2025年 ホープフルSの予想 – 競馬予想 – 山崎エリカ –

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予想

2024.12.27
2025年 ホープフルSの予想

■例年よりも高速馬場で瞬発力よりのレースになる可能性

 ホープフルSは2017年にGⅠに昇格。それ以降の7年でかなりのスローペースになったのは、2018年と2022年のみ。それ以外は平均ペースよりも速く、レースの上がり3F35秒9~36秒9も要している。まさにトップスピード不要で、バテ合いの中で相対的に伸びる資質が問われるレースというイメージだ。

 しかし、今年は過去7年と比べ、明確に高速馬場で行われる。引っ掛かるタイプのアスクシュタインが前走から1Fの距離延長で逃げたとしても、平均ペースまで上がるかは「?」。例年よりもトップスピードの速さが問われる瞬発力よりのレースになると見ている。ただし、先週の傾向を踏襲するなら中よりも外の方がやや伸びており、最後の直線で外から差せる馬が有利だ。

中山11R ホープフルS 芝2000m
 ◎ (1)ジョバンニ
 ○ (17)アマキヒ
 ▲ (8)デルアヴァー
 注 (6)クロワデュノール
 △ (12)マジックサンズ
 △ (15)ピコチャンブラック
 △ (18)マスカレードボール
 △ (3)ジェットマグナム
 △ (7)ヤマニンブークリエ
結論 馬複1-17,8,6,12,15,18,3,7 (10:10:10:5:5:5:3:2) 複勝1 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (1)ジョバンニ

 野路菊S、京都2歳Sと二戦連続で強豪エリキングと激突。2走前の野路菊Sでは、2番枠からまずまずのスタートを切り、軽く促していたが、外のワンモアスタイルがハナを主張したので控えて2列目の最内を追走。道中は逃げるワンモアスタイルとのスペースを作って最内3番手で進めた。

 3~4角で各馬が仕掛けていく中で、ワンテンポ待ってエリキンの外に誘導したが、4角でやや置かれて4番手で直線へ。直線序盤で追われたがまだ2列目。ラスト1Fで抜け出したエリキングとの差を半馬身差まで詰めたが2着までだった。

 野路菊Sは前後半4F64秒1-58秒7の超絶スローペース。4角からペースアップする展開でエリキングに行かせたことで勝ち負けが難しくなった。それでもラスト1Fでエリキングに詰めより、メンバー最速の上がり3Fタイムを記録した辺りはさすがだ。

 前走の京都2歳Sでは4番枠から出遅れ、2完歩目でのめって最後方に下げ切る形。向正面でも最後方列で進めていたが、3角手前でじわっと押し上げ、3~4角では中団外からエリキングをマークしながら進めて後方列で直線へ。直線序盤でじわじわ伸びてエリキングに半馬身差まで迫ったが、ラスト1Fでは突き放されて1馬身1/4差の2着に敗れた。

 京都2歳Sも前後半5F61秒9-59秒0のスローペース。最後方からではどうにもならない展開で、3角手前から仕掛けたことでラスト1Fで逆にエリキングに離される結果となった。

 本馬は新馬戦では出遅れを楽に挽回して3番手の外目を追走し、4角先頭から直線で楽々と抜け出し、ラスト2F11秒6-11秒2と加速して勝利。エリキングには2連敗したが、2走前は上手く乗っていれば勝っていた可能性もあったレースだった。

 ジョバンニは現2歳世代の芝中距離路線としては最もレベルが高かった路線を通ってきており、その経験を生かせれば大きな期待ができる今回は1番枠。前走で出遅れはいるが、癖ではないので1番枠から最後方に下げて外を狙うようなレースにはならないと見ている。中団の内目を追走し、最後の直線で外に誘導しての馬券圏内突入を期待する。

○ (17)アマキヒ

 10月の東京芝2000mの新馬戦を勝利した馬。ここでは4番枠からまずまずのスタートを切り、外のカスバートテソーロとハナ争いになったが、内枠を利して主導権を握る。道中はコントロールして超スローペースに持ち込み、後続を引き付けて3角へ。

