■中京開催時の京都金杯は内有利
21~23年同様に中京芝1600mで実施される。前記の過去3年の京都金杯は、前年12月の6日間開催を前半4日間Aコース→後半2日間Bコース使用後のAコース替わり初日で行われていたが、今年も同じ。21~23年は内枠有利だったが、今年も同じコースローテーションだけに、そういう傾向になる可能性が高い。
また中京芝1600mは中盤で坂を下るため、中盤で坂を上る京都開催時よりも緩みなくレースが流れ、約1秒も速い時計で決着するため、コーナーで外を回ると苦しい。さらに3角、4角がスパイラルカーブになっていることも、内枠の馬が活躍している理由だ。
今年も前に行ってこその(14)メイショウチタン、(9)オーキッドロマンス、(10)セルヴァーグなどが出走しているので、ここも緩みない流れが濃厚。内で脚をタメられる馬を中心に予想したい。
京都11R 京都金杯 芝1600m
◎ (1)ロジリオン
○ (2)セオ
▲ (9)シャドウフューリー
△ (7)サクラトゥジュール
△ (8)オーキッドロマンス
△ (11)コレペティトール
△ (12)フィールシンパシー
△ (15)ドゥアイズ
△ (16)ウォーターリヒト
結論 馬連1-2,9,7,8,11,12,15,16 (10:10:5:5:5:5:5:5) 複勝1 (50)
■有力馬と評価コメント
◎ (1)ロジリオン
2走前の富士Sでは休養明けで3着。ここでは14番枠から出遅れたが、思い切って位置を押し上げ、好位の外で流れに乗って3角へ。3~4角でペースダウンしたが、ここではコントロールして3列目の外を維持。直線序盤でじわっと仕掛けて2列目の外まで上がり、ラスト2Fで先頭に立ちかける場面で外からジュンブロッサム、内からソウルラッシュに上がって来られる。ラスト1Fで前記2頭に突き抜けられたが、本馬もしっかりと3着を確保した。
2走前は前半で位置を挽回したことがラストでの伸び切れなかった理由。それでも次走でマイルCSを制す2着ソウルラッシュと1馬身1/4差だから、ここでは地力上位だ。
前走のキャピタルSは4着敗退。これは休養明け好走の反動によるものだろう。前走は楽をさせた一戦で、2走前で馬体重14Kg増からさらに体重が増えていた。またここでも2番枠からやや出遅れ、富士Sよりも前半が速い展開ながら位置を押し上げていったことも影響している。
今回は1番枠。この枠は外の逃げ、先行勢が競りながら内に切れ込んでくる中で、すっと3列目の最内くらいが取れる最高の枠。最短距離を通して脚を温存できる優位性があるだけに、ここは本命に推す。
○ (2)セオ
3走前の都Sでは、本日の中山金杯に出走予定のアルナシーム(後に中京記念勝ち)を撃破して勝利した馬。ここでは6番枠からまずまずのスタートを決めてハナを主張したが、内からアウスヴァールが絡んでくると、同馬を行かせて2番手の外で折り合った。
道中はかなりのスローペースだったが、コントロールしながら2番手の外を維持。3~4角では楽な手応えで加速し、4角では持ったままアウスヴァールにプレッシャーをかけてコーナー出口で先頭に。直線序盤で追われるとすっと伸びて2馬身半差、ラスト1Fで迫るアルナシームを振り切って1馬身1/4差で完勝した。
本馬は3歳時、中山芝1800mの1勝クラスではレーベンスティールを相手に逃げ切り、2勝クラスでは京都芝1600mを逃げ切るなど、芝1600m~芝1600mで逃げてこその面があったが、古馬になってからは折り合う競馬でも結果を出せるようになったのは大きな収穫。近2走では2桁着順に大敗しているが、今回は前走カシオペアS大敗から再び立て直されての一戦。変わり身を期待したい。
▲ (9)シャドウフューリー
前走のリゲルSの覇者。前走では12番枠からまずまずのスタートを決め、内枠から先行する馬がいなかったので、じわっと促して3番手まで進出。道中は3番手で我慢させ、3~4角で再び前との差をじわっと詰め、外から2番手のセッションに並びかけて行く。直線序盤では同馬との差は3/4差だが、その差はなかなか詰まらない。しかし、ラスト1Fでしぶとく伸びて粘るセッションを競り落として3/4差で勝利した。
本馬は東京芝1600mの1勝クラス時に初めて逃げて崩れて以来、好位の直後から最後にひと脚使う競馬で安定した成績を残していたが、前走は勝ちにいく競馬でも崩れず、セッション(昨年の京都金杯2着)に競り勝った。前走指数は特筆するものではないが、地力強化を感じさせる内容。ここは前半から速くなりそうなので、得意の好位直後からもうひと脚使う競馬で、さらなる前進を期待する。
△ (7)サクラトゥジュール
折り合いに課題があり、3勝クラス以降は大敗することも多かったが、休養明けとなった5走前のメイSでOPをようやく勝利。5走前は2番枠からまずまずのスタートを切り、外の各馬を行かせて3列目の最内を追走。道中では行きたがるのを我慢させ、ポジションを維持。
3~4角では2列目の最内のヴィジュネルが動かないので仕掛けを待たされたが、直線序盤で最内から同馬をかわして2番手に上がった。ラスト2Fでするする伸びて先頭の(11)マテンロウスカイとは1馬身差。ラスト1Fで同馬を捉えてクビ差で勝利した。
ここでは7番人気だったが、マテンロウスカイ(後の中山記念覇者)をクビ差で下し、3着馬エピファニー(後の小倉大賞典覇者)、4着馬ドーヴネ(後の中山記念の2着馬)に3馬身差をつけ、重賞でも通用する指数を記録した。
そして2走前の東京新聞杯で初重賞制覇を達成。ここでは1番枠からやや出遅れ、軽く促されて中団最内から追走。道中では空いていたインコースをコントロールしながら好位の直後まで上がって3角へ。3~4角の中間地点で仕掛けたが、進路がないまま直線を迎えることに。
直線序盤は外を狙っていたが、最終的には最内に誘導し、ラスト2Fでは3列目から2番手に上がった。ラスト1Fで先頭のウインカーネリアンと1馬身3/4差ほどあったが、そこからしっかり差し切って1馬身差で完勝した。
5走前と2走前の共通項としては、ともに緩みない流れで前に馬を置いて最短距離をロスなく立ち回っていること。一方、かなりのスローペースだと折り合いを欠いてしまうことが多く、前走の関屋記念は前半が遅く、ここで4番枠から二の脚よく前に行ってしまったために酷く折り合いを欠いて13着に敗れた。
緩みない流れが予想されるここは折り合いは付くだろうが、今回は7番枠。外の逃げ、先行勢が競りながら内に切れ込んでくることを考えると、外目の枠の競馬になってしまいそうだ。そこが不安なのと、去勢明けを考慮して評価を下げた。ただ、追い切りでは去勢休養明けとしては動けていた。