2024年 チャンピオンズCの予想 – 競馬予想 – 山崎エリカ –

お問い合わせ

予想

2024.12.01
2024年 チャンピオンズCの予想

■今年はハイペースの可能性

 ジャパンカップダートから『チャンピオンズC』と名前を改め、中京ダ1800mで行われるようになって今年で11年目。2014年は前後半5F62秒3-60秒6の極端なスロー、2015年は同60秒2-62秒4と一転してハイペースだった。以降は良馬場で前半4F48秒中盤から49秒台後半の、ややスロー~平均ペースの範囲内となっている。これは他場のダ1800m戦と比較すると遅い。

 このレースのペースが上がりにくいのは、上り坂の途中からスタートするコース設定に加え、最初のコーナーまでの距離が約300mと短いことが影響している。前半が遅く、向正面でもペースが上がらない場合は、3角手前の下り坂から一気にペースアップするケースが多い。前半のペースが上がりにくいのがこのレースの特徴だ。

 しかし、テンが速く、外から被されたくないクラウンプライドが1番枠を引き、その外にレモンポップ、ミトノオーと逃げ馬が2頭。その他にもペプチドナイル、ドゥラエレーデ、テーオードレフォン、スレイマンなど、手強い先行馬も多数いる。今年は1角までに隊列が決まらず、極端なハイペースになった2015年のような展開も視野に入れて予想する。

中京11R チャンピオンズC ダ1800m
 ◎ (16)ガイアフォース
 ○ (10)アーデルアステリア
 ▲ (2)レモンポップ
 △ (3)ハギノアレグリアス
 △ (5)ペイシャエス
 △ (8)ウィルソンテソーロ
 △ (9)テーオードレフォン
 △ (12)サンライズジパング

結論 馬連16-10,2,3,5,8,9,12 (15:10:5:5:5:5:5) 複勝16 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (16)ガイアフォース

 今年のフェブラリーSではダート初挑戦ながら2着と好走し、ダート適性の高さを証明した。同レースでは7番枠から五分のスタートを切って押していったが、内からやや強引に外に出ようとしたドゥラエレーデの影響で、オメガギネスとともに外に押し出される不利があった。そこから中目に切り替えて、中団やや前目を追走した。

 3角で前のオメガギネスを意識して追い、3~4角では中団中目で包まれてしまったが、同馬の後ろを通って出口で外に誘導。やや窮屈だったが、立て直して追われると伸びはじめ、ラスト1Fではタガノビューティーの外からしぶとく伸び、同馬とセキフウの3頭による2着争いをクビ差で制した。

 今回はダート2戦目。デビューからベストでない条件を使われていると、最適条件を使われた際の伸びしろが大きい傾向がある。一昨年の当コラムでもそれを理由にジュンライトボルトを本命に推して1着。さかのぼれば2018年8番人気2着のウェスタールンドも同様だった。

 今回は16番枠と痛恨の大外枠だが、ハイペースにより縦長の隊列が予想され、それほど大きなロスが生じない可能性が高い。フェブラリーSでは砂を被ってやや嫌がる素振りを見せていたが、初ダートとしては及第点だったことからも、ここは本命に推す。

○ (10)アーデルアステリア

 昨年の名鉄杯など、中京ダ1800mで4勝をあげるコース巧者。その名鉄杯では9番枠から五分のスタートを切って中団やや後方からの追走。道中で前2頭が飛ばして隊列が縦長になったが、向正面でも中団やや後方の揉まれない位置で我慢できた。

 3~4角でペースダウンすると、大外から手応え良く中団まで上がって4角出口でさらに外へ。直線序盤でじわじわ伸びてラスト2Fで2番手に上がると、早めに抜け出したメイクアリープをゴールまで数メートルのところで捉えてクビ差で勝利した。

 メイクアリープは後のみやこS2着馬、4馬身差で3着のニューモニュメントは、昨年の川崎記念3着と、昨年の名鉄杯はリステッド競走としてはレベルが高いレースだった。この時はやや時計の掛かる馬場で前後半4F48秒4-後半4F50秒7のかなりのハイペース。展開に恵まれての勝利だったが、今回も展開に恵まれる可能性がある。

 本馬は3走前のエンプレス杯で先行して6着に敗れているように、前に行くともろい面があるが、差す競馬では、前有利の展開を後方から進めた昨年のチャンピオンズC以外で崩れていない。

