2021年 オールカマー・神戸新聞杯の予想 – 競馬予想 – 山崎エリカ –

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予想

2021.09.26
2021年 オールカマー・神戸新聞杯の予想

本日2番 中山11番 オールカマー 芝2200m
 ◎ (11)グローリーヴェイズ ←3着
 〇 (1)ウインマリリン ←1着
 ▲ (10)キングオブコージ
 注 (12)レイパパレ
 △ (2)ウインキートス ←2着
 △ (5)ソッサスブレイ
 △ (14)アールスター

見解
 ■中山芝22020mは極端なスローペース、ハイペースになりやすい

 前回のセントライト記念の見解でもと伝えしましたが、オールカマーが行われる中山芝2200mは、極端なスローペース、極端なハイペースが発生しやすい舞台。これは前半で高低差5.3mの最高地点を目指して坂を上り、中盤で坂を下るコースだからです。中盤は向正面の下り坂にあたり、この下り坂を逃げ馬がゆっくりと下ったならば極端なスローペース、逆にペースアップした場合やマクリ馬が出現した場合には極端なハイペースになることが多いです。

 オールカマーが行われた過去10年で、もっともペースアップしたのはネコパンチが逃げた2012年ですが、この年はネコパンチが序盤からぶっ飛ばしたため、下り坂で珍しくペースが緩みました。しかし、前半、中盤が速かったので、3角13番手のヴェルデグリーンの追い込みが決まりました。この乗り方は逃げ馬が大敗するしかない最悪な乗り方ですが(急坂でもぶっ飛ばすと消耗するわりに後続とのリードが広げられないため)、逃げ馬が多数出走していたこともあり、やっちゃいましたね。見事な大差、殿負けでした。

 逆にもっとも下り坂でペースが上がらなかったのは、ルージュバックが先行策で勝利した2017年でしたが、この年は当時2桁着順の連続だった10番人気のマイネルミラノが、逃げて4着に粘っています。この年は逃げ馬がのマイネルミラノのみで、馬券圏内突入を狙うしかなかったのを覚えています。

 さて、今回の展開は? 逃げる可能性が高いのは逃げ馬のロザムールですが、鞍上の三浦騎手は逃げることがあまり好きではないので、逃げない可能性もあります。逃げるとしてもスローペースの逃げでしょう。ロザムールがあまりに消極的だと、外のステイフーリッシュが逃げる可能性もありますが、鞍上の横山和騎手はペースを考えながら逃げるタイプ。また、レイパパレイは鞍上がペースよりもポジションにこだわる川田騎手なので、ペースがどうであっても、2列目を狙ってくる可能性が高いです。つまり、スローペースが濃厚ということ。その前提で予想を組み立てたいです。

 ■予想

 ◎には、2019年の天皇賞(春)では、3着馬パフォーマープロミスを6馬身も引き離し、フィエールマンとの大接戦の2着と好走し、同年の香港ヴァーズも制した実績馬(11)グローリーヴェイズを推します。同馬が天皇賞(春)で記録した指数は、今年の大阪杯出走ならクビ差2着レベルのもの。また、昨秋は京都大賞典を優勝し、その次走のジャパンCでも、キセキの暴走逃げで前に行った馬がとても苦しい展開になった中、4番手から向正面で2番手まで押し上げて、5着に粘った内容は「とても強い」と言えるものでした。

 今年2走はこの馬の潜在能力からすると、能力全開とは言えません。今回は立て直されての一戦。まして前有利の展開に恵まれるとなると、最有力でしょう。鞍上がM.デムーロ騎手だけに出遅れる可能性もありますが、スローペースなら向正面で好位まで押し上げられる強さがあるので、致命的でもないと見ています。

 ○は、オークスの2着馬が昨秋より地力をつけ、前々走の日経賞ではフローラS以来の重賞制覇を果たした(1)ウインマリリン。前々走は内枠から二の脚の速さで先手を奪ったものの外のジャコマルに行かせてその直後の3番手のラチ沿いでレースを進め、4角最内から一気のスパート。同レースでは逃げた13番人気のジャコマルが5着に粘っているように、かなり前が楽な流れ。ウインマリリンは展開に恵まれての優勝でした。

