2024年 アルゼンチン共和国杯&みやこSの予想 – 競馬予想 – 山崎エリカ –

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予想

2024.11.03
2024年 アルゼンチン共和国杯&みやこSの予想

■極端な脚質の馬に厳しいレース

 過去10年で平均ペースになったのは2回のみ。残る8回は平均よりも遅いペースで、ハイペースになったことは1回もない。このため追込馬は厳しい戦いを強いられる。また距離が長くなるほど、スローペースであっても逃げ切るのは難しく、逃げ馬は1回も馬券に絡んでいない。

 一方、先行~中団が8勝。2着、3着も先行~中団がそれぞれ6回馬券に絡んでいる。つまり、ある程度の位置を取れる馬を中心視するのがベストだ。

東京11R アルゼンチン共和国杯 芝2500m
 ◎ (4)クロミナンス
 ○ (11)アドマイヤハレー
 ▲ (1)ミクソロジー
 △ (9)タイセイフェリーク
 △ (13)サヴォーナ
 △ (14)セレシオン
 △ (16)ショウナンバシット
結論 馬連4-11,1,9,13,14,16 (9:9:8:8:8:8) 複勝4 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (4)クロミナンス

 2走前に中山芝2500mの日経賞で2着。この時は10番枠からやや出遅れ、じわっと中団外目を追走。スタンド前では中団の外目で流れに乗り、向正面では逃げたマテンロウレオが後続を離していったが、戸崎圭太騎手らしくそこでは動かず、仕掛けを待つ形をとった。

 外からアドマイヤハレーにマクられると、そこでは軽く促してはいたが、3~4角の外々からロスの大きい競馬となり、位置を押し上げられないまま直線へ。直線序盤ではじわじわ伸びるもまだ3列目付近。ラスト1Fで前が甘くなったところを差し込んで、勝ち馬のシュトルーヴェに半馬身差まで迫った。

 3~4角でペースが上がってからの後追いとなり、距離ロスもあったが、ラスト1Fでアドマイヤハレーを追い駆けた馬たちが失速していることを考えると好判断だった。

 C.ルメール騎手に乗り替わった前走の目黒記念は3着。ここでは4番枠からまずまずのスタートを切り、そこからある程度押して積極策。しかし、ケイアイサンデラが後続を引き離して逃げたため、道中は離れた好位の外目で進め、実質は差し競馬となった。

 3~4角でケイアイサンデラがペースを落とすと、そこで取り付いて直線序盤で外に誘導。ラスト2F目で3列目から2列目に上がり、ラスト1Fでは内のシュヴァリエローズと競り合いに。外から一気にシュトルーヴェにかわされ、シュヴァリエローズにも競り負けてクビ+アタマ差の3着だった。

 ただし、シュヴァリエローズはその次走で京都大賞典を優勝しているように、芝2400~2500mではしぶとく強い馬。この相手に競ったことは評価したい。

 本馬は目立つほどの先行力はないが、ゲートも二の脚も悪くない。またキレ味もさほどないが、それでもメンバー上位の末脚で上がって来ることができている。弱点がなく、高水準の総合力で勝負するタイプ。このため近6走とも着差0.2秒以内という安定した走りができているのだろう。ここも崩れることは考えにくく、本命馬とした。

○ (11)アドマイヤハレー

 前々走の日経賞では、クロミナンスと小差の6着。8番枠から出遅れ、かなり掛かるのをなだめながら後方外を追走する形。向正面で一気に2番手に上がって3角へ。3~4角では逃げるマテンロウレオにプレッシャーをかけていったが、ラスト1Fで苦しくなって6着に敗れた。

 前々走は向正面でマクって逃げ馬にプレッシャーをかけていったことで一気にペースが上がり、前に行った馬には厳しい展開となった。そのなかで展開に恵まれたシュトルーヴェと0.4秒差、クロミナンスと0.3秒差なら悪くない。

 本馬は4走前の迎春Sでも大外8番枠から出遅れ、最後方からかなり掛かるのをなだめながらの追走となった。向正面で一気に2番手に上がり、3~4角で逃げたセイウンプラチナにプレッシャーをかける。しぶとく抵抗する同馬を直線序盤で競り落とし先頭に立ち、ラスト1Fで抜け出すと、外から迫る差し馬たちを振り切って1馬身半差で完勝した。

 このように、本馬は前の位置を取った際は好走している。また、田辺裕信騎手が騎乗した昨年3月の2勝クラス戦では、不良馬場のなかで出遅れを挽回して2番手を追走、そのまま2着に粘った実績もある。

