアロロノア

 ■外差し有利が濃厚

 秋の阪神開催、Aコース使用6週目で行われた先週のエリザベス女王杯は、雨の影響もあり、馬番11番より外枠の馬が掲示板を独占しました。2着同着のウインマリリンこそ好位の外目でレースを進めましたが、他の上位馬は全て差し、追い込みでした。

 本日も阪神は雨予報で、現時点で稍重。昨日のメイン、アンドロメダSで好位の内を立ち回り、直線最内から抜け出したマテンロウレオが優勝したように、使い込まれた夏の新潟開催終盤の芝のように、外しか伸びない状況ではありません。

 しかし、先週も土曜日は芝の9R、10R、12Rで逃げ切りが決まり、日曜日は良馬場の午前中でも外差しが決まり、雨が降ってさらに外差しに拍車が掛かったように、本日も雨が降れば降るほどより外枠の差し馬が有利になると予想されます。今回もその想定で予想を組み立てたいです。

 ■有力馬の紹介

 ◎ (17)ファルコニア

 スプリングS4着、京都新聞杯3着と3歳時から活躍していた馬。古馬になってからも着実に力をつけ、昨年はエプソムC3着、カシオペアS1着。今年に入ってからの5戦は全て3着以内という安定感で、前走の京成杯AHでは初重賞制覇を達成しました。

 本馬が自己最高指数を記録したのは、今年の5戦でもっとも強い内容だった3走前の阪神芝1600mのマイラーズC。3番枠からまずまずのスタートを切って、好位の中目を追走。道中もベステンダンクが単騎逃げでペースを引き上げていく中、離れた3番手を追走。最後の直線では2番手ホウオウアマゾンの外からジリジリと伸び、ラスト1Fで同馬にクビ差まで迫りました。外からソウルラッシュに差し切られて3着でしたが、稍重でレースがややハイペースだったことを考えれば、最後までよく食らいついていました。

 一方、前走の京成杯AHは初重賞制覇でしたが、3走前ほど走れていません。前走時は同日の芝1600mの1勝クラスよりも0.5秒も決着タイムが遅かったように、かなりのスローペース。外枠からやや出遅れたミッキーブリランテが最初の2角で先頭に立ってしまえるほどで、本馬も11番枠から五分のスタートながら、楽々2番手を追走しました。ミッキーブリランテに捲られ、向正面では3番手にはなりましたが、ゴール手前で同馬を競り落として優勝しました。

 しかし、この1着は前有利の展開に恵まれた面が大きく、詰めの甘い面がある本馬が積極的な競馬をしたせいか、指数は3走前と比べるとダウン。前走のレースぶりからまだ余力は残っている可能性が高いでしょう。

 そこで前々走の中京記念のように外枠から差す競馬なら、今回は通用するという計算。前々走はかなりの高速馬場の中、15番枠だったため中団外目から向正面で早めに上がって行く競馬。3~4角で好位の外々とかなりのロスを作ったことで3着に敗れましたが、逃げて優勝したべレヌスとは0.1秒差でした。このことから今回想定される外差し馬場なら勝っていた公算が高く、大外17番枠を引いた今回は、これまで以上の走りを見せる可能性も十分あるでしょう。

 〇 (4)シュネルマイスター

 デビュー4戦目でNHKマイルCでは今年の安田記念の覇者ソングラインを撃破して優勝した素質馬。その次走の安田記念では3着、秋のマイルCSでは2着、今年の安田記念でも2着と好走し、昨秋の毎日王冠でも同年の安田記念の覇者ダノンキングリーに逆転優勝を飾っていることからも芝1600m~芝1800mがベストの馬と言えます。

 前々走安田記念は、9番枠から五分のスタートを切って中団後方馬群を追走。道中も中団の中目でコントロールしながら前にソングラインを見ながらの競馬になりましたが、ソングラインは3~4角の外から動いて行ったのに対して、本馬はそれにはついて行かずに、中団中目で我慢したまま直線。序盤は進路がなかったものの、ラスト2F目で追い出されると、馬群の内を割ってジリジリと伸び始め、ゴール前では一気に突っ込んで来ましたが、ソングラインにクビ差及ばずの2着でした。