 一方、前走の天皇賞(春)は、前々走で先着したワールドプレミアが優勝し、カレンブーケドールが3着という結果になりました。これは前走が阪神への舞台替わりで、逃げ馬ディアスティマがまさかの坂井騎手に乗り替わりによるもの。坂井騎手にとて初めて経験する阪神3200mだったために、ペース配分を誤り、長距離戦としては珍しい前傾ラップの決着になりました。

 つまり、ワールドプレミアは展開に恵まれたということ。また、真のステイヤー適性が問われる流れとなったこともあり、ウインマリリンは中団といういい位置でレースを進めながらも、上位馬に離された5着に敗れました。しかし、今回は中山芝2200mが舞台。今回も前々走同様に最内枠。好位の内でレースを進められると見ているので、巻き返しに期待しました。

 ▲は、デビューからマイル以下のレースを主体に使われていましたが、昨年1月に芝2000mの1勝クラスを勝利して以降、距離を延ばして本格化した(10)キングオブコジーン。前々走の湾岸Sでは、3勝クラスながらオープン級の指数で快勝し、勢いに乗って目黒記念も優勝しました。前々走の目黒記念は、前に行った4頭は14着以下に大敗する緩みない流れ。やや出負けして、最内の後方4番手でレースを進めた同馬は展開に恵まれてのⅤでした。また同馬はが平均ペースで流れた前走の京都大賞典でも、休養明けながら◎グローリーヴェイズと0.3秒差(3着)に善戦しています。

 同馬はもともとポジションが取れる馬。近2走は横山典騎手らしく、位置を下げて展開にハメに行っているだけです。今回はスタミナが不足する長期休養明けだけに、積極的にポジションを取りに行くと最後失速の可能性もありますが、中山芝2200mを取りつくした横山典騎手なら、そのリスクも考慮してスローペースなら向正面で動いていく可能性が高いでしょう。基本的に横山典騎手は、骨折休養明けは無理させたくない派ですが、状態が良ければしっかり走らせるので、3番手評価としました。

 以下特注馬として、デビューから6戦6勝で大阪杯を優勝した(11)レイパパレ。前々走大阪杯当日は、5レースの3歳上1勝クラスの1600m戦が1分33秒5で決着したように、前半は高速馬場でしたが、6レースには大雨が降り出し、馬場が良から重まで一気に悪化。大阪杯は土塊が飛ぶほどで、不良馬場でもいいほどのかなりタフな馬場にでした。

 そのような状況の中で、レイパパレは骨を切らせて肉を断つ、ハイペースの逃げを打ち、逃げ切りました。最後の直線で馬場の良い外に出したのもあるにせよ、潰しに動いたサリオス、グランアレグリア、コントレイル等を打ち負かしての2着モッズベッロとの馬身差の圧勝は文句のつけようがありません。しかし、前走の宝塚記念では、格下の逃げ馬ユニコーンライオンが楽に逃げ切つ展開を、2番手から競馬で3着。これはタフな馬場の大阪杯で激走したダメージでしょう。今回は立て直されての一戦。ここでの巻き返しは見込めますが、同馬は高速馬場での指数が高くなく、3走前のチャレンジCも平凡なものなので、ここは狙い下げました。

 あとは△に前々走の目黒記念は、トップウイナーの2番手から後続を引き離し、2番手からラスト300m付近で先頭に立って、さらに後続を引き離して勝利した(2)ウインキートス。前々走は超絶スローペースでかなり展開に恵まれましたが、上がり3F最速も同馬なので文句なし。前走の札幌記念は、強豪相手に果敢に先行、2列目外でレースを進めて、3~4角で外から捲ってきたブラストワンピースの直後から動いてスパート。結果的に早仕掛けだったために9着に敗れました。しかし、前走はスタミナが不足する休養明けだったことも影響しているはず。ひと叩きされての今回は粘り強化が見込め、スローペースならばチャンスはあると見て、警戒しました。

