■英・仏トップ 不在で逃げ・先行手薄
今年の凱旋門賞の現地オッズはオークスハンターの(17)ミニーホークが1番人気。昨年のヴェルメイユ賞、凱旋門賞で2着とブルーストッキングに完敗だった(10)アヴァンチュールが2番人気。同凱旋門賞で4着のソジーが3番人気という人気形成からもわかるように、昨年の凱旋門賞よりもレベルが低い。
さらにキングジョージ6世&クイーンエリザベスSの勝ち馬カランダガンはセン馬のために凱旋門賞の出走資格がなく、英チャンピオンS(G1、芝1990メートル、10月18日=アスコット)に出走する予定。仏トップの同馬と英トップのブルーストッキングの不在により、例年の凱旋門賞よりレベルが低くなった。
さらにここはゲート自体は問題ないが、(17)ミニホークや(10)アヴァンチュールのように逃げたくない実績馬が多い。こうなると(16)アロヒアリイがギヨームドルナノ賞時のように、出遅れても逃げる可能性が高い。
馬場発表はtres souple(10段階ある馬場表記の最も乾いた状態から7番目)とかなり重たいこともあり、おそらくペースは上がらないだろう。フォルスストレートでも動かず、直線勝負になると見ている。つまり、前と内が有利と見て予想した。
パリロンシャン5R 凱旋門賞 芝2400m
◎ (8)キジサナ
○ (15)クロワデュノール
▲ (1)ジアヴェロット
注 (17)ミニーホーク
△ (5)ロスアンゼルス
△ (10)アヴァンチュール
△ (13)クアリフィカー
△ (2)ホワイトバーチ
△ (9)カルパナ
△ (12)ルファール
△ (16)アロヒアリイ
△ (18)ゲゾラ
結論 馬連8-15,1,17,5,10,13,2,9,12,16,18 (10:10:10:5:5:5:1:1:1:1:1) 複勝8 (50)
■有力馬と評価ポイント
◎ (8)キジサナ
通算8戦5勝。今年6月のL・ポーニーズ賞(シャンティイ芝2400m)以降、4連勝と勢いがある5歳牝馬だ。前走ではジャンロマネ賞を勝利し、初重賞制覇、それもGⅠ制覇を達成。
前走は4番枠から好スタートを決め、内の2頭を行かせて2列目の外を追走。道中もペースが上がらない中で、2列目の外をコントロールして進めた。
3~4角のペースアップにも楽な手応えでついていき、直線序盤で追われるとしぶとく伸びて半馬身ほど前に出る。ラスト1Fでもしぶとく差を広げて1馬身3/4差で勝利した。
この時は前後半5F65秒67-60秒10(日本の計測法なら前半があと1秒速い)かなりのスローペース。ここでは前有利の展開に恵まれているが、先頭に立ったラスト1Fでも後続を寄せ付けなかった。つまり、完勝だ。
しかし、けっして相手が弱かったのではなく、ここの5着馬ベッドタイムストーリーでこれがフランスオークス2着、ヴェルメイユ賞3着馬である。このことからヴェルメイユ賞の勝ち馬である(10)アヴァンチュールと同じくらいの力関係であることが窺い知れる。
それならば前走での消耗度が小さく、ここでの上昇度が見込め、前走よりも内枠に入った本馬を本命に推す。前走で芝2000m戦を使われているので、上手くレースの流れに乗って行けると見ている。
応援している!!
○ (15)クロワデュノール
日本ダービー馬。同レースでは13番枠から五分のスタートを切り、じわっと先行しながら外のサトノシャイニング、ホウオウアートマンを行かせて好位の中目を追走。道中もショウヘイの外、4番手を追走していたが、サトノシャイニングがペースを落とすと、同馬の外まで上がってプレッシャーをかけに行った。
3~4角で先頭のホウオウアートマンが苦しくなってペースダウンすると、内のサトノシャイニングとともにじわっと押し上げてここで差が詰まる。東スポ杯2歳Sを再現するかのように、サトノシャイニングをマークして直線へ。
序盤でややサトノシャイニングに差を広げられたが、徐々にエンジン掛かってラスト2Fで同馬を捉えて1馬身ほど前に出る。ラスト1Fでは甘くなったが、何とか踏ん張ってマスカレードボールの追撃を3/4差で振り切った。
この時は超高速馬場で前後半5F60秒0-59秒5の平均ペース。Cコース替わりでやや内有利の馬場だったが、外から勝ちに行って勝ち切った内容は強かった。
先週の神戸新聞杯で日本ダービーで敗れた馬がワン、ツー、スリーを決め、皐月賞で展開の後押しがあって本馬に先着したミュージアムマイルもセントライト記念を制している。このことからも現役3歳馬では一枚上だろう。
本馬は始動戦の前走でG3・プランスドランジュ賞に出走。凱旋門賞本番で反動が出ないように、相手が弱いところを使ったところまでは凱旋門賞勝利への道筋ができていたが、今回で大外17番枠を引いてしまった。
凱旋門賞当日は内の仮柵が外されて、内有利の馬場状態。さらにペースも上がらないとなると、内に入れるタイミングが作れない可能性が高い。L.デットリー騎手のように鞍上の技量が高ければ、ゴールデンホーンのようにスタート後に馬群から離れて直進し、ペースが落ち着くタイミングをらって2番手に入り込むような神業が使えるが、無策で乗った場合は苦しいだろう。