 確かに前々走は直線の進路取りがスムーズなら優勝していた可能性もあった内容ですが、前に行けない馬の弱点が出たレースでもありました。だからこそ前走では不適距離の芝1200m戦、スプリンターズSを使ったのでしょう。前走は五分のスタートを決めたものの、テンに置かれて促されながらの追走で9着に敗れましたが、前走で短い距離を使ったことでテンの速力が強化されるでしょう。休養明けをひと叩きされての前進に期待します。

 ▲ (6)ソダシ

 芝マイルでは4戦4勝、今年のヴィクトリアマイルでは3度目のGⅠ制覇を達成した馬。同レースは5番枠から楽に先行し、前のレシステンシアをマークしながらの競馬。最後の直線で3列目から内を突き、しっかりとレシステンシアを差し切っての優勝でした。

 前走の府中牝馬Sではライティアが逃げ、前半は好位の最内を追走。向正面ではスタートで躓きハナに行けなかったローザノワールが強引に先頭に立ち、ペースを引き上げました。本馬は外から内に切ってきたアブレイズを行かせ、中団に近い位置まで下げる形。これにより包まれて最後の直線では進路取りにやや苦労しました。一度は中目に出したものの進路を確保できず、結局、内に切り替えアンドヴァラナウトとローザノワールの狭い間を割って伸びての2着でした。

 前走はペース的な観点から、向正面で位置を下げたのは正解でした。ただ最後の直線でスムーズさを欠いたことから、完璧な立ち回りだったとは言えません。また3~4角の最内で脚をタメ、最後の直線でしぶとく伸びたイズジョーノキセキが想像以上に強かったことから、悲観する2着惜敗でもありません。今回へ向けての余力もそれなりにあるでしょう。芝マイルは得意舞台ではありますが、これまでのマイル4勝は超高速馬場や高速馬場でのもの。時計の掛かる馬場となると不安もありますが、これまでの実績から大きく評価は下げられません。

△ (4)ダノンザキッド

 新馬戦、東京スポーツ杯2歳S、ホープフルSを連勝し、2歳中距離王の座に君臨した馬。皐月賞は休養明けでハイレベルの弥生賞で3着と好走した反動や向正面から3角途中までしつこく外からアサマノイタズラにぶつけられる不利もあり、15着大敗を喫しましたが、昨秋に復帰してマイル路線を使われると、マイルCSでは3着と好走しました。

 昨秋のマイルCSでは、前半4F47秒6-後半4F45秒0とマイルGⅠとしては相当ペースが遅く、後半勝負となった中、13番枠から五分のスタートを切って、中団中目で折り合わせ、3~4角から徐々に加速して3着。ここでは強豪グランアレグリア、○シュネルマイスターの決め手に屈したものの、それらと0.2秒差以内のレースが出来たことは褒められます。

 前走の毎日王冠は、ゲートを壊して外枠11番からの発走。まずまずのスタートを切って、好位の外目を追走していたものの、3角手前で前がペースダウンしたところでじわっと位置を押し上げ、3~4角では2列目の外付近。4角で軽く促されて、直線序盤で追い出されると、2番手のレイパパレに並びかけ、ラスト2Fでは同馬と並走。ラスト1Fで捻じ伏せたところから、外から2頭の強襲を受けて3着でした。

 前走は結果的に早めに仕掛けたことで、最後に甘さを見せたもの。中団外でレースを進めていれば、もっと際どい決着になっていたと見ています。本馬はマイル戦だとコーナーで置かれ気味になることから、芝1800mくらい距離があってもいいと見ていますが、時計が掛かれば、置かれずに行けるので、そこを警戒しました。