 他では前々走の関越Sでは、かなりのスローペースを後方の内からいい脚で伸びて勝ち馬と0.1秒差(3着)の(5)ソッサスブレイ。前走の関屋記念ではペースが上がらない中で、出遅れて後方からのレースになったわりに、13着という着順ほど負けていないので、去勢手術効果があったと見て、ここでの一発を期待します。

 最後に昨今夏の小倉記念で重賞初制覇を達成した(14)アールスター。昨夏の小倉は1週目は超絶高速馬場で、同馬はハイペースの中団からロスなく立ち回っての優勝。鞍上が上手く乗っての優勝でした。同馬はその後がひと息ですが、今回は再に立て直されての一戦。今回で意に反してハイペースになるようであれば、変わり身があっても不思議ありません。

結論 馬連11-1,10,12,2,5,14 (15:10:10:5:5:5) 複勝11 (50)

本日3番 中京11R 神戸新聞杯 芝2400m
 ◎ (5)ステラヴェローチェ ←1着
 〇 (10)シャフリヤール
 ▲ (8)イクスプロージョン
 △ (1)セファーラジエル
 △ (3)キングストンボーイ

見解
 ■中京芝2200mは中京芝2000mと違ってレースが流れる傾向にあるが…

 中京芝2000mが舞台だった先週のローズSは、馬場が悪化しなかったこともあり、前半がゆったりとした入りで、スローでレースが流れました。中京芝2000mはスタート地点が急坂で最初の1角までの距離が約314mと短い。一方、神戸新聞杯の舞台となる中京芝2200mはスタート地点が平坦で最初の1角までの距離は約512mと長いため、逃げ馬が多数出走していると競り合いが長くなり、ペースが速くなることもしばしばあります。

 しかし、今回は逃げ馬不在で先行馬が手薄。あまりペースが上がる要素がありません。今週からBコース使用で、昨日土曜日は断然内が有利だったことからも、ダービー上位馬の牙城を覆すとすれば、前からの一発という気がしています。

 ■今年の日本ダービーはどういうレースだったか?

 セントライト記念は上がり馬と、日本ダービーで中位だった馬が集う舞台でした、神戸新聞杯は日本ダービーの上中位馬が集う舞台。今年も出走馬10頭中、前走で日本ダービーに出走していた馬が4頭出走。ダービー馬シャフリヤールやダービー3着馬ステラヴェローチェが上位人気に支持されているだけに、日本ダービーはどういうレースだったのかをしっかり振り返ってみます。
 
今年の日本ダービーは超高速馬場で行われ、逃げ宣言をしていたバスラットレオンが宣言どおりに大外17番から押してハナに立ちました。2番手は14番タイトルホルダー、3列目の内に1番のエフフォーリア、その外に2番ヴィクティファルスと隊列がすぐに決ましました。前半のペースは平均的ですが、向正面で一気にペースが緩み、馬群が凝縮。そこで外からポジションを押し上げる馬が多く、タイトルホルダーは6番手、エフフォーリアは9番手まで位置を下げました。

 そして3~4角で一気にペースが上がりました。理由としては、サトノレイナス&ルメール騎手が、レイデオロの時のように外から一気に上がっていき、先頭のバスラットレオンに並びかけたものの、同馬が抵抗したため。レイデオロが3~4角2番手から優勝した2017年と比較をすると、前半も中盤もペースが速かったことから、結果3角から動いた馬は早仕掛けで失速という結果になりました。

 早仕掛けで5着に粘ったサトノレイナスがかなり強かったですが、バスラットレオンや3~4角で動いたアドマイヤハダル、ディープモンスター、ワンダフルタウンは全て10着以下に敗れています。一方、向正面から3~4角で動かなかった馬たちが上位を独占していることから、日本ダービーの総合評価としては、向正面で脚をタメて、3~4角で動かなかった馬が上位にきたという評価になります。ただワンダブルタウンは強気のレースをして素直に凡退ししており、、ダービー上位馬との大勢逆転を狙えるかというと、それも疑問です。

 ■予想

 ◎には、皐月賞と日本ダービーと春の二冠で3着、2歳時の朝日杯フューチュリティS2着も含めて、GIで全て馬券に絡みながらも勝利を得られずにいる(5)ステラヴェローチェを推します。同馬は勝利を得られなくても、不良のサウジアラビアRC1着、超高速馬場の日本ダービー3着と馬場は不問。距離も1600m~2400mまでこなし、ここまで全く異なる条件で善戦している馬というのも珍しい。

