■外差し有利の馬場
今年の阪神ジュベナイルFは京都芝1600mで行われる。同コースは前半2F目過ぎから3角の頂上を目指して坂を上るコース。2歳戦は3角の上り下りの中盤でペースが緩むことが多く、前後半の差が小さい平均ペースになりやすい。
しかし、今回は京都開催20日目のCコース6日目で行われる。今秋の京都芝はAコースから順番に使っており、外差し有利の馬場が予想される。ペースはそこまで上がらないが、外目から差せる馬を中心に予想したい。
京都11R 阪神ジュベナイルF 芝1600m
◎ (13)コートアリシアン
○ (8)カワキタマナレア
▲ (15)リリーフィールド
△ (9)ショウナンザナドゥ
△ (10)ブラウンラチェット
△ (1)ビップデイジー
△ (14)ランフォーヴァウ
結論 馬連13-8,15,9,10,1,14 (10:10:10:10:5:5) 複勝13 (50)
■有力馬と評価ポイント
◎ (13)コートアリシアン
今夏の新潟2歳Sの2着馬。同レースは6番枠から出遅れ最後方から位置を挽回、好位の中目に突っ込んで大ブレーキ。するとかなり掛かり3角でもブレーキをかけながらトータルクラリティの後ろにつけ、中団で直線へ。
ラスト2Fで外に誘導して伸び始めると、トータルクラリティが内にヨレて後退。そこで先頭に立ったが、ラスト1Fで差し返されて半馬身差で敗れた。
前走はそこまで前半のペースが遅くなかったが、出遅れを挽回したのが完全に裏目に出た。位置を取れないばかりか、気性に火を点け消耗させてしまう形だった。チグハグな騎乗で並みの馬なら大敗パターンも、それでも2着に善戦したあたり大物感を感じる。
本馬は6月の東京芝1600m新馬戦でも、同日の東京芝では古馬を含めて最速タイの上がり3Fを使い5馬身差で圧勝。確かな素質の裏付けもある。
今回は前走から休ませ、成長を促しての一戦。出遅れ癖はあるが、外差し有利の馬場で13番枠なら、そこまで大きな減点材料にはならない。むしろレースがしやすいはずだ。
○ (8)カワキタマナレア
新馬戦、シンガポールTC賞と1200mを連勝した馬。2走前のシンガポールTC賞は4番枠から出遅れ、最後方から押して挽回する競馬だった。
道中でも促されていたが、3角でもまだ後方2番手。3~4角で馬群の一番外から進出し、4角出口で中団のかなり外から直線へ。直線序盤でしぶとく伸びて3列目付近まで上がり、ラスト1Fで突き抜けて1馬身3/4差で完勝した。
前走ファンタジーSは5着。レースは大外15番枠から出遅れて、中団の外で我慢。3~4角で後方馬群の外を回り、4角出口で押して肩鞭も入れられたがコーナワークで置かれ、直線序盤で位置が下がってしまった。しかし、そこから盛り返してラスト1Fで4馬身あった前との差を半馬身まで詰めてゴールした。
前走は不良馬場のスローペースで前と内が有利な展開。3~4角でペースが上がってこない中で内を狙ってブレーキをかけ、追い出しが遅れたところがあった。加速力がある馬ならまだしも、本馬のように伸び始めが甘い馬にとっては致命的だったとみている。
仕掛けどころが難しい馬ではあるが、スピードに乗ってからの末脚は確か。芝1200mでは追走に忙しいことから、芝1600mへの距離延長も好ましい。前走の敗戦を糧に鞍上が上手く乗れば本命も考えた。しかし、外差し有利の馬場で8番枠と少し内目に入ったことがやや不安で対抗まで。
▲ (15)リリーフィールド
函館ダ1000mの新馬戦を圧勝した馬。レースは7番枠から五分のスタートもダッシュがついて逃げることに成功。3~4角で後続との差を広げ、1馬身差のリードで直線へ。直線序盤では2馬身程度のリードだったが、ラスト1Fでグングン後続を引き離し、2着に6馬身差、3着馬に11馬身差をつけて圧勝した。
新馬戦の走破タイムは59秒0。これは同日の古馬1勝クラスの勝ちタイムと同じ。当然、指数も1クラス上のレベルというかなり優秀なもので高い素質をみせた。
3走前の函館2歳Sは初芝の一戦らしく、3番枠から出遅れ。やや掛かった程度だったが、後方の中目でコントロールに苦労し、3角で挟まれてさらに位置が下がってしまった。
最後の直線で外に進路を取ってからはいい脚で伸びたが、鞍上がコントロールし切れず、レースの流れに乗れなかったのが主な敗因だった。
しかし、前走もみじ賞は巻き返しV。当レースは4番枠から五分のスタートを切り、押して3番手を追走。3~4角の外からすっと進出して先頭に並びかけ、直線序盤で先頭。ラスト1Fで抜け出し3馬身半差で完勝した。
