2024年 関屋記念の予想 – 競馬予想 – 山崎エリカ –

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2024.08.11
2024年 関屋記念の予想

■新潟芝1600mは意外に“前”から押し切ることができる

 関屋記念は超高速馬場となりやすい新潟外回り芝1600mで行われる。このコースはゲートから3角までの距離が約550m。最初のコーナーまでの距離が長いと差し馬有利をイメージしがちだが、意外にも過去10年では逃げ馬が2勝、2着2回、3着1回と活躍し、連対馬20頭中7頭は逃げ、番手と前へ行く馬が結果を出している。

 初角までが長いので、前半のペースはそこまで遅くないが、日本最長となる約659mの最終直線を意識して中盤で一度緩むことが多く、過去10年でハイペースになったことは一度もない。そのため、一昨年にはシュリ(2着)が逃げて、番手の馬と“行った行った”の競馬となった。このように、これまで楽に前へ行けなかったシュリのような馬が最初の長い直線を利用し、好位を確保して好走するパターンも多い。今回はそれを踏まえて予想を組み立てたい。

本日2番 新潟11R 関屋記念 芝1600m
 ◎ (11)サンライズロナウド
 ○ (9)グランデマーレ
 ▲ (8)ロジリオン
 △ (6)ジュンブロッサム
 △ (10)パラレルヴィジョン
 △ (1)ディスペランツァ
 △ (3)コレペティトール
 △ (4)サクラトゥジュール
 △ (13)プレサージュリフト
 △ (14)ディオ
 △ (16)オニャンコポン
結論 馬連11-9,8,6,10,1,3,4,13,14,16 (10:10:9:9:2:2:2:2:2:2) 複勝11 (50)


■有力馬と評価ポイント

◎ (11)サンライズロナウド

 デビューから7戦はダートを使われ、1勝クラスを低迷していたが、芝に転向すると一気に上昇。芝2000mの1、2勝クラスをそれぞれ勝利した。その後、今年1月の芝1400m・新春S(3勝クラス)を見事に差し切ると、次走のシルクロードSで4着、続く阪急杯では3着と健闘した。

 その阪急杯では2番枠から五分のスタートを切るが、軽く促されると行きたがってブレーキをかけられる場面があるなど、ややチグハグな入り方で中団の最内を追走。道中では位置を押し上げて行ったが、3~4角ではワンテンポ我慢させると、“かかって”しまい苦労しながら3列目で直線へ。序盤で中目に誘導し、ラスト1Fで前2頭に並びかけるところまで迫ったがハナ+クビ差の3着だった。

 前走の海外遠征での芝1200m戦は、前が残る流れを出遅れて後方からの競馬になったのでこれは参考外だが、本馬は距離が短いとコントロールしやすい反面、ワンパンチ足りない。芝2000mの長久手特別(2勝クラス)では、暴走して前後半5F57秒6-後半61秒1という、かなりのハイペースで逃げ切った実績がある。

 本質的には、中距離の逃げ先行でスタミナを生かす競馬が向いているが、現状の気性を考えるとマイルくらいがちょうどいいだろう。今回は長久手特別で鞍上だった横山典弘騎手に戻り、リズム重視で先行する可能性が高いと見て本命馬とする。

○ (9)グランデマーレ

 2019年の新馬戦を逃げ切り、デビュー2戦目の葉牡丹賞では道中2番手から4角で堂々と先頭に立つ競馬で勝利した素質馬。そこから長期休養明けで挑んだ神戸新聞杯では17着と大敗したが、その後は芝マイル路線で再浮上。2、3勝クラスと連勝し、2022年にはニューイヤーSで2着に健闘した。

 このニューイヤーSは13番枠。中山芝1600mで不利となる外枠だったが、まずまずのスタートを切って、ひとつ内のボンセルヴィーソに付いて行く形で2番手外を確保した。道中も淡々とレースが流れる中でポジションを維持し3角へ。3~4角でボンセルヴィーソにじわっと迫って半馬身差で直線へ。しぶとく粘る同馬をゴール手前で何とか交わしたが、外からカラテに差されてしまいクビ差2着だった。

 このレースでは重賞でも通用する指数を記録しており、重賞で勝ち負けするのは時間の問題となるはずだった。しかし、その後は度重なる骨折で複数回の休養を余儀なくされたが、昨秋の信越Sで2着、続くオーロCでは1着と復活を果たした。