 どうしても出遅れるところがあるが、先行勢が手薄の今回、折り合いの概念を捨ててそのまま行かせた時に一変する可能性がある。後方で待機させて酷く折り合いを欠くくらいなら、前半から行かせてみると面白いはずだ。

▲ (1)ミクソロジー

 4連勝で昨年2月のダイヤモンドSを優勝した馬。ダイヤモンドSは4番枠から好スタートを切ったが、そこから促されながらもじわっと下がり、好位直後の最内を追走。スタンド前でも無理なく進めて前にスペースを作り、スムーズに向正面を迎えた。

 向正面ではスタッドリーがマクったため一気にペースアップしたが、ここでワンテンポ待って中団最内で3角へ。3~4角では外を追走していたシルブロンが仕掛けて動き、本馬もその後ろから上手く外に誘導して直線を向いた。

 直線序盤では追われて2列目に上がり、残り300mではシルブロンをかわして先頭列。ラスト1Fでしぶとく粘るヒュミドールをクビ差で捉え切ってレコード勝ちした。

 このレースは向正面でかなり折り合いを欠いたスタッドリーが2番手まで進出したことで、逃げていたウインキートスと競り合う形となり、一気にペースアップしたことがレコード決着を演出した。つまり、マクられても脚をタメ続けていたミクソロジーは展開に恵まれての優勝だった。

 しかし、ここで能力を引き出されたことで疲れが残り、その後は休養。その間に蹄球をぶつけるアクシデントがあって蹄が化膿。以降は1年7ヵ月にも及ぶ長期休養を余儀なくされた。

 復帰初戦の前走オールカマーは11着。芝3400m→芝2200mと距離が短くなったことで追走に苦労して大きく敗れたが、逃げ馬と2番手がそのまま2着、3着に粘る前有利の展開で0.8秒差ならそこまで悪くない内容と言える。

 ベストはあくまでも長距離だが、芝2200m~2400mで1勝クラスと2勝クラスを連勝しているようにこなせない距離ではない。休養明けの前走で能力を出し切れなかったことで、叩いた前進も期待できる。前走で後方からレースをしているだけに、今回である程度、前の位置が取れるかの課題があるが、前走で芝2200mを使ったことで序盤からレースの流れに乗れればチャンスがある。

△ (9)タイセイフェリーク

 前走の昇仙峡S(東京芝2400m)の2着馬。前走は7番枠から五分のスタートを切り、コントロールしながら内に切れ込み、中団の内目を追走。向上面でも中団の内で我慢させて3角へ。3~4角で徐々に進出して4角で外に誘導。直線序盤もまだ中団だったが、ラスト2Fでじわじわ伸びて好位に上がり、ラスト1Fで一気に伸びて先頭へ。先頭に立ったところでややモタれ、そこを外からワイドエンペラーに差されてクビ差だった。

 前走は逃げ馬が3角から仕掛けてペースアップする展開。逃げ馬の早仕掛けに付き合った馬には厳しい展開だったが、この展開で3~4角からじわっと脚を使いながらも、最後にもうひと脚使って勝ち負けに持ち込んだことは評価できる。

 今回は3勝クラスの身でG2に挑む形となるが、前走指数はなかなか高く、重賞上位レベルのもの。それでありながらハンデは52Kgを恵まれた。ハンデの優位性を活かしての一発があっても不思議ない。

△ (13)サヴォーナ

 今年1月の日経新春杯では、後の天皇賞(春)2着馬で、宝塚記念を制するブローザホーンと小差の2着と好走した馬だ。

 日経新春杯は13番枠からやや出遅れたが、そこから促して先行策。1角で内に入れ、道中は好位の最内を追走した。

 3~4角では逃げるディアスティマの後ろから楽な手応えで最内を通すも4角では進路を作れず、やや窮屈になって仕掛けを待たされたが、直線序盤で進路ができると内からじわじわ先頭のサトノグランツに並びかける。ラスト1Fでサトノグランツをかわして先頭に立ったが、外からブローザホーンに差されて1馬身差の2着だった。

 この日経新春杯はタフな馬場でかなりのハイペース。前へ行った馬には厳しい流れで、上位入線馬の中では前半もっとも前の位置で進めたサヴォーナが一番強い内容だった。それを裏付けるように、このレースで自己最高指数を記録している。

 その後、芝3000m以上のレースでは指数を落としていることや、昨秋の神戸新聞杯(阪神芝2400m)で2列目の最内をスムーズに立ち回り2着に善戦したことから、本馬のベスト距離は芝2400m前後と見ている。

 前走オールカマーは逃げた10番人気アウスヴァール、2番手の12番人気リカンカブールが2着、3着に粘る前有利の展開で出遅れ。そこからしつこく促して好位の外、向正面で押し上げていったためにラスト1Fで甘くなり、レーベンスティールに差されて4着だった。

