2025年 中山記念・チューリップ賞の予想 – 競馬予想 – 山崎エリカ –

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予想

2025.03.02
2025年 中山記念・チューリップ賞の予想

■Aコース替わり2日目で後方の脚質は不利

 過去10年のラップを見ると、かなりのスローペースが2回で、相当なハイペースも2回ある。舞台となる中山芝1800mはスタート後すぐに急坂を上がるため、基本的にペースが上がりにくい。しかしパンサラッサのような何が何でも逃げたいタフな馬が出走していたり、昨年のように降雨の影響で馬場が悪化したりするとハイペースになることがある。

 1回中山開催の後半7日間ではCコースを使用していたが、2回中山開催ではAコースから始まる。この影響もあり、過去10年で逃げ、先行が6勝、逃げ~中団では9勝と圧倒的に前が有利となっている。逃げ馬の3着以内は10頭中5回と多く、一方で差し、追い込みの3着以内は少ない。後方の脚質は不利の傾向だ。

 ※昨日のオーシャンSはトリガミで申し訳ありませんでした。本日は的中すれば複勝でも回収率はプラスという買い目ですm(__)m。このラインより上のエリアが無料で表示されます。

中山11R 中山記念 芝2000m
 ◎ (3)ボーンディスウェイ
 ○ (8)ソウルラッシュ
 ▲ (1)シックスペンス
 注 (4)エコロヴァルツ
 △ (9)マテンロウスカイ
 △ (10)アルナシーム
 △ (11)グランディア
 △ (15)サイルーン
結論 馬連3-8,1,4,9,10,11,15 (10:10:10:10:6:2:2) 複勝3 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (3)ボーンディスウェイ

 3走前の東京芝2000m戦、オクトーバーS(L)の覇者。ここでは6番枠からまずまずのスタートを切り、押してハナ争いに加わったが、内外の2頭を行かせて、3番手で様子をうかがう。道中でもペースが緩まなかったので、そのまま3番手外を維持した。

 3~4角でペースが落ちると、外からじわっと仕掛けて4角で2番手に上がり、逃げ馬と1馬身1/4差で直線へ。直線序盤で先頭に立ち、ラスト2Fで追われるとしぶとく伸び、ラスト1Fでリードを広げて1馬身3/4差で完勝した。

 3走前は超高速馬場かつ逃げ、先行馬が手薄だったこともあって本命にしていたが、前後半5Fが58秒3-59秒1と想定よりもワンランク速いペースのなかでもがんばり抜いた。

 ブリンカー着用2戦目の3走前が本格化を感じさせる内容だったこともあり、2走前の中山金杯でも狙ったが、結果は3着。ホウオウビスケッツにプレッシャーをかけられて緩みないペースで逃げるクリスマスパレードらに2列目の外から食らいついていったため、最後に甘さを見せた。それでも先行勢では最先着しており、悪い内容ではない。

 前走のAJCCでは7着。前走は時計のかかる馬場にくわえ、コスモキュランダがマクったことで、例年のAJCCらしからぬタフな展開になった。本馬の主な敗因は大外18番枠から好位の外を追走し、向正面でマクったコスモキュランダを追いかけてしまったこと。終始外々を回るロスもあり、崩れても仕方のない内容だった。

 今回は近2走よりも逃げ、先行馬が手薄。コスモキュランダのようにマクる馬も不在だ。(7)メイショウチタンが逃げたとしても、同馬は距離不安があるので、よほどマテンロウスカイ辺りに競り掛けられない限り、ペースを引き上げないだろう。さらに開幕週で3番枠と内枠を引けた点も好ましく、好位の内目をロスなく立ち回っての食い込みに期待したい。

○ (8)ソウルラッシュ

 昨秋のマイルCSで悲願のGⅠ制覇を達成した馬。マイルCSでは、13番枠からやや出遅れ軽く押して行ったが、いつものように後方から。道中も後方馬群の中目で進めた。3~4角で中団馬群の中目のスペースを拾って進出し、4角でワンテンポ待って出口で馬場の良い外目に出た。

 直線序盤で好位列の外からさらに外の進路を取ってしぶとく伸び、先頭列付近へ。ラスト1Fで先頭のウインマーベルを捉えて抜け出し、2馬身半差での完勝だった。

 マイルCS当日は「外差し天国」。最後の直線で各馬が外に広がっていくなかで、上手く馬場の良い外に誘導しての勝利だった。前日の10Rまで雨が降り続いた影響もあり、やや時計がかかっていたが、マイルGⅠで2着馬に2馬身半も差をつけたことは高く評価できる。

