2024年 レパードSの予想 – 競馬予想 – 山崎エリカ –

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予想

2024.08.04
2024年 レパードSの予想

■ハイペースでも前から押し切りやすいのが特徴

 過去10年のうち、半数以上がハイペースとなっているレパードS。基本的に緩みなく流れると見ていいのだが、差しや追い込みが決まることは少ない。実際、過去10年で逃げ先行馬が7勝。特筆すべきは逃げ馬の活躍で、1着2回、2着3回、3着2回と7回も馬券に絡んでいる。

 これは小回りな新潟のコース形態が影響しており、追込馬は早めに動いて失速してしまうか、トップスピードで4角を回って外に振られ、苦しくなってしまう。差し追い込み馬が上手く脚をタメることができず、逃げ先行馬が残りやすくなっている。つまり、逃げ~中団までを本命視するのがベストで、一発を狙うなら逃げ馬ということになる。

本日2番 新潟7R レパードS ダ1800m
 ◎ (1)ミッキーファイト
 ○ (14)サトノフェニックス
 ▲ (15)アラレタバシル
 注 (4)ジーサイクロン
 △ (6)ハビレ
 △ (9)ミッキークレスト
 △ (11)ブルーサン
 △ (12)サンライズソレイユ
結論 馬連1-14,15,4,6,9,11,12 (10:10:10:5:5:5:5) 複勝1 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (1)ミッキーファイト

 不良馬場の東京ダ1600m新馬戦では出遅れてフラフラ、大きく後手を踏み、中団外まで挽回。それでも最後の直線ではとても届きそうにない位置から驚きの差しきり勝ちを決めた。

 この時点で高い素質を感じさせていたが、それを証明したのが続く中山ダ1800mの1勝クラス戦だった。

 このレースでも15番枠から出遅れたが、二の脚が速く初角までに好位につけ挽回。最終的に2列目の外まで進出し、道中は2番手外のダノンスウィッチを見ながら3角へ。3~4角も淡々と流れたが、2列目外から食らいついて3番手で直線を迎える。

 直線序盤ではまだ(11)ブルーサンと1馬身差だったが、ラスト1Fで抜け出して5馬身差で圧勝。この時点でフォーエバーヤングに次ぐ世代2位の指数を記録した。

 休養明けの前走のユニコーンSは4番枠から五分のスタートを決め、好位の内目を追走していたが、最後の直線では前が壁となり、本来の能力を出し切れなかった。

 今回も1番枠と内枠に入ったが、さすがに工夫してくるだろう。キックバックを受けても問題ないのも強み。キャリアも4戦と浅く、まだ伸びしろも見込めるだけに、ここでのさらなる上昇を期待する。

○ (14)サトノフェニックス

 昨年6月、阪神ダ1200mの新馬戦では2列目の最内を追走し、2着馬に4馬身差、3着馬に7馬身差と大きな差をつけて好指数で勝利した。

 その次戦、ヤマボウシ賞は当時のJRA所属馬のダート頂上決戦のようなメンバー構成。そこで実力馬ナスティウェザーや、後の東京ダービー優勝馬ラムジェットを完封した走りはかなり高く評価できるものだった。

 続戦した兵庫ジュニアGPは2番枠から五分のスタートを切って、押して積極的に出したが位置を取れず、進路を外に切り替えて、好位直後の外を追走した。

 3角手前で前の2頭を捲りに動いたイーグルノワールに対し、外から並びかけて行く強気の競馬で直線序盤はいったん先頭に立ったが、最後はイーグルノワールに差し返されてハナ差2着となった。

 しかし、ここでも3着馬には5馬身差をつけており、2歳の時点としてはかなり優秀な指数を記録している。

 近走はふるわないが、前々走の全日本2歳優駿はスタート直後に挟まれてバランスを崩す不利があり、そこから後手に回る不利があって能力を出し切れなかった。また、前走は海外のレースで、その次走に予定していたUAEダービーは取り消しとなったように、体調面が万全ではなかったのだろう。