 △ (5)サリオス
 
 前走の毎日王冠は3番枠からまずまずのスタートを切ると、すっと位置を下げて好位の内目からコントロールして、中団に近い内目を追走。最後の直線序盤では包まれて前が壁。直線半ばで中目に出して狭い間を割って2列目まで上がり、ラスト1Fで先頭列のダノンザキッドとジャスティンカフェの間を割りしぶとく伸び、半馬身差で優勝しました。直線でスムーズさを欠く競馬ながらも、見事な差し切りでした。

 本馬はここでは能力値1位。休養明けとなった3歳時の毎日王冠でも3馬身差で圧勝した実績があり、能力最高値もここでは1位タイとなります。しかし、その次走のマイルCSでは5着に凡退。今年の毎日王冠では3歳時ほど高い指数では走っておらず、余力を残している可能性もあります。ただ今回も休養明け好走後となるため、思わぬ凡退をする可能性も否定できないこと、また毎日王冠でパフォーマンスを上げてくるように、本質的にマイルは距離が短いので狙い下げました。

△ (12)ホウオウアマゾン

 3走前のマイラーズCでは7番枠から好発を切って、押して押しての先行争いになりましたが、内から(14)ベステンダンクがかなり抵抗したため、最終的には同馬の外2番手を追走。やや時計が掛かる馬場で、前半4F46秒1-後半4F47秒2と速い流れになり、ソウルラッシュの追い込みが決まったことを考えると、よく粘っていました。

 前々走の安田記念は、休養明けで自己最高指数を記録した後の一戦で逃げ戦法。外からレシステンシアがトップスタートを切ったにもかかわらず逃げなかったことで、本馬が手綱をしごいて無理目に逃げたために12着に失速。

 またまさかの1番人気に支持された休養明けの前走・スワンSでは、1番枠から出遅れ、そこから押して2列目の最内まで挽回したために、10着に失速しました。前走は出遅れて後方からの競馬になった11番人気のルプリュフォールが外から一気に2着接戦の3着まで迫ったように、緩みないペースだっただけに、前半で脚を使っては余計に苦しかったはず。しかし、ここへ向けては良い叩き台になったと言えます。一転して人気薄のここは一考の価値があるでしょう。

△ (13)エアロロノア

 昨春のマイラーズCでは重賞初挑戦ながら差のない5着と重賞通用級の力を見せた馬。その後は昨冬のリゲルSと今春の六甲Sを勝利し、阪神芝1600mに高い適性を示しました。前々走の安田記念は10番枠から出遅れ、前の馬とのスペースが作れず後方2番手まで下がってしまい、3~4角の外目を追走する競馬。最後の直線でさらに外に出されると、メンバー最速タイの上りで勝ち馬から0.2秒差まで追い上げる脚を見せました。

 前走の富士Sは外差し馬場。10番枠より外の馬が1~4着を独占した中で1番枠から出遅れて、そこから中団の内を追走する形。4角出口で中目に誘導されましたが、上位馬が通った外までは出し切れず、5着に敗れました。しかし、それで勝ち馬(10)セリフォスと0.5秒差なら悪くありません。

 本馬はリゲルS、六甲Sを勝利した直後のレースでは疲れが出て凡退していますが、それを考えれば、前哨戦の富士Sで全能力を出し切っていないことは今回に向けて好感が持てます。前々走でGⅠ通用の感触を掴み、今回は得意の阪神芝1600m。さらに13番枠だけに、馬場の良い外を通れそう。

 ただスタートは決めたいもの。近走同様に出遅れるようだと、外枠でもそこまで有利にならない可能性もあります。なぜなら先週はまだ騎手たちが外有利の馬場と確信していなかったため、極端な外枠有利の結果でしたが、今回は内枠の騎手たちも外に進路を求める公算大。そうなると出遅れた場合、さらに外を回らされるので不利でしょう。

 使い込まれた夏の新潟開催終盤の芝のように、外しか伸びない状況なら3~4角の大外からでも通用しますが、現在の阪神芝はそこまで極端な状態ではありません。もし本馬が出遅れるようなら、外枠の利を生かせるのは◎ファルコニアの方になるでしょう。

結論 馬連17-4,6,3,5,12,13 (20:14:4:4:4:4) 複勝17 (50)

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