 続く前走の香港マイルではヴォイッジバブルに押し切られたが、2着と崩れずに走れた辺りに、本馬の地力がうかがえる。しかも、前走は10番枠からやや出遅れて、後方からの競馬。ペースも速くなかったことから、せめて4角でもう一列前の位置にいれば、もっと際どい勝負になったと考えられる。

 京都芝1600mが舞台のマイルCSは、例年中距離馬が活躍する舞台。2、4着馬も芝1800m戦で活躍した馬たちだった。本馬はマイル戦ではテンに置かれる面があるが、一昨年のマイルCSはラスト1Fで加速し、昨年のマイルCSでもラスト1Fで突き抜けているように、距離の不安は感じない。ドバイに向けての始動戦になる点は減点材料だが、ここでは一枚上の存在。開幕週の差し馬であるが、対抗以下には落とせない。

▲ (1)シックスペンス

 これまで5戦4勝。前走の毎日王冠では古馬を撃破し、昨春のスプリングSに次ぐ、GⅡ・2勝目を挙げた。前走では11番枠からまずまずのスタートを切り、様子をうかがいながらじわっと先行策。ペースが遅いので、無理なく2列目の外付近を取る。道中もゆったりと流れていたが、しっかりとコントロールして前のエルトンバローズとのスペースを作り、4番手で3角へ。

 3~4角でもエルトンバローズをマークし、4角出口でスペースを詰め切って同馬の直後から直線。序盤で追い出されても反応はひと息で外からヨーホーレイクに並ばれる。しかし、ラスト2Fで鞭が入ると、同馬に抵抗してしぶとく伸び、ラスト1Fで先頭のホウオウビスケッツを捉えてクビ差で勝利した。

 ここは逃げたホウオウビスケッツが外から絡んでくるエルトンバローズに行かせようとして、手綱を引く場面もあり、前後半4F47秒5-45秒7のかなりのスローペース。前有利の展開に恵まれての勝利だった。

 相手強化のここは前走からさらなる成長が欲しいところではあるが、ここも実績のある芝1800m戦。さらに開幕週の1番枠で先行力もあるだけに、当然、チャンスはある。

注 (4)エコロヴァルツ

 昨年の皐月賞は3番枠から押していったがやや狭くなって、後方2番手まで下げて持ち味が行かせずに7着敗退。日本ダービーは不利な大外18番枠で、1角のロスと引き換えに逃げる選択をしたこと自体は悪くないが、極端なスローに持ち込んだことで、後続に早めに上がって来られ、逆に苦しくなって8着失速。

 菊花賞では15番枠から出遅れを挽回して逃げたが、スタンド前で中団最内まで下げ、3~4角では前が下がって後退する不利があっての9着敗退。このようにクラシック三冠では満足に走らせてもらえなかったが、T.マーカンド騎手に乗り替わった前走のディセンバーS(L)ではしっかり結果を出した。

 前走は2番枠からまずまずのスタートを切り、促して様子を見ながら2列目に最内を追走。道中では前2頭がやや差を広げる中で、離れた3列目の最内で進めた。

 3角手まで後続が仕掛けて上がってきたので、本馬もじわっと仕掛けて上手く最内から前と差を詰めて、4角で前2頭の外に誘導。直線序盤で並ぶ間もなく前をかわして3/4差ほど前に出る。ラスト1Fでそのまましぶとく踏ん張り、ジューンオレンジの追撃を1馬身1/4差で振り切った。

 ここでは内枠に恵まれたにせよ、ややスローペースを好位の最内をロスなく運んで4角で前2頭の外と、これまでの鬱憤を晴らすかのように上手く乗られていた。しかし、本馬は朝日杯FSでやや出遅れを挽回して位置を取りにいって、掛かりながら最後方付近まで下げるというチグハグな内容での2着に善戦するなどの2歳時の活躍から、能力の天井はもう少し上にあると見ている。

 つまり、前走で自己最高指数を記録しているが、前走の走りでダメージが出る可能性は低く、さらなる成長を見せる可能性もあるということ。今回も4番枠と内枠だけに、前走のように内枠の利と先行力を行かした走りを期待したい。

△ (9)マテンロウスカイ

 一昨年の5月のメイS(OP)で、サクラトゥジュール(その後、東京新聞杯を制し、京都金杯でも1着)の2着となり、重賞でも勝ち負けになる指数を記録した馬。同レースでは8番枠からまずまずのスタートを切り、二の脚でドーブネなど内外の各馬を楽に制してハナを主張。そこからも淡々と緩みないペースで逃げて、3角では2番手以下に4馬身差。

