■3~4角で内を通せる馬が有利
7年前に1回中京開催からこの時期に移動した、ハンデGⅢの中日新聞杯。このレースの舞台となる中京芝2000mは、スタンド前の急勾配の上り坂の途中からスタートし、前半で緩やかに坂を上り、3角手前から緩やかに差を下っていくコース。このためスローの上がり勝負が発生しやすい。
しかし、古馬重賞のここはスローペースでも3角の下り坂から、前半が極端に遅い場合は3角手前からペースが上がることが多く、ここで外を回った馬は苦戦している。2022年のこのレースで(2)マテンロウレオが2着しているが、当日も3~4角の内を通った馬が1~3着を独占し、後方外々をぶん回した断然1番人気のプログノーシスは4着に敗れている。
今年は岩田康誠(デシエルト)VS藤懸貴志(ベリーヴィーナス)の因縁のハナ争いが予想されるが、最終的にはデシエルトがハナを取り切って、そこまでペースが上がり切らないだろう。前半5F61秒1と極端に遅かった昨年ほど内有利の展開にはならないだろうが、それでも内と前が有利と見て予想した。
中京11R 中日新聞杯 芝2000m
◎ (2)マテンロウレオ
○ (8)デシエルト
▲ (9)コスモキュランダ
△ (14)ドクタードリトル
△ (15)ジェイパームス
△ (5)トーセンリョウ
△ (10)ロードデルレイ
結論 馬複2-8,9,14,15,5,10 (12:12:8:8:5:5) 複勝2 (50)
■有力馬と評価コメント
◎ (2)マテンロウレオ
2022年の中日新聞杯の2着馬。同レースでは16番枠から五分のスタートだったが、序盤から積極的に進めて好位の外目から最終的に中目で進めた。道中もその位置でコントロールしながら進めていたが、3角手前のペースアップでやや置かれ、3~4角で3列目の内から2頭目で我慢させ、4角でも内目を通して3列目で直線へ。
直線序盤で追われるとじわじわ伸びて2列目の3番手争いに加わり、ラスト1Fで前を捉えて先頭に立ったところで外からキラーアビリティの強襲され、クビ差で惜敗した。
前記の中日新聞杯は前半5F61秒9-後半57秒5で、ラスト5F目から一気にペースアップして、レース最速がラスト4F目(3~4角)となっているように、3~4角で外を回った馬はロスが大きく、内を立ち回った馬が圧倒的に有利な展開だった。しかし、今回もまた展開に恵まれる可能性がある。
また今年は2番枠。この枠ならば、岩田康誠VS藤懸貴志の因縁のハナ争いの2列目の最内でレースを進められるだろう。
この枠だと逆に包まれてしまう危険性もあるが、昨年2月の京都記念では3~4角で3列目の最内で我慢して進路を探し、4角で一列下げて最内の加速スペースを作って、直線序盤で速度を削がずに捌いて3列目まで上手く上がって2着に善戦している。つまり、鞍上の横山典弘騎手は包まれた時に、職人技を見せてくる騎手であるということ。
前走の天皇賞(春)は相手も強く、距離も長かったが、やや掛かりながら逃げたために13着に失速。しかし、前々走の日経賞では平均ペースで逃げて後の目黒記念の優勝馬シュトルーヴェと着差0.1秒差と善戦しているように、基調の低下は感じさせない。今回は7ヵ月半の長期休養明けになる典は不安だが、現在5番人気とそれほど人気がないので期待したい。
○ (8)デシエルト
日本ダービー以来となった芝の前走、アンドロメダSでいきなり結果を出したように、ダート・芝兼用馬。前走は6番枠からまずまずのスタートを切り、押してハナを主張し、先頭に立った。道中も抑えていたが前進気勢が強く、そこまでペースを落とさずに3角へ。
3角でも4馬身ほどリードがあったが、坂の下りでスピードに乗って仕掛け、5馬身差のリードで直線へ。直線序盤でも5馬身差を維持していたが、ラスト1Fで内から馬群を捌いて上がった(10)ロードデルレイに差を詰められたが、余裕を持って3馬身半差で完勝した。
前走は折り合いに苦労していたが、前後半5F59秒8-58秒8のややスローペースで上手く運んでいる。以前のような暴走が見られなくなった今なら、芝2000mでもやれるだろう。芝のキャリアが4戦と浅いことから、まだ伸びしろがありそうだ。
▲ (9)コスモキュランダ
昨年3月の弥生賞をマクって優勝すると、次走の皐月賞でも2着に好走した馬。皐月賞では12番枠からやや出遅れたが、コントロールしながら1角で内に入れ、向正面では中団内目で我慢し、3~4角ではシンエンペラーをマーク。かなり押しながら鞭まで入れて中目に誘導して4角出口で外へ
直線は4列目からじわじわ上がり、ラスト1Fでは内から先に動いたジャスティンミラノと一緒に伸びた。先に抜け出したジャンタルマンタルは捉えたが、ジャスティンミラノにはクビ差届かなかった。それでも、アーバンシックには先着している。
2走前のセントライト記念ではアーバンシックに完敗しての2着。8番枠からやや出遅れ、そこから無理せずに中団馬群の中目を追走。道中は中団外からじわっと押し上げ、3~4角でも楽な手応えで2番手まで上がると、直線序盤で先頭。しかし、ラスト1Fでアーバンシックに一気にかわされて1馬身3/4差で敗れてしまった。
このレースは3~4角でアーバンシックが内の最短距離を通したのに対し、コスモキュランダは、3~4角の外から位置を押し上げたことでロスが生じており、これがラスト1Fでの甘さに繋がった面がある。ただし、ここで記録した指数は皐月賞と同等のもので大きな成長を見せることができなかった。
前走の菊花賞は休養明け好走後の一戦で強い疲れが出たようで、見せ場さえも作れずに終わったが、今回はそこから立て直されての一戦。実績のある芝2000mで巻き返しを期待してみたい。
昨年3月の弥生賞をマクって優勝すると、次走の皐月賞でも2着に好走した馬。皐月賞では12番枠からやや出遅れたが、コントロールしながら1角で内に入れ、向正面では中団内目で我慢し、3~4角ではシンエンペラーをマーク。かなり押しながら鞭まで入れて中目に誘導して4角出口で外へ
直線は4列目からじわじわ上がり、ラスト1Fでは内から先に動いたジャスティンミラノと一緒に伸びた。先に抜け出したジャンタルマンタルは捉えたが、ジャスティンミラノにはクビ差届かなかった。それでも、アーバンシックには先着している。
2走前のセントライト記念ではアーバンシックに完敗しての2着。8番枠からやや出遅れ、そこから無理せずに中団馬群の中目を追走。道中は中団外からじわっと押し上げ、3~4角でも楽な手応えで2番手まで上がると、直線序盤で先頭。しかし、ラスト1Fでアーバンシックに一気にかわされて1馬身3/4差で敗れてしまった。
このレースは3~4角でアーバンシックが内の最短距離を通したのに対し、コスモキュランダは、3~4角の外から位置を押し上げたことでロスが生じており、これがラスト1Fでの甘さに繋がった面がある。ただし、ここで記録した指数は皐月賞と同等のもので大きな成長を見せることができなかった。
前走の菊花賞は休養明け好走後の一戦で強い疲れが出たようで、見せ場さえも作れずに終わったが、今回はそこから立て直されての一戦。実績のある芝2000mで巻き返しを期待してみたい。