 昨年はJBCレディスクラシックを大目標にした後の一戦だったが、今年は同レースを回避して、チャンピオンズCが目標というローテーションなのも好ましい。近走もスパーキングレディーC1着、強豪相手のレディスプレリュードでも3着と順調そのものだけに、ここは穴馬に推す。

▲ (2)レモンポップ

 昨年のフェブラリーSを完勝してGⅠ初制覇。その後、昨秋のマイルCS南部杯では圧巻の走りを見せて優勝した。

 昨秋のマイルCS南部杯では3番枠からまずまずのスタートを切り、ハナを主張。道中はコントロールして後続を引き付けながら逃げて、2番手外のイグナイターとクビ差で3角へ。3~4角で後続を引き離し、イグナイターに4馬身差をつけつつ直線に入ると、序盤の上り坂を楽な手応えで駆け上がり、後ろをどんどん突き放して独走。次走でJBCスプリントを優勝するイグナイターに2秒差という大差での圧勝だった。

 初めて逃げたここで衝撃の自己最高指数を記録。逃げるのがベストであることを証明した。二度の海外遠征で二桁着順に敗れているのは、テンの速い馬が多く、逃げられなかったことが主な要因だろう。

 昨年のチャンピオンズCは、休養明けで自己最高指数を記録した後の“疲れ残り”の一戦。大外15番枠からまずまずのスタートの後、外にヨレるロスがあったが、同型馬不在の構成を利して思い切って逃げたことで、前走から大幅に指数を下げながらも勝利をおさめた。

 今年のマイルCS南部杯は1番枠。前走マイル戦でテンの速いレースをしている(4)ペプチドナイルにハナを奪われる可能性もあると見ていたが、五分のスタートから押してハナを取り切ったことで、外から同馬に競られながらも3/4差で勝利することができた。

 前年のマイルCS南部杯当日は超高速馬場だったが、今年は一転して時計の掛かる馬場状態。昨年よりも走破タイムが2秒1遅いが、昨年同レースに次ぐ、高指数を出した。

 チャンピオンズCも昨年のようにすんなりハナを主張できれば好走が可能だが、今年は(1)クラウンプライドの外2番枠。さらに、外には同型馬の(11)ミトノオーもいる。他にも先行馬が多数で、ハナを切れない可能性もある。

 ただ、逃げられなかったとしても、昨年のフェブラリーSや今年のさきたま杯優勝時の指数を出す走りはできるはず。本命にするのは怖いが、大きく評価を落とすこともできない。

△ (3)ハギノアレグリアス

 2022年秋の阪神ダ1800mのOP・太秦Sを勝利すると、その後、ダートグレードで4戦連続連対と安定した走りを見せた馬。2023年の帝王賞では4着に敗れたが、緩みない流れを中団外から3角で一気に仕掛けて先頭列に並びかけて行く早仕掛けで、ラスト1Fで甘くなったもの。そこから立て直されたシリウスSでは巻き返して優勝した。

 そのシリウスSでは14番枠からやや出遅れたが、そこからコントロールして中団外目を追走。向正面でペースが上がったが、そこで外からじわっと上がって3角へ。

 3~4角では中団外目で仕掛けをワンテンポ待って、4角で中目を通して直線で外へ。3列目から追い出されると2番手に上がり、ラスト1Fで先頭のアイコンテーラーとは約1馬身半差だったが、それを捉え切って1馬身1/4差で完勝した。

 その次走のチャンピオンズCは6着敗退。前有利の展開で中団外々を回ったというのも敗因のひとつだが、休養明けのシリウスSで自己最高指数を記録した反動によるものが大きい。

 その後、再び休養してからはひと息だったが、前走のシリウスSでは1着。1番枠から好スタートを切って、好位の最内を追走。道中はややハイペースで流れたが、3列目の最内で我慢。

 3~4角で前のオメガギネスがひとつ外に誘導したが、本馬は上手く最内のスペースを拾いながら同馬の後ろから2列目で直線へ。序盤でオメガギネスの後ろから上手く進路を作って追い出されると、ラスト1Fでじわじわ同馬との差を詰めて1馬身1/4差の勝利した。

 前走では昨年のシリウスSほどの指数を記録できなかったが、復調しているはず。前走は逃げ馬不在、先行馬手薄で勝ちに行く競馬をしたが、本来の差しなら通用していい。

△ (5)ペイシャエス

 2走前のエルムSでダートグレード3勝目を達成した馬。そのエルムSは9番枠から五分のスタートだったが、二の脚ですっと先行争いに加わっていく。先行争いではやや見劣り、好位中目におさめて追走。道中も好位中目で我慢させて3角へ。