 本馬は末脚に優位性がないため、前走は無理に先行させた面もあるが、それでも崩れなかった点は評価できる。今回は休養明け2戦目となるが、前走をある程度の好指数で走っているので、ここでの大幅な前進は期待しにくいが、多少の前進はあると見ている。

△ (14)セレシオン

 前走の新潟記念はハナ差2着。ここでは7番枠から出遅れ、かなり押して出鞭まで入れたが、最後方からの追走となった。

 道中も最後方で内目を通し、3~4角で2列目の内まで上がって直線へ。序盤でかなり押されてもなかなか伸びなかったが、ラスト2F目で徐々に伸び始め、馬群をさばいていく。ラスト1Fではグンと伸び、早めに抜け出したシンリョクカにハナ差まで迫った。

 前走はエンジンがかかってからラスト2F目でスムーズにさばいて上がってきたが、アリスヴェリテが緩みないペースで逃げ、3~4角でもペースを落とさなかったことで、差し追込馬有利の展開となり恵まれた。今回は一転して追込馬が届きにくいレースだけに、そこは不安だ。

 ただ前走は3回新潟8日目の時計が掛かる馬場で、レースの前半3Fは35秒4と速かった。前半が遅くなる今回の舞台であれば、追走にそこまで苦労することはないだろう。

 はっきりと出遅れる面があり、内枠だと序盤で被されて位置を挽回できない可能性もあったが、外枠なら序盤で動いて挽回できる。絶望的な位置にはならないはずだ。エンジンがかかってから急追するタイプなので距離延長も好ましく、警戒はしておきたい。

△ (16)ショウナンバシット

 札幌芝2600mで2連勝した上がり馬。時計の掛かる洋芝で行われた前走タイランドCは、4番枠から好スタートを決めて押していったが、外の2頭が速く、控えて2列目の最内を追走した。

 スタンド前でも逃げ馬の後を離されずについて行き、向正面でも2列目の最内で我慢。しかし、3角手前で外からディナースタがマクってくると、そこからペースが上がる。

 3~4角の最内から仕掛け、4角では内の進路をさばいて直線序盤で先頭に。ラスト1Fで外から伸びたゴールデンスナップとの叩き合いとなったが、アタマ差で振り切って勝利した。

 前走はペースが上がった3~4角で最内をロスなく立ち回れたにせよ、3着のハヤヤッコには5馬身差をつけており、本馬が記録した指数はここではNo.1。この夏に一皮むけたようだ。

 ただ超高速馬場でかなりのスローペースとなった4走前のメトロポリタンSでは、2番手を上手く追走しながらも逃げたバトルボーンに完敗しての4着。さかのぼれば、同レース以上の超高速馬場となり、かなり速い上がりが求められた神戸新聞杯でも、末脚を生かす形で苦戦している。

 前走はタフな馬場で上がりの掛かる展開になったことが好走の要因であり、東京の高速馬場は課題。昨日のような時計が掛かる馬場ならこの馬の強みが活かされたが、良馬場まで回復するとさすがに割引が必要だ。また、前走の疲れも多少あるとは見ている、それでも芝2400m以上ではしっかり先行できるようになっているので、大崩れははなそうだ。
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■1角までの距離が短く、内枠有利の舞台

 このレースが行われる京都ダ1800mの舞台は、初角(1角)までの距離が286mと短く、外枠の馬は最初で外に張られ、その後に内に入れるのが難しくなる。

 このため京都開催時のみやこSの過去10年では、馬番1~4番が5勝、2着3回、3着2回と内枠が圧倒的に活躍している。特に馬場が軽くて速い時計の決着になると、その傾向が顕著。

 不良馬場で1分47秒8の決着となった2015年は、馬番1~4番が1~3着を独占。7番人気で優勝した2番枠のロワジャルダンを始め、馬券に絡んだ馬は全て4番人気以下だった。今年は重馬場。さて、結果はいかに?