 3~4角でじわっとペースを引き上げ、1馬身半差のリードで直線へ。直線序盤で1馬身3/4差まで差を広げたが、ラスト2Fで外から一気にロジャリーマインに迫られる。ラスト1Fでは追うものの強みで同馬に前に出られたが、残り100mで差し返してアタマ差で勝利した。

 ここでは3着馬には3馬身半差をつけており、逃げてラスト2F11秒3-11秒1の数字も高く評価できる。2着ロジャリーマインは次走で未勝利勝ち、3着馬マテンロウムーブもすぐに未勝利戦を勝ち上がっているように、この新馬戦は層が厚い。本馬もデビュー2戦目でいきなりG1獲りを果たしても不思議ない素質を感じさせる。

▲ (8)デルアヴァー

 前走の東京スポーツ杯2歳Sの5着馬。前走では5番枠から出遅れ、行き脚もつかず、最後方からの追走。そこから後方2番手まで挽回し、3角では最内を選択。しかし、3~4角でもペースが上がらず、前のスペースを詰め切って包まれてしまう。

 4角出口で進路を探しながら中目に誘導して直線へ。直線序盤で追われて中目の間を割り、ラスト2Fでじわじわ伸びる。ラスト1Fでは外のファイアンクランツとともに前の馬との差をじわじわ詰めたが5着までだった。

 東京スポーツ杯は前後半4F48秒5-45秒9のかなりのスローペースで前へ行った3頭が上位を独占する展開。3~4角で外を選択してそこで動いていればもう少し上の着順が拾えたと見ている。それでも勝ち馬(6)クロワデュノールと同じ上がり3Fタイムを記録したことは評価できる。

 本馬は6月の福島開幕週の新馬戦では五分のスタートを切ったが、ここでもダッシュがつかず、後方からの追走。超高速馬場を3角から動いて3、4角でかなり外を回るロスを作ったが、長く良い脚を使って差し切った。この時ラスト1Fで急加速して勝利しており、ゴール板を過ぎても加速していたような走りが印象的だった。

 デルアヴァーはまだ体が緩いため、どうしても加速がつかず、二の脚で置かれ、エンジンが掛かるのに時間が掛かる。しかし、このタイプは体が絞れると変わることが多く、継続騎乗なので鞍上ももうこの馬を手の内に入れているだろう。最後の直線で伸びる中外を通しての上位争いを期待する。

注 (6)クロワデュノール

 前走の東京スポーツ杯2歳Sの覇者。前走では4番枠から五分のスタートを切り、軽く促していたが、最終的には外の各馬を行かせて3,4番手の中目を追走。道中もペースが上がらなかったが3列目の外で折り合って進める。

 3~4角で外からじわっとコントロールし、逃げ馬サトノシャイニングの外2番手まで押し上げて直線へ。直線序盤で軽く仕掛けると同馬に並びかける。ラスト2Fでサトノシャイニングが追い出してここでマッチレースとなる。ラスト1Fでかわされてからもしぶとく食らいついたが、残り100mで捻じ伏せて3/4差で勝利した。

 今年の東京スポーツ杯は行った、行った決着で例年の同レースと比べるとレベルが低い。しかし、前走時は陣営が「本来の迫力ある動きと比べてあと一歩」と弱気なコメントで馬体重24Kg増だった。今回は調教後の馬体重が前走から12Kg絞れている。

 本馬は6月の東京芝1800mの新馬戦でも好スタートを切って、外のアルレッキーノを行かせて2番手の外をキープし、ラスト2Fで同馬をかわして半馬身前に出ると、そのまま突き抜けて2馬身半で完勝と上々の内容。ただし、昨年のボンドガールが勝利した新馬戦よりも落ちる内容で、これまでの走りからは本命には推せないが、ここで変わる可能性は当然ある。