 スタミナが不足しがちな休養明けで距離が延びるのは減点材料だが、立て直された効果と休養中の成長力に期待する。

▲ (15)アラレタバシル

 デビューから4戦は芝を使われて良い面が出なかったが、ダートに転じると一変して初勝利。そこからダート路線を歩み、2戦目のもちの木賞では出遅れながら後の活躍馬アンモシエラの2着に食い込むなど、能力の高さを見せた。

 前々走の伏竜Sは休養明けで2着。ここでは4番枠からまずまずのスタートを切ったが、二の脚で置かれて後方2列目の中目を追走。前の(12)サンライズソレイユがやや下がった影響もあって、促されながら後方2列目のまま3角へ。

 3~4角で前のサンライズソレイユが進出すると、それを追い駆けたが前が詰まり、内目に誘導して中団で直線を迎える。序盤ではジリジリとした伸びだったが、ラスト1Fで一気に差を詰めてテーオーパスワードにアタマ差まで迫った。

 二の脚が遅く、テンからスピードに乗れない面やエンジンのかかりがやや遅い面もあるが、最後までしぶといのが強み。前走のユニコーンSは休養明け好走の反動で末脚が不発に終わった面もある。今回は巻き返しに期待したい。

注 (4)ジーサイクロン

 デビューからの2戦は7着、4着と平凡な成績だったが、デビュー3戦目となった3月の阪神ダ1800m未勝利戦では好位の外を追走して5馬身差の圧勝。1クラス上でも通用する好指数で初勝利となった。

 そこからダ1800mで3連勝。前走は13番枠から五分のスタートを切り、そこからじわっと促して好位に進出。道中も好位の外で促しながら進めて3角へ。3角から4角にかけてペースが上がって行く中、仕掛けながら上がって3頭分外を回るロス。3列目で直線を向かえることになったが、しぶとく伸びて2番手まで上がる。ラスト1Fでは先頭と1馬身半はあった差をしっかり詰めて捉え、1馬身3/4差で完勝した。

 前々走の1勝クラス戦は差す競馬で期待ほど高い指数では走れなかったが、前走の2勝クラス戦は2~4着馬にしっかりとした差をつけてなかなかの好指数勝ち。近3走の指数の推移から考えても、現状は好位で流れに乗ったほうが成績を残せそうな感がある。

 また、デビュー当初から無理をしていないので、まだ伸びしろもありそうだ。前走の好指数勝ちからさらに成績を伸ばすのか、それとも疲れが残って今回は足踏みとなるのか。判断が難しいところではあるが、デビューからの上昇度を考えるとここでも警戒が必要な存在だ。

△ (6)ハビレ

 5走前のヒヤシンスSでブルーバードCの3着馬バロンドールを撃破して3着に善戦すると、4走前では1勝クラスを好指数で完勝した馬。

 4走前は5番枠から五分のスタートだったが、コントロールしながら楽に先行。向正面序盤で先頭列の外からポルポラジールが逃げてペースが上がっていく展開の中で、3番手で進めた。3~4角の外から進出して2列目の外で直線へ。序盤はポルポラジールと3馬身ほど差があったが、それを一気に詰めて同馬に並びかける。ラスト1Fでポルポラジールもしぶとかったが、最後に競り落として1馬身差で勝利した。

 4走前は前後半49秒0-50秒9の緩みない流れ。ラスト2F12秒8-13秒2の消耗戦で差し馬有利の流れを、先行策から3~4角でそれなりにロスを作りながら押し切る強い内容だった。

 3走前の京浜盃は4番枠から出遅れ、1~2角で外から被されて窮屈になって中団まで下がり、そこからじわじわ位置を挽回して行く苦しい競馬。結果、勝ち馬サントノーレに大きく離された3着に敗れた。

 また前々走の羽田盃は3番枠から五分のスタートを切って好位の内を追走していたが、ここでも1~2角で外からアマンテビアンコに進路を閉められ、落馬寸前の酷い不利。3~4角でも外から被されて怖がる場面があった。

