■メイショウフンジンの三度目の正直はあるか?
一昨年のマーキュリーCで7着、昨年は3着の(1)メイショウフンジンが1番人気に支持されている。一昨年は序盤からかなり押してノーヴァレンダのハナを叩いて逃げたが、向正面でテリオスベルが捲ってペースアップし、差し馬が台頭する展開となって7着敗退。
また、昨年は一昨年の反省を踏まえて向上面でテリオスベルにハナを譲って2番手に控えたが、結果、最後までテリオスベルをかわせず、外から一気にウィルソンテソーロに差されて3着敗退。昨年は前日まで雨が降り続いた影響で前有利の馬場だった。
今回はテリオスベル不在。今度こそ逃げ切りが期待されるが、本日は差しも利く馬場。ブリリアントS時のように上手く逃げられるか、あるいは前走の平安S時のように他を行かせて2番手で折り合ってもいいが、いかにペースを上げずに、かつ捲られずに行けるかが焦点となる。
好走幅が案外と狭かったりするのだが…このラインより上のエリアが無料で表示されます。
盛岡12R マーキュリーC ダ2000m
◎ (9)クラウンプライド
○ (11)ギガキング
▲ (3)テンカハル
注 (1)メイショウフンジン
△ (7)アラジンバローズ
△ (8)ケイアイパープル
△ (6)スワーヴアラミス
結論 馬複9-11,3,1,7,8,6 (12:12:12:6:6:2) 複勝9 (50)
■有力馬と評価ポイント
◎ (9)クラウンプライド
一昨年のチャンピオンズCの2着馬。同レースでは10番枠から五分のスタート。そこからコントロールして外のレッドソルダードを行かせて、その外2番手を追走。道中もペースが上がらない中で、コントロールしながら2番手を維持。3~4角で楽にレッドソルダードに並びかけて、4角出口で先頭に立った。直線序盤ですっと1馬身差のリード。ラスト1Fで迫るテーオーケインズを振り切ったが、外から捌いて上がったジュンライトボルトに最後は突っ込まれ、クビ差で惜敗した。
初めてのGⅠ制覇となった、4走前のコリアCでもコントロールしながら2番手を追走していたが、かなりペースが遅く、我慢できずに向上面で早々と先頭に立っての大差勝ちだった。このようにクラウンプライドは大半のレースでコントロールして2列目で進めており、スピードがある。
昨年のチャンピオンズCはコリアC優勝後で楽をさせた影響もあり、大幅馬体増で出走。ここでは11着に大敗したが、前々走のサウジCでは9着に善戦。前々走は馬群から離れた後方1,2番手で進めたセニョールバスカドールとウシュバテソーロがワン、ツーを決めたように、前半から先行争いが激化し、かなりの激流。序盤から2列目の好位馬群が広がっていく展開の中目を追走していたが、さすがに苦しくなった。それでもレモンポップに先着したのは大したものだ。
前走のかしわ記念は水の浮く馬場で逃げ馬が圧倒的に有利な日。いつものように2列目の最内を狙って行ったが、前々走の激戦の疲れからか、いつものような前進気勢がなく、1角で外のペプチドナイルに進路をカットされる不利もあり、12着に大敗した。今回はそこから立て直されての一戦。この中間の動きは良く、巻き返してこられる可能性が高い。本来の調子を取り戻せればここは勝ち負けになるだろう。
○ (11)ギガキング
3走前の京浜盃マイラーズCで地方重賞5勝目を挙げた馬。3走前は9番枠から五分のスタートを切ってじわっと先行、前の3頭からやや離れた好位の外目を追走した。3~4角で前2頭が後続を引き離しにかかったが、ここで一気に仕掛けて3番手に上がる。そのまま4角出口で外に誘導すると、ラスト1Fでは2番手。ラスト1Fで甘くなったアランバローズをかわし、外から迫る(7)ナニハサテオキに差を詰めさせることなく、3馬身差で完勝した。
ギガキングは長くいい脚が使える馬。4走前の報知グランプリC時のように、中距離で前半から位置を取りに行くと甘くなる面があるが、前々走のように3~4角から進出していく競馬はベストオブベスト。前走のかしわ記念は11番枠で前と内が有利な馬場に泣く形になったが、前半で脚をタメられれば、この距離、相手強化のここでも2着、3着があっても不思議ない。
▲ (3)テンカハル
昨年の東京ダ2100m戦、ブラジルCの勝ち馬。同レースでは10番枠からやや出遅れ、そこから押して後方中目。道中は淡々と流れて縦長の隊列が形成されていったが、中団馬群の単独後方を追走した。3~4角では中団の内のスペースを拾ってじわじわ進出し、直線序盤でするすると外に誘導しながら伸び、ラスト2Fでは一気に2番手上がった。そのままラスト1Fで先頭のロードヴァレンチを捉え、ダンンラスターの追撃も振り切って1馬身1/4差で完勝した。
テンカハルがブラジルCで記録した指数は重賞で勝ち負けできるもの。矢作厩舎は休養明けから仕上げない厩舎。この馬も長期休養明けの芝の1勝クラスで2番人気に支持されながらも13着に大敗した経緯がある(次走で変わり身を見せて勝利)。休養後の近2走は(1)メイショウフンジンに向く、前有利の展開になったことも災いし、9着、13着と大敗しているが、休養明け3戦目の今回で変わり身を期待したい。
