■Dコース替わりで先週より内が有利に
朝日杯FSも先週の阪神JF同様に京都芝1600mでの開催。同コースでは前半400m過ぎから3角の頂上を目指して坂を上る。2歳戦では中盤にあたる3角の上り下りでペースが緩むことが多く、前後半の差が小さい平均ペースになりやすい。
先週はCコース使用最終週で外差し有利(阪神JFの直線で内に進路をとった3着馬テリオスララは持久力型で能力値上位)だったが、今週はDコースに替わる。先週はCコース使用最終週で外差し有利(阪神JFの直線で内に進路をとった3着馬テリオスララは持久力型で能力値上位)だったが、今週はDコースに替わった。
先週は最後の直線で内から10頭目より外が伸びていたが、馬場の悪化した内ラチから20mカバーされたことで、内から6頭目辺りが伸びている。6頭目より外から差せる馬が有利であるが、そこを通せれば先行馬でも頑張れているだけに、ここは逆張りしてみたい。
京都11R 朝日杯フューチュリティS 芝1600m
◎ (6)アルレッキーノ
○ (4)ミュージアムマイル
▲ (2)アドマイヤズーム
△ (8)アルテマヴェローチ
△ (11)ニタモノドウシ
△ (16)タイセイカレント
△ (3)ランスオブカオス
結論 馬連6-4,2,3,8,11,16 (10:10:10:10:5:5) 複勝6 (50)
■有力馬と評価ポイント
◎ (6)アルレッキーノ
二冠牝馬チェルヴィニアの半弟。6月の東京芝1800m新馬戦では、クロワデュノール(後の東京スポーツ杯2歳Sの覇者)とのマッチレースで2馬身差半の2着に敗れたが、3着馬に4馬身差をつけての2着だった。デビュー2戦目の新潟芝1600m未勝利戦は、相手が楽になり単勝オッズ1.1倍の1番人気に支持されたが、人気に応えて7馬身差で圧勝した。
前記の未勝利戦では4番枠からやや出遅れたが、そこから軽く促して先行争いに加わり、コントロールしながらも最終的には主導権を握った。道中も手綱を引いているが、ペースはそこまで遅くない。3~4角では後続の仕掛けを待って1馬身半差で直線へ。ラスト2Fで肩鞭を入れると一気に5馬身ほど突き抜け、ラスト1Fでも差を広げていた。
ここで記録した指数は、チェルヴィニアがデビュー2戦目の未勝利戦で記録したものと同等で重賞でも通用するもの。しかし、前走のサウジアラビアRCは前半3Fが34秒0と速かったこともあり自分の型に持ち込めず、3着から0.1秒差の5着に敗れた。
逃げ切り勝ちは消耗度が高いので、2走前に逃げた疲れもあったとみているが、本馬は前半で優位に立ちたいタイプ。併せ馬が主流の国枝栄厩舎が単走で追い切りしている辺りに、気性面の不安も感じさせる。現状は逃げがベストか。
今回は前走芝1400m組が多数出走しているが、本馬の前走の前半3F34秒3よりも速い馬は不在。内枠に二の脚の速い(2)アドマイヤズームが出走しているが、同馬の鞍上は逃げないことが身上の川田優雅騎手。これならばアルレッキーノがハナへ行けるだろう。今回は舞台が前半で坂を上る京都芝1600mということもあり、サウジアラビアRC時よりもペースが落ち着く可能性が高いと見ている。それならば逃げ切りもあると見て、本馬を本命馬とした。
○ (4)ミュージアムマイル
京都芝2000mの黄菊賞を重賞レベルの指数で圧勝した馬。その前走は2番枠からやや出遅れ、コントロールしながら中団中目を追走。道中はペースが遅かったが、ロードガレリアをマークしながら折り合って進めた。
3~4角でペースアップするなか、4角でロードガレリアに並びかけながら仕掛けて先頭列付近で直線へ。直線序盤では追われて逃げたヤマニンブークリエの半馬身ほど前に出ると、ラスト1Fで突き抜け3馬身差をつけてゴールした。