京都11R みやこS ダ1800m
 ◎ (1)プロミストウォリア
 ○ (3)ドゥラエレーデ
 ▲ (15)サンライズジパング
 △ (4)ミッキーヌチバナ
 △ (9)ハピ
 △ (5)デリカダ
 △ (6)ダンテバローズ
 △ (13)アウトレンジ
結論 馬連1-3,15,4,9,5,6,13 (15:15:5:5:4:3:3) 複勝1 (50)]

■有力馬と評価ポイント

◎ (1)プロミストウォリア

 骨折による長期休養明けから2022年10月に復帰し、怒涛の5連勝で東海S、アンタレスSを優勝した馬。4走前の東海Sは時計の掛かる馬場で前後半4F50秒2-48秒6のかなりのスローペースで逃げ切り勝ち。3走前のアンタレスSは一転して、超高速馬場で前後半4F47秒5-後半4F50秒1の緩みない超ハイペースで逃げ切りを決めた。

 3走前は12番枠から五分のスタートだったが、そこから押してハナを主張し、主導権を握った。しかし、終始メイショウカズサにマークされていたためにペースを緩められずに激流に。3~4角で手が動いてメイショウカズサとの差を1馬身半差に広げて直線へ。序盤でそのまま突き放して2馬身半差。ラスト1Fでも踏ん張り、ヴァンヤールに半馬身差まで詰められたが押し切った。

 3走前はとてもしぶとい内容で、自己最高指数を記録。前々走の帝王賞では3走前よりも楽な展開でありながら、逃げ切れずの5着だったが、これは疲れによるものが大きい。

 本馬は前々走後、再び長期休養となったが、始動戦の前走エルムSでは大外14番枠だったこともあり、無理して前に行かせず、好位の外を追走。結果、終始外々を回るロスを作って7着に敗れた。

 今回は前々走から立て直されての一戦。逃げ馬の本馬にとっては歓迎の1番枠を引き当てた。今回は同型馬(12)ミトノオーが出走しているが、同馬は外枠。1角まで286mのこの舞台なら、本馬がハナを切る可能性が高い。

 またミトノオーに終始マークされる形になったとしても、調子さえ取り戻していれば超高速馬場を味方に上位争いに加われると見ている。肝心の調子はどうかというと、この中間、栗東坂路で本数を出して負荷をかけていることから、休養明けではあるが、調子は悪くなさそうだ。

○ (3)ドゥラエレーデ

 昨年のチャンピオンズCの3着馬。ここでは5番枠から五分のスタートだったが、しっかり促されて先行策。外のレモンポップが内に切れ込むと、その外に誘導して2番手を確保。道中は同馬をマークし、3~4角で軽く仕掛けて同馬と半馬身差で直線へ。序盤でレモンポップに差を広げられたが、内から迫るテーオーケインズを退け、最後は外からウィルソンテソーロに差されて1馬身1/4差+クビ差となった。

 チャンピオンズCは内有利の馬場で、前後半4F48秒8-49秒7のややハイペース。やや前有利の展開を上手くレモンポップの外2番手を追走しており、完璧に近い騎乗だった。

 その次走の東京大賞典もスタートで躓いたが、すぐに立て直して逃げるウィルソンテソーロの外2番手を追走して小差の3着。前々走のエルムSでもハナを主張した(12)ミトノオーの外からプレッシャーをかけに行ってクビ差の2着と、ダート1800m~2000mで2番手の外でレースを進めた時は、まず、崩れていない。前に行って持久力を活かしてこそなのだろう。

 今回は(12)ミトノオーや(13)アウトレンジがいるので、2番手を取るのは難しいが、4,5番手の内には行けるだろう。好位の内をロスなく立ち回れれば、上位争いに加われると見る。

▲ (15)サンライズジパング

 ホープフルSで3着後は長らく芝路線を使われていたが、一線級が相手では苦しく、前々走の不来方賞から再びダート路線へ。前々走では7番枠から五分のスタートだったが、そこから押して先行策。じわっとスピードに乗せて好位の外を追走した。道中も2列目の外で進めて3角へ。

 3~4角でも楽な手応えで2列目の外からじわっと押し上げ、4角では鞭も入れたが、逃げるカシマエスパーダにやや置かれて1馬身差。それでも直線序盤でしぶとく伸び続けで同馬に並びかけ、ラスト1Fで抜け出して3馬身差の完勝だった。ここで鳳雛Sを重賞レベルの指数を記録したカシマエスパーダを撃破した内容は評価できる。

 前走のジャパンダートクラシックは、休養明けの不来方賞でジャパンダートクラシックの出走権を絞り取りにいった疲れで、直前まで出走未定だったが、何とか出走にこぎつけて3着に善戦。2列目の内でフォーエバーヤングにプレッシャーを掛けて行く消耗度の高い競馬で、最後の直線序盤で早々と手応えが怪しくなったが、それでも離されたとはいえ3着を死守したのは地力があればこそ。

 今回は休養明け3戦目で近走からの上積みが期待できる。しかし、今回は大外15番枠と、先行馬の本馬にとって最悪の枠に入ってしまった。ただでさえ1800mは忙しい距離で終始外々を回るロスを強いられた場合は苦しいが、どこかで上手く内目に入れられればチャンスがある。

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