■ウインカーネリアンよりも内から差せる馬が有利
昨年のこのレースで1番人気のナムラクレアが2番枠から先行して5着に敗れたことが記憶に新しいように、外差し決着になることが多い。これはA→Cコース替わり4日目で実施されることが多いためだ。
しかし、今年はA→Bコース替わり2日目で実施。昨日は稍重スタートで中盤は外差しも決まっていたが、馬場が回復した10Rと11RのWSJSは明確に内有利の決着だった。本日も昨日の後半2戦の傾向を踏襲する可能性が高い。
ここは前走で逃げている馬が(10)ウインカーネリアン、(6)ペアポルックス、(12)フィオライアの3頭。(12)フィオライアはテンの脚がそこまで速くないので逃げられないと見ているが、それでも競ってはいくだろう。
その他、(13)ジョーメッドヴィン、(16)カルプスペルシュなど、(10)ウインカーネリアンより外枠に先行馬が多数。ここはペースが上がって、中目より内から差せる馬を中心に予想した。
札幌11R キーンランドC 芝1200m
◎ (3)レイピア
○ (9)モリノドリーム
▲ (6)ペアポルックス
注 (7)クファシル
△ (2)エトヴプレ
△ (4)エーティーマクフィ
△ (10)ウインカーネリアン
△ (14)カルロヴェローチェ
△ (15)ナムラクララ
結論 馬連3-9,6,7,2,4,10,14,15 (10:10:10:4:4:4:4:4) 複勝3 (50)
■有力馬と評価ポイント
◎ (3)レイピア
ゲートが良く、逃げ先行で2勝を挙げた馬だが、3走前の葵Sでやや出遅れ&少し躓いて後手を踏みながらも3着に善戦して以来、後半型のレースをするようになって成績上昇。近2走では古馬相手の2勝クラス、3勝クラスを連勝と勢いがある。
2走前の武庫川S(阪神芝1200m)は12番枠から五分のスタートを切り、中団の外を追走。道中はワックスフラワーの後ろで我慢させて中団の外を維持。3~4角で外から進出し、4角出口で促して大外に誘導し、3列目付近で直線へ。序盤でじわじわ伸びて2列目に上がり、ラスト1Fで抜け出して3馬身差で圧勝した。
このときは標準馬場で、内からハナを切ったアメリカンビキニにモンシュマンが競っていったことで、前後半3F33秒5-36秒0の消耗戦となった。ここではペースが速かった前半で動かず、後半の4角から動いたことが好走要因ではあるが、2着馬に3馬身差をつけて勝利したことは評価できる。
前走の会津S(福島芝1200m)は8番枠から好スタートを決めたが、じわっと控えて中団の外を追走。道中はワックスフラワーの後ろで我慢させて中団の外を維持。3~4角の外から徐々に進出し、4角ではかなり外から仕掛けて進出し、先頭列付近で直線へ。序盤でじわじわ伸びてクビ差ほど前に出ると、ラスト1Fで抜け出して1馬身1/4差で完勝した。
前走時も標準馬場ではあったが、2走前から一転して前後半3F36秒0-34秒6にスローペース。前有利の展開を3~4角の外から捲る形での勝利だった。
このように本馬は幅広い展開に対応できるが、ベストは2走前のようにハイペースでこそ。ここは展開に恵まれる可能性が高いと見ており、3歳馬の成長力も加味して本命に押す。
○ (9)モリノドリーム
昨夏のOP・青函S(函館芝1200m)を重賞通用級の指数で勝利した馬。ここでは8番枠から五分のスタートを切り、じわっと促して流れに乗せ、3角までに好位直後を確保。
3~4角ではビッグシーザーの後ろを通し、4角で上手く同馬の外に誘導して3列目付近で直線へ。序盤で追われても前も止まらず、さほど差が詰まらなかったが、ラスト1Fでしぶとく伸び続けて先頭のカンティーユをクビ差で捉え切った。
このときは高速馬場で前後半3F33秒0-34秒7。道中で緩みが生じており、前有利の展開だったが、しっかり末脚を伸ばしている。また当日は3~4角で内を通った馬が2~5着だったように内有利の馬場だったが、3~4角でややロスも作っている。
本馬は外差し有利の馬場だった昨年のキーンランドCでも、中目から差して4着に善戦しており、洋芝に高い適性を示す。
近2走の函館戦では9着、5着と敗れているが、2走前の函館スプリントSは極度に内有利の馬場の15番枠で、3角で2頭分、4角で3頭分外を回るロスを作ったことで最後に伸びてこれなかった。
前走の青函Sは4番枠からしっかり出して序盤2列目と、先行したことが主な敗因。道中で3列目に下げたが、前半のペースが速い地点で流れに乗せているので、最後に甘さを見せたのは仕方ない。本来の末脚を生かす形なら、条件が整ったここで変われる可能性が高い。
▲ (6)ペアポルックス
今年3月のオーシャンSの2着馬。ここでは12番枠からまずまずのスタートを切り、しっかり出して二の脚ですっとハナを主張したが、内からハナを主張したテイエムスパーダを行かせてその外2番手を追走。道中はコントロールしながら外2番手を維持。
3~4角でも仕掛けを我慢していたが、テイエムスパーダが下がって4角で先頭に立ち、2馬身のリードで直線へ。序盤で追われてリードを3馬身差に広げたが、最後にママコチャに捉えられて半馬身差で敗れた。
このときは超高速馬場で前後半3F33秒7-33秒4の平均ペース。芝1200m戦としてはペースが遅く、前有利の展開。ママコチャには完敗だったが、3着馬には2馬身差をつけており、改めて自分のリズムで走れれば強いことを証明している。
3走前の高松宮記念はタフな馬場で大外18番枠から前に競りかけていったことでオーバーペースとなり、18着に失速。2走前の函館スプリントSは極度に内有利の馬場&かなりのハイペースを11番枠から先行し、3角で2頭分、4角で3頭分外を回るロスを作って5着敗退。また前走のOP・青函S(函館芝1200m)では大外16番枠からトップスタートを決め、脚を使ってハナを主張し、ハイペースで逃げて3着。
近走はことごとく馬場、展開、枠に恵まれておらず、能力を出し切れていない。前走で逃げてラスト1Fで甘さを見せたことから、今回は外の(10)ウインカーネリアンを行かせて2列目に控える可能性が高い(同じことを繰り返して負けると、乗り替わりになるため) 。
また昨年11月のOP・みちのくS(福島芝1200m)では、タフな馬場で前有利の展開を、3馬身も出遅れて後方から進め、上がり3F最速で猛追して4着だったように、ある程度、控えてもやれる馬。ややタフな馬場である今回で、いっそ3列目まで下げてしまえば、ここは上位争いに加わる可能性が高いと見ている。