3~4頭分外を回るロスを作りながら押し上げ、後続を引き離しての圧勝。指数以上の強さを感じさせる内容だった。本馬はデビューから一戦ごとに距離を延ばして芝2000mで結果を出しただけに、距離が短くなるのは歓迎ではないだろう。
ただし、中京芝1600mの新馬戦は前で運んだ2頭がワンツーフィニッシュを決めたなか、1番枠から派手に出遅れ、最後方から進めて3着。当時と比べてスタートが良化してきた今ならマイルも悪くない。
3番手で競馬した2走前も含め、デビューから3戦連続でメンバー最速の上がり3Fタイムを記録。位置を取りに行っても後半しっかり伸びてくる点は魅力で当初は本命も視野に入れたが、先週ほど差し馬が有利ではないし、前走で走り過ぎた嫌いもあるので対抗評価に止めた。
▲ (2)アドマイヤズーム
京都芝1600mの新馬戦では3番枠からやや出遅れ、二の脚で挽回して先行争いに加わっていった。しかし、外の各馬が内に切れ込んだことで進路をカットされ、位置を下げる。
そこから挽回して3角で2列目の最内。3~4角でペースダウンしたが、そこで包まれて外の馬に先に動かれてしまった。結果、ラスト1Fで甘くなって4着。ここは見直し可能な敗戦だったとみている。
次走の京都芝1600m未勝利戦は堂々の完勝。8番枠から五分のスタートだったが、コントロールしながら逃げ馬の外2番手を追走。道中の2番手で我慢し、3~4角でも鞍上は手綱を持ったまま。4角出口でゴーサインが出されると、直線序盤で抜け出して1馬身半差。ラスト1Fでさらに差を広げて3馬身差で完勝した。
二の脚が速く、前走時は前半3F34秒0と速かったが、ハナへ行ってしまいそうになるのを抑えて2番手を追走。抜群のスピードを抑えても折り合ってなんとかクリアしてみせた。前走を見る限り、もう一、二段階は位置を下げれそうだ。
今回はおそらく◎(6)アルレッキーノをマークしながらレースを進めることになるだろう。前半のスピードを抑え、後半に特化させればここで一発の可能性を秘める。前走で重賞を使っている馬よりも、下級条件を使っている馬のほうが消耗度が少ないという点で好ましく、ここで大きな前進を期待したい。
△ (8)アルテマヴェローチ
前走でGⅢのサウジアラビアRCを勝って2戦2勝。前走は1番枠からまずまずのスタートを切り、行きたがってやや折り合いを欠いた
。それでもコントロールしてなんとか下げて2列目、最終的には3列目の最内まで下げて進む。
3角手前で前にスペースを作り、4角で外に誘導しながら前のアルレッキーノをマークしながら後方で直線へ。直線序盤の伸びは地味だったが、ラスト2Fから伸び始めて3番手争いに加わり、ラスト1Fで前を捉えて1馬身差で勝利した。
秋の東京開幕日の稍重馬場で、前後半4F45秒7-47秒3のハイペース。序盤でやや掛かってはいたが、そこから折り合い重視で脚をタメたことで噛み合ったとみている。
今回は前走からひと息入れ、成長を促されての一戦。新馬戦でコンビを組んだ武豊騎手が騎乗する。おそらく序盤から下げ切って折り合い重視で乗り、3角の下りでから仕掛けていくのではないか。上手く馬場の中目を通せれば当然チャンスはある。
△ (11)ニタモノドウシ
福島芝1200mの新馬戦では出遅れて後方2番手。3~4角で外から押し上げるロスがありながら、1馬身半差で勝利した。ここでは追走に忙しさを見せており、距離延長でのパフォーマンス向上に期待がもてる内容だった。
続くクローバー賞は7番枠から五分のスタート。すぐに2角があり、内の先行馬の出方をうかがいながら好位の外を確保する。道中はコントロールしながらミリオンローズをマークし、5番手で3角へ。
3~4角では先頭集団との差を詰め、4角で4頭分外から2列目に並びかけて直線へ。直線序盤で先に追われたミリオンローズの前に出て先頭に立つと、ラスト1Fで抜け出して2馬身差で完勝した。