 3~4角で前が仕掛けるとやや置かれ始めたが、押して4角では鞭も入れて何とか挽回して2列目の内、(6)ドゥラエレーデの後ろから直線に向いた。序盤でじわじわ伸びて先頭列の間を割ると、ラスト1Fでもしぶとく伸び続けてドゥラエレーデを捉え、クビ差で勝利した。

 このレースでは逃げる(11)ミトノオーにドゥラエレーデが競りかければ、ペースが上がる可能性もあると見ていたが、ドゥラエレーデが同馬に並びかけて共存する形となり、前後半4F49秒3-48秒8とペースが上がらず、展開に恵まれる形となった。

 前走の武蔵野Sでは一転して前後半4F45秒8-50秒2と、かなりのハイペース。ここでは9番枠から五分のスタートを切り、軽く押して2列目の内を追走し、最終的には前から離れた3列目の内を進んだ。

 3~4角で前との差が詰まり、4角で外に誘導されるとスムーズに2列目の外で直線へ。直線序盤で内のエンペラーワケアに蓋をして抜け出し先頭に立った。ラスト2Fでも先頭を維持していたが、ラスト1Fで馬群をさばいてきたエンペラーワケアにかわされ、さらに外の2頭にも差されて、1馬身+ハナ+1馬身差の4着に敗れた。

 前走はスタミナが不足する休養明け。前半ではそこまで無理をさせなかったが、最後の直線では先頭に立つのが早過ぎた。ただ、本馬はメンバー最速の上がりをあまり使ったことがないように、差していいタイプではない。もっと最後の仕掛けを遅らせる意識で乗れればチャンスはある。

△ (8)ウィルソンテソーロ

 交流重賞路線で地道に地力をつけ、昨秋のチャンピオンズCで2着に好走した馬。同レースでは7番枠からアオって出遅れ、後方内目からの追走。道中で内目から進出して3角へ。3~4角で中目に誘導し、4角出口で外に誘導。直線序盤で軽く追われながらさらに外へ。ラスト1F手前で外に出し切るとグングン伸びて、逃げ粘る(2)レモンポップに1馬身1/4差まで迫った。

 このレースは内が有利な馬場状態で、前後半4F48秒8-49秒7の平均ペース。後方内目を上手く立ち回り、4角出口で上手く外に誘導されたことが好走要因だ。直線序盤で反応が甘く、外に出るのがやや遅れたところはあったが、ほぼ完璧な立ち回りだった。

 その次走の東京大賞典では逃げて2着、今年のドバイワールドCは4着。その後の帝王賞やコリアCでも善戦するが2着止まりだったように、なかなか勝ち切れないところがあった。

 しかし、前走のJBCクラシックで悲願のGⅠ級競走を制覇。10番枠からまずまずのスタートだったが二歩目で躓いて、無理はせずに中団外目を追走。スタンド前でもペースが遅かったが、そこで好位から2列目の中目を取って、逃げるウィリアムバローズの後ろから向正面に入る。ここで仕掛けて2列目の内に誘導して3角へ。

 3角で最内から一気に抜け出し、4角ではそのまま突き抜けて3馬身のリードを奪うと、直線でも4馬身、5馬身と差を広げる。ラストでメイショウハリオに1馬身ほど差を詰められたが、それでも余裕を持って4馬身差で圧勝した。

 JBCクラシックは前半5Fが64秒4と遅かったが、3角から一気に動いて、長くいい脚を使って自己最高指数での勝利。ただ、国内で無敗だったクリソベリルがJBCクラシック優勝後のここで4着に敗れてしまったように、数々のJBCクラシック優勝馬が続くチャンピオンズCでは善戦するものの、馬券圏内に入っていない。

 この点を考えると割り引く必要はあるが、序盤で躓くなど決してスムーズではなかったなかで、優勝したことは評価できる。一昨年は、JBCクラシック覇者テーオーケインズを無印にしたが、ウィルソンテソーロは幅広い展開に対応できることもあり、消しにはできない。

△ (9)テーオードレフォン

 前走の福島民友Cを重賞通用レベルの指数で勝利した馬。レースでは2番枠からまずまずのスタートを切ったが、外のスマートサニー、ミラクルティアラを行かせて好位の内につけ、道中では前にスペースを作って追走。向正面でサンテックスが捲ってペースが上がったが、そこでワンテンポ仕掛けを待ってスペースを維持して3角へ。

