2022年 凱旋門賞の予想 – 競馬予想 – 山崎エリカ –

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予想

2022.10.02
2022年 凱旋門賞の予想

本日の馬場予測は10段階で馬場が重いほうから4番目の「Tres Souple(Very Soft)」(日本の極悪馬場)とのこと。一昨年、昨年が「Heavy(lourd)でしたから、このまま雨が降らなければそれよりも軽い2019年(勝ち馬ヴァルトガイスト)と同等の馬場で行われます。前哨戦を使っていない日本馬は苦戦する可能性が高いでしょう。

パリロンシャン11R 凱旋門賞 芝2400m
 ◎ (2)トルカータータッソ
 〇 (12)バブルギフト
 ▲ (4)シリウェイ
 注 (19)ドウデュース
 △ (3)マレオーストラリス
 △ (6)ディープボンド
 △ (15)ヴァデニ
 △ (16)アルハキーム

 ■パリロンシャンの芝2400mコースの紹介

 パリロンシャン競馬場は、1周約2700mの右回りコース。凱旋門賞が行われる芝2400mは、約1000mのバックストレッチと、約900mのカーブ(後半約250mがフォルスストレート)と、最後の直線約533mの3partで構成されています。バックストレッチは最初の400mは平坦で、残り600mは14m程度の上り坂。約900mのカーブの600mで10m程度の坂を下り、その後はほぼ平坦というコースです。

 とにかくタフなコースで、特にバックストレッチの上り坂でしっかり息を入れないと、最後にバテると言われています。オルフェーヴルの一度目の挑戦となった2012年は、後方2番手からの競馬でそれができていたからこそ、後半の仕掛けがやや速いながらもクビ差2着に頑張れました。

 今回のタイトルボルダーはそれとは真逆の逃げ戦法。それも前半から動いて後続とのリードを広げて行くとのこと。1996年にエリシオが逃げ切り勝ちを決めていますが、本馬は脚をタメて、後続を引き付けての逃げ。そういう逃げならともかく、前半から後続を引き離して行った場合には苦しいでしょう。それも前哨戦を使わず、スタミナが不足する休養明けで挑むとなると、苦しい戦いになると見ています。

 それも本日の馬場予測は10段階で馬場が重いほうから4番目の「Tres Souple(Very Soft)」とのこと。一昨年、昨年が「lourd(Heavy)でしたから、それよりも軽い馬場ではありますが、日本馬にとっては極悪馬場で、ど不良の芝2400mを楽々と逃げ切るくらいのスタミナがないと苦しいでしょう。また、相手も道悪巧者ばかりです。それで日本のオッズでは、タイトルボルダーが1番人気ですから、ここは軽視してこそ配当妙味でしょう。

 ■有力馬の紹介

 ◎ (2)トルカータータッソ

 昨年の凱旋門賞では13番人気、単勝万馬券での大激走で優勝した馬。今年は鞍上に名手デットーリを配して出走して来ました。昨年の凱旋門賞では、12番枠からやや出遅れ。そこから無理をせず中団外を追走し、3角では4列目の中団。フォルスストレートでじわっと動いて3列目まで位置を上げ、ラスト2F目で追い出されるとしぶとく伸びて、最後は内のタルナワ、ハリケーンレーンを競り落として3/4差で優勝しました。

 昨年は超人気薄での優勝でしたが、この強さは本物のようで前々走のKGVI&QESでも2着。ここでも5番枠からやや出遅れ、中団外を追走。最後の直線では好位から早め先頭に立ったパイルドライヴァーに2馬身3/4差引き離されましたが、最初のコーナーを回った後の上り坂で、やや折り合いを欠く場面を見せながらも、3着(1)ミシュリフには8馬身差を付けた走りは立派なもの。

 確かに前走は最初のコーナーまで下り坂のアスコットの芝2390m戦らしく、前半5F60秒38-後半5F64秒00とレースがかなりのハイペースになったことも好走要因ですが、英国の中でも非常にタフなコースで結果を出したことは高い評価ができるでしょう。