 弱点を探すならば唯一、馬券圏外に敗れた共同通信杯にヒントがあるでしょう。その共同通信杯では、超スローペースを意識して先頭から離れない位置でレースを進めたため、末脚が不発し、5着に敗れました。小頭数&逃げ馬不在の今回も、二の脚の遅い同馬が勝ちを意識して早めに動いた場合の危うさはありますが、同馬のスタンスを貫く差し競馬なら、ここも馬券圏内に加われると見ています。

 ○は、キャリア4戦目でダービーを優勝した素質馬(10)シャフリヤール。ただ日本ダービーは前記したように中盤で脚をタメたことが、最後の伸びに繋がったもの。最後の直線序盤で進路を確保するのに少し苦労する場面はありましたが、そこまで後続に差をつけられなかったことからも、春の時点では3歳世代の中で圧倒的に強かったとは言えません。

 同馬はアルアインの全弟で菊花賞は距離が長いことが予想されますが、今回はあくまで始動戦。凡退する可能性もあると見ています、ここで大きく成長を見せて世代NO.1をアピールする結果となるのか、あくまで叩き台のような結果になって、混戦菊花賞ムードになるのか。課題評価も禁物ですが、過少評価もできない馬です。

 ▲は、今回と同じ中京芝2200mの前々走、春日井特別(1勝クラス)では、2番手でレースを進めて完勝した(8)イクスプロージョン。前々走は向正面でペースが湯積みましたが、3~4角で先頭に並びかけ、直線でじわじわ後続を離し、1クラス上でも通用する好指数を記録。前々走の出走馬の大半が3歳馬で、素質の高い馬も多く出走していました、当時2着のレヴェッツァはその後、新潟の1勝クラスの瓢湖特別で3着馬に4馬身差をつけ、1クラス上の指数で快勝しています。

 休養明けの前走、阿賀野川特別は1角で行きたがり、前に馬を置いて控える競馬をしたことで、5着と能力を出し切れませんでしたが、結果的にはここに向けての余力を残せました。順調にレースを使われている強みと自ら動いて持久力を活かす競馬で激走を狙います。

 あとは△に前走でリステッド競走、白百合Sを勝利した(1)セファーラジエル。前走は中京芝2000m戦らしく、前半、中盤の遅いスローペースになりました。しかし、このレースも3~4角から一気にペースアップしており、そこから動いた馬は厳しい展開。その流れを出遅れて後方から向正面で位置を上げ、3~4コーナの大外をぶん回して、ラスト1Fでは2着馬に4馬身差をつけています。コースロスがありながらも、メンバー最速の上がりを記録している点にインパクトがあり、そのレースぶりからは距離が伸びてこそを感じさせました。

 他では前走の青葉賞では接戦の2着に好走した(3)キングストンボーイ。前々走では五分のスタートは決めたものの、少しフラフラして外の馬に接触し、結局後方からのレースになりました。しかし、向正面でペースが緩んだところで、中団中目まで位置を上げ、3~4角では前にワンダフルタウンを置いて、これを目標に追走。4角で内に上手く誘導しながら3列目で直線へ。直線序盤で2列目に上がり、ラスト2Fで内から反応良く動いて、中から捌いてきたワンダフルタウンとのマッチレース。わずかハナ差での2着でした、

 同馬は一戦ごとにゲートが良化しているとはいえ、春の時点ではスタート後にフラフラして位置取りが悪くなってしまうのが弱点でした。しかし、こういったタイプは成長してゲートが改善されるだけで、いい位置でレースを進められるようになり、化ける可能性を秘めています。3走前のベゴニア賞では最後まで加速し、前々走の共同通信杯でもラスト2Fで内の狭いスペースを拾いながら、メンバー最速の上がり3Fタイムを記録した馬。瞬発力もあるだけに警戒したほうがいいでしょう。

結論 馬連5-10,8,1,3 (20:10:10:10) 複勝5 (50)

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