 3~4角では最短距離を通って4角出口で2頭分外に誘導。序盤でしぶとく伸びて先頭列に並びかけ、ラスト1Fでそのまま抜け出して3馬身半差で完勝した。

 前走は前に行きたい馬が多く、それらを行かせて終始、最短距離を通る形。完璧な立ち回りではあったが、前後半4F48秒5-49秒7のややハイペースをラスト1Fで加速して勝利したことは評価できる。

 今回は前走で自己最高指数を記録した後に加え、相手強化の一戦になるが、前走で折り合う競馬で結果を出したことは、逃げ、先行馬多数のここでは強みになるだろう。(2)レモンポップが自分の型に持ち込めずに敗れることがあれば、通用の余地がありそうだ。

△ (12)サンライズジパング

 ホープフルSで3着後は長らく芝路線を使われていたが、一線級が相手では苦しく、3走前の不来方賞から再びダート路線へ。2走前のジャパンダートクラシックは、休養明けの不来方賞でジャパンダートクラシックの出走権を絞り取りにいった疲れで、直前まで出走未定だったが、何とか出走にこぎつけて3着に善戦。

 2走前は2列目の内でフォーエバーヤングにプレッシャーを掛けて行く消耗度の高い競馬で、最後の直線序盤で早々と手応えが怪しくなったが、それでも離されたとはいえ3着を死守したのは地力があればこそ。

 前走のみやこSでは1着。大外15番枠からやや出遅れ、そこから軽く促して中団の外を追走。道中は押しながらの追走でやや忙しそうだったが、3角手前の上り坂でじわっと押し上げて3角へ。

 3~4角では好位の外々からから追っつけて鞭も入って必死に食らいついて3番手に上がって直線へ。直線序盤でじわじわ伸びて3番手まで上がり、ラスト1Fでしぶとく伸びて先頭のアウトレンジを捉えて半馬身差で勝利した。

 前走は重馬場でもそこまで好走ダートではなかったが、追走に忙しさを見せていた。前が残る展開なら届かなかった可能性が高かったが、ここはラスト1Fで前が失速する展開になったことで差すことができた。

 本馬は本質的には地方のタフな馬場の2000mがベスト。中央のダ1800mはベストではないが、今回は前走時より時計が掛かることや前走同様、自由に動ける外枠は好ましい。また、ここも展開に恵まれる可能性が高いと見ている。また今回は前走で自己最高指数を記録した後の一戦になるが、成長期の3歳馬だけにここでさらに前進する可能性もありそうだ。

推定3番人気 (4)ペプチドナイル

 今年のフェブラリーSで11番人気の低評価をくつがえして優勝した馬。このレースは9番枠からまずまずのスタートを切って先行し、2列目につけた。4頭併走状態の内から3頭目を追走していたところ、3角手前で一番外の(8)ウィルソンテソーロが2番手に上がり、好位の外から3角へ。

 3~4角で好位の外から進出して、直線序盤で追われると2列目に上がる。ラスト2Fで追われて先頭列に並びかけると、ラスト1Fで抜け出し、2着争いを尻目に1馬身1/4差で完勝した。

今年のフェブラリーSは国内トップクラスが世界最高の優勝賞金1,000万ドル(約14億1,400万円)を誇るサウジCに出走していたことで、歴代のフェブラリーSと比較してもメンバーが手薄だった。ただ、本馬は昨夏の大沼SとマリーンSを連勝した際と同等の好指数で優勝しており、決してフロックではない。

 前走のマイルCS南部杯ではレモンポップと小差の2着。ここでは14番枠からまずまずのスタートを切り、内のレモンポップの出方をうかがいながらコントロールして同馬の外2番手を追走した。

 3~4角で2番手外から軽く仕掛けて、4角では3番手以下を離しながら同馬に食らいついて3/4差。直線序盤でも追われて最後まで食らいついたが、差は詰まらず、3/4差のままゴールした。しかし、3着キタノヴィジョンには5馬身差を付け、自己最高指数を更新している。

 前後半46秒9-49秒0のかなりのハイペースに持ち込んでの2着。今年のフェブラリーSも前後半4F45秒6-50秒1の超ハイペースを好位から押し切って勝利しているように、ハナにこだわる馬ではないが消耗戦に持ち込んでこその馬なのだろう。ただし、消耗戦で能力を発揮してしまうと次走では疲れを残しやすいもの。前走で自己最高指数を記録した後のここは評価を下げたい。

記事一覧へ戻る