 また、前走のバーデン大賞は逃げ馬不在。内から先頭に立ってしまったオルターアドラーを煽り、競り掛けて行く競馬。最後の直線の外ラチ沿いが伸びる馬場で、外ラチを取り切れずに少しふらついて接触する場面もあっての2着でした。デットーリ騎手らしい本番を意識した試走の競馬でしたので、本番のここは本気が見せられるでしょう。最後までバテない強さを今年も披露できると見て、中心視しました。

 〇 (12)バブルギフト

 昨年のニエル賞の優勝馬で、前々走のサンクルー大賞典でも3着と好走した馬。本馬は差し馬で、前々走では6番枠からやや出遅れ、そこから促されながら中団の内に収めて行く競馬。3列目の内々を立ち回り、最後の直線ではひとつ外に出されると、そこからジリジリ伸びて一旦2番手まで上がったものの、外からアルピニスタに一気に突き抜けられての3着でした。

 サンクルー大賞典はラップが発表されていないので、確かなことは言えませんが、2分26秒15(Good to Soft)と時計が速かったことから、緩みない流れだったと推測されます。つまり、4角で進路を確保するために早めに動いたバブルギフトのほうが厳しい競馬をしていると推測されます。

 また、アルピニスタは前走でヨークシャオークスに出走し、優勝しているのに対して、本馬は前走で前哨戦のフォア賞に出走していることも好感。前走も2番枠からやや出遅れて序盤は最後方だったものの、そこから挽回して好位の内に付けて行く積極的な競馬。結果は外から差されての2着でしたが、休養明け好走の反動を出さないための走りとしては上々でした。本番のここは自分の方の差しに徹してくるでしょう。タイトルボルダーがペースを引き上げてくれれば、本馬にとって都合のいい展開になると見て、対抗評価としました。

 ▲ (4)シリウェイ

 昨年の凱旋門賞の5着馬で、英チャンピオンSを優勝した馬。英チャンピオンSはKGVI&QES同様にアスコットが舞台の1900m戦。スタートしてから1角まで坂を下るコースらしく、かなりのハイペースとなりましたが、3番枠からスタートはまずまずだったものの好位まで位置を上げ、2列目の内から最後の直線で早め先頭に立って、しぶとく粘っての優勝でした。KGVI&QESや英チャンピオンSで上位に来る馬はとにかくタフ。本日の馬場悪化は本馬にとっては歓迎でしょう。

 ただ本馬は英チャンピオンS後に調子を落として、格下のレースでも勝っていないのが不安な材料であり、今回で全く人気がない理由でもあります。前走でGⅢのラクープドメゾンラフィットに出走したのも、どうしても凱旋門賞の前にレースを使っておきたかったので、まだ完調ではないのにレースを使ったとのこと。前走は4着と物足りない内容でしたが、一度使ったことで調整しやすくなったはず。本馬の適性を考えた場合には、ここで大駆けがあっても不思議ではないので3番手評価としました。

 注 (19)ドウデュース

 説明不要の我が国のダービー馬。本馬の焦点は、「ニエル賞の敗因は何なのか?」になるでしょう。前走は前々走の日本ダービーを大目標にした後の楽をさせた休養明けの一戦で、馬場状態がTres Soupleと重たすぎたのが主な敗因。「休養明けで日本の極悪馬場を走らせて通用しますか?」という一戦だったので、小差の4着なら悲観する材料にはならないでしょう。

 ただ一度ロンシャンの重馬場を経験したことで、馬が極悪馬場の走り方を学習して、今回はこなしやすいはず。逆に前走が軽すぎなくて良かったという見方をしています。また7番枠からまずまずのスタートを切って、3角の下りで少し我慢をさせて、最後方を維持しながら、フォルスストレートでも最後方でじっと我慢と、本番のここを見据えた走り方。

 今回は馬場の良い内を走れる3番枠。前走のように脚をタメる競馬ができれば、前進があると見ました。3歳馬で斤量が軽く、臨戦過程も悪くないので、日本馬の中では再先着する可能性が高いでしょう。

結論 馬連2-12,4,19,3,6,15,16 (10:10:10:5:5:5:5) 複勝2 (50)

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