 3~4角でやや息を入れ、後続の仕掛けを待って2馬身差のリードで直線へ向いた。序盤で後続を離しにかかったが、内から捌いてきたサクラトゥジュールに食らいつかれ、ゴール寸前でクビ差捉えられた。しかし、後の重賞で活躍する3着エピファニー、4着ドーブネに3馬身差も差をつけた。

 そして昨年の中山記念では7番人気の低評価を覆して初重賞制覇を達成。同レースでは8番枠からまずまずのスタートを切り、先行争いに加わっていったが、最終的にはドーブネ、エエヤンに行かせて2列目の最内を確保という完璧な入り。道中もかなりのハイペースで展開した中、コントロールしながら前のスペースを維持して3角へ向かう。

 3~4角では先頭のドーブネとの差をじわっと詰めて4角で外に誘導、同馬と3/4差で直線へ。序盤で早々に並びかけると、ラスト1Fで抜け出して2馬身差で完勝した。ここでは全てが完璧。今年は当時よりも馬場が軽いので、同じことを期待するのは難しいが、本馬は1600mではやや距離が忙しく、1800mがベストという馬。今年も内の先行馬を制して2番手に行ければ面白い。

△ (10)アルナシーム

 前走の中山金杯で重賞2勝目を挙げた馬。前走では2番枠から好発を決め、押して主張し、先行争いに加わった。外のクリスマスパレードらが内に切れ込んでくるのを見ると、それらを行かせて中団の最内を追走。道中も中団の最内で我慢して3角へ。

 3~4角では中目のスペースを拾って押し上げ、4角で好位の外へ。直線序盤ですっと伸びて2列目に上がり、ラスト1Fでそのまましぶとく抜け出して1馬身1/4差で完勝した。

 本馬はあふれる前進気勢が影響して出世が遅れ、その気性からマイル路線で使われた。しかし、タフな馬場で行われた昨夏の中京記念(小倉芝1800m)で初重賞制覇を達成したように、上がりの速い芝マイルよりも上がりのかかる芝1800m~2000mがベストだ。

 ただ、前走はレースが緩みなく流れたことで昨夏の中京記念同様に前が崩れる展開だった。差し有利の展開に恵まれて、中京記念に並ぶ自己最高指数を記録。今回は余力の面で不安がある。

 くわえて、中山開幕週の今回は前がなかなか止まらず、前走ほど上がりのかかる決着にはならないと見ている。6走前の都大路S以降は1800m以上でも折り合いがスムーズで気性面の危うさを見せていないが、総合的には評価を下げたい。

△ (11)グランディア

 2走前の函館記念で2着。2走前は4番枠からまずまずのスタートを切ったが、ややフラついた。そこから立て直してコントロールし、狭い好位の内で我慢して追走。道中でじわっと下げて中団の最内で進めてオニャンコポンの後ろから3角へ。

 3~4角でも同馬をマークしていたが、4角で中目に誘導され、5番手から直線へ。直線序盤で追われて3番手に上がり、ラスト1Fでしぶとく伸びて前のアウスヴァールを捉えて、2着を確保した。

 本馬は折り合いに課題があり、2走前もややかかる面を見せていたが、上手く最内を立ち回り、4角で上手く中目に進路を切り替えたことで詰まることなく、スムーズに追走できた。

 4走前のスピカS(3勝クラス、中山芝1800m)では、ラスト1Fで加速して末脚一閃。後の中山金杯2着馬のマイネルモーントに完勝したように、ここに来て地力をつけているのは確か。

 休養明けの前走オクトーバーS(L)では、2走前に自己最高指数を記録したこともあり4着に敗れたが、そこから立て直されての出走となるここは、巻き返す可能性がある。

△ (15)サイルーン

 昨年3月に芝1600mの2勝クラスと、2勝クラスの春風Sを勝利した馬。春風Sでは12番枠からやや出遅れ、軽く促す程度だったが中団の外目まで上がった。道中でも中団の外で様子をうかがいながら、好位馬群から離れた位置で進めて3角へ。

 3~4角では中団中目からじわっと押し上げ、4角で外に誘導して勢いに乗せ3列目で直線。序盤でそのまま伸びて先頭とは半馬身差。ラスト1Fでしぶとく抜け出して1馬身差で勝利した。