前走はそれまでから一転、ややハイペースを先行策から押し切っての勝利。今回のメンバーで勝ちに行った場合はさすがに苦しそうだが、陣営は「上手くタメを利かせたい」とコメントしている。
新馬戦では後半型の競馬で圧勝しているだけに、外差し有利の馬場で末脚を生かす形なら、一発がある。
△ (9)ショウナンザナドゥ
前走アルテミスSで3着。レースは8番枠から五分のスタートを切って促されたが、あまり進まず中団の外を追走。道中で内に入れようとするができず、中団の外目で3角へ。
3~4角で一気にペースが落ちるとじわっと仕掛け、4角出口で外へ。序盤で追われても伸びは地味だったが、ラスト2Fで4番手に上がり、ラスト1Fでも伸び続け2着ミストレスに迫ったがアタマ差届かなかった。
アルテミスSは超高速馬場のスローペースで前有利な展開。最後まで伸び続けていたが、仕掛けがやや遅く、逃げた2着ミストレスを捉えることができなかった。
本馬は長くいい脚を使えることが強みで、おそらくベストは中距離。ただ時計の掛かる京都芝で上がりの掛かる展開ならチャンスはある。人気ほどの信頼はできないが、軽視もできない。
△ (10)ブラウンラチェット
フォーエバーヤングの半妹。9月中山芝1800mの新馬戦、アルテミスSと王道路線を連勝。アルテミスSは2番枠から五分のスタートを切り、内から二の脚でハナを主張したミストレスを行かせ2列目の最内を進んだ。
道中は少しコントロールされ、3~4角の一気の減速にはブレーキで対応して直線へ。直線序盤で進路がなく仕掛けを待たされたが、残り300mで追われるとすっと2番手に上がった。そしてラスト1Fでそのままグイグイ伸びて1馬身1/4差で完勝した。
前走はかなりのスローペース。3~4角でミストレスが一気にペースを落としたことで包まれ、並みの馬ならスムーズ差を欠くものだったが、本馬は急な減速にも上手く折り合い、直線ですっと加速した。鞍上のC.ルメール騎手が上手かったこともあるが、とてもキャリア2戦目とは思えない大人びた立ち回りで操縦性が高い。
しかし、センスが良いというのは大きな伸びしろが見込めないということでもある。その点は割引だが、多頭数の京都芝1600mは3~4角の下り坂でゴチャつくことが多いだけに軽視はできない。
△ (1)ビップデイジー
8月の中京芝1600mの新馬戦と、紫菊賞を連勝した馬。前走の紫菊賞では大外6番枠から五分のスタートを切って促して行ったが、やや掛かり気味になったので下げて2列目の外を追走。そこからはかなりのスローペースで折り合い重視で進めて3角へ。
3~4角でも内から2頭目の2列目で我慢して、前2頭をマークしながら、出口で外に誘導して2列目の外。直線序盤でじわじわ伸びて3番手に上がり、先頭とは半馬身ほど。ラスト1Fで抜け出して前をしっかり捉えて1馬身1/4差で勝利した。
新馬戦では前半が速かったこともあり、2番枠から出遅れ、押してもあまり進んでいかずに苦労していたが(結果、3~4角の中団で包まれて、直線序盤で前が壁)、前走では前半が遅かったにせよ、そこが改善されていた。
また前走が前後半4F49秒7-46秒2のかなりのスローペースで、ラスト1Fで加速しての勝利。ラスト2F11秒2→11秒0という数字ほど余力を感じさせなかったが、消耗度の小さいレースになっているだけに、ここでさらに前進する可能性がある。1番枠と枠は悪いが、警戒しておきたい。
△ (14)ランフォーヴァウ
前走のデイリー杯2歳Sの2着馬。前走は5番枠からまずまずのスタートを切り、コントロールしながら好位中目を追走。道中は4番手の最内で我慢させて3角へ。3~4角でも2列目の最内で我慢し、直線で外へ誘導。直線序盤で1馬身半差あった先頭との差をしっかり捉えて先頭に立つ。ラスト1Fで1馬身ほどリードを広げたが、外のドラゴンブーストに食らいつかれ、半馬身差の勝利となった。
前走はGⅡながら2勝馬不在。未勝利戦を勝ち上がった馬ばかりで酷いメンバーだったが、オープンレベルの指数は記録できた。また2走前に芝1400mでテンの速いレースをしていたことで、前走は行きっぷりが良く、それまでよりも積極的な競馬で勝利したことは褒められる。
今回は前走よりも相手が強くなるが、近2走ともメンバー最速の上がり3Fを記録しているように末脚はここでも上位のものがある。14番枠と枠にも恵まれているだけに警戒した。