注 (1)メイショウフンジン
前走の平安Sの3着馬。前走は12番枠から五分のスタート。そこから押して進めていたが、内のミトノオーが速く、外枠なので2番手で折り合うことを選択。向正面でミトノオーがペースを落とすと、そこで息を入れて3角へ。3~4角でもミトノオーの外2番手で仕掛けを待ち、4角で同馬が仕掛けると食らいついて2番手で直線へ。序盤で1馬身3/4差までリードを広げられたが、ラスト1Fでミトノオーがやや甘くなり、そこをじわじわ差を詰める。最後にハピにも差されたが、上位2頭と半馬身差の3着を死守した。
前走は2番手に控えたことで、前がやや有利な展開となりミトノオーと共存する形。同型馬が不在だった前々走のブリリアントS同様に展開に恵まれる形となった。今回もハナには行ける可能性が高いが、平安S凡退馬は、昨年のテリオスベルのように好走する馬が多い一方で、平安S好走馬は2022年のケイアイパープルのように、善戦止まりで終わっていることもしばしば。また、今回出走の地方馬たちは前に行きたい馬が多く、そこまで楽なペースでも逃げられないと見てやや評価を下げた。
△ (7)アラジンバローズ
中央時代はOPで2着1回、3着2回の実績馬。特に昨年のエルムS3着馬ロッシュローブと0.1秒差の昨年1月の門司Sが優秀。同レースでは10番枠からまずまずのスタートを切り、外の逃げ馬を前に行かせて3番手を追走。道中は好位の外で進めていたが、3角でソリタリオが並びかけてきたので抵抗して位置を上げ、4角出口で先頭に立った。直線序盤でも先頭を維持していたが、ラスト1Fでロッシュローブに差されて3/4差の2着となった。
このレースは高速馬場ではあるが、レースが緩みなく流れており、差し馬有利の展開。また勝利したロッシュローブはラジンバローズをマークで乗られており、3角でアラジンバローズが仕掛けたところを追い駆けたもの。そこを考えるとかなり強い内容だった。
アラジンバローズはその後、園田に移籍して地方の重賞で1着2回2着1回の実績。勝利しているレースでも2着馬との着差が少なく、中央時代の実績を考えるとやや物足りないが、高速馬場巧者な面も影響しているのだろう。休養明けの前走A1・あじさい賞は出遅れて位置取りが悪くなりすぎた影響もあって7着に崩れたが、ひと叩きされての変わり身を期待したい。
△ (8)ケイアイパープル
一昨年の平安Sの2着馬。同レースでは3番枠からかなり押して出鞭も入れて2列目の外を追走。向上面でじわっと3番手に上がり、3~4角では2頭分そとから前に並びかけて行った。直線ではしぶとく伸びてラスト2Fでは2番手。ラスト1Fで先頭に立って抜け出しかけたところで外からテーオーケインズに突き抜けられ、2馬身半差の2着となった。
前記の平安Sはそのあとに帝王賞を連覇する3着馬メイショウハリオに2馬身半差をつけており、指数も高く、とても強い内容だった。
ケイアイパープルはキックバックが苦手でありながらテンのスピードが速くないという弱点はあるが、追っつけて前に行っても容易にバテないスタミナはある馬。基本的に佐賀、名古屋、金沢は内側の砂厚が深く、場合によってはそこに進路が取れる、言わば裏路線を中心に使われ、そこで活躍してきたが、表路線でも上位争いできる素質はあった。
昨年の名古屋大賞典でハギノアレグリアスと大接戦を演じた後は、しばらく不振だったが、前々走のプリリアントSでは4着に善戦し、復調気配を見せた。同レースでは好位の外でレースを進めていたが、オシュア騎手への手替わりで、キックバックを食らって何度も口向きが外になる場面があったが、それでもがんばれていた。
もう8歳で年齢的に二連続好走が難しくなっているが、前走の赤レンガ記念で3着に敗れたことで疲れが抜けたと見て、ここは一考したい。
△ (6)スワーヴアラミス
2020年のマーチS、2021年のエルムS、そして一昨年の東海Sとダートグレードで3勝の実績がある馬。マーチS、エルムSは先行押し切りだったが、徐々に前に行けなくなり、一昨年11月に南関東に移籍した。
スワーヴアラミスは南関東移籍初戦に川崎ダ2100mの富士見OPを好位の外から早め先頭の競馬で勝利して以降、勝ち星こそないが、南関東の重賞では後方外から長くいい脚を使って、常に善戦している。そして森騎手に乗り替わった昨年の日本テレビ盃では、富士見OP以来の先行策で3着に善戦した。
昨年の日本テレビ盃では10番枠から五分のスタートを切って、じわっと2番手に上がって追走。向正面からミトノオーにプレッシャーをかけていき、4角では先頭。直線入口で外からウシュバテソーロに一気に交わされたが、そこからもしぶとく粘って3着を死守した。
このレースではミトノオー以外にテンが速い馬が出走していなかったというのもあるが、前半3F36秒9で通過しているように、まだまだ相手次第で通用するスピードがある。前記したようにGⅢで3勝の実績があるぶん、ここでは◎(9)クラウンプライドよりも重い斤量58kgも背負わされることになるが、今回は休養明け3戦目。前走の赤レンガ賞では楽に2番手につけられたことから、ここで先行する可能性も視野に入れて少し押さえたい。