 前走の東京ダービーは、1~3番手の馬が上位を独占する前有利の流れを4番枠からやや出遅れ、ひとつ外のティントレットがハナへ行くかの勢いで速かったので、中団の最内に控えたことが裏目。また、道中で道中で位置を挽回したことで最後に苦しくなった面もあった。そういう意味でも前走から距離が短くなるここは好ましく、警戒したい。

△ (9)ミッキークレスト

 デビュー2戦目、休養明けの鳳雛Sで3着と健闘した馬。ここでは9番枠から出遅れて挟まれ、3馬身ほど後手を踏んだが、中団やや後方まで挽回して追走。向上面でじわっと位置を押し上げ、3列目の外で3角へ。4角で離されていた前2頭に追いついたが、直線序盤で前2頭に差を広げられ、4馬身+3馬身半差の3着に敗れた。

 勝ち馬カシマエスパーダにはかなり離されたが、同馬は古馬OPでも通用するレベルの指数を記録(ここに出走してきてもNO.1)。またこのレースは前後半4F48秒3-50秒3のハイペース。緩みない流れを、道中で位置を押し上げて(11)ブルーサンと3馬身半ならばけっこう強かったと言える。

 前走の1勝クラスは休養明けで好走した疲れもあって、やや指数を下降させたが、それでも中団の外から好位の外まで上がっていく勝ちに行く競馬で2馬身差の完勝なら上々だ。

 ミッキークレストは◎(1)ミッキーファイト同様にキャリアが4戦と浅く、今回は休養明け3戦目。さらなる前進に期待する。

△ (11)ブルーサン

 前々走の鳳雛Sの2着馬。前々走は4番枠からまずまずのスタート切り、押して二の脚で楽にハナを主張。序盤はコントロールして進めていたが、外から各馬が競ってきたので1~2角でもそこまでペースを落とさすに飛ばしてハナを取り切る。道中でカシマエスパーダが突いてくるのであまり息が入れられないまま3角へ。3~4角でも同馬が競り掛けてくるが、抵抗して3/4差のリードで直線へ。ラスト2Fではカシマエスパーダに先頭に立たれてクビ差。ラスト1Fでは突き抜けられて4馬身差の2着となった。

 しかし、カシマエスパーダは前走時、古馬OPでも通用するレベルの指数を記録(ここに出走してきてもNO.1)。またこのレースは前後半4F48秒3-50秒3のハイペース。逃げて2着ならば高評価できる。

 前走のプロキオンSは14着大敗。前走は13番枠からまずまずのスタートだったが、外から強引にハナを取り、ペースを緩めずに逃げた。そのため、3角から手応えが怪しくなり、4角では一気にヤマニンウルスに交わされ、どんどん後退してしまった。

 ブルーサン羽田盃では出脚が悪く、先手を取れずに最下位に敗れたように、逃げなければ脆い面がある。6走前の1勝クラスでもワイワイレジェンドにハナを取られて5着に敗れている。それゆえに前走は何が何でも逃げたと推測されるが、さすがにダ1700mで前半3F34秒5の短距離ペースは過酷すぎた。

 この舞台は逃げ馬がよく穴を開ける舞台だけに、今回のメンバーならば逃げ切るパターンも考えられるが、7走前にマイペースで逃げながらも(1)ミッキーファイトに5馬身差を付けられてしまったのは不安点と言える。

 羽田盃や東京ダービー組よりも、中央場所を経由している馬のほうが上という実力関係だけに、中心視するには至らない。しかし、この舞台では噛み合う逃げ馬だけに、一考はしておきたい。

△ (12)サンライズソレイユ

 不良の高速馬場で前有利の展開になった京都ダ1800mの新馬戦では、出遅れながら中団外まで挽回して差し切り勝ちを決めた馬。次走のゆりかもめ賞では4着に敗れたが、その後はダートを順調に使われて上昇一途。前々走のユニコーンSでは4着と健闘した。