 ここは3~4角の外から仕掛けて勢いに乗せ、ラスト1Fで加速して勝利となかなかみどころのある内容だった。前走のエプソムCでは中団中目からじわじわとしか伸びてこれずの4着だったが、スタミナが不足する休養明けで距離延長だったことを考えれば悪くない。

 また本馬は特に前走時は爪の状態が良くなかったようだが、しっかり休ませたことで回復している模様。堀調教師曰く、「これほど順調に仕上がったのはこれまでにない」とのこと。また、今回は大幅馬体増のようだが、爪が良くなって背中の傷みがなくなったので、体が増やせたとのこと。今回でこれまで以上の走りができるのであれば、通用の余地を残す。
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阪神11R チューリップ賞 芝1600m
 ◎ (5)フェアリーライク
 ○ (11)ウォーターガベラ
 ▲ (12)ルージュソリテール
 △ (2)クリノメイ
 △ (9)ビップデイジー
 △ (14)マイエレメント
 △ (1)ザラタン
 △ (3)ノクナレア
結論 馬連5-11,12,2,9,14,1,3 (10:10:10:10:4:3:3) 複勝5 (50)

■逃げ馬不在で先行馬も手薄な組み合わせ

 昨年のチューリップ賞はセキトバイーストが先行争いを制してハナを主張してハイペースとなり、1着、3着に追い込み馬が台頭する結果となった。しかし、これは稀なことで基本的にはトライアルらしく、スローの傾向だ。

 ただし、極端なスローペースになったことは過去10年で2回のみというのも事実で、過去の傾向からスローで決め打ちするのは危険だ。

 しかし、今年からは1週早まり、阪神の開幕週で行われる。また現在の阪神芝がかなり高速馬場で昨日は内と前ばかりが活躍していたことや、ここが逃げ馬不在で先行馬も手薄な組み合わせであることを考えると極端なスローペースも視野に入る。

 もしくは意外な馬が色気を持って逃げたり、先行したりして可笑しな展開になる危険性もあるが、ここは極端なスローペースで先行馬有利と決め打った。

■有力馬と評価ポイント

◎ (5)フェアリーライク

 前走の京都芝1800mの未勝利戦で、1クラス上の指数を記録した馬。前走は2番枠から五分のスタートを切り、様子をうかがっていたが、外の各馬を行かせてコントロールし、好位の最内を追走。道中は前が飛ばしていく展開を、やや離れた好位の最内をコントロールしながら進めた。

 3~4角では最内からじわっと押し上げ、レッドフェルメールの後ろを通し切って直線へ。序盤で同馬の外に誘導すると、3列目から一気に抜け出して3/4差ほど前に出る。ラスト1Fでしぶとく差を広げて4馬身差で圧勝した。ここは3~4角の立ち回りが完璧だったが、ラスト1Fでもび続けた内容は高評価できる。

 また本馬は中京芝2000mの新馬戦では出遅れて最後方からの追走となり、3~4角で中団中目で包まれて直線序盤で進路がない状態。ラスト2Fで外に誘導して進路を作ると、じわじわ伸び始めて、ラスト1Fでは強烈な末脚で2着に突っ込んでおり、素質が高い。

 新馬戦ではエンジンの掛かりが悪かったが、これは完成度の低さによるもの。前走ではある程度、改善されていたのでここは期待したい。

○ (11)ウォーターガーベラ

 シンザン記念で14番人気を覆して3着と健闘した馬。シンザン記念では15番枠から出遅れて、押していったが進まずに後方に下がる。道中も後方の最内で我慢して進め、マイネルチケットの後ろから3角へ。

 3~4角でもマイネルチケットの後ろで我慢し、直線序盤で中目に誘導したが、進路を作り切れずにさらに外へ誘導する形。ラスト1Fでしぶとく伸びて3着争いに加わり、マイネルチケットの内から同馬をハナ差で捉えて3着に浮上した。

 シンザン記念はタフな馬場でややハイペース。展開に恵まれた面もあっての波乱の演出だったが、本馬はデビュー2戦目の未勝利戦(中京芝1600m)でも速い流れの好位の外を追走してなかなかの好指数で完勝しており、それくらいやれても不思議ない能力の持ち主ではあった。

 ただし、今回のメンバーでも通用するかというと、展開に恵まれないと微妙な面がある。しかし、今回は前走のきさらぎ賞でオーバーペースで逃げるジェットマグナムを追い駆けての10着失速で、ここへ向けての臨戦過程は◎。前に行って持久力を活かしたいタイプだけに、シンザン記念と同距離に変わるのも好材料だ。先行策で再度の波乱の演出を期待する。

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