前走は当時のこの世代における最高値の指数を記録。クローバー賞で同世代指数の最高値を記録した馬といえば、2021年のラブリイユアアイズを思い出す。同馬は優秀な指数を記録していたが世間の評価は高くなく、阪神JFでは8番人気で2着に入った。
ニタモノドウシも走りは派手だが、血統面でどこか地味な印象を受ける馬で、ラブリイユアアイズと似た感じがする。ただし、ラブリイユアアイズはクローバー賞の後、京王杯2歳Sを叩いて阪神JFに出走したが、ニタモノドウシは直行となる。ローテーションに不安はあるが、侮れない。
△ (16)タイセイカレント
前走のサウジアラビアRCは5番枠から出遅れた後、ややつまずいて内の馬と接触。最後方に置かれてしまう。しかし、前の馬たちがペースを引き上げていったので、すぐに下げ切って道中は最後方で脚を温存した。
3~4角で前が息を入れると、最内から前との差を詰めて4角出口で中目に誘導。直線序盤では肩鞭を合図にラスト2Fで後方2番手から中目のスペースを拾って中団まで上がる。ラスト1Fで中目をさばいてしぶとく伸び、3着馬に半馬身差をつけて2着に入った。
本馬は中京芝1600mの新馬戦を逃げ切っているが、その時も4番枠からやや出遅れながら押してハナを取り切り、レースをスローで支配していた。出遅れ癖があり、本来は前半からポジションが取れるタイプではない。しかし、長くいい脚を使っても容易にバテない強みがある。
今回は大外16番枠と外過ぎる枠に入ったが、ペース次第で道中動くことができる本馬にとっては大きな減点材料ではない。3~4角のロスを最小限に止めて直線に賭ける競馬なら、勝ち負けが厳しくても2着、3着はありそうだ。
△ (3)ランスオブカオス
前走で京都芝1600mの新馬戦を勝利し、中1週で思い切ってGⅠにチャレンジしてきた。前走の新馬戦は、7番枠から出遅れて最後方からの追走。そこから押して挽回し、道中は後方2番手の外で進めた。3~4角でじわっとスピードに乗せて4角では中団。4角で出口で好位列の外まで上がって直線へ。直線序盤ですっと先頭列に並びかけ、ラスト1F で突き抜けて2馬身差で完勝した。
前走のラスト2Fは11秒6-11秒1。2年前にラスト1Fでこの数字なら、GⅠでも即通用のレベルだったが、最近はラスト1Fでおおより0.5秒ゲタを履かされており、この数字にそこまで大きな価値はない。
ただし、当時の上がり3Fタイムは、同日NO.1のココナッツブラウンと0.3秒差と優秀だった点は一定の評価はできる。またラスト1Fでも減速しなかったことから、1Fの距離延長も歓迎だろう。いきなりG1っで勝ち負けするのは難しいと見ているが、2着、3着ならありそうだ。
推定3番人気 (10)トータルクラリティ
新馬戦、新潟2歳Sとマイル戦で2戦2勝。前走の新潟2歳Sでは9番枠からまずまずのスタートを切り、好位の外を追走。道中も折り合いを意識して3角まで我慢した。
3~4角で極端に前の馬たちがペースを落としたが、3列目の外で仕掛けを待って直線へ。直線序盤で外に誘導しながら2列目に上がり、ラスト2Fで追い出されると一気に先頭。そこで内に斜行し、外のコートアリシアンにクビほど前に出られてしまったが、ラスト1Fで外目に誘導しながら同馬を差し返して半馬身差で勝利した。
前走は馬場の内側がかなり悪化しており、最後の直線で内を通った馬が苦しい状態だった。実際に大外一気で3着だったプロクレイアが次走のこうやまき賞で7着に敗れたのに対し、最内2番手を追走して7着だったスリールミニョンは次走でききょうSを勝利し、先週の阪神JFでも5着に善戦している。
本馬は差し馬で馬場に恵まれる可能性が高く、休養中に成長している可能性もある。しかし、前走は最後の直線で上手く外に誘導したことが好走要因である以上、人気ほどの評価はできない。