 そのユニコーンSは6番枠から立ち遅れ、最後方付近まで下がってしまった。そこから押して挽回し、後方3番手を追走。道中は後方4番手のアラレタバシルをマークして進め、仕掛けを待って3角で外へ。 3~4角の大外から仕掛けて中団まで押し上げ直線に向く。序盤はジリジリという伸びだったが、ラスト1Fでもうひと伸びして前に迫った。3着ミッキーファイトとの差は詰められなかったが、それでも同馬と1馬身3/4差に健闘している。

 そこから連闘策で出走した東京ダ2100m戦を勝利。ここでは11番枠から五分のスタートを決め、軽く促して中団の外目を確保。逃げ馬が大逃げする展開を、先団4頭から離れた中団馬群の先頭列の外を追走した。

 3角前で内に誘導。3~4角でペースダウンすると、そこで内目をすくって4角で先頭に並びかける。直線序盤で外からアムールドパリが先頭に立つと、本馬も前に出て一騎打ち。相手もしぶとかったが、ラスト2Fで前に出ると、ラスト1Fでやや差を広げて半馬身差で勝利した。

 前走はアスクナサニエルが大逃げを打ってハイペースとなり、実質差しのちょうどいい位置でレースを進めることができた。

 今回は連闘後の休養明けの一戦。前走は前々走比でやや指数を下げてはいるが、おおよその能力を出し切った後だけに楽をさせている可能性が高い。そこが不安ではあるが、もともとの能力の高さから軽視はできない。

推定2番人気 (8)ソニックスター

 阪神ダ1800mの新馬戦では、1番枠から好スタートを切りながらも被されるとキックバックを嫌がり、位置を下げて中団中目を追走。3~4角の外を回って、最後の直線では捻じ伏せるように差し切った。

 長くいい脚を使い、同日の古馬戦と比較しても見劣りしない上がり3F37秒5を記録しているが、ラスト2Fを見ると12秒3-13秒0とラスト1Fで失速する展開を差し切ったもの。次走のカトレアSでは2番人気に支持されていたが、新馬戦の内容からさすがに苦しいと見ていた。

 実際、そのカトレアSは前後半4F47秒4-50秒1の激流を好位の中目で進めていたが、中団の外目に下がってラスト2Fではもう手応えがなく、11着と大敗している。

 それでも、その後は東京ダ1600mで2連勝。前走の青竜Sは7番枠からまずまずのスタートを切り、そこから促して2列目の一角にはいたが、外から折り合いを欠いた2頭に競り掛けられ、慌ただしい展開に。抵抗する姿勢もみせたが、ハナ争いが激化すると一列下げた。

 3~4角では2列目の中目。直線序盤で先頭列3頭から外の馬が失速すると、前2頭の外に誘導。ラスト2Fですっと先頭に立って1馬身ほど前に出る。ラスト1Fでは外から各馬が迫ってきたが、踏ん張ってクビ差で勝利した。

 前々走の1勝クラス戦では大外14番枠からトップスタートを切りながらも、前後4F46秒5-51秒5の激流となったため、位置が下がって好位の直後を追走することになった。

 ところが、前走の青竜Sも前後半46秒2-50秒0の激流となった中、前半は位置を取り、下がったというよりはあえて下げる形で勝利している。前々走は前崩れの展開に恵まれた面があったが、前走はある程度勝ちに行っての勝利だった。

 前走時で馬体重550kgという大型馬だが、レースを使われるごとに緩さが改善され、気配も良化してきた。前走ではこれまでよりも前の位置でレースを進めることができ、自己最高指数で勝利したことは褒められる。

 しかし、今回はそこから休養明けの一戦。休養中にさらに成長していればチャンスはあるが、消耗の激しいレースは次走にも影響が残るもの。実際に青竜Sの2、3着馬は次走自己条件でも敗れているだけに、評価を下げて見るのもひとつの手段だ。

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