 今年は3戦いずれも凡退しているが、前々走の京王杯スプリングCは3~4角の中団最内で包まれ、直線でも前が壁になるなどしての9着敗退。前走のパラダイスSは前と内が残る流れを14番枠から出遅れて中団外からの追走となり、終始3頭分外を回るロスが生じて12着と、明確な敗因がある。

 また、この馬は先行してこそ能力を出し切れる馬。近2走、短い距離を使われているので、マイル戦の今回は楽に先行できるはず。ここでの復活を期待する。

▲ (8)ロジリオン

 デビュー4戦目の京王杯2歳Sで2着、翌年のクロッカスSを勝利と、着実に力をつけてきた馬。続くファルコンSでは1番枠から出遅れて後方最内を追走の形。最後の直線では進路を作れずに5着に敗れた。そのため次走のNHKマイルCでは10番人気まで人気が落ちたが、結果は3着好走と、まともに走ることができれば高い能力を発揮できることを証明した。

 前走のパラダイスSは4着。13番枠から五分のスタートを切り、コントロールしながら好位直後の外を追走。3角手前で内に入れようとしたが、一列下がって、4角では外に誘導して直線へ。ラスト1Fですっと伸びて3番手争いに加わったが、そこから伸び切れずに4着に敗れた。

 このレースは、3角手前で後ろのシュトラウスが“かかった”ことで進路を譲り、そこからチグハグな競馬になってしまった。斤量が軽かったため大崩れはしなかったが、全能力を出し切れたレースではなかった。今回、同じ3歳馬ならば、人気しそうな(1)ディスペランツァよりも1kg斤量が軽いこの馬に食指が動く。

△ (6)ジュンブロッサム

 共同通信杯、アーリントンC、神戸新聞杯ともに4着の実績に、2勝クラスでは何度も連対している実力馬。2勝クラスを勝ち上がるのに7戦も要したが、3走前のロードカナロアCで中団の外から強烈な末脚で(15)トゥードジボンを差し切って勝利すると、前走では3勝クラスの水無月Sを圧勝。晴れてオープン馬となった。

 前走は7番枠から五分のスタート。促されながらも二の脚でやや置かれて中団付近からの追走。道中は中団外目でコントロールしながらじわっと上がって3角へ。3~4角では5番手で先団に対してスペースを維持し、4角で前との差を詰めながら外に誘導して直線へ。序盤で鋭く伸びて4列目から先頭列に並びかけ、ラスト1Fで最内から抜け出したアイスグリーンをしっかり捉えて3馬身差で圧勝した。

 前走でも前後半3F45秒6-45秒9の平均ペースを、中団から末脚の違いを見せつけて勝利。インパクトは大きかったが、二の脚は遅く、芝マイルは自ら動けない点がネック。

 また今回は前走で自己最高指数タイを記録した後の一戦で、前々走の石清水S時のように疲れが出て敗退する危険性があるので評価を下げた。ただし、前々走はタフな馬場だったことも敗因のひとつであり、超高速馬場だとそれなりに走れると見ている。

△ (10)パラレルヴィジョン

 デビューから芝2000mを中心に使われ、4戦目で2勝クラスを勝利したが、準OPに昇格してからは善戦するものの中々勝てずにいた。その後は初ダートのマイル戦で差し有利展開に恵まれて勝利すると、初の芝マイル戦となったニューイヤーSも勝利。続くダービー卿CTで初重賞制覇を達成した。

 ダービー卿CTでは2番枠から好スタートを切ると、外のセッションを行かせて2列目の最内を確保。その後、外から折り合いを欠いたエエヤンがハナを奪って単騎逃げしたことで、離れた3番手の外を追走することになった。4角では離れたエエヤンを一頭分外から追いかけ、2番手まで上がって直線へ。序盤で4馬身ほどあった差をじわじわ詰め、ラスト1Fで同馬を捉えて3/4差で勝利した。

 パラレルヴィジョンは芝1800mでもラストで甘さを見せていたが、マイル戦になるとそれが解消された。なお、ニューイヤーSとダービー卿CTでは、やや遅めのペースを先行する形での勝利だった。

 前走の安田記念では中団中目、優勝馬ロマンチックウォリアーの後ろという絶好位を取りながら、最後の直線では反応が悪く13着に敗れた。これは休養明けのダービー卿CTで好走した疲労によるものが大きい。今回は逃げ馬不在だったダービー卿CT時よりもペースが速くなる想定となり、先行できない可能性もあるが、立て直された効果には期待できる。

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