■実績馬が揃って末脚型の一戦
今週のマイラーズCでワン、ツーを決めた(11)ソウルラッシュも(7)セリフォスも末脚型。昨年の富士Sで2着し、今春の京王杯スプリングCでも2着の(9)レッドモンレーヴも末脚型である。実績馬が末脚型だけに、それらよりも前の位置から抜群の瞬発力を生かせる馬に期待したい。
東京11R 富士S 芝1600m
◎ (10)クルゼイロドスル
○ (7)セリフォス
▲ (11)ソウルラッシュ
△ (15)パラレルヴィジョン
△ (16)ジュンブロッサム
△ (4)ゴンバデカーブース
△ (9)レッドモンレーヴ
△ (14)ロジリオン
結論 馬連10-7,11,15,16,4,9,14 (13:13:7:7:4:3:3) 複勝10 (50)
◎ (10)クルゼイロドスル
前走の関越Sの覇者。前走では4番枠から出遅れたが、そこからコントロールしながら中団馬群の中目に入れて折り合いに専念する形。3~4角でも中団中目で我慢し、直線序盤で外に誘導。ラスト2Fで一気に好位列まで上がり、ラスト1Fでもしぶとく伸び、前を捉え切って3/4差で勝利した。
クルゼイロドスルはリバティアイランドが豪快に伸びた新馬戦で2着に善戦し、その次走の東京芝1600mの未勝利戦では、出遅れて後方から抜群の瞬発力を見せて勝利。一方、翌年1月のジュニアCでは大外13番枠から逃げの手に出て4馬身差で圧勝している素質馬だ。
本馬は折り合いに課題があって出世が遅れた面があるが、スピードが生かせる高速馬場の芝マイルでは、抜群の末脚で容易に崩れない強さを見せている。
前走はレコ―ド決着だったように、夏の新潟開幕日の超絶高速馬場を考慮しても芝マイルのように緩みなく流れており、上手く折り合いもついていた面がある。あくまでもベストは高速馬場の芝マイル線だけに、今回は相手強化になるが、案外と低評価のここは一考したい。
○ (7)セリフォス
2022年に3歳春の段階で挑んだ安田記念で4着。同年秋には富士Sと阪神芝1600mで行われたマイルCSを連勝と、早期から活躍していた素質馬だ。
2022年のマイルCSでは、10番枠から五分のスタートを切り、促されて中団中目を追走。ただ序盤のペースがやや遅く団子状態だったために、位置が下がって後方からの追走となった。3~4角では中団の中目の馬たちが包まれてしまっている状況下だったが、4角出口で外に誘導。直線序盤の伸びは地味で中団に取りつくまでだったが、ラスト1Fで一気に前を捉えて1馬身1/4差で完勝した。
ここでは時計の掛かる馬場で先行勢がラスト1Fで甘くなったことや差し勢の中では比較的スムーズに運べていたことも好走要因だが、スピードが乗ってからの末脚は確かなものがある。
昨春の安田記念は2着。その後に夏負けした影響で秋の富士Sを回避。調整が狂ってしまって昨秋のマイルCSは8着、香港マイルで7着に敗れたが、そこから立て直された前々走のマイラーズCでは2着。
ここでは3番枠を利して中団最内を上手く立ち回るも、口向きの悪さや直線序盤で詰まる場面がありながらも2着に善戦しており、復調気配を感じさせた。前走の安田記念は休養明けのマイラーズCで一変の好走をした疲れで小差の5着に敗れたが、本馬は鉄砲駆けするタイプ。ここは期待したい。
▲ (11)ソウルラッシュ
前々走は稍重で行われたマイラーズCを休養明けで快勝。14番枠からまずまずのスタートを切ったが、そこから押してもあまり進まず、中団中目を追走。道中も促されながら追走し、3~4角の外からじわっと好位列まで押し上げていく。
4角では大外をぶん回しながら勢いに乗せ、直線序盤で3/4馬身ほど前に出る。ラスト1Fでそのまま抜け出し、(7)セリフォスを突き放して1馬身3/4差で完勝した。
前々走はやや時計の掛かる馬場で、前後半4F45秒6-46秒9のややハイペース。4角で大外を回してはいるが、4角ではペースダウンしており、仕掛けのタイミングとしてはドンピシャだった。それでも、セリフォスを離して自己最高指数を記録した辺りに地力強化を感じさせた。
前走の安田記念は3着。休養明け好走後で指数をダウンさせたが、中団中目から4角出口で外に誘導し、外からナミュールに並ばれても負けじと伸びており、半馬身+ハナ差の3着は立派な内容。近2走の内容は申し分ないが、この中間の追い切りが地味で評価を下げた。
△ (15)パラレルヴィジョン
デビューから芝2000mを中心に使われ、4戦目で2勝クラスを勝利したが、準OPに昇格してからは善戦するもののなかなか勝てずにいた。その後は初ダートのマイル戦で差し有利展開に恵まれて勝利すると、初の芝マイル戦となったニューイヤーSも勝利。続くダービー卿CTで初めての重賞制覇を達成した。
ダービー卿CTでは2番枠から好スタートを切ると、外のセッションを行かせて2列目の最内を確保。その後、外から折り合いを欠いたエエヤンがハナを奪って単騎逃げしたことで、離れた3番手の外を追走することになった。4角では離れたエエヤンを一頭分外から追いかけ、2番手まで上がって直線へ。序盤で4馬身ほどあった差をじわじわ詰め、ラスト1Fで同馬を捉えて3/4差で勝利した。
パラレルヴィジョンは芝1800mでもラストで甘さを見せていたが、マイル戦になるとそれが解消された。なお、ニューイヤーSとダービー卿CTでは、やや遅めのペースを先行する形での勝利だった。しかし、次走の安田記念では13着と大敗。そこから立て直された関屋記念でも巻き返せず14着に敗れた。
今回は再び立て直されてC.ルメール騎手が騎乗、状態は上がってきているのだろうが、一変までとなると疑問もあり、あくまでも穴馬の推しの一頭という評価になる。
△ (16)ジュンブロッサム
共同通信杯、アーリントンC、神戸新聞杯ともに4着の実績に、2勝クラスでは何度も連対している実力馬。2勝クラスを勝ち上がるのに7戦も要したが、4走前のロードカナロアCで中団の外から強烈な末脚で今夏のサマーマイルの覇者ドゥードジボンを差し切って勝利。前々走の3勝クラスの水無月Sも外から差して圧勝すると、前走の関屋記念でも3着と健闘した。
前走は6番枠から出遅れたが、中目の枠でもあり挽回が難しく、後方2列目まで下がってしまった。道中もペースが上がらない中で、後方2列目で動けないまま3角へ。3~4角でもペースが上がってこない中、後方外からじわっと進出して直線へ。ラスト2Fで追われるとじわじわ伸びて中団列まで上がり、ラスト1Fでドゥードジボンとも差は詰められなかったが、2着ディオには半馬身差まで迫った。
前走は前後半4F47秒7-45秒2のかなりのスローペース。逃げたドゥードジボンに向く前有利の展開で、よく追い込んだ内容だった。ジュンブロッサムはゲートも二の脚も甘く、芝マイルは自ら動けない点がネック。ここではその弱みが出る可能性もあるが、末脚は実績上位馬に見落とりしないものがあるだけに警戒が必要だ。
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京都11R オータムリーフS ダ1400m
◎ (13)スマートフォルス
〇 (11)ライツフォル
▲ (2)ゼルトザーム
△ (12)ジュンウィンダム
△ (14)ロードエクレール
△ (6)エルゲルージ
△ (7)グレイイングリーン
△ (8)グラティアス
結論 馬連13-11,2,12,14,6,7,8 (18:10:7:7:5:2:1) 複勝13 (50)
■有力馬と評価ポイント
◎ (13)スマートフォルス
デシエルトやサンラーズアムールなど、オープンの強豪が集結した4走前のすばるSの2着馬。同レースでは14番枠から五分のスタートを切って、無理なく中団やや後方中目を追走。3角手前から押し上げて4角出口で外に誘導し、好位の外から直線へ。直線序盤で追われるとすっと3列目付近まで上がり、ラスト1Fでもしぶとく伸び続け、早めに抜け出したテーオーステルスに3/4差まで迫った。
4走前はサンラーズアムールのオーバーペースの逃げで、展開に恵まれた面はあったが、3歳時の端午S勝ちの実績を含めてオープンやリステッドで1勝2着4回の実績はここでは上。
またスマートフォルスはダ1400mがベストでダ1200mだと後方からの追走になるので、上がりが掛かってくれないと苦しいものがあるが、3走前の令月S、松風月Sは上がりの速い決着だった。
また前走の天保山S(ダ1400m)では15着と大敗しているが、これは休養明けで好走後の疲れ残りの一戦で、速い流れを積極的にポジションを取りにいったことが主な敗因。
今回はそこから立て直されて、距離もベスト。今回は逃げ候補が大外枠の(14)ロードエクレールとテンの速い馬がいない状況下だけに、ある程度、積極的に出して行く可能性が高いが、前走での厳しい流れを糧に、ここは踏ん張れそうだ。