注 (6)クロワデュノール

 前走の東京スポーツ杯2歳Sの覇者。前走では4番枠から五分のスタートを切り、軽く促していたが、最終的には外の各馬を行かせて3,4番手の中目を追走。道中もペースが上がらなかったが3列目の外で折り合って進める。

 3~4角で外からじわっとコントロールし、逃げ馬サトノシャイニングの外2番手まで押し上げて直線へ。直線序盤で軽く仕掛けると同馬に並びかける。ラスト2Fでサトノシャイニングが追い出してここでマッチレースとなる。ラスト1Fでかわされてからもしぶとく食らいついたが、残り100mで捻じ伏せて3/4差で勝利した。

 今年の東京スポーツ杯は行った、行った決着で例年の同レースと比べるとレベルが低い。しかし、前走時は陣営が「本来の迫力ある動きと比べてあと一歩」と弱気なコメントで馬体重24Kg増だった。今回は調教後の馬体重が前走から12Kg絞れている。

 本馬は6月の東京芝1800mの新馬戦でも好スタートを切って、外のアルレッキーノを行かせて2番手の外をキープし、ラスト2Fで同馬をかわして半馬身前に出ると、そのまま突き抜けて2馬身半で完勝と上々の内容。ただし、昨年のボンドガールが勝利した新馬戦よりも落ちる内容で、これまでの走りからは本命には推せないが、ここで変わる可能性はある。

△ (12)マジックサンズ

 前走の札幌2歳Sの覇者。前走では2番枠から五分のスタートを切ったが、促しても進まず、中団馬群の中目の間を狙って窮屈ながらも挽回していく。道中はそこから上手く外に誘導してモンドデラモーレの後ろから3角へ。

 3~4角でも中団外から早めに仕掛け、4角では馬場の良い外から先頭列に並びかけて直線へ。直線序盤でしぶとく伸びて内から早め先頭に立ったアルマヴェローチェに食らいつく。ラスト1Fでは同馬とのマッチレースになったが、これをハナ差で制した。

 札幌2歳Sでマッチレースを演じたアルマヴェローチェが今月の阪神JFを優勝したことから、相対的に人気に支持されている。ただし、アルマヴェローチェは1番枠で馬場の悪化した中団最内を追走し、4角で中目に誘導して外を狙ったが、ファイアンクランツが壁になって、最後の直線で最内を狙うしかなかったもの。対して本馬はペースダウンした3~4角の外から動いて、直線では馬場の良い外を走らせている。

 前走は重馬場でレースが緩みなく流れて、先行馬総壊滅の差し馬有利の展開。本馬は馬場の良い外を走らせたことでアルマヴェローチェを差し切った面がある。

 ただし、本馬は7月の函館芝1800mの新馬戦では、出遅れて後方外目からこの週の函館芝中距離では古馬を含めて最速の上がり3Fタイムを記録。この時がやや時計の掛かる馬場だったことを考慮すれば、これは高評価できるものだ。またラスト2Fも11秒8-11秒6と加速して勝利しており、豊富なスタミナと瞬発力を豊富なスタミナと瞬発力を裏付ける内容でもあった。

 今回は近2走からさらに相手が強くなる。アルマヴェローチェ同様に4ヵ月の休養中にどこまで成長しているかになるだろう。

△ (15)ピコチャンブラック

 前走のアイビーSの2着馬。前走では7番枠から五分のスタートを切り、二の脚ですっとハナを狙ったが、外からやや掛かったシルバーレインがハナを主張したので、同馬を行かせて2番手で進める。道中ではシルバーレインとの差を3馬身ほど作って3角へ。

 3角では5馬身ほど離れていたが、最短距離から速めに追いかけて2馬身差で直線へ。直線序盤で追われてじわじわ伸び、ラスト2Fで同馬の外に誘導して先頭列まで上がったが、ラスト1Fでは内から(18)マスカレードボールに抜け出され、1馬身半差で完敗した。

 前走はマスカレードボールに3番手でマークされたことで道中でペースを落とし、シルバーレインの単騎逃げを許す形になった。ただし、ラスト1Fで甘さを見せてしまった以上、道中で控えたことは正解だったと言える。

 前走ではマスカレードボールに完敗だったが、7月の福島芝2000mの新馬戦で逃げて7馬身差で圧勝し、高指数を記録しており、その疲れもあって上昇しきれなかったと予想される。

 新馬戦では前半3F63秒7の超絶スローペースで逃げてはいたが、ラスト5Fは12秒7-12秒2-11秒9-11秒8-11秒3。これが福島最終週であることを考慮すれば、かなり強い内容だった。将来的にはクラシック戦線での活躍が十分に期待できる馬だが、まだ良化途上と見て評価を下げた。

△ (18)マスカレードボール

 前走のアイビーSで△(15)ピコチャンブラックを制して2戦2勝。前走は6番枠から五分のスタートを切ったが、頭を持ち上げる場面。折り合い面でやや苦労していたが、3番手の外を維持。道中では逃げるシルバーレインからやや離れた3列目の外で2番手の(15)ピコチャンブラックをマークして進めた。

 3~4角では外目から仕掛けていったが、前との差がさほど詰まらず、4角3番手で内に潜り込む。直線序盤ですっと伸びて2列目に上がり、ラスト2Fでもしぶとく伸びて先頭列まで上がると、ラスト1Fで抜け出して1馬身半差で完勝した。

 前走は新馬戦から大幅な前進を見せて勝利。ただし、前走の疲れが出たようで、この中間の追い切りがひと息だ。また本馬は前走でも追走がやや忙しがしさを見せていたように、機動力があるタイプではない。そうなると大外18番枠は明確に不安要素となる。

△ (3)ジェットマグナム

 デビュー2戦目のコスモス賞では心房細動で1番人気を裏切り、大差の最下位に敗れたが、前走の芙蓉Sではそこから巻き返しV。前走では2番枠からまずまずのスタートを切り、軽く押してハナに立ったが、外からモルティフレーバーがハナを主張すると、同馬を行かせて外に誘導。道中のペースは遅かったが、コントロールしながら2番手の外を追走した。

 3~4角でペースが上がっていく中で、コントロールしながらモルティフレーバーに並びかけ、直線序盤で追い出しを待ちながらも先頭。ラスト1Fで追われるとしぶとく伸び、後続の追撃を余裕を持って振り切り3/4差で勝利した。

 前走は前後半5F61秒9-60秒7のスローペースで前有利の流れ。本馬は展開に恵まれての勝利だったが、中間に楽をさせた影響で馬体重10Kgと緩めだった。体が絞れればさらなる前進もありそうだ。

△ (7)ヤマニンブークリエ

 前走の黄菊賞では、朝日杯FSの2着馬ミュージアムマイルの2着と好走した馬。前走は7番枠からまずまずのスタートを切ったが、ややふらついて外の馬と接触。そこから立て直してハナを取り切る。道中もスローペースで支配して3角へ。

 3~4角でじわっとペースを引き上げて外から迫るコスモイシュタルに抵抗して直線へ。直線序盤で一気にミュージアムマイルにかわされて3/4差、ラスト1Fでは突き放されて3馬身差の2着に敗れた。

 前走は3~4頭分外を回るロスを作りながら押し上げ、ラスト1Fで後続を引き離しての圧勝したミュージアムマイルが圧巻のレースだっただけに、負けても仕方ない。しかし、前記のコスモイシュタルが3着に粘る前有利の展開だったことを考慮すると、3馬身差は明確に完敗だった。

 今回はさらに相手が強化されるが、本馬は10月の京都芝1800mの新馬戦でも好スタートを切って、ハナへ行けそうなスピードを見せており、ここで行く気になればハナを主張することも可能な組み合わせ。案外と逃げ、先行勢が手薄の組み合わせだけに、前に行ける強みを警戒しておく。

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