2024年 京都大賞典の予想 – 競馬予想 – 山崎エリカ –

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2024.10.06
2024年 京都大賞典の予想

■京都芝2400mはステイヤーが活躍の舞台

 京都大賞典は基本的には前半が遅い傾向。ただし、3角の下り坂でペースが上がって、レース最速がラスト3~4F目になるなど、後半の仕掛けが速くなっている。つまり、ステイヤー色の強いレースになっているということだ。

 このため京都実施時の過去10年では逃げ馬の2着は1回のみ。距離が長くなるほど、逃げ切りが困難になってくるのもあるが、先行馬も2着は4回あるものの2勝しかしていない。よって、中団~差し有利で穴馬は先行馬というスタンスで予想したい。このラインより上のエリアが無料で表示されます。

京都11R 京都大賞典 芝2400m
 ◎ (1)サトノグランツ
 ○ (9)ドクタードリトル
 ▲ (11)ブローザホーン
 注 (7)ディープボンド
 △ (10)バビット
 △ (5)ジューンアヲニヨシ
 △ (3)メイショウフレゲ
結論 馬連1-9,11,7,10,5,3 (10:20:11:3:5:1) 複勝1 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (1)サトノグランツ

 今年1月の日経新春杯で(11)ブローザホーンと0.3秒差(3着)に好走した馬。ここでは大外14番枠から促して好位の外まで進出。道中は前4頭からやや離れた5番手を追走した。3~4角で仕掛けて好位の外から2列目まで上がり、4角で内に切れ込んで先頭。直線序盤はしぶとく踏ん張って先頭を維持したが、ラスト1Fで甘くなり、そこを内のサヴォーナ、外のブローザホーンに差された。

 日経新春杯はタフな馬場で前後半5F58秒3-60秒9のかなりのハイペース。さすがに前半である程度ポジションを取りに行っての3~4角からの仕掛けは早すぎた。一方、ブローザホーンは恵まれての優勝だったのだ。

 サトノグランツは超高速馬場の神戸新聞杯で中団からメンバー最速の上がり3Fを駆使して優勝しているように、高速馬場の上がりの速い決着にも適性がある。

 前走の目黒記念では(2)ケイアイサンドラが単騎で逃げて前後半4F61秒9-58秒7のかなりのスローペース。先行馬有利の展開を好位の内目でレースを進めながらも前の(4)シュヴァリエローズをかわせずの4着とやや物足りない内容だったが、海外帰りの休養明けの一戦だったのもあったはず。得意舞台で開幕週の内枠を引き当てたここは巻き返しに期待したい。

○ (9)ドクタードリトル

 前走の関ケ原Sで3勝目を挙げた馬。前走は6番枠から五分のスタート後、軽く促されていたが、あまり進まず後方2番手からの追走。道中は前2頭が飛ばしていったが、向上面で最後方からカランドゥーラが位置を押し上げると、それを追う形でじわっと好位に上がって3角へ。

 3~4角で外を回るロスを作って4角では位置が下がったが、ラスト2Fで再び2列目付近に上がり、ラスト1Fで突き抜けて3馬身差で完勝した。

 前走は中京開幕週で内と前が圧倒的に有利な馬場だったが、外を回って重賞でも上位争い可能な指数で完勝。中距離ではテンに置かれて追走に忙しい競馬になっていることと、トップスピードが長く維持できるスタミナがあるので、今回の距離延長が吉と出る可能性が高いと見ている。

▲ (11)ブローザホーン

 タフな馬場で行われた昨夏の札幌日経OPの覇者。ここでは6番枠から五分のスタートだったが、かなり押して先行策。前3頭が飛ばして行った中、離れた単独4番手を追走した。向正面ではややペースが落ち、アケルナルスターが上がってくると抵抗して3角手前で仕掛け、3~4角ではもう先頭。4角で再び仕掛けて3馬身差のリードで直線に入り、ラスト1Fで突き抜けて6馬身差で圧勝した。

 本馬はこの時点でGⅠ通用級の指数を記録。今年1月の日経新春杯を優勝すると、春の天皇賞で2着。そして前走の宝塚記念でGⅠ制覇を達成した。

 前走は距離が短く前半は追走に苦労していたが、時計の掛かる馬場で上がりを要したことや外有利の馬場も後押ししての追い込み勝ち。春の天皇賞を目標にした後の一戦で結果を出したことは大きく、今回は距離延長で前走よりも追走が楽になるはず。ただし、今回は京都開幕週で超高速馬場、内有利の馬場で大外11番枠となると届かいない可能性もある。そこをやや割り引いた。

注 (7)ディープボンド

 春の天皇賞で2021年から連続3着、今年は3着。阪神大賞典でも2021年、2022年と二連覇しているステイヤー。その中でもっとも高指数を記録したのは重馬場で行われた21年の阪神大賞典だ。

 21年の阪神大賞典では後方1番手、2番手のユーキャンスマイル、ナムラドノヴァンが台頭する追込有利のレースとなったが、ディープボンドは12番枠から好スタートを切って、そこからじわっと控えて好位の外4番手を追走。2周目の3~4角で前との差を詰めて3番手に上がり、直線序盤で2番手から早め先頭に立ったシロニイをかわして1馬身リードを奪うと、ラスト1Fでさらに差を広げて5馬身差で圧勝した。

 追い込み馬が台頭する緩みない流れを、好位から押し切れたのは、豊富なスタミナがあればこそ。本馬はコテコテのステイヤーと言える。それでありながら今春の天皇賞では3着だった辺りに全盛期の勢いは感じさせないが、昨秋の京都大賞典でも休養明けでいきなり3着に善戦しており、世間で言われているほどの極端な衰えも感じさせない。

 昨秋の京都大賞典では4番枠から好スタートを決め、そこから押してじわっと先行策。外から被されて窮屈になり、ブレーキで下がって中団内目に押し込まれてしまった。道中で位置を下げ切って何とか外に誘導したが、結局位置を上げられないまま3角へ。

 3~4角では中団中目をかなり押っつけながら通し、4角でも必死に追われていたが、直線序盤はまだ中団。ラスト1Fで前がバテたところをしぶとく伸びて3着横一線を制して(8)プラダリアとクビ+3/4差だった。

 昨秋の京都大賞典は重馬場で、上がりが掛かる展開が味方したのもあるが、前半のポジションダウンがなければもっと際どい決着になっていたと推測される。今年は超高速馬場でこれ自体は減点材料だが、昨年よりも先行勢が手薄で好位かその直後くらいの位置でレースを進められると見ている。

 前走の宝塚記念は前々走で好走した後の一戦で距離も短く、中団外から追走する形となり、最後の直線でも馬場の良い外に出し切れずに7着敗退。昨年の京都大賞典の勝ち馬プラダリアは前走の宝塚記念を大目標にした後の一戦ということもあり、人気のない本馬に食指が動いた。

△ (10)バビット

 2020年に4連勝でセントライト記念を逃げ切り勝ちした馬。その後、長らく不振だったが、4走前の京都記念では3着とセントライト記念以来、久々に馬券に絡むことができた。

 4走前は1番枠からまずまずのスタートを切り、押してハナを主張。外からアフリカンゴールドがハナを主張すると、同馬を行かせて2番手を追走した。道中はアフリカンゴールドから3馬身ほど後ろを維持して追走し、3~4角では最内から同馬との差を詰める。

 最後の直線では外差し有利の馬場を意識して外に出して行ったが、バビットは最内にこだわり、序盤ですっと伸びて先頭に立ち、1馬身半ほど前に出る。ラスト1Fで甘くなり、外差し勢に屈する形となったが、3着は死守した。

 前記の京都記念はアフリカンゴールドに行かせたことでペースが上がらなかったことが功を奏したもの。本馬は逃げて苦しいレースばかりさせているで、前半で無理のない入り方ができると善戦することがある。

 また、その前のレースで芝よりもタフなダートで逃げバテとしっかり負荷をかけたことが、粘り強化に繋がった面がある。今回も前走の七夕賞でオーバーペ―スで逃げバテしており、負荷が掛かっている。内の(2)ケイアイサンドラに行かせて、2番手でスローペースという展開になれば面白い。

△ (5)ジューンアヲニヨシ

 休養明けの3走前鳥丸S(3勝クラス・芝2400m)で成長を見せ、なかなかの好指数で勝利した馬。3走前は2番枠から五分のスタートだったが、そこから促して3列目を追走。3~4角でペースが上がったが、徐々に進出してエメヴィベールの後ろから外に誘導して直線へ。序盤で2列目まで上がり、残り100mで先頭。そこでやや内に寄れたが、そのまま押し切った。

 3走前はややハイペースで中団有利の展開に恵まれ、自己最高指数を記録。前々走の目黒記念は休養明けで好走した疲れで12着敗退。前々走は超絶高速馬場で前後半5F61秒9-58秒7のかなりのスローペース。前へ行った馬と瞬発力がある馬が有利な展開だったが、1番枠から出遅れて先頭からかなり離れた中団内目の追走となり、能力を出し切ることができなかった。

 休養明けの前走、新潟記念は芝2000mで距離が忙しく、道中も最後の直線も内にモタれて9着敗退。とても能力を出し切ったと言える内容ではなかった。ひと叩きされて距離延長、実績のある京都芝2400mで